使用上の注意移動式クレーンの使用上の注意

移動式クレーン作業に関わる資格等

移動式クレーンの運転、または玉掛けの業務にたずさわる作業者は、それぞれ吊り上げ荷重に応じた所定の資格をもっていなければなりません。詳しくは、機械使用時の資格一覧でご確認ください

クレーン能力 クレーンオペレーター クレーン所有者
0.5t~1t未満
  • 移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育 (つり上げ荷重1t未満)
  • 玉掛けの業務に係る特別教育(つり上げ荷重1t未満のクレーン等にかかわる作業)
  • 定期自主検査(年次検査、月次検査-三年間の記録保存)作業開始前点検
  • 荷重試験・安定度試験(0.5t~3t未満)
1t~3t未満
  • 小型移動式クレーン運転技能講習(つり上荷重1t以上5t未満)
  • 玉掛け技能講習(つり上荷重1t以上)
  • 定期自主検査(年次検査、月次検査-三年間の記録保存)作業開始前点検
  • 荷重試験・安定度試験(0.5t~3t未満)
3t~5t未満
  • 小型移動式クレーン運転技能講習(つり上荷重1t以上5t未満)
  • 玉掛け技能講習(つり上荷重1t以上)
  • 定期自主検査(年次検査、月次検査-三年間の記録保存)作業開始前点検
  • 設置報告
  • 性能試験(移動式クレーン検査証・有効期間の更新)
  • 変更(変更検査)、休止(再使用検査)、廃止届
  • 使用検査(一度廃止届を出したものを再び設置)
5t以上
  • 移動式クレーン運転士免許
  • 定期自主検査(年次検査、月次検査-三年間の記録保存)作業開始前点検
  • 設置報告
  • 性能試験(移動式クレーン検査証・有効期間の更新)
  • 変更(変更検査)、休止(再使用検査)、廃止届
  • 使用検査(一度廃止届を出したものを再び設置)

作業前の注意

クレーンには注意銘板が貼り付けされています。注意銘板に従って作業してください。

  • ヘルメットの装着など、作業に適した服装で作業してください。
  • 必ず作業前点検をし、巻過防止装置、巻過警報装置等に異常の無いことを確認してください。玉掛け用具も合わせて点検してください。
  • クレーンは水平な堅土上に設置してください。また、路肩の崩壊、地盤の不同沈下等のないように十分養生して設置してください。
  • アウトリガはできる限り最大張出状態で作業するように心掛けて、必ずスライド用ロックピンで固定してください。
  • 作業前に巻過警報装置用電源スイッチを必ずONにしてください。走行時はスイッチがOFFになっています。
  • 一般道路上で作業する場合は、本機の前後には立ち入り禁止等の標識を立て、一般の通行人および自動車による事故を防いでください。

作業中の注意

  • クレーン作業は定格荷重以内で行ってください。無理なクレーン作業は事故の元です。オーバーロードは絶対にしないでください。
  • 荷を吊るとブームのたわみによって作業範囲が移動します。吊り荷の動きに注意してください。
  • 操作に慣れるまではゆっくりと操作してください。(レバー操作はゆっくりと)特に旋回操作はゆっくりと操作しないと荷振れして非常に危険です。
  • 作業中は周囲の状況をよく確認し十分に注意して操作してください。吊り荷ばかりに気をとられず、頭上の障害物にも気を配ってください。
  • 後方から側方への旋回は安定が減少しますので、側方へ旋回する場合、安定を確かめながらゆっくりと旋回してください。前方吊上から側方への旋回は特に注意してください。
  • 前方は側方より安定が減少します。前方へ旋回する場合、空車時定格総荷重の4分の1(25%)以下で作業してください。
  • 荷物の吊り降ろし作業では安定が大きく変化します。特に最終荷物の吊り降しには十分注意してください。
  • 荷物の横引き作業や引込み作業をしないでください。横引き、引込み作業はクレーンに過大な負荷が加わり危険です。
  • ブーム伸縮操作時フックが巻げ(伸び)巻下げ(縮み)状態になります。巻きすぎにならないように注意してください。
  • 作業半径内には危険ですので関係者以外は絶対に立ち入らせないでください。
  • クレーン付きトラックの場合、積荷は片荷にならないように均等に積み込んでください。積載物は中心線上に。
  • クレーン付きトラックの場合、積荷を降ろす場合において中抜き(下抜き)作業はしないでください。荷崩れの元になります。

作業終了後の注意

  • ブームを全縮小し、指定された方向に格納して、フックを必ずフック掛けに固定してください。
  • アウトリガは格納してスライドロックピンで固定してください。走行時に備え、ピン固定を忘れずにおこなってください。
  • アクセルレバーを低速の位置に戻し、ロックしてください。
  • クレーン付きトラックの場合、P.T.Oレバー(ボタン)は「断(OFF)」の状態にしておいてください。
  • 巻過警報装置のスイッチをOFFにしておいてください。
  • 格納時にワイヤー巻き過ぎ防止レバーを確認してください。