反力座金とは12個の波形の突起を持った座金です。
従来の倍力レンチや動力式レンチでボルトまたはナットを締め付けるとき、反力が発生します。
この反力を受けるため、レンチには反力レバーが設けられており、隣接したボルトや部材に反力レバーを当てて反力を取ります。
しかし、反力レバーの特性から作業場面で不都合が発生し、反力の取り方で困るケースがありました。
(反力…締め付け方向とは逆方向に回ろうとする力)






座金で反力が取れるため、今まで反力が取れずにあきらめていた部分にも対応できます。
反力レバーが不要のため、レンチの回転部に突起物がなく、指詰めの危険性がありません。安全性と作業効率が大きく向上します。
ボルト・ナットと同軸上で反力を取るので、反力レバーの傾きなどによるこじれが起こりにくく、トルク導入不足を解消することができます。
反力座金で反力を取るので、時間をかけて特殊な反力受けを製作する必要がありません。必要時に、すぐに対応が可能です。

ナットを締め付けていくと、比例してボルトには締め付け力が発生し、反力座金は部材に圧しつけられます。この圧しつける力により発生する座金と部材間の摩擦抵抗が、座金を回そうとする反力トルクTrを支えますので、座金が回らずにナットが回転することになります。
「部材と座金の接触面の摩擦」と「座金とナットの接触面の摩擦」および「ナットとボルトのねじ面の摩擦」のバランスにより、座金が共回りすることなく、しっかり反力を取ることができます。