ガソリン・酸素溶断機(無加圧式) ペトロカッター
アセチレンやプロパンのような可燃性ガスは、ホース内よりガス状で出てきます。
逆火するとトーチから手元へと炎が戻ることがあるので、火傷につながります。
ガソリンは液体が気化してガスになり酸素と混合することで燃え出します。
トーチの先端まで液体だから、
バックファイヤー(逆火)は火口内で止まる
ペトロカッターは液体ガソリンを使用しています。
ペトロカッターは、トーチの先端まで液体であるため、逆火は火口内で止まります。
バックファイヤー(逆火)はここで止まる
- 手元に戻らずヤケドの心配はない
- 炎がホース内を走ることはない
防爆材料が詰められたガソリンタンク
ガソリンタンクには、防爆材料が詰められており、液体ガソリンが一度に気化しない構造になっているので、爆発の心配がありません。アセチレンや、プロパンと違いタンクに穴が開きそこに火が点いたとしても燃えるのみで、爆発はしません。
(ただし、タンク外にこぼれたガソリンは、早急に処理することとしてください。)
タンク内の防爆材料は、
静電気も消去します。
ホース内・トーチ内をガソリンが液体で流れる構造は 水封式安全器と同様な働き
ペトロカッターはホース内・トーチ内をガソリンが液体で流れる構造です。
アセチレンボンベの前に設置する水封式安全器と同様な働きで、防爆材料と共にタンク爆発を防ぎます。
ガソリン炎は、アセチレンやプロパンよりカロリーがありますので、炎が明るく、音も大きくなります。そのため、高い切断能力と、きれいな切断面が得られます。
高出力で厚物も速く切断
高カロリーで効率が良く、速くて“まくれ”“へこみ”が少ないきれいな切断面です。
厚物・重ね切りに驚く威力を発揮
3~300mmの厚物まで切断可能です。FCD(ダクタイル鋳鉄)、マンガン鋼や一部の鋳鉄も切断可能です。
100%の燃焼効率できれいな仕上り
さびや亜鉛引き切断でハネがすくなくきれいに仕上ります。また、ノロが少なく、付いても取れやすいシャープな仕上りです。
再加熱が早い
300mm切断も可能
シャープでノロが少ない
綺麗な断面
亜鉛引き切断にハネがない
錆びに強くにハネがない
アセチレン使用時より機材全体で軽量になるため、移動時の負担が少ない
アセチレン7kgのボンベは重量はおよそ80Kg。
作業時にはそれと合わせて酸素ボンベも移動する必要があります。
カートを使うにしろ作業箇所が広範囲に及ぶ場合は移動が大変です。
T10N100型(タンク容量10L)の場合
ペトロカッターは9~10Lのガソリンでアセチレン7kgと同等の作業がおこなえます。
ガソリンタンク容量10LのT10N100型は満タン時でも本体重量12kg。
移動が多い広範囲の現場や、高所への持ち込みにもアセチレンと比べて負荷なく移動できます。
トーチが軽量で終日作業も疲れにくい
操作性に優れたツインホースと、
軽量なトーチで終日作業も疲れません。
RN3B30型(タンク容量3L)のトーチ重量は600g
T10N100型(タンク容量10L)のトーチ重量は650gです。
365日調達可能なガソリン使用で、調達が容易です。
小型軽量なRN3B30型
RN3B30型はタンク容量3L。
満タン時でも4kgと軽量。手軽に運んだり、引っかけたり、高所の作業でも扱いやすい。
2人作業に適したT10N100型
T10N100型はタンク容量10L、満タン時は12kg。
ひとつのタンクに2つのトーチを使えるためより便利にお使いいただけます。
※酸素消費量はアセチレンより約30%増えますが、作業によっては同等にもなり得ます。
燃料代としては、プロパンも安いですが、酸素消費量が多い事や安全性、作業性から判断されて、採用する企業が増えています。
ペトロカッターのウォームアップの速さはアセチレンに匹敵する速さで赤まり、溶断スピードも速いので、プロパントーチより作業効率があがります
火口は10~15mm離して切断できるので、ハネや熱の影響が少なく、消耗せず、火口が長持ちです。
日々の手入れと正しい溶断方法で3ヶ月~1年使用できます。
ペトロカッター | アセチレントーチ | ||
---|---|---|---|
安全 | 爆発の可能性 | 防爆材料充填のため、無し | 有り |
バックファイヤー | 手元に戻らない | 有り | |
作業性 | 切断速度 | 速い | 普通 |
切断面 | ノロがとても少なくきれい | 粗く汚い | |
燃焼効率 | 100% | 70% | |
カロリー | 約54,000カロリー以上 | 約14,000カロリー | |
切断能力 | 3~300mm | ~50mm程度 | |
重ね切り | 可能 | 難しい | |
サビや塗料 | サビハネが少ない | ハネがあり、火口が詰まり易い | |
亜鉛引き | ほとんどハネがない | 要注意 | |
燃料の調達 | 365日いつでも調達 | 当日は不可能、数日要する | |
容器 | タンク容量10LのT10N100型は ガソリン満タン時でも本体重量12kg。 タンク容量3LのRN3B30型は ガソリン満タン時で本体重量4kg。 軽量のため狭い現場や高所の現場近くへ移動が楽。 |
約80kgでかなり重い。 垂直を保つため、移動が大変。 |
|
経済性 | 消費燃料 | 安い(平均¥1,500/10L) | 高い(平均¥18,000/本) |
酸素消費量 | 約1.3 | 1 | |
火口の耐用日数 | 約90~120日 | 約1~21日 | |
資格 | ガス資格・取り扱い届出 | 資格に該当しないが、作業指揮者を定めて、安全に取り扱う | ガス溶接技能講習修了証が各人必須。 |
従来のガソリン酸素溶断機(oPetrol)は、ガソリンタンク内の空気層に加圧して、ガソリンを押し出すシステムでした。
ペトロカッターは、ガソリンタンクに加圧する事は無く、予熱酸素の流れと火口内真空構造にて、ガソリンを引き込むシステムです。
無圧なので、ガソリンバルブだけを開いても、ガソリンは出てこないため、操作が安心です。
ガソリンバルブを閉めて両方の切り口をタンクより上方に持ち上げれば、ガソリンが飛び散らず、ホース内に火が入ることもありません。
保護も兼ねて、ガソリンタンクの上に防炎シートなどをかけるのも良いと思います。
※保管する時は、炎天下を避けて、風雨の当らない風通しの良い場所を選んでください。
無加圧式なので、ポンプアップの必要がなく、作業開始が早くなります。
着火時のガソリン漏れトラブルの煩わしさがなく、スムーズに作業に取り掛かることができます。
また、作業途中に手押し作業が発生しないため、中断のない効率の良い切断がおこなえます。
無加圧式は密封する必要がないので、ガソリンを満タンに入れられ連続作業に役立ちます。
3~5ミリで濃いブルーの炎芯が
調整炎です
着火(通常時)
順番に着火すると液だれなく簡単に調整ができます。
酸素混合バルブを90度以上開き、ガソリンバルブを少しづつ開いて、白いミストになるのを待ち、そのミストに着火します。
着火したら、ガソリンバルブをその位置で止めます。
炎の調整
点火後、炎の調整はガソリンバルブと混合酸素バルブを交互に回しておこないます。
次にガソリンバルブをゆっくりと開いていくと、音が大きくなり、炎心に濃いブルーの王冠が現れます(3~5ミリで調整)。炎が弱いときは、混合酸素多く出して流れを強くし、ガソリンバルブで調整します。
火口の先端を廃材などに斜めに押し当て、輻射熱で暖めると早く調整ができます。火口先端に赤い火が消えるか消えない程度で、炎心が3~5ミリできていれば作業開始できます。
※火口部分で気化するため、作業開始時には通常より数秒多く調整にかかることもありますが、炎芯が3~5ミリで濃いブルーであれば切断可能です。
- コンクリートが詰まった管のはつり
- 亜鉛メッキ桶の解体
- 橋梁耐震装置の撤去
- 錆びたはしけの解体
- 車解体
- 車軸の解体
- 土留めシートパイル
大型トラック・バネ7枚重ね
クロームメッキ
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錆びた船の引き込みレール
ピアノ線切断
285mm丸棒切断
試行申請型(請負契約締結後提案の場合)および施工者希望型の公共工事のにおいて、施工者がNETISに登録された技術の活用を提案し、実際に工事で活用された場合、活用の効果に応じて工事成績評定での加点の対象となります。
「有用な新技術」とは?
公共工事などにおける新技術活用システム実施要領で定める「推奨技術、準推奨技術、評価促進技術、活用促進技術、活用促進技術(旧実施要領)、設計比較対象技術(旧実施要領)、少実績優良技術(旧実施要領)」です。
評価方法、配点などについては提案をおこなった地方整備局などによって異なります。
施工者からの活用提案による加点について
NETIS(新技術)区分 | 工事成績評定 ※活用効果調査結果提出必須(-VEを除く) |
総合評価落札方式 | ||
---|---|---|---|---|
事後評価未実施技術 (-A) |
活用の効果が 相当程度 |
― | +3点 (実加点1.2点) |
新技術活用において加点あり。 ※地方局により異なる。 |
活用の効果が 一定程度 |
― | +2点 (実加点0.8点) |
||
活用の効果が 従来技術と同程度 |
― | +1点 (実加点0.4点) |
||
事後評価実施済技術 (-V、-VE、-VR) |
活用の効果が 相当程度 |
「有用な新技術」以外 | +2点 (実加点0.8点) |
|
「有用な新技術」 | +3点 (実加点1.2点) |
|||
活用の効果が 一定程度 |
「有用な新技術」以外 | +1点 (実加点0.4点) |
||
「有用な新技術」 | +2点 (実加点0.8点) |
|||
活用の効果が 従来技術と同程度 |
「有用な新技術」以外 | +0点 | ||
「有用な新技術」 | +1点 (実加点0.4点) |
2015年10月現在 レント調べ
仕様表
商品コード | 245055 | 245054 | |
---|---|---|---|
商品名 | ペトロカッター3~40/3L | ペトロカッター10~100/10L | |
メーカー | ヨコカワコーポレーション | ||
型式 | RN3B30型 | T10N100型 | |
ガソリン タンク |
重量 (kg) | 1.7 | 4 |
容量 (L) | 3 | 10 | |
高さ (mm) | 290 | 360 | |
直径 (mm) | 170 | 265 | |
タンク | 無加圧式 | ||
構造 | 防爆構造 | ||
切断 トーチ |
トーチ寸法 (mm) | 450 | 520 |
トーチ重量 (g) | 600 | 650 | |
酸素逆流防止弁 | コネクター内蔵 | ||
ホース | 種類 | ツインホース(ガソリン&酸素) | |
長さ (m) | 10 | ||
ホース重量 (kg) | 2 | ||
NETIS登録番号 | KT-160049-VR |
RN3B30型
T10N100型
作業再開時には、ガソリンバルブは締め、給油口をゆっくり少し開いて内圧を開放してください。
ガソリンタンクは直立に置き、無圧状態で使用しますので、戸外など環境温度によってガソリンタンクの内圧力が上がることはありませんが、保管状況とガソリンの残量によっては多少の内圧変化ある事もあります。
ガソリンホースが切断時の対応
ガソリンホースが切れた時、調整炎か消えますので、気づいたらすぐに、トーチのガソリンバルブを閉め、両方のホース切り口をタンクより上方に持ち上げてください。持ち上げると、ガソリンの流出はとまります。そして、ガソリンタンクのバルブを 締めてください。
高所作業はガソリンタンクと切断トーチを高低差3m以内で作業してください。
液体ガソリンを使用しているため、気圧の影響を多少受けます。ガソリンタンクを作業現場と同位以上の高位置に設置、或いは火花が及ばないほどの現場近くに運んでください。
保管する時は炎天下を避けて、風雨の当らない風通しの良い場所を選んでください。
取り扱い資格について
ヨコカワコーポレーションのガソリン・酸素溶断機の使用には、ガス溶接の定義に該当しないため、“ガス溶接技能講習修了証“の所持の必要はありません。
(ヨコカワコーポレーションによる労働基準局安全課への確認)
しかしながら、少量であっても液体ガソリンが危険物であることから、労働安全衛生法規則の第257号に基づき、機器・設備の点検や作業環境を指揮する“作業指揮者”を定め、異常などを認めた時は、直ちに必要な措置をとり、それを記録することとしてください。
【参考資料】
労働安全衛生規則第四章 爆発、火災等の帽子(第二百四十八章─第三百二十八条の五)
第二節 危険物の取扱い等
(作業指導者)
第二百五十七条 事業者は、危険物を製造し、又は取り扱う作業(令第六条第二号又は第八条に掲げる作業を除く。)を行うときは、当該作業の指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させるとともに、次の事項を行わせなければならない。
1.危険物を製造し、又は取り扱う設備及び当該設備の附属設備について、随時点検し、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること。
2.危険物を製造し、又は取り扱う設備及び当該設備の附属設備がある場所における温度、湿度、遮(しゃ)光及び換気の状態等について、随時点検し、異常を認めたときには、直ちに、必要な措置をとること。
3.全各号に掲げるもののほか、危険物の取扱いの状況について、随時点検し、異常を認めたときは、直ちに、必要な措置を取ること。
4.全各号の規定によりとつた措置について、記録しておくこと。
【可燃ガス】とは、酸素又は空気と混合して点火するち光と熱を発して燃焼するガスをいう
可燃ガスは、常温、常圧(15℃、1気圧)の状態においては、気体であるが、加圧されて液状になるものがある。液体で貯蔵・保管できるものもある。
関連商品
商品コード | 商品名 | 備考 |
---|---|---|
245056 | 酸素調整器一式 | 継手入口側W22-14山(袋ナット) |
245057 | 酸素調整器一式/関西式 | 継手入口側W23-14山(取付ネジ) |
281088 | ペトロカッター用酸素延長ホース20m | |
245053 | ペトロカッター用トーチ100~300 | 300型、適応機種 T10N |
販売品
商品 コード |
商品名 | 火口 № |
火口寸法 (mm) |
火口重量 (g) |
カット酸素 口径 (mm) |
酸素圧 (Mps) |
適切 切断厚 |
ガソリン 消費量 (L/h) |
適用機種 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
541463 | ペトロカッター 3L火口NO.1 |
No.1 | 55 | 40 | 0.7 | 0.3~0.4 | 3~15 | 0.2~0.5 | RN3B30型 |
541464 | ペトロカッター 3L火口NO.2 |
No.2 | 0.9 | 0.4~0.5 | 15~25 | ||||
541465 | ペトロカッター 3L火口NO.3 |
No.3 | 1.1 | 0.5 | 25~40 | ||||
541467 | ペトロカッター 10L火口NO.1 |
No.1 | 64 | 50 | 1.0 | 0.5 | 10~25 | 0.4~0.7 | T10N100型 |
541468 | ペトロカッター 10L火口NO.2 |
No.2 | 1.3 | 0.5 | 25~50 | ||||
541469 | ペトロカッター 10L火口NO.3 |
No.3 | 1.6 | 0.55~0.65 | 50~100 | ||||
― | ペトロカッター 火口300型NO.1 |
No.1 | 72 | 60 | 2 | 0.6~0.7 | 100~200 | 0.6~1.0 | T10N100型 |
― | ペトロカッター 火口300型NO.2 |
No.2 | 2.5 | 0.7~0.8 | 150~250 | ||||
― | ペトロカッター 火口300型NO.3 |
No.3 | 3 | 1.0~1.2 | 200~300 |