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造船業などで大型鋼板溶接時、磁石とテコの原理を応用したレベリング工具です。 大型鋼板のレベル合わせが簡単におこなうことができます。 しかも、残留磁力を抑えており、微細な位置調整もスムーズにおこなえます。 鋼材の目違い合わせ作業に割いていた時間を大幅な削減に役立ちます。
低い側の鋼鈑に位置を決めて、マグネットTハンドルを押しながら時計回りに回転させて鋼板に吸着させる
回転レバーをおろして目違い箇所を目視しながらレベルを調整
目違いが解消された鋼板のシーム箇所を溶接
マグネットTハンドルを押しながら反時計回りに回転させて吸着解除し作業完了
低い側の鋼板に位置を決めて、L字型の金具を溶接
金具にクサビを通してハンマーでたたいてレベル調整
クサビをハンマーでたたいて金具から外す
溶接した金具をハンマーでたたいて鋼板から外す
金具の溶接跡をサンダーで削り取り除いたら作業完了
鋼板は大型で取り回しが難しい重量物です。 鋼板を扱う作業者の負担を軽減し、安全な作業方法で目違い合わせをおこなえます。
従来のマグネット工具は、1つのマグネットと2つの鉄製フレームで構成されています。この構造では、1つのマグネットを回転させてON/OFF切替をおこなっているため鉄製フレームの残留磁力により完全なOFFにはならず、マグネット工具表面には常に鉄粉が残る問題がありました。マグプライをはじめとするマグスイッチシリーズは鉄粉付着の問題を解消しています。
従来のマグネット工具
鋼材段差調整マグネット治具 マグプライは、マグスイッチ社製のマグネット工具類、マグスイッチシリーズの一つです。 米国マグスイッチ社は、円形の2層の永久磁石と磁場の方向性を高めるハウジング構造と磁性体の極性の位置を変化させ磁界をコントロールする技術で国際特許を取得しました。 マグネット工具の、磁力のオンからオフ、オフからオンへスムーズな切り替え、ワークへの強力な方向性をもつ磁場発生などが可能になりました。 この技術はマグスイッチだけです。 開発以来10年、いま全世界のものづくりの現場で、また自動車工業などの業務用の生産ラインで、広く使われています。
磁場の大きさは極間の磁石幅、磁石サイズの体積に比例した潜在磁力で決まります。実際、保持力というのはワークに対して、磁性体が飽和状態をどこまで実現できるかの能力(飽和磁束密度)です。これは、マグネット自体の磁力、形状、極性の方向、マグネットを囲むハウジングの形状や、表面腐食度、両極の接触の度合い、対象物の組成、厚さに左右されます。
マグスイッチ社のコア特許技術は、2つのマグネットを重ねて、上部のマグネットを180度回転する構造を作り、2層のマグネットの極性を合わせることにより(同極)強力な磁界を発生させ、また180度回転させ、異なる極性を合わせることにより(異極)磁界を打ち消す構造を考案しました。 また、マグネットを囲むハウジングの1つの相対する辺を薄く、もう一つの相対する辺を厚くすることにより、外部に漏れる磁力を極限まで押え、磁力をハウジングの中に閉じ込めワークの方向に集中的に磁力を放出する磁界コントロールが可能になりました。
マグスイッチのマグネット構造の側面からみた磁場解析図
2層のマグネットの極性を合わせ強力な磁力が発生し、ハウジング内で磁場を閉じ込め、ワーク方向に集中して磁場が発生しているのがわかる。ハウジングの外にはほとんど磁力は漏れていない。
仕様表
※ワーク仕様2インチ厚、米国スチール規格 SAE1018、表面粗度63ミクロンの場合
ワークの板厚に対する最大吸着力
寸法図