後方小旋回バックホウ
後端旋回半径比(※)が120%以内のコンパクトなボディサイズで、旋回時の車体後方の安全確保に有効です。
狭い現場でも後部を気にせず、スムーズに作業がおこなえます。
※ 後端旋回半径比(%)=(後端旋回半径)×2/(クローラ全幅)×100
オートアイドルストップ(AIS)とは、以前から省エネや環境負荷低減の視点から励行されてきた、手動によるアイドリングストップを乗降遮断式レバーと連動させて自動化した機能です。
乗降遮断式レバーが上がると一定時間後にエンジンを停止させます。これにより、オペレータが機械から離れ、作業していないときは、エンジンを停止してムダな燃料消費をなくすことが自動的におこなえます。
手動と違い、機械から離れる際のエンジン停止忘れがなくなることにより、アイドリングストップを確実に実行できます。燃料消費量およびCO2排出量の大幅な低減をはじめ、無人機の安全確保、作動時間の減少による騒音低減などにも役立ちます。
オートアイドルストップ機能の作動例
スイッチをONにした状態でゲートロックレバー(乗降遮断レバー)を上げると、4秒後にエンジン回転数が下がり、自動停止5秒前に警報音が鳴ります。そして60秒後にエンジンが停止します。再始動は通常と同じ手順にてキーより始動します。
※機種により作動時間は異なるため、レンタル時ご確認ください。
力強い油圧ショベルの動き、その絶大なパワーは大きなエンジンが生み出します。
走ることで外気を吸気するトラックなどとは異なり、油圧ショベルはほとんど移動せずに稼働するので、エンジンを冷やすため冷却ファンを目いっぱい回して外気を取り込んでいます。
この冷却ファンとラジエターなどの冷却機器をセットで冷却システムと呼んでいます。
iNDrは、Integrated Noise & Dust Reduction Cooling Systemの略で、低騒音化(ノイズの除去)と防じん(ダストの除去)という2つの機能をあわせもつ先進の冷却システムです。
油圧ショベルには騒音規制があります。国内の場合だと低騒音と超低騒音の2段階で、規制値はエンジン出力により異なります。たとえば出力110kWの油圧ショベル(20トン機)だと低騒音が106dB以下、超低騒音が100dB未満です。iNDrはその超低騒音の規制値をはるかに超えた静かさを実現しており、“極低騒音”と形容されています。
10dBの削減は、人間の感じ方で半分以下の低騒音化
低騒音化によるメリット
- オペレーターの快適性向上
- 低騒音化で周辺の作業員の安全性向上
- 現場周辺への配慮
音の大小は、その単位であるdB(デシベル)とエネルギー、人間の感じ方で一律に比例するものではありません。例えば3dBの差は、エネルギーで2倍も違いますが、人間の耳ではほとんど識別できません。マイナス10dBの低騒音化は、エネルギーを10分の1に、感じ方で半分以下にしたということ。数字のイメージとはかけ離れた驚くほどの騒音削減です。
油圧ショベルは地面を掘る機械です。
乾燥した日には土埃の中で一日中動きますから、やはり大量にホコリを吸い込みます。
iNDrがつくりだすダクト内環境は、ホコリがほとんどない世界です。
目詰まりが原因で冷却機器の熱交換効率が下がることはまずなく、エンジン吸気用のエアクリーナも汚れ知らず。
オーバーヒートの原因、冷却機器の目詰まりによる熱交換効率がの低下を防ぐ
外気はダクト内部に吸入されると真っ先にiNDrフィルタを通過し、浮遊する粉塵が除去されます。iNDrフィルタは1インチの幅にタテヨコともに60目数ある網、いわゆる60メッシュのスクリーンで構成され、表面積が広く、しかも目詰まりしにくいアコーディオン型です。
お手入れは目視チェックとカンタン清掃
冷却機器の点検・清掃をする場合、ラジエータ、オイルクーラ、インタークーラとその対象はいくつかあり、それぞれに方法が違います。また、時間も労力も掛かります。ところがiNDrの場合は基本的にiNDrフィルタ1カ所。始業時チェックで汚れが目立てば取り外し、サッと清掃するだけです。
冷却システムをしっかりと機能させるにはいくつかの方法が考えられますが、採用によるデメリットも存在します。
油圧ショベルにおいて冷却性能を追求するということは、いわゆる小旋回化や低騒音化、イージーメンテナンスとは相反するテーマでした。
冷却システムをしっかりと機能させる方法と各デメリット
- 大型冷却機器の採用
- → ボディのコンパクト化と矛盾。
- 強力な冷却ファンの採用
- → 騒音が一気に大きくなってしまう。
- 広い吸気口の採用
- → 大きな運転音が機外に漏れることになる。
ホコリの侵入も許してしまう。
油圧ショベルの騒音値は、エンジン音、油圧音、走行音などさまざまです。冷却ファンから発生する音は、それらの中でも大きな割合を占めています。外気を取り込むためにも、冷却ファンは吸気口のすぐ奥に配置されていることが多く、回転音がダイレクトに吸気口から機外に漏れ出していたのです。
iNDrが斬新なのはその発想です。これまでの冷却方法が風をあてる扇風方式だとしたら、iNDrは空気の通り道をつくって風を誘導する「風の道」方式を採用しています。
ダクト化という考え方
「風の道」をつくるために、吸気口から排気口まで大きなダクトに見立て、その内部に冷却機器やエンジンをレイアウトする。そうした着想がiNDrの基本構造です。
すき間をふさぎ、空気の出入口を集中させることにより、運転音の漏れも、ホコリの侵入も、それぞれに対策が容易になりました。
騒音の出口、すなわち吸気口や排気口の幅や高さ、奥行きなどを微妙に変えながら騒音の最小値を求めました。
お手入れは目視チェックとカンタン清掃
音は壁にぶつかることで、大きくパワーを失います。大きな冷却ファンの騒音もエンジン音も、ダクトの壁に何度もぶつかりながら機外に出るまでに次第に弱まります。音源から直線的に機外に出さない、そう考えた結果、「風の道」にコーナーを設けるアイデアが生まれました。
iNDrは、吸気口と冷却ファンを直線上にレイアウトしない、オフセットダクト構造です。
マスクという考え方
油圧ショベルのコンディションを守るiNDrフィルタを採用しました。
掲載機種は、平成18年施行のオフロード法(特定特殊自動車排出ガス規制等に関する法律)に適合した機種もございます。
建設機械の排出ガス対策は、平成3年より排出ガス対策型建設機械指定制度が実施され、平成13年より第2次基準値、平成18年より第3次基準値が設けられています。
各機種により対応基準が異なりますので、仕様表にてご確認ください。
国土交通省が指定した「超低騒音型建設機械」、または「騒音型建設機械」に該当します。
作業時の周囲環境にも万全の配慮。
「超低騒音型建設機械」は、国土交通省が規定した低騒音型建設機械の騒音基準値 (該当機種の場合99dB) から、さらに6dB減じた値を下回る騒音の測定値を得ています。
各機種により対応基準が異なりますので、仕様表にてご確認ください。
仕様表
商品コード | 142360 | 730118 | 730160 | |||
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商品名 | 小旋回掘削機0.25R | 小旋回掘削機0.25R | 小旋回掘削機0.4GP w | |||
メーカー | ヤンマー(YANMAR) | ヤンマー(YANMAR) | コベルコ建機(KOBELCO) | |||
メーカー名称 | 後方超小旋回 ミニショベル GLOBAL Vio |
後方超小旋回 ミニショベル GLOBAL Vio |
油圧ショベル アセラ・ジオスペック (ACERA GEOSPEC) |
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型式 | Vio70-3 | Vio70-3A | Vio70-3 | SK125SR | ||
性能 | バケット容量[旧JIS] (m3) | 0.28[0.25] | 0.28[0.25] | 0.45[0.4] | ||
旋回速度 (min-1[rpm]) | 10 | 10 | 11.5 | |||
走行速度(高速/低速) (km/h) | 4.7/2.7 | 4.9/2.9 | 4.7/2.7 | 5.6/3.4 | ||
登坂能力 (%[度]) | ― | ― | 70[35] | |||
最大掘削力 (kN[kgf]) | バケット | 54.8[5,590] | 54.8[5,590] | 90.1[9,190] | ||
アーム | ― | ― | 64.4[6,560] | |||
接地圧 (kPa[kg/cm2]) | 32.9[0.335] | 32.4[0.331] | 32.9[0.335] | 42[0.43] | ||
運転整備重量 (kg) | 7,550 | 7,450 | 7,550 | 13,000 | ||
エンジン | 定格出力 (kW/min-1[PS/rpm]) | 43.4/2,000 [59/2,000] |
41.5/2,000 [56.4/2,000] |
43.4/2,000 [59/2,000] |
69.2/2,000 [92.8/2,000] |
|
燃料タンク容量(軽油) (L) | 100 | 100 | 200 | |||
シュー型式 | 鉄クローラ(ゴムパット) | |||||
寸法 (mm) |
全長 ※運搬時 | 6,210 | 6,210 | 7,410 | ||
全高 ※運搬時 | 2,630 | 2,630 | 2,820 | |||
全幅 | 2,270 | 2,270 | 2,490 | |||
履帯中心距離 | 1,870 | 1,870 | 1,990 | |||
履帯幅 | 450 | 450 | 500 | |||
クローラ全長 | 2,890 | 2,890 | 3,580 | |||
後端旋回半径 | 1,130 | 1,130 | 1,490 | |||
最低地上高 | 380 | 380 | 440 | |||
バケット幅 | 750 | 750 | 900 | |||
ブレード (幅×高) | 2,260×450 | 2,260×450 | ― | |||
作動 範囲 |
最大掘削深さ (mm) | A | 4,200 | 4,200 | 5,520 | |
最大垂直堀深さ (mm) | B | 3,500 | 3,500 | 4,890 | ||
最大掘削半径 (mm) | C | 6,880 | 6,880 | 8,340 | ||
最大床面掘削半径 (mm) | D | 6,740 | 6,740 | 8,190 | ||
最大掘削高さ (mm) | E | 7,050 | 7,050 | 9,190 | ||
最大ダンプ高さ (mm) | F | 4,920 | 4,920 | 6,740 | ||
最小ダンプ高さ (mm) | G | 2,150 | 2,150 | 2,580 | ||
最小旋回半径 [スイング時] (mm) |
H | 2,120[1,700] | 2,120[1,700] | 2,000 | ||
ブームスイング角度(右・左) | 68・68 | 68・68 | ― | |||
バケットオフセット量(右・左) (mm) | 550・770 | 550・770 | ― | |||
ブレード 揚程(上・下) (mm) | 460・440 | 460・440 | ― | |||
低騒音指定状況 | 低 | 低 | 超低 | |||
排ガス指定状況 | 2次 | オフロード (2006年基準) |
2次 | オフロード (2006年基準) |
寸法図
作動範囲図