代表的な溶接機の種類8選丨特徴と選び方、使用時の注意点を解説

溶接機を手配しようとしたとき、「種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない」とお困りではありませんか。

溶接機は、対応する素材・仕上がりの品質・使用する環境によって適した機種が異なります。本記事では、現場でよく使われる溶接機を8種類に分けて、それぞれの特徴を整理します。作業に合った溶接機を選ぶ際の参考にしてください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、用途に応じた溶接機を幅広く取りそろえています。現場ごとに最適な機種を選べるうえ、補償サービスも充実しています。以下のボタンからお気軽に見積もりをご依頼ください。

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代表的な溶接機の種類一覧

溶接機は、溶接の仕組みや使うガスの違いによって、複数の種類に分かれます。

溶接方式 種類
アーク溶接機 (1)半自動溶接機(CO2/MAG)
(2)半自動溶接機(MIG)
(3)直流アーク溶接機
(4)交流アーク溶接機
(5)エンジンウェルダー
(6)バッテリー溶接機
TIG溶接機 (7)TIG溶接機
その他の溶接機 (8)特殊な用途で使う溶接機

なお、TIG溶接も広い意味ではアーク溶接の一種ですが、仕組みや用途が大きく異なるため、ここでは分けて紹介しています。

では、順に見ていきましょう。

1.半自動溶接機(CO2/MAG)

【活用シーン】

  • 建設現場や鉄骨工事
  • 工場や製造現場での部品加工や量産作業
  • 設備の補修やメンテナンス など

CO2/MAG溶接機は、ワイヤーを自動で送りながら溶接する半自動溶接機の一種です。主に鉄や低合金鋼の溶接に使われており、建設現場での鉄骨の接合から工場での部品加工まで、幅広い現場で活用されています。

CO2溶接とMAG溶接の違いは、シールドガスの種類です。

種類 違い
CO2溶接
  • 炭酸ガスのみを使用
  • 溶け込みが深く強度を出しやすい
MAG溶接
  • アルゴンと炭酸ガスの混合ガスを使用
  • 火花の飛び散り(スパッタ)が少なく仕上がりのバランスが良い

シールドガスを使用する性質上、風の影響を受けやすい点には注意が必要です。屋外で使用する場合は、ノンガスワイヤー対応の機種を選ぶと安定した作業ができます。

半自動溶接機(CO2/MAG)の詳細を見る

2.半自動溶接機(MIG)

【活用シーン】

  • 工場の量産作業
  • アルミ・ステンレスの溶接 など

MIG溶接機は、CO2/MAG溶接機と同じ半自動溶接機の一種ですが、シールドガスに不活性ガス(アルゴンなど)を使用する点が異なります。アルミやステンレスなどの非鉄金属の溶接に向いており、金属のカス(スラグ)がほとんど発生しないため後処理の手間が少なく、仕上がりがきれいです。

一方で、CO2/MAG溶接機と同様に風の影響を受けやすいため、主に屋内での作業に向いています。

半自動溶接機(MIG)の詳細を見る

3.直流アーク溶接機

【活用シーン】

  • 配管現場
  • 狭所作業
  • 補修溶接
  • 鉄骨構造物の施工 など

直流アーク溶接機は、アークが安定しやすく、初心者でも比較的扱いやすい機種といえます。シールドガスを使わないため、重いボンベを持ち運ぶ必要がなく、取り回しがしやすいのがポイントです。

また、溶接棒は、手動で交換する必要があるため、長い距離を連続して溶接する場合は半自動溶接機よりも作業効率が下がることがあります。

直流アーク溶接機の詳細を見る

4.交流アーク溶接機

【活用シーン】

  • 簡易的な溶接作業
  • コストを抑えたい現場 など

交流アーク溶接機は、鉄材の溶接に使われることが多く、設備の簡易補修や小規模な鉄骨の仮付け作業などに適しています。直流アーク溶接機と比べて価格が安く、構造がシンプルで耐久性が高い点がメリットです。

一方、アークが不安定になりやすく、精密な仕上がりよりも簡易的な溶接に向いています。作業内容や求める仕上がりに応じて、直流タイプとの使い分けを検討しましょう。

交流アーク溶接機の詳細を見る

5.エンジンウェルダー

【活用シーン】

  • 建設現場やインフラ工事
  • 電源が確保できない現場
  • 溶接と同時に投光器や電動工具の電源確保が必要な現場など

エンジン駆動のエンジンウェルダーは、山間部の工事やインフラ整備、トンネル内の作業など、電力の確保が難しい現場で力を発揮します。発電機としても使えるため、1台で溶接と電動工具・投光器への電源供給を同時にまかなえる点が特徴です。

一方で、エンジンによる騒音や排ガスが発生するため、使う環境に配慮が必要です。また、重量があるため据え付け場所や搬入経路を事前に確認しておきましょう。

出力帯(アンペア数)や発電容量は機種ごとに異なるため、溶接する母材の板厚や同時使用する電動工具の消費電力にあわせて選定してください。

エンジンウェルダー(130~200A)の詳細を見る

エンジンウェルダー(300~400A)の詳細を見る

エンジンウェルダー(自動アイドリングストップ付/300A・340A)の詳細を見る

6.バッテリー溶接機

【活用シーン】

  • 簡易補修作業
  • 小規模な現場 など

バッテリー溶接機は、内蔵バッテリーを電源とする溶接機です。エンジンウェルダーと同様に外部電源が不要ですが、エンジンを持たないため軽量で持ち運びしやすく、騒音も発生しません。

設備の補修やちょっとした作業など、電源を用意するほどではない場面に適しています。バッテリー容量により出力と連続使用時間に限りがあるため、使用前に充電が十分であるかを確認しておきましょう。

バッテリー溶接機の詳細を見る

7.TIG溶接機

【活用シーン】

  • ステンレスやアルミの溶接
  • 外観品質が求められる製品
  • 配管や精密部品 など

タングステン電極と不活性ガス(アルゴンなど)を使って金属を接合する溶接機を、TIG溶接機といいます。鉄やアルミ、ステンレス、チタンなど幅広い金属に対応でき、火花の飛び散り(スパッタ)がほとんど発生しないため、仕上がりがきれいなのが特徴です。

ただし、溶接速度が遅く広範囲の作業には時間がかかるうえ、操作には高い技術が求められるため、経験のある作業者が担当するのが一般的です。

TIG溶接機の詳細を見る

8.特殊な用途で使う溶接機

ここでは、工場や製造ラインなど、限定された用途で使われる機種を紹介します。特定の素材や部品に合わせて設計されており、専門性が高く、使用する場面が限られます。

種類 概要 主な用途
CDスタッド溶接機 コンデンサ放電を使い、金属のボルトやピンと母材を瞬時に溶接する
  • 鉄・ステンレス・銅・黄銅など、同種金属あるいは異種金属の溶接
アークスタッド溶接機 電気アーク(放電)によりボルトやピンと母材を高強度で溶接する
  • ボルトやピン(スタッド)の接合
  • 建築・土木の構造物
スポット溶接機 薄い金属板同士をすばやく効率的に溶接する
  • 薄板・パイプ構造物
  • 自動車板金
保温材・断熱材専用ピン溶接機(ATウェルダー) 空調ダクトなどに断熱材を固定する
  • 空調ダクトの断熱材の固定
配管自動TIG溶接機(パイプオート) ステンレス管などの円周パイプを自動でTIG溶接する
  • 食品・医薬関連の衛生配管
  • 半導体・発電プラント
ロウ付機 母材を溶かさず、接着剤となるロウ材を熱して隙間に流し込み溶接する
  • 空調冷媒配管(銅管)
  • 精密部品・薄板の接合

種類の解説は以上です。次に、用途に合った溶接機の選び方を見ていきましょう。

【比較表】溶接機の選び方

ここまで紹介した溶接機の特徴を、一覧で比較します。

溶接方式 種類 溶接する母材 求める仕上がり 適した現場環境
アーク溶接機 (1)半自動溶接機(CO2/MAG) 鉄、低合金鋼
  • 溶け込みが深く高強度
  • 火花の飛び散りはやや多い
  • 屋内中心(ノンガスワイヤ使用で屋外も可)
  • 電源あり
(2)半自動溶接機(MIG) アルミ、ステンレス、鉄
  • 火花の飛び散り・金属のカスが少なくきれい
  • 屋内
  • 電源あり
(3)直流アーク溶接機
  • 仕上がりは標準的
  • アークが安定し扱いやすい
  • 屋内外(風の影響に強い)
  • 電源あり
(4)交流アーク溶接機
  • 仕上がりは粗め
  • 簡易的な接合向き
  • 屋内外(風の影響に強い)
  • 電源あり
(5)エンジンウェルダー
  • 仕上がりは標準的
  • 屋外
  • 電源なし
(6)バッテリー溶接機
  • 仕上がりは標準的
  • 短時間の補修向け
  • 屋外
  • 電源なし
  • 小規模
TIG溶接機 (7)TIG溶接機 鉄、アルミ、ステンレス、チタン
  • 火花の飛び散りがなくきれい
  • 外観重視
  • 屋内中心
  • 電源あり(エンジン式の機種もあり)
その他の溶接機 (8)特殊な用途で使う溶接機

※表は横にスクロールできます。

まず「どの母材を溶接するか」で候補を絞り、次に「仕上がり品質」と「作業環境」で機種を選ぶのが基本の流れです。

例えば、鉄の鉄骨工事で強度を重視するならCO2/MAG溶接機、アルミやステンレスで仕上がりを重視するならTIG溶接機やMIG溶接機が選択肢になります。電源が確保できない屋外現場であれば、エンジンウェルダーやバッテリー溶接機を検討します。

迷った場合は、上の表を見ながら「母材→仕上がり→環境」の順に条件を当てはめてみてください。

溶接機を使うときの注意点

溶接作業は、高温・強い光・有害なヒュームなど複数の危険がともないます。ここでは、安全に作業を進めるために押さえておきたいポイントを紹介します。

なお、アーク溶接作業をおこなうには、労働安全衛生法にもとづく特別教育(アーク溶接等の業務に係る特別教育)の受講が必要です。受講していない作業者は溶接作業をおこなえないので、手配する前にご確認ください。

では、順に見ていきましょう。

1.保護具を正しく着用する

溶接作業では、必ず保護具を着用してください。溶接時に発生する強い紫外線や火花、高温の金属片、有害なヒュームは、短時間の作業でも身体に影響を及ぼすおそれがあるためです。

「少しの作業だから大丈夫」と油断せず、以下の保護具を身につけてから作業に入りましょう。

【保護具の例】

  • 溶接面(遮光面):紫外線や強い光から目や顔を守る
  • 溶接用の革手袋:高温や火花、感電から手を保護する
  • 保護衣(皮エプロンなど):火花や高温金属から身体を守る
  • 呼吸用保護具(防じんマスク):ヒューム(有害な金属の煙)の吸入を防ぐ

なお、溶接ヒュームは、2021年4月の特定化学物質障害予防規則の改正により、特定化学物質(管理第2類物質)に指定され、屋内外を問わず呼吸用保護具の使用が義務付けられています。屋内作業場ではさらに、溶接ヒューム濃度の測定や換気装置の設置なども求められます。

詳しい対策については、以下の記事もあわせてご覧ください。

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溶接作業に携わる方々、あるいはその管理・監督を担う方々にとって、「溶接ヒューム」という言葉は、もはや避けて通れない重要なキーワードとなっています。 特に近年、労働安全衛生法の改正により、その管理と対策は以前にも増して厳格化され、企業には具[…]

2.作業環境の安全を確保する

事故を防ぐための作業環境づくりも重要です。溶接作業では、火花の飛散や強い光により、作業者だけでなく周囲の人や設備にも影響を及ぼす可能性があります。

作業前に以下の点を確認し、安全な環境を整えてから作業を開始してください。

【作業環境の例】

  • 周囲に可燃物がないことを確認する
  • 高温・湿気・ほこりを避け、放熱のため周囲に十分なスペースを確保する
  • 屋内では換気設備や局所排気の有無を確認する
  • 周囲の人が強い光や火花を受けないよう、養生や区画分けをおこなう

「自分だけ気をつければよい」と考えず、周囲の安全にも目を向けるようにしましょう。

3.日常点検とメンテナンスを欠かさない

溶接機はヒュームやほこりの影響を受けやすく、定期的な点検が必要です。点検を怠ると、感電や火災、溶接品質の低下などにつながるおそれがあります。「まだ動いているから大丈夫」と思わず、日頃から点検を習慣づけておきましょう。

【必要な点検項目の例】

  • 電源ケーブルや溶接ケーブルに傷・断線がないかを目視で確認する
  • ノズルに付着した火花の飛び散り(スパッタ)を除去する
  • 定期的に内部清掃と部品交換をおこなう

とはいえ、これらすべてを自社で管理するのは時間や手間がかかります。特に溶接機の台数が多い現場や、短期間しか使わない場合は、点検・整備にかかる人件費や部品代が負担になりがちです。

レンタルなら、内部清掃や定期検査などの整備をレンタル会社が対応するため、利用者は基本的な取り扱いに集中できます。メンテナンスの負担やコストを抑えたい場合は、レンタルの活用も検討してみてください。

整備の手間なく溶接機を使うならレンタルがおすすめ

溶接機は種類ごとに特徴や適した用途が異なるため、求める作業内容に応じて適切な機種を選ぶことが、現場をスムーズに進めるポイントです。現場ごとに必要な機種が変わる場合や、特定の工事期間だけ使いたい場合は、用途に合わせて機種を選べるレンタルを取り入れるのも1つの方法です。

レンタルであれば、必要な期間の利用料だけで済み、購入と比べてコストやメンテナンスの負担を軽減できます。また、作業内容に応じて機種を切り替えられるため、複数の溶接機を自社で保有・管理する必要がありません。

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