【業務用】代表的な水中ポンプ15種類|選び方もあわせて解説

業務用の水中ポンプは、建設現場や設備工事、工場などで発生する水の排水に使用される設備です。

本記事では、代表的な業務用水中ポンプ15機種を紹介するとともに、水量や水質、揚程などを踏まえた選び方のポイントを解説します。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、現場条件に対応できる業務用水中ポンプを幅広く取りそろえています。必要な期間だけ利用したい場合は、以下のボタンから見積もりをご依頼ください。

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業務用の水中ポンプとは

水中ポンプとは、本体を水中に沈めて設置し、内蔵されたモーターの力で水をくみ上げて排出する装置です。

業務用が使われる現場では、泥水や固形物が混ざる環境で大量の水を長時間排出するケースが多くあります。そのため、過酷な環境でも使用できるよう設計された専用ポンプが必要です。

【業務用の水中ポンプの特徴】

  • 家庭用よりも耐久性やモーター出力が高い
  • 吐出量や揚程が大きく、大量の水をくみ上げられる
  • 連続運転できる設計で長時間の排水にも使える
  • 泥水や固形物に対応した専用機種がある
  • 100Vに加えて200V対応の機種もある

現場条件に合った機種を使うと、よりスムーズに作業が進みます。

代表的な業務用水中ポンプ15種類

ここでは、レントが取り扱う代表的な業務用の水中ポンプ15種類を紹介します。

No. 種類 タイプ 主な用途
1 100V水中ポンプ100v水中ポンプ 100V/汎用 一般的な揚水・排水作業全般
2 100V定流量型ポンプ100v定流量ポンプ 100V/異物詰まり対策 落葉などが混ざる現場
3 100V強力型ポンプ100v強力型ポンプ 100V/高出力 100Vで使いたい泥や砂が多い現場
4 200V水中ポンプ200v水中ポンプ 200V/大規模排水 大規模な工事現場
5 泥水ポンプ泥水ポンプ 泥水・スライム対応 掘削・土木工事
6 サンドポンプサンドポンプ 砂・ヘドロ対応 河川・掘削工事
7 水中ポンプ(カッター付)水中ポンプ(カッター付) 繊維・固形物対応 繊維質や異物を含む現場
8 ベビースイーパーベビースイーパー 残水・低水位対応 給排水槽やマンホール内の残水処理
9 バキュームレーターバキュームレーター 床面吸着排水 建設現場のスラブやフロアに溜まった水の排水
10 水中ポンプ(電極式自動運転型)水中ポンプ(電極式自動運転型) 自動運転/清水 水位変動のある場所や夜間や無人の現場
11 泥水ポンプ(電極式自動運転型)泥水ポンプ(電極式自動運転型) 自動運転/泥水 泥水が含まれる掘削工事
12 工場用水中ポンプ(ステンレス仕様)工場用水中ポンプ(ステンレス仕様) 耐腐食/ステンレス 食品・醸造工場や病院・研究での排水処理
13 水中ポンプ(防爆型)水中ポンプ(防爆型) 防爆 防爆エリアや爆発性ガスが存在する現場
14 エンジンポンプ(3インチフレキシブルタイプ)エンジンポンプ(3インチフレキシブルタイプ) エンジン駆動 電源が確保できない現場
15 簡易ウェルポンプ(エンジン式)ムルポンV簡易ウェルポンプ(エンジン式)ムルポンV エンジン/地下水揚水 掘削現場の地下水排水・揚水

それでは、1つずつ見ていきましょう。

1.100V水中ポンプ

【活用シーン】

  • 一般的な揚水・排水作業全般
  • 雨水・湧水・溜まり水の排水

家庭用コンセント(100V)で使える、軽量で扱いやすい水中ポンプです。側面の吸水口から効率よく雨水や地下水を排水できる設計になっているうえ、耐摩耗性に優れた構造で、砂を含む水にも対応できます。

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2.100V定流量型ポンプ

100v定流量ポンプ

【活用シーン】

  • 一般的な揚水・排水作業全般
  • 落葉などが混入する雨水・湧水・溜まり水の排水

100V定流量型ポンプは、圧力の変動にかかわらず一定の流量で排水できる設計です。異物が詰まりにくい構造で、落ち葉が混入しやすい秋の工事現場のような環境でも安心して使えます。

また、設置面積が広いため、軟弱な地盤や足場の悪い現場でも倒れにくく安定した排水が可能です。

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3.100V強力型ポンプ

100v強力型ポンプ

【活用シーン】

  • 基礎工事をはじめとする泥・砂が多い現場の排水
  • 通常の100Vポンプでは対応しにくい泥水の排水

100V電源しか使えない現場で、かつ泥や砂が多い場合は、100V強力型ポンプが適しています。通常の100V水中ポンプ(400W)に比べてモーター出力が550Wと高く、強力な撹拌(かくはん)羽根も備えているため、粘度の高い水も力強く排水できます。

さらに、スタンド付きでやわらかい地面でも倒れにくい設計です。

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4.200V水中ポンプ

200v水中ポンプ

【活用シーン】

  • 建築現場の湧水・雨水・溜まり水の排水
  • 工場設備の揚水・排水
  • 河川・港湾・橋梁・ダム・地下鉄・トンネルなどの土木工事

200V水中ポンプは、高出力で長距離や高揚程、大量排水に対応できるポンプです。トンネル工事や河川工事、工場設備の排水など、100Vでは対応が難しい大規模な現場で活躍します。

吐出し口が上部にあるので省スペースでも設置でき、狭い場所でも効率的な排水作業が可能です。

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5.泥水ポンプ

泥水ポンプ

【活用シーン】

  • 掘削や土木工事の泥水排水
  • 豪雨による浸水・冠水時の排水
  • 畜産・農業での排水

泥やスライムを含む水の排水には、泥水ポンプが適しています。一般的な清水ポンプより詰まりにくい構造で、粘度の高い泥水でも効率よく排水可能です。

掘削工事で発生する泥水の処理や、農業・畜産現場の排水など、さまざまなシーンで活躍します。

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6.サンドポンプ

サンドポンプ

【活用シーン】

  • 港湾・河川工事の排水
  • 土砂やヘドロが混ざった汚水の排水
  • セメント、生コンプラント、窯業などの排出設備用

サンドポンプは、耐摩耗性の高さが特徴で、通常のポンプでは排出が難しい砂混じりの水にも対応します。撹拌(かくはん)羽根で砂を効率よく排出でき、沈殿しやすい環境でも作業がスムーズです。

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7.水中ポンプ(カッター付)

水中ポンプ(カッター付)

【活用シーン】

  • 繊維質や異物を含む汚水の排水
  • 畜産・農業での排水
  • ポンプの詰まりが懸念される現場

汚水や繊維質の異物を含む水の排水に対応しているのが、カッター付き水中ポンプです。のこぎり刃状のカッターが、繊維状のゴミやビニールなどの異物を切断しながらくみ上げます。

畜産・農業施設の汚水処理や雑排水処理など、通常のポンプでは詰まりやすい繊維状の異物が混じる現場で重宝します。

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8.ベビースイーパー

【活用シーン】

  • 給排水槽やマンホール内の残水処理
  • 建設現場の床面やピットの排水
  • 狭い場所での排水作業

ベビースイーパーは、低水位の残水処理に適したモデルで、型式によって最低水位1mmから対応可能です。通常のポンプでは吸い上げにくい薄い水膜状の水も、ほぼゼロに近い状態まで排水できます。

コンパクトで取り回しやすく、スペースが限られた場所での排水にも有効です。なお、水位を検知して自動で運転・停止を切り替える電極式自動運転タイプもあります。

ベビースイーパーの詳細を見る

ベビースイーパー(電極式自動運転型)の詳細を見る

9.バキュームレーター

バキュームレーター

【活用シーン】

  • 建設現場のスラブやフロアに溜まった水の排水
  • 工場内の設備排水
  • 受水槽・タンクの残水処理

バキュームレーターは、床面吸着排水のポンプで、平らな場所に溜まった水を効率よく吸い上げられます。底面に合成ゴムを採用しているため床を傷つけにくく、仕上げ済みのフロアでも排水作業が可能です。

建設現場の仕上げ排水や工場設備周りの排水、受水槽の残水処理など、きれいに水を取り除きたい場面で活躍します。

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10.水中ポンプ(電極式自動運転型)

水中ポンプ(電極式自動運転型)

【活用シーン】

  • 夜間や無人の土木建築現場の排水・雨対策
  • 作業者が常駐できない現場
  • 水位変動のある場所の排水
  • 排水設備の自動排水

自動運転型の水中ポンプは、むだな運転を抑えられるため省エネが期待できるモデルです。水が電極に触れると排水を開始し、水位が下がると約1分後に自動停止する仕様で、空運転を防ぎながら無人の現場でも排水作業をおこなえます。

また、騒音を抑えた設計なので、夜間の工事や住宅街に近い現場でも使いやすいです。

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11.泥水ポンプ(電極式自動運転型)

泥水ポンプ(電極式自動運転型)

【活用シーン】

  • 泥・砂が多く含まれる掘削工事現場の泥水排出
  • 泥水排水設備の自動排水
  • 掘削や土木工事の泥水排水

泥水対応の自動運転型水中ポンプは、泥や砂を含む水にも対応できる高い排水性能を備えています。高速回転型の羽根車(ハイスピン形)が泥水を撹拌(かくはん)して沈殿を防ぎ、目詰まりやポンプ故障のリスクを抑えます。

自動運転機能により無人環境でも排水が可能です。

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12.工場用水中ポンプ(ステンレス仕様)

工場用水中ポンプ(ステンレス仕様)

【活用シーン】

  • 食品・醸造・漬物工場などの汚水汚物の排水用
  • 病院・研究室などの排水用
  • 浄化槽の排水処理
  • 腐食環境での排水

ステンレス製水中ポンプは、耐腐食性に優れ、食品工場や病院など衛生管理が求められる環境に適した機種です。薬品や塩分を含む液体が混ざる排水環境でも使用できる耐久性の高い構造を備えています。

モーター内部の循環オイルには、人体に無害な食用油を採用しています。

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13.水中ポンプ(防爆型)

水中ポンプ(防爆型)

【活用シーン】

  • 石油化学プラント構内の排水
  • 防爆エリアでの揚水・排水
  • 爆発性ガスや蒸気が存在する場所での排水

可燃性ガスや蒸気が漂う場所では、火花や熱が爆発の引き金になるリスクがあり注意が必要です。こうしたエリアでは、法令や事業所の安全基準にもとづき、爆発が起きにくい構造(防爆構造)の機器を使うことが求められる場合があります。

このような現場で活躍するのが、防爆型の水中ポンプです。過酷な環境でも耐久を保つため、羽根車には焼結合金や高クロム鋳鉄を採用しています。

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14.エンジンポンプ(3インチフレキシブルタイプ)

【活用シーン】

  • 電源が確保できない現場の排水
  • 狭い作業場所での揚水・排水

電源を必要としないエンジンポンプは、電気の引き込みが難しい山間部や災害現場で役立ちます。小型かつ軽量で、簡単に持ち運びや設置が可能です。

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15.簡易ウェルポンプ(エンジン式)ムルポンV

簡易ウェルポンプ(エンジン式)ムルポンV

【活用シーン】

  • 掘削現場の地下水排水・揚水

土木工事などで地中を掘削する際、地下に湧水があると掘削立坑の破壊や地盤沈下の危険があります。こうしたリスクを防ぐため、地下水位を下げる工法(ウェルポイント工法)で使用されるのが、簡易ウェルポンプ(ムルポンV)です。

設置が簡単で施工時間を短縮できるうえ、コンパクトな構造で狭い場所での施工にも対応できます。

簡易ウェルポンプ(エンジン式)ムルポンVの詳細を見る

現場に最適な業務用水中ポンプの選び方

業務用の水中ポンプを選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。

順に見ていきましょう。

1.現場で確保できる電源に対応している

水中ポンプを選ぶ際にまず確認したいのが、現場の電源環境です。電源の種類によって選べる機種の範囲が決まるため、ここを誤るとほかの条件が合っていてもポンプが使えません。

電源は主に100Vと200Vの2種類あり、それぞれの特徴は以下のとおりです。

100V(単相) 200V(三相)
特徴
  • 家庭用コンセントで使用できる
  • 建設現場や設備工事などで広く使用される
  • モーター出力が高く、排水能力に優れる
  • 大規模工事に適している
現場の例
  • 土木工事中に地面から湧水が発生した場合
  • 大雨の後に建設現場に水が溜まっている場合
  • ダムやトンネル工事の排水など排出量が多い場合
  • 工場での揚水・排水

電源がない現場では、エンジン駆動の水中ポンプを使用するか、発電機の使用を検討します。発電機を使用する場合、モーター始動時に通常の運転時よりも大きな電力が必要になることがあるので、始動電力を見込んだ容量の発電機を選びましょう。

2.排水する水の状態に対応している

次に、排水する水の状態(泥水・残水など)を確認しましょう。水中ポンプは機種ごとに対応できる水質が異なり、合わない機種を無理に使うと、泥やゴミが詰まって故障の原因になります。

水質ごとに適したポンプの例は、以下のとおりです。

水質 適した水中ポンプの例
濁りの少ない水
(雨水・地下水・プールの水)
浅い場所の残水
泥水や粘性のある水
泥やスライム、砂が混ざる水
繊維質や固形物を含む汚水
溶液・薬液が混入した水

例えば、泥水など粘度が高い水には、パワーのある強力型ポンプや撹拌(かくはん)機能付きのポンプを選ぶと効率よく排水できます。このように、現場の水質に合った機種を選ぶと、詰まりや故障を防ぎながら安定した排水が可能です。

3.現場に必要な揚程・吐出量を満たしている

排水する水の状態を把握したら、以下の2つを把握しましょう。

  1. 現場に必要な水をくみ上げる高さ(揚程=ようてい)
  2. 1分間にポンプが排出できる水の量(吐出量=としゅつりょう)

現場の排水量や距離に対してポンプの能力が不足していると、「手配したのに水をくみ上げられない」といったトラブルにつながりかねません。

揚程や吐出量を把握する際は、以下の順に確認を進めます。

  1. 実際に水を移動させる距離はどれくらいか?
  2. 水中ポンプに必要な揚程は何メートル(m)か?
  3. 作業に適した吐出量(m3/min)はどれくらいか?

1つずつ解説します。

【ステップ1】実際に水を移動させる距離はどれくらいか?

まずは、「くみ上げた水をどこまで移動させるのか」という移動距離の確認です。水中ポンプは、くみ上げた水を排出先まで送り届ける必要があるため、配管を通して水が移動する距離もあわせて考える必要があります。

【ステップ2】水中ポンプに必要な揚程は何メートル(m)か?

次に水をくみ上げる高さを考え、必要な揚程を計算します。ポイントは、横(配管距離)と縦(高さ)を分けて考えることです。

例えば、移動距離が同じ9mでも、「横1m・高さ8m」と「横8m・高さ1m」では、ポンプに求められる性能が変わります。どの方向にどれだけ水を動かすのかを整理しましょう。

【必要な揚程の目安を把握する計算式】

横の移動距離×0.1+揚程 < 水中ポンプの全揚程×0.8

例:横に10m、高さ5mの場合、「10×0.1+5=6m」が必要な揚程となる

上記の計算式で、おおよその必要揚程を算出できます。ただし、これはあくまで簡易的な目安です。実際にはホースの摩擦や水質、バルブの有無などによって変動するため、余裕を持った機種選定をおすすめします。

【ステップ3】作業に適した吐出量(m3/min)はどれくらいか?

続いて確認したいのが「吐出量(m3/min)」です。揚程が高くなるほど吐出量は減るため、実際に使用する揚程での吐出量が足りるかを事前に確認する必要があります。

揚程をふまえた吐出量の確認には、揚程と吐出量の関係を示したグラフ(性能曲線)を使います。

▼性能曲線のイメージ

性能曲線

なお、カタログに記載されている「最大吐出量」は揚程0m(高さの負荷がない状態)での値のため、そのまま現場の排水量として見込まないよう注意が必要です。

現場で必要な揚程に達したときに十分な吐出量を確保できるかを事前に確認し、吐出量に見合った太さ・耐圧のホースを準備すると、手配ミスを防げます。

水中ポンプの選び方の詳細については、以下の記事で解説していますので、あわせてご一読ください。

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用途に適した業務用水中ポンプで効率的に作業しよう

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業務用の水中ポンプは、電源の種類や水質、必要な排水能力などによって適した機種が異なります。現場の条件に合ったポンプを選ぶことで、排水作業の効率や安全性を高められます。

使用頻度が限られる場合や現場ごとに機種を使い分けたい場合は、レンタルの活用がおすすめです。レンタルであれば初期費用を抑えられるだけでなく、メンテナンスや保管の負担も軽減でき、必要な期間だけ利用できます。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、幅広い種類の水中ポンプを取りそろえています。周辺機器や補償サービスも充実していますので、以下よりお気軽に見積もりをご依頼ください。

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