「業務用の集塵機は種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない」「自社の現場にぴったりな機器はどれだろう」とお悩みではありませんか。
本記事では、代表的な業務用の集塵機から、選び方のポイントまで詳しく解説します。現場や用途に合った集塵機を知りたい方は、ご一読ください。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな業務用の集塵機を取りそろえています。現場に合わせて機器をご提案いたしますので、まずはお気軽に見積もりをご依頼ください。
業務用の集塵機とは

業務用の集塵・清掃機器は、建設現場や工場などで発生する粉じん・木くず・金属粉・液体などを回収するために使われます。
なかでも集塵機には、作業中に発生する粉じん対策や、有害物質の飛散防止などを目的として使われる機種があります。現場での連続運転など高負荷の作業に対応しやすく、家庭用の掃除機では扱いにくい粉じんや切粉などに対応した機種があるのも特徴です。
ただし、溶接で発生するヒューム(細かい煙のような粒子)を回収する機器と、床に散らばった粉じんを清掃する機器では、求められる性能が異なります。
現場で使われる代表的な集塵機・清掃機器10選
業務用の集塵機を選ぶ際は、清掃向きの機器や有害物質対策用の機器も含めて違いを把握しておくと、現場に合う機種を判断しやすくなります。ここでは、現場で使われる代表的な集塵・清掃機器の特徴を紹介します。

| No. | 種類 | 特徴 |
| 1 | バキュームクリーナー(乾式) | 乾いた粉じん・ごみ専用の一般的な業務用の掃除機 |
| 2 | バキュームクリーナー(乾湿両用) | 水分を含むごみや液体も1台で吸引可能 |
| 3 | バキュームクリーナー(乾湿両用/ペール缶用) | ペール缶を容器として使用でき、ごみ捨てや管理が容易 |
| 4 | エアバキュームクリーナー(乾湿両用) | 電気を使わず、圧縮空気(エア)の力で強力に吸引 |
| 5 | 小型集塵機 | 軽量・コンパクトで、作業台の上や移動しながらの作業に向いている |
| 6 | 粉じん用集塵機 | 電動工具と連動し、作業中に発生する粉じんを直接吸引できる |
| 7 | ヒュームコレクター | 有害な微細粒子を発生源で捕集する溶接の専用機 |
| 8 | 集塵機(ヒュームコレクター兼用)STDコレクタ | 粉じんと溶接ヒュームの両方に対応 |
| 9 | バキュームクリーナー(環境対策用) | 高性能HEPA(ヘパ)フィルター搭載で、微細な有害物質を捕集する |
| 10 | 負圧集塵機 | 空間全体を負圧に保ち、粉じんの外部飛散を防止する |
それぞれ見ていきましょう。
1. バキュームクリーナー(乾式)

【活用シーン例】
- 倉庫や工場の床清掃
- 現場事務所や休憩所の清掃
- 作業後に残った粉じんやごみの回収
バキュームクリーナー(乾式)は、乾いたごみや粉じんの回収など、日常清掃に適した掃除機です。倉庫や工場など、広い場所や使用頻度が高い現場での清掃に向いています。
作業後の床清掃や、汚水などの液体が出ない現場での利用におすすめです。
2. バキュームクリーナー(乾湿両用)

【活用シーン例】
- 床洗浄後の汚水回収
- 雨水やこぼれた液体の回収
- 電動工具を使った研磨・切削作業後の清掃
乾いたごみだけでなく水分を含んだごみも回収できるのが、バキュームクリーナー(乾湿両用)です。乾湿どちらにも1台で対応できるため、用途ごとに機器を使い分ける必要がありません。
床が濡れやすい現場や、水を扱う現場で選ばれています。
3. バキュームクリーナー(乾湿両用/ペール缶用)

【活用シーン例】
- 少量の液体や汚泥の回収
- 回収物をペール缶ごとに分けて管理したい場面
- 回収後のごみ捨てや容器交換をしやすくしたい作業
ペール缶で回収物を管理したい現場には、バキュームクリーナー(乾湿両用/ペール缶用)が向いています。雨水や泥水、小石や小部品、ほこりや切粉など、液体・固体・粉体をまとめて回収できるタイプです。
容器ごとに分けて扱えるため、ごみ捨てや交換の手間を抑えられます。回収量がそれほど多くない現場や、容器交換を前提に使いたい場面で活躍します。
4. エアバキュームクリーナー(乾湿両用)

【活用シーン例】
- コンプレッサー設備がある工場
- 電源確保が難しい場所での清掃
- 砂・金属削りかす・泥・汚れた液体の回収
圧縮空気で負圧を発生させて吸引するのが、エアバキュームクリーナー(乾湿両用)の特徴です。コンプレッサー設備がある工場や、エア供給を確保できる現場で活用します。
このタイプは電源が確保しにくい場所でも、コンプレッサーのエア供給があれば稼働できるのが強みです。砂や金属の削りかすのようなごみ、泥や汚れた液体を回収したい場面で候補になります。
5. 小型集塵機

【活用シーン例】
- 狭い通路や作業台まわりでの粉じん回収
- 小規模な内装工事や改修工事
- 現場を移動しながらおこなう切断・研磨作業
小型集塵機は、設置スペースが限られる場所や、持ち運びながらの作業に向いた機器です。作業台の下や通路脇など、大型機では入り込めない場所でも稼働できます。
小規模な内装工事や、現場ごとに機器を移動させながら使う場面で採用されています。
6. 粉じん用集塵機

【活用シーン例】
- コンクリートの切断・はつり作業
- 建材の切断や研磨
- 粉じんが多く発生する建設・改修現場
コンクリートや建材の切断・研磨など、粉じんが多く発生する現場で使うのが粉じん用集塵機です。作業後の清掃にも使われるバキュームクリーナーに対して、粉じん用集塵機は作業中にその場で粉じんを吸い込めるのが特徴です。
電動工具にホースを直結すれば、切断や研磨をしながらその場で粉じんを吸引できます。また、ブロワ(送風)作業に対応しているタイプを選べば、1台で集塵と送風の両方を担うことも可能です。
7. ヒュームコレクター

【活用シーン例】
- 鉄骨や配管の溶接作業
- 工場内の溶接ブース
- 溶接ヒューム対策が必要な建設現場
ヒュームコレクターは、溶接作業で発生するヒュームを発生源の近くで回収できる機器です。
ヒュームは空気中に広がりやすく、作業者が吸い込むと健康被害につながるおそれがあります。また、非常に細かい粒子のため一般的な清掃用機器では対応しにくく、発生源の近くで回収することが重要です。
そのため溶接現場では、対象物質や作業環境に合ったヒュームコレクターや換気設備、呼吸用保護具を組み合わせて対策することが求められます。
溶接ヒューム対策については以下の記事でも詳しく解説していますので、ご一読ください。
溶接作業に携わる方々、あるいはその管理・監督を担う方々にとって、「溶接ヒューム」という言葉は、もはや避けて通れない重要なキーワードとなっています。 特に近年、労働安全衛生法の改正により、その管理と対策は以前にも増して厳格化され、企業には具[…]
8. 集塵機(ヒュームコレクター兼用)STDコレクタ

【活用シーン例】
- 溶接と研磨が混在する作業場
- 粉じん作業と溶接作業が混在する工場・現場
- 機器台数を増やしたくない現場
粉じんと溶接ヒュームの両方を1台で対策したいなら、集塵機(ヒュームコレクター兼用)STDコレクタが候補になります。
粉じんと溶接ヒュームは、粒の細かさが異なるため、本来はそれぞれに合った機材を使い分けるのが基本です。そのため、両方が発生する現場では機材を2台用意するケースもあります。
そのようなときでも、STDコレクタがあれば1台で両方に対応できるので、機材の手配や設置スペースの面でも効率化につながります。
9. バキュームクリーナー(環境対策用)

【活用シーン例】
- アスベストや鉛など有害粉じんが発生する作業後の清掃
- 改修・解体現場での有害粉じんの局所的な回収
- 粉じんの飛散を抑えたい屋内作業の清掃
有害な粉じんが発生する現場の清掃には、「HEPA(ヘパ)フィルター」を搭載した環境対策用のバキュームクリーナーが向いています。
HEPAフィルターは、0.3μm(マイクロメートル)という髪の毛の直径の約200分の1ほどの微細な粒子を99.97%以上捕集できる高性能フィルターで、アスベストや鉛などの有害粉じん対策で求められる水準を満たしやすいためです。
後述する負圧集塵機が作業エリア全体の飛散防止を担うのに対し、こちらはコンパクトで持ち運びやすく、局所的な清掃・回収に向いています。
10. 負圧集塵機

【活用シーン例】
- アスベスト除去工事
- 粉じんが外へ漏れないように囲った場所での工事
- 飛散防止が重要な解体・改修工事
一般的な集塵機は粉じんの回収を重視するのに対し、負圧集塵機は作業空間を負圧に保ちながら、吸引した空気をHEPAフィルターで清浄化して排出する役割を担います。アスベスト除去工事など、粉じんを外へ漏らさないように隔離した作業空間で使われるタイプです。
必要なフィルター性能や使用条件は作業内容によって異なるため、負圧集塵機を選ぶ際は仕様を事前に確認しておきましょう。
アスベスト作業ではエアシャワーや保護具など、負圧集塵機のほかにも安全対策グッズが必要です。作業時に求められる資格や安全対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
アスベストは天然の鉱物繊維ですが、長い間吸い込み続けると病を発症する恐れがあります。そのため、アスベストの調査や除去には法律で定められた資格が必要です。 本記事では、アスベストの調査や作業で求められる資格を紹介します。必要な資格を把握[…]
ここまで、現場で使われる代表的な集塵・清掃機器を10種類紹介しました。
集塵機を選ぶ際は、まず自社の現場でどのように使いたいのかを整理しておくことが重要です。「作業後の清掃に使いたいのか」「作業中の粉じんを回収したいのか」「有害物質や作業環境への対策を重視したいのか」によって、適した機器は異なります。
そのうえで、風量・静圧や電源、設置や移動のしやすさといった仕様を確認すると、現場に合う機器を選びやすくなります。次の章では、集塵機選びで押さえておきたい3つのポイントを見ていきましょう。
業務用の集塵機を選ぶ3つのポイント
業務用の集塵機を選ぶときに押さえておきたいポイントは、以下の3つです。

それぞれ見ていきましょう。
1. 作業内容に応じた風量・静圧がある
集塵機は、作業内容に合った風量・静圧の機種を選ぶことが重要です。風量と静圧では役割が異なり、作業内容に合わない機種を選ぶと、粉じんをうまく回収できないおそれがあるためです。
| 指標 | 意味 | 用途 |
| 風量(㎥/min) | 1分間に吸い込める空気の量 | 空間に広がった粉じんを、空気ごと広い範囲で回収したい |
| 静圧(Pa)※ | ホースやノズル、フィルターなどの抵抗に打ち勝って吸い込む圧力の強さ | 床や作業場所に付着した粉じんを、ノズルで吸い上げたい |
※静圧(Pa)は、メーカーによっては、1,000Pa=1kPaに換算し「kPa」で表記される場合もある。
広い工場内や作業スペースに粉じんが舞いやすい現場では、風量を重視した機種が向いています。反対に、切断・研磨後に床へたまった粉じんを吸い取りたい場合や、細いホースやノズルを使って回収したい場合は、静圧も確認しながら選ぶと安心です。
風量と静圧のどちらが優れているかを比べるだけではなく、自社の現場ではどのように粉じんを回収したいのかを整理したうえで、必要な仕様を見極めましょう。
2. 現場で使える電源に対応している
現場で使える電源に対応しているかも、業務用の集塵機を選ぶ際のポイントです。
機器のサイズや出力によって必要な電源が異なり、現場の設備によっては稼働できないことがあります。そのため、機器選びと合わせて、現場の電源環境も把握しておきましょう。
| タイプ | 電源環境のイメージ |
| 小型の可搬式集塵機やバキュームクリーナー | 単相100Vなど、家庭用コンセントで使えるものが中心 |
| 大型の据置式集塵機や大風量タイプ | 200Vや三相電源が必要な機器がある |
上記のように、大型の据置式集塵機を選んだものの現場に200V電源がなかった場合、新たに電源工事を手配することになります。そうなると、工事が完了するまで集塵機を稼働できず、追加コストや工期の遅延につながりかねません。
このような事態を避けるため、導入前に現場の電源環境と機器の仕様を合わせて確認しておくことが重要です。
3. 現場で設置や移動がしやすい
機器のサイズや持ち運びのしやすさに合わせて、集塵機を選びましょう。現場の動線や作業方法に合っていないと、使いにくさが負担になり、かえって作業効率を下げてしまうことがあります。
集塵機には、キャスター付きで移動しやすいタイプもあれば、狭い場所に置きやすいコンパクトなタイプ、工具に接続して使いやすいタイプもあり、機種によって、本体サイズや形状、持ち運びやすさが異なります。
| 作業内容 | 向いているタイプ |
| 複数の現場を移動しながら使いたい |
|
| 切断・研磨と同時に粉じんを吸いたい |
|
上記のように、「どこに置くのか」「どのように移動させるのか」「どんな作業と組み合わせるのか」なども想定しておくと、現場に合った1台を選びやすくなります。
業務用の集塵機は用途と現場に合わせて選ぼう

業務用の集塵機は、現場で発生する粉じんや液体、有害物質などを回収する機器です。風量・静圧や電源、設置や移動のしやすさなど、事前に確認すべき項目も多くあります。
種類が多く、用途や現場条件によって適した機種が変わるため、選定に迷うことも少なくありません。そんなときは、必要な期間だけ使えて、現場条件に応じた機種提案も受けられるレンタルを検討するのも1つの方法です。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、現場や作業に合わせた集塵機をご提案しています。「自社の現場に合う機器が分からない」「どのタイプを選べばよいか迷っている」といった場合でも、まずはお気軽に見積もりをご依頼ください。
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