NETIS(ネティス)とは?概要や活用メリットから登録製品まで紹介

NETIS(ネティス)とは、国土交通省が運営する新技術の情報を集約したデータベースのことです。

技術者がNETISに登録すると開発した技術を広められ、施工者がNETIS登録製品を利用すると工事成績評定で加点が期待できる、といったメリットがあります。

本記事では、NETISの概要についてまとめました。登録番号の意味や活用するメリットも紹介しているので、開発した技術を広めたい技術者の方や公共工事を受注したい施工者の方は、ご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまなNETIS登録製品を取りそろえています。充実した補償サービスも用意していますので、以下のボタンより気軽に見積もりを依頼ください。

NETIS(ネティス)とは

NETIS(ネティス)とは、新技術情報提供システム「New Technology Information System」の頭文字をとった略称です。国土交通省が運営し、建設業などで新技術を活用するための情報を集約しているデータベースのことを指しています。

下記の表のとおり、NETISに登録される技術は大きく4つに分類されています。

No. 項目 概要
1 推奨技術 画期的な新技術
2 準推奨技術 画期的な技術ではあるが、さらなる発展を期待する新技術
3 評価促進技術 ほかの機関などの実績にもとづき、公共工事等に関する技術水準などを高めることが見込める新技術
4 活用促進技術 総合的に活用の効果がすぐれているなどの新技術

NETISホームページは誰でも検索や参照ができるため、登録されている新技術の詳細を確認することが可能です。技術の効果を検証する評価会議が定期的に開かれ、効果や活用状況などが見直されるため、NETISの活用によって以下のような効果が期待できます。

【NETISの利用で期待できる効果】

  • 施工に関する業務全体の効率化
  • 品質の向上
  • コスト削減
  • 安全性の強化

技術が活用されるほど現場のデータが得られ、技術がさらに進歩する可能性が高まると考えられています。

NETISの登録番号の表記方法

NETIS登録番号は「アルファベット2文字+数字6桁+アルファベット2文字」で構成されます。例えば「TH-230999-VE」のような表記です。

登録番号を確認すると、登録された地域や時期、効果検証のステータスなどを把握できます。つまり「どの地方整備局でいつ頃に登録されたか」「評価の結果、継続調査が必要かどうか」などを読み取ることが可能です。

そのため、登録番号や識別記号を理解しておくと、技術の詳細を調査しやすくなります。

NETISの識別番号の種類

NETISの識別番号は以下の3つで構成されます。

NETIS識別番号の3つの構成

「TH-230999-VE」という架空の識別番号を例として、1つずつ解説します。

1.先頭のアルファベット

先頭のアルファベット

先頭のアルファベットは、その技術を登録した地方整備局を表します。例の「TH-230999-VE」の場合、「TH」は東北地方整備局のことです。

登録した地方整備局とアルファベットの関係は下記の表のとおりです。

アルファベット 地方整備局
HK 北海道
TH 東北
KT 関東
HR 北陸
CB 中部
KK 近畿
CG 中国
SK 四国
QS 九州
OK 沖縄

上記を把握しておけば、どの地域で生まれた新技術かをすぐに見分けられます。

2.中央の数字

中央の数字

中央の数字6桁は「登録された年度」と「通し番号」です。

例の「TH-230999-VE」であれば、最初の2桁「23」は2023年度の登録を示します。続く4桁「0999」は、2023年度の999番目に登録されたことを意味します。

この番号から、技術の登録時期とおおよその登録順を知ることが可能です。技術がどの程度新しいのか把握したいときに役立ちます。

3.末尾のアルファベット

末尾のアルファベット

末尾のアルファベットは、NETISの識別番号にあたります。1文字から2文字で表され、以下の種類が存在します。

識別番号 概要 掲載期間
A
  • 登録申請から時間が経っていない技術
  • 実際に公共工事などで使われて評価情報が追記されると「VR」か「VE」に変更される
  • 登録翌年度から10年
  • 「VR」か「VE」に変更されると最大15年まで延長
V
  • 2013年度までにNETISで評価されたもの
  • 2014年度以降はVE、VRに区別されている
VE
  • 技術の効果検証において、継続調査の必要がないと判断された技術
  • 公共工事などで活用された際によい評価を受けている
  • 登録翌年度から10年
VR
  • 継続調査が必要と判断された技術
  • よい評価が蓄積されると「VE」に変更される
  • 登録翌年度から10年
AG・VG
  • NETISでの掲載期間が終了した技術
  • 国土交通省の内部の情報なので、一般では閲覧ができない

例の「TH-230999-VE」の場合は「VE」で、継続調査が必要ないと判断された技術です。公共工事などで良好な評価が得られ、付与されたステータスと考えられます。

技術開発者がNETISに登録する3つのメリット

技術開発者がNETISに登録するメリットは以下の3つです。

技術開発者がNETISに登録する3つのメリット

1つずつ解説します。

1.開発した技術を広く周知できる

NETISは国や自治体などが運営する公的なデータベースです。

登録されている技術は、国や自治体、大手ゼネコンなど公共工事の発注者の目に留まりやすくなるため、新しい取引が期待できます。

普段は接点のないクライアントと、NETISへの登録を通じて接点を持てる可能性があります。開発した新技術を積極的に広めたい場合は、NETISへの登録は有効な手段の1つです。

2.現場で活用される可能性が高まる

NETISに登録された技術は、公共工事の入札や施工時に優先的に採用される傾向があります。NETISに登録済みの技術を使うと、加点が評価されるため、発注者や施工者にとって取り入れたい技術とみなされるからです。

実際に現場で採用が増えると、技術を活用したデータも増えるため、技術の改良や評価も進みます。なお、施工者はNETISの登録情報から以下がわかります。

【NETISの登録情報からわかること】

  • 技術の概要
  • 適用事例
  • 効果
  • 留意点 など

施工者の下調べの手間を減らせるうえ、技術者としても開発した技術が導入されやすくなる点がメリットです。

3.技術の信頼性を高められる

NETISの登録には審査基準が設けられています。そのため、登録されているだけでも一定以上の信頼と実績につながります。

さらに、現場での使用実績や技術の評価が積み重なることで、客観的な信頼性や実用性をより高めることが可能です。

登録後の更新や評価履歴が公表されるため、新技術の改良状況なども示せます。そのため、信頼のおける技術であると証明できるので、NETISへの登録を検討してみましょう。

施工者がNETISを利用する3つのメリット

施工者がNETISを利用するメリットは以下の3つです。

施工者がNETISを利用する3つのメリット

順に見ていきましょう。

1.「工事成績評定」で加点を目指せる

施工者側の1つ目のメリットは、「工事成績評定」で加点を狙えることです。

国や自治体の入札制度(総合評価落札方式など)では、価格だけでなく技術力や提案内容を評価されます。NETIS登録技術を活用した提案は加点の対象です。

さらに、実際に工事で使用された際の効果によっては、工事成績評定でも加点を狙えます。

以下のように、工事成績評定は最大で3点の加点が可能ですが、NETIS登録技術の評価割合は全体の4割程度です。そのため実際の加点は「3点×40%=1.2点」となります。

出典:国土交通省

2.施工の安全性・効率性が高まる

施工を安全かつ効率的に進められる点もメリットです。

NETISに登録されている技術の傾向としては、機械化や自動化を進める技術が多めです。そのため、「人間が危険な場所で作業しなくて済む」「重労働などの作業員の負担を軽減できる」など、安全性の向上が期待できます。

また、ITを活用して施工ミスやコミュニケーションのミスを防ぐ技術も存在するので、現場での手戻りやトラブルのリスクを下げることも可能です。その結果、作業員の負担を軽減し、事故の防止が期待できます。

3.施工コストや工期の短縮が期待できる

施工コストや工期の短縮が期待できる点も、利点として挙げられます。

NETISに登録されている技術は、従来の方法よりも効率化や工程の短縮が見込まれるものが豊富です。工程を短縮できれば、人件費や機械のレンタル費用などのコストも削減できます。

NETISのホームページでは、過去の導入実績の参照も可能です。実際の活用データをもとに作業計画を立てられるので、使える技術かどうかを自社で試行錯誤する期間を減らせます。

コストや工期の削減幅、リスクなどを比較・検討したうえで技術を導入できる点は、施工者にとって魅力です。

NETIS登録製品の例

一例として、NETIS登録製品には以下のような製品があります。

項目 製品例
高所作業車両
舗装・転圧・打設機器
溶接機
切削・研磨・加工機器
照明
保安機器
測量・施工補助
季節商品・現場/事務所備品

上記はNETIS登録製品の一部で、ほかにもさまざまな製品があります。例えば、以下のような用途でNETIS登録製品を活用すると、公共工事の工事成績評定や総合評価方式で加点が狙えます。

【NETIS登録製品の活用例】

紹介した製品のなかで現場で使えそうなものがあれば、導入を検討してみましょう。

NETIS登録製品を取り入れるならレンタルがおすすめ

NETISとは、国土交通省が運営する新技術活用のためのデータベースです。施工の効率化やコスト削減、入札時の評価アップなどのメリットがあります。NETIS登録製品を活用して、施工の効率化やコスト削減に役立てましょう。

もしNETIS登録製品を活用するなら、レンタルがおすすめです。その理由として以下が挙げられます。

【レンタル活用がおすすめの理由】

  • 最低限のコストで、最適な技術を柔軟に用意できる
  • 施工期間や作業回数に応じて、機器の数や種類を調整できる
  • 保管スペースを圧迫するリスクを抑えられる
  • メンテナンスの手間を減らせる
  • レンタル会社の補償サービスを受けられる

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」ではNETIS登録製品を多数取り扱っており、発注者のルールや納期に合わせて柔軟にレンタルが可能です。「どのような製品があるか確認したい」「案件にぴったり合うNETIS登録製品を知りたい」という場合は、以下のボタンより気軽に見積もりを依頼ください。

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