橋梁の側面や下面などの点検作業を安全かつ効率的に進めるために欠かせないのが、橋梁点検車です。本記事では、橋梁点検車をレンタルする場合のメリットや選ぶ際の基準などを解説します。
現場に応じたおすすめの車両も紹介しますので、どの車両をレンタルすればいいのかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、全国の在庫から橋梁点検車をご用意いたします。配送サービスや補償も充実していますので、以下からお気軽にお見積もりを依頼ください。
橋梁点検車とは
橋梁点検車は、橋の側面や下部を点検したり保守したりするための特殊な作業車です。高所作業車の一種で、トラックに長い腕(ブーム)とカゴ状の足場(プラットフォーム、デッキ、バスケットなど)がついています。
車両からブームを伸ばし、作業員が乗るプラットフォームを橋の下に移動させることで、足場を組まなくても橋梁の側面や裏側などを点検できます。
足場が不要になることで橋の上から効率的に橋梁の点検ができるため、橋梁点検車は損傷箇所を早期に発見して安全を保つために欠かせない車両です。
橋梁点検車をレンタルする3つのメリット
橋梁点検車をレンタルするメリットとして、以下の3つがあります。
順に見ていきましょう。
1.案件に合った車両を用意できる
橋梁点検車をレンタルする1つ目のメリットは、案件に適した車両を選べることです。
点検する橋の大きさや車両を停められる道幅は、現場によってさまざまです。そのため、橋梁点検は案件ごとに最適な車両を選ぶ必要があります。
【現場の状況と適した車両例】
- 橋の幅が狭い場合:縁石のある歩道に設置できる車両
- 高いフェンスや遮音壁などがある橋:高い壁を乗り越えられるかつ、橋の下までブームが届く車両
- 作業範囲の広い大型の橋:プラットフォームが拡張できる車両
もし選び方に迷っても、レンタルであれば現場の状況をヒアリングしたうえで最適な車両を提案してくれるケースがあります。このようなサポートを受けられるのも、レンタルならではの魅力です。
2.保管スペースを確保する必要がない
保管スペースを確保する必要がない点も、レンタルするメリットのひとつとして挙げられます。橋梁点検車は大型の車両なので、購入した場合は広い保管スペースを確保しなければなりません。
もし複数台を所有するのであれば、保管場所を確保するために土地を探す必要が出てくる可能性があります。一方、使用後に返却するレンタルなら保管スペースが不要なので、土地を借りるための手続きもカットできます。
3.整備・点検などの管理コストをカットできる
3つ目のメリットは、整備や点検などの管理に要するコストを削減できることです。
高所作業車は、労働安全衛生法により特定自主検査が義務づけられており、その点検を外部の専門業者に依頼するケースが一般的です。そのため、橋梁点検車を購入した場合は、高額な購入費用に加え、定期的な整備や点検にもコストがかかります。
レンタルであれば、点検や整備はレンタル会社が担当するため、管理コストを抑えつつメンテナンスされた車両を使用可能です。
なお、レンタルであっても作業前の点検や月次点検などは自社でおこなう必要があります。ただ、不具合があればすぐにレンタル会社へ相談できるので、作業に支障が出ないようスピーディーに対応しやすい点が利点です。
橋梁点検車を選ぶ4つの基準
橋梁点検車を選ぶときは、次の4つのポイントを確認して選ぶことが重要です。
順番に解説します。
1.橋の下にプラットフォーム(デッキ)が届く構造である
橋梁点検車を選ぶうえで最も重要なのは、「点検対象の橋の下までプラットフォームが届くかどうか」です。点検したい箇所に足場であるプラットフォームが届かなければ、点検作業そのものをおこなえません。
プラットフォームを下ろす際には、フェンスや遮音壁といった障害物が設置されている場合があります。このような現場状況に合わせた車種を選ぶと、効率よく作業を進められます。
【橋梁点検車選びでまず確認すべき点】
- 橋から地面まで距離がある場合:「プラットフォームの最大地下深さ」を確認する
- 遮音壁がある場合:「最大乗り越え高さ」を確認する
作業の安全性と効率を高めるため、これらの点は慎重に確認しましょう。
2.プラットフォーム(デッキ)が橋の幅に適している
次に確認すべきは、足場となる「プラットフォームの幅」です。橋の幅に対して狭いプラットフォームだと、確認できる範囲が限られるためです。
例えば、合計4車線の橋に対して2車線分の幅があるプラットフォームを選べば、片側から2車線分を点検できます。橋の両側から一往復すれば作業が完了するので、長時間の通行止めが不要になり、一般車両への影響を最小限に抑えることが可能です。
もし、橋の幅に対してプラットフォームの幅が足りないと、橋の中心部を点検できず、追加で足場を組んだり別の点検車両を用意したりしなければなりません。作業効率と交通への配慮を両立させるためにも、橋の幅に適したプラットフォームを持つ車両を選びましょう。
3.現場のスペースと車両の大きさが適している
現場の駐車スペースと車両設置幅の適合性も、重要な確認項目の1つです。点検の際は、橋梁点検車のアウトリガを完全に張り出すために、車幅より広いスペースが必要なケースがあります。
アウトリガが張り出せないと、車両が横転し深刻な事故につながるリスクがあります。安全に作業を進めるためにも、アウトリガを完全に張り出した状態で現場に停められる車両であることを確認しましょう。
なお、橋が小さく作業スペースが狭い現場であれば、車両幅内でアウトリガを安全に設置できる車種を選ぶと、省スペースで安全に作業できます。現場の状況を事前によく確認し、適切なサイズの車両を選ぶことで作業効率と安全性を高められます。
4.運転や操作に必要な資格・免許を保有している
レンタルする前に、必要な資格や免許を確認しておきましょう。橋梁点検車の運転および操作には、以下2種類の資格が必要です。
- 公道走行免許:道路上を走行させるために必要
- 「高所作業車運転技能講習」などの受講修了証:高所で作業する際に必要
▼「公道走行免許」の種類
免許証の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | |
中型 | 準中型免許(5t限定) ※H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した者 |
5t未満 | 3t未満 |
準中型免許 ※H29.3.12以降に準中型免許を取得した者 |
3.5~7.5t | 2~4.5t | |
中型免許(8t限定) ※H19.6.1以前に普通免許を取得した者 |
8t未満 | 5t未満 | |
中型免許 ※H19.6.2以降に中型免許を取得した者 |
7.5~11t未満 | 4.5~6.5t未満 | |
大型 | 大型免許 | 11t以上 | 6.5t以上 |
▼「高所作業」に必要な講習
種類 | 概要 |
高所作業車運転特別教育 | 作業床の高さ2m以上10m未満の高所作業車の運転業務に必要(道路上の走行を除く) |
高所作業車運転技能講習 | 作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転に必要(道路上の走行を除く) |
なお、法律は不定期に改正されるため、必要な資格が変更になる可能性もあります。レンタル時には最新の要件を満たしているか、必ず確認しましょう。
橋梁点検車をレンタルする会社を選ぶ4つのポイント
橋梁点検車をレンタルするときは、以下の4つの点を押さえて選ぶことがポイントです。
それぞれ詳しく解説します。
1.取り扱っている車種が豊富である
まず確認すべきは、取り扱い車種の豊富さです。点検対象の橋によって適切な車種が異なるため、現場に合う車両があるか、最新の機種や特殊な作業に必要な機械が揃っているかを確認しましょう。
複数の車種をそろえているレンタル会社ならば、現場に適した車両を柔軟に選べるうえ、現場の状況や作業内容に最適な車両を提案してもらえるので、より安心して作業をおこなえます。
また、関連する商品も用意しているレンタル会社なら、現場でよく使う産機をまとめてレンタルができるので便利です。
2.配送サービスがある
指定した場所へ車両を届けてもらえる「配送サービス」があることも、レンタル会社選びで重要な点です。レンタルした車両を現場へ運ぶ際のフローは、レンタル会社によって以下の2つにわかれます。
- レンタル業者が指定場所まで配送する
- 営業所まで自社で取りに行く
レンタル会社の営業所へ車両を受け取りに行く場合は、そのぶんの時間と人手が必要です。一方、配送してもらえれば作業者は作業に集中できるため、作業効率をアップできます。
ただ、配送サービスがあっても配送エリアが限定されている場合があるので、現場が対象であることも事前に確認しておきましょう。
3.手厚い補償サービスが用意されている
レンタル会社を選ぶ際は、補償サービスの内容も確認しておきましょう。
レンタルする際は一般的に補償制度への加入が求められますが、一部のレンタル会社では独自のルールが存在する場合があります。例えば、以下のような車両の破損時の自己負担額や賠償責任の範囲などです。
また、以下のようなトラブル対応体制も会社によって異なります。
- 24時間対応のサポートセンターの有無
- 代替機の提供が迅速 など
手厚いフォローサービスは、予期せぬトラブルが発生しても作業の中断を最小限に抑えることにつながります。いざというときに備え、補償範囲をあらかじめ確認しておきましょう。
4.整備体制が整っている
レンタル会社の整備体制の確認をしておくと、作業をより安心して進められます。メンテナンスが不十分だと、点検作業中に機械が止まったり故障したりする可能性が高まります。
作業の安全性を高めるためにも、レンタルする前に会社のホームページなどで、メンテナンス計画や専門の整備スタッフの有無などが明記されているかを確認しておきましょう。
整備された橋梁点検車をレンタルすることは、効率的であるだけでなく安全に点検作業を進めることにつながります。取引先から信頼を得るためだけでなく、自社のスタッフを守るためにも整備体制が整っているレンタル会社を選ぶことは重要です。
橋梁点検車をレンタルするなら「レント」がおすすめ
橋梁点検車をレンタルするなら、「レント」がおすすめです。レントでは、効率的かつ安全に点検作業を進められるよう、全国の在庫から最適な橋梁点検車をご提案します。
また、点検作業に関連する以下の商品もレンタル可能です。
【橋梁点検作業に関連する商品例】
- トイレカー:長時間の作業に便利
- オフィスカー:現場での事務処理、休憩の場を確保
- 交通規制用体感マット:誤進入によるもらい事故防止
- 進入車両強制停止装置:誤進入によるもらい事故防止
- 補修工事時の鉛、PCB対策商品:作業員の安全を守る
さらに、独自の補償制度「安心サポート制度」により、レンタル期間中に発生した事故や故障などの修理費用を一定額に抑えられます。配送サービスも充実しており、希望の場所へ車両を配送できるので、遠方の現場でも自社で車両を運搬する手間をかけずに作業を始めることが可能です。
橋梁点検の効率化や品質向上だけでなく、安全に作業を進めたいとお考えの方は、以下からお気軽に見積もりを依頼ください。
レンタルにおすすめの橋梁点検車3選
ここからは、レンタルにおすすめの橋梁点検車を3種類紹介します。
順番に見ていきましょう。
1.橋梁点検作業車ブリッジマスター
項目 | 詳細 | |
商品名 | 橋梁点検作業車SF77 | 橋梁点検作業車SF77B |
架装シャシ | 4tクラス | |
プラットフォーム最大積載量(kg) | 200 | |
プラットフォーム床面地上高(m) | 7.34 | 7.19 |
プラットフォーム最大地下深さ(m) | 5.9 | 5.94 |
プラットフォーム最大作業半径(m) | 5.92 | 5.88 |
運転免許 | 中型免許(8t限定) | |
操作要件(高所) | 特別教育 |
※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。
「ブリッジマスター」は、高いアプローチ性能を持つ橋梁点検車です。片側2車線道路の橋梁下面を完全にカバーできる広い作業範囲が特徴で、効率よく点検作業を進められます。
プラットフォームは左右各90度旋回できるため、道路のどちら側からでも効率的に作業をおこなえます。また、4トンクラスながら、クラス最低の約2.9mというコンパクトな車体設計なので、狭い歩道の橋でも有用です。
さらに、安全性にも配慮し、基本装備に加えて以下の装備も充実しています。
- プラットフォームにカメラとLED作業灯を設置
- 運転席にモニターを装備
- 格納時の音声アナウンス
以下で「ブリッジマスター」の性能を動画も交えてさらに詳しく紹介しているので、ぜひご確認ください。
2.橋梁点検車ブリッジチェッカー
項目 | 詳細 |
商品名 | 橋梁点検車BT-110 |
架装シャシ | 3.5tクラス |
デッキ最大積載量(kg) | 200 |
最大地上高さ(m) | 6.8 |
デッキ最大地下深さ(m) | 7.3 |
ポスト長さ(m) | 3.265~11.265 |
ポスト伸縮ストローク (m) | 8.0 |
運転免許 | 中型免許(8t限定) |
操作要件(高所) | 特別教育 |
※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。
高い防音壁を乗り越えられる性能と、低い位置までのアプローチ性能を両立した橋梁点検車として「ブリッジチェッカー」を紹介します。深い垂直移動ができるため、高速道路の防音壁や桁厚の橋梁差し込みに適しています。
また、以下のように作業をサポートする機能も充実している点が特徴です。
- 見やすい操作パネル
- 自動格納装置
- 高感度インターホン
- 安定姿勢を確保するゴム製ローラジャッキ
- 発電機と作業灯
「ブリッジチェッカー」の詳しいスペックについては、以下よりご確認ください。
3.橋梁点検車YZ30FCSB
出典:株式会社 ワイケー
項目 | 詳細 |
商品名 | 橋梁点検車YZ30FC A/T |
架装シャシ | 2tクラス |
車両諸元:全長×全高×全幅(mm) | 5,140×3,240×1,800 |
バスケット最大地下深さ(m) | 2.8 |
バスケット最大地上高(m) | 3.6 |
バスケット最大作業半径 (m) | 3.3 |
運転免許 | 準中型免許 |
操作要件(高所) | 特別教育 |
※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。
「YZ30FCSB」は、コンパクトなサイズながら十分な機能と操作性を兼ね備えた橋梁点検車です。2tサイズの車体で車両設置幅は1.8mというコンパクトさを活かし、とくに幅の狭い小型の橋や側道橋の点検で力を発揮します。
また、国土交通省により運用される「NETIS(新技術情報提供システム)」に登録された技術を搭載しているため、施工者が活用すると評価の加点が期待できます。
以下では「YZ30FCSB」の性能などをさらに詳しく紹介しているので、ぜひご確認ください。
現場に合った橋梁点検車をレンタルしよう
橋梁点検車をレンタルすると、現場ごとに適した車両を選べ、なおかつメンテナンスの手間を省けるメリットがあります。レンタルする際には、取り扱っている車両の特徴や補償サービスの確認をしましょう。また、配送サービスがあるとより効率的な作業が可能です。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、専門家が整備した橋梁点検車を取り扱っています。さらに、橋梁点検車の操作に必要な「高所作業車の運転の業務に係る特別教育」の講習も実施しており、安全な作業を徹底サポートします。
産機レンタルの専門スタッフが最適な車両選びをサポートいたしますので、「自社の案件に合う車両を知りたい」という方は、お気軽にレントまでご相談ください。