脚立選びは高さと種類選びがポイント|現場に適した脚立の選び方を解説

「脚立の高さや種類が多く、どれを選べばいいかわからない」とお悩みではありませんか。脚立は作業内容によって最適な高さや種類が変わるため、選び方を間違えると作業効率が下がるだけでなく、思わぬ事故につながることもあります。

本記事では、脚立の高さや種類に関する疑問を解決できるよう、高さの考え方や代表的な種類、選び方のポイントを紹介します。作業に合った脚立選びのヒントとして、ぜひご活用ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、用途に合わせた脚立を豊富にご用意しています。必要なときに、必要な高さや種類の脚立を点検済みの安心な状態でご利用いただけることが、レンタルの魅力です。「安全で現場に最適な脚立を選びたい」とお考えの方は、下記のボタンよりお気軽に見積もりをご依頼ください。

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脚立の高さを示す3つの指標

脚立の高さには、3つの指標があります。必要な高さを間違えてしまわないよう、あらためて整理しておきましょう。

No 種類 説明
1 天板高さ
  • 地面から脚立の最上部にある板(天板)までの高さ
  • 製品仕様に記載されているサイズ
2 作業高さ
  • 実際に人が脚立に登って腕を伸ばし、安全に作業できる範囲の地面からの高さ
  • 作業者の身長や作業内容、現場環境によって変わる
3 接点までの高さ
(はしご兼用脚立の場合)
  • はしごとして使用する際に、地面から建物などに立てかけた接点までの高さ
  • 立てかける角度は75度

天板高さは、製品仕様に記載される数値で、脚立の最上部までの高さを指します。ただし、脚立の天板には乗れないため、表示されている天板高さをそのまま作業高さと考えることはできません。

実際に作業できるのは、作業者が安全に立てる踏ざんに立ったときに自然に手が届く範囲(=作業高さ)です。踏ざんとは脚立を昇降するときに足を載せるステップ部分を指し、210cm以下の脚立は天板から2段目、240cm以上は3段目が該当します。

脚立を選ぶ際には、必ずこの作業高さを基準にしてください。なお、はしご兼用タイプを使用する場合は、地面から接点までの「接点高さ」についても確認しましょう。

代表的な脚立の種類

脚立は、構造や仕様によっていくつかの種類に分けられます。ここでは、代表的な7種類の脚立を紹介します。

No. 種類 特徴
1 専用脚立
  • 脚立専用型
  • 自立可能な構造で安定性が高い
2 はしご兼用脚立
  • 一台で脚立とはしごの二役をこなす
  • 汎用性が高い
3 電設向け(絶縁型)脚立
  • 支柱に絶縁材(グラスファイバー)を使用
  • 電気工事や設備工事などでの感電リスクを低減する
4 囲い付き脚立
  • 天板周りにガードを設けたもの
  • 長時間の高所作業や不安定な姿勢をともなう作業をサポートする
5 手かけ・手すり付き脚立
  • 昇降を補助するための手かけや手すりが付いている
  • 転落・転倒を防止する
6 階段用脚立
  • 脚の長さを調整できる
  • 段差や階段のある場所で水平を保てる
7 ワイド脚立
  • ステップの幅が広く、長時間の作業で疲れにくい
  • 脚立だけでなく足場板として使える

それぞれの特徴を知り、現場環境や作業内容に適したものを選びましょう。

1.専用脚立

専用脚立は、脚立としての使用に特化したタイプです。A字型に開いて設置するだけで使える自立構造で、4本の支柱によって安定性を保ちます。アルミ製の軽量なモデルが主流で、持ち運びやすさと耐久性を兼ね備えているのが特徴です。

軽天工事や天井のボード張り、高所の配線・配管の点検などで幅広く利用されています。

アルミ脚立(脚立専用型)の詳細を見る

2.はしご兼用脚立

脚立としてだけでなく、伸ばして「はしご」としても使える便利な兼用タイプの脚立をご紹介します。これ1台でさまざまな高さや状況に対応できるため、現場に持ち込む機材を減らせる点がメリットです。

なお、「はしご」として使用する際は、安定性の確保が必須です。以下のような取扱説明書の指示は必ず守りましょう。

【はしご使用時の注意】

  • 2人で使用する(1人が昇り、もう1人が支える)
  • 平らで安定した地面で使う
  • 壁への立てかけ角度は75度を守る

アルミ脚立(はしご兼用型)の詳細を見る

3.電設向け(絶縁型)脚立

電設向け脚立とは、支柱部分にFRP(繊維強化プラスチック)などの絶縁素材を使用した、感電防止用の脚立を指します。電気を通しにくいことから、電気工事や通信設備工事、活線近接作業など、感電リスクのある現場では欠かせません。

多くの製品は耐電圧20,000V以上を備え、なかには35,000V以上の高い絶縁性能を備えたモデルもあります。

FRP脚立(脚立専用型)の詳細を見る

4.囲い付き脚立

天板の四方が手すりやガードで囲まれている囲い付き脚立は、高所で作業者の身体を安定させやすいというメリットがあります。設備空調や塗装、窓枠工事をはじめ、長時間の高所作業や両手を使う作業、不安定な姿勢になりやすい作業に適した脚立です。

アルミ脚立(囲い付)コンスライト・コンスタワーの詳細を見る

5.手かけ・手すり付き脚立

脚立を昇降する際の支えとなる手かけ棒や手すりが備わっているタイプです。手すりがあることで常に両手両足のうち3点で体を支える「三点支持」が取りやすく、バランスを保ちながら昇降できます。

安全性を重視する現場や、工具や資材を片手に持って昇降するような場面、高所作業に慣れていない作業者が使用する場合におすすめです。

アルミ脚立(脚立専用型/手掛棒・手摺付)の詳細を見る

6.階段用脚立

階段やスロープなど段差のある場所で活躍するのが、階段用脚立です。前後の脚の長さを独立して調整できるため、リフォーム工事やビルメンテナンスなど、段差での作業が多い現場で重宝されます。

複雑な凹凸がある地面では、四脚すべてを個別に伸縮できるタイプを選ぶと、より安定して作業できます。

階段用鋼製脚立 ダンペイウマの詳細を見る

7.ワイド脚立

出典:株式会社 ナカオ

ワイド脚立は、一般的な脚立に比べて作業床が広く、踏ざん(ステップ)の幅も大きく設計されているのが特徴です。足元が安定するため、長時間の作業や重工具を扱う作業でも疲れにくいというメリットがあります。

また、脚立としてだけではなく簡易的な足場台としても活用でき、一台で二役をこなす汎用性の高さも魅力です。さらに、専用のブリッジ(足場板)を連結すれば、より広範囲な作業スペースを確保できます。

ワイド脚立の詳細を見る

なお、ワイド脚立の連結や解体には「足場の組立て等特別教育」の修了が必要です。

レントでも、ワイド脚立の連結や解体作業に必要な特別教育技能講習を実施しています。お問い合せ・お申し込みは、以下からお気軽にご連絡ください。
【お問い合せ先 レント教習センター TEL:054-265-2320

脚立の選び方3つのチェックポイント

脚立を選ぶ際は、以下の3つを確認しましょう。
ポイントを意識するだけで、最適な脚立を選びやすくなります。では、見ていきましょう。

1.作業内容に合った種類と高さの脚立タイプを選んでいるか

脚立選びでまず確認したいのは、作業内容や現場の状況に合った種類と高さのものを選ぶことです。

現場によって必要とされる脚立は異なります。以下の表では、用途ごとにおすすめの脚立の種類を整理しました。

▼脚立の種類

用途・作業内容 推奨される脚立の種類
軽天工事・天井仕上などの建設現場での高所作業 専用脚立
高天井照明・配線作業などの電気工事、電話工事 FRP脚立(絶縁型)
配管・ダクト施工、空調工事などの設備工事
壁面作業や天井作業
囲い付き脚立
安全性を重視した高所作業 手かけ・手すり付き脚立
階段・不整地など段差のある現場 階段用脚立
長時間・工具使用など安定性を重視した作業 ワイド脚立

次に、選ぶ脚立の高さの目安です。

下の表は、作業者が身長160cmの場合、どのタイプの脚立が適しているかをまとめたものです。例えば、一般的な住宅の天井高(約2.4m)では120cmタイプが適切と判断できます。

▼作業高さに合う脚立の高さ

作業高さ 脚立タイプ 接点までの高さ(はしご兼用タイプの場合)
2.2mまで 90cm 1.3mまで
2.5mまで 120cm 1.9mまで
2.8mまで 150cm 2.5mまで
3.1mまで 180cm 3.1mまで
3.4mまで 210cm 3.7mまで
3.4mまで 240cm
3.7mまで 270cm
4.0mまで 300cm
4.3mまで 330cm
4.6mまで 360cm

安全性と作業効率の両方を高めるためにも、作業に合わせた脚立を用意することは重要です。

2.作業者と工具を合わせて耐荷重内であるかどうか

脚立には、安全に使用できる「最大使用荷重」が定められています。この数値を超えて使用すると、脚立が変形・破損し、バランスを崩して転倒する危険があります。

【対荷重の確認時に含むものの例】

  • 作業者の体重
  • 作業着やヘルメット
  • 安全帯
  • 工具
  • 材料 など

使用前には、これらを合わせた総重量が最大使用荷重の範囲内に収まっているかを必ず確認し、事故を未然に防ぎましょう。

3.各現場に設けられたルールに従っているか

建設現場や工場では、労働安全衛生法に加えて、元請業者が独自の安全基準やルールを設けることがあります。

【現場の独自ルールの例】

  • 脚立は必ず手すりが4本付いているものでなければならない
  • 感知枠(身体が脚立の外に出るのを防ぐ枠)を備えたものの使用を義務付ける

現場ルールを満たさない脚立は、持ち込みが認められない場合があります。作業前に必ず現場の担当者へ確認し、要件を満たした脚立を選ぶようにしましょう。

また、強度や安定性を保証するために、JIS(日本産業規格)やSGマークに適合した製品を選ぶことも重要です。

現場に適した脚立を選ぶならレンタルがおすすめ

脚立は作業内容や現場の状況に合わせて、適切な高さや種類を選ぶことが重要です。合わない脚立を無理に使うと、作業効率が落ちるだけではなく、転倒や転落といった重大事故につながりかねません。

とはいえ、現場ごとに最適な脚立を購入・管理するのは、コストやスペースの面で負担が大きくなります。そこでおすすめなのが、レンタルという選択肢です。レンタルなら、レンタル会社が整備した脚立を必要な期間だけ利用でき、初期投資を抑えながら、保管やメンテナンスの手間も軽減できます。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、今回ご紹介した脚立を取りそろえています。作業内容や現場の状況についてヒアリングし、最適な一台をご提案することも可能ですので、脚立選びでお悩みの際は、下記よりお気軽に見積もりをご依頼ください。

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脚立のレンタルについては、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、あわせてご一読ください。

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