インフラメンテナンスの新たな選択肢「CoolLaser®」レーザー技術が広げる現場の可能性と環境への配慮

【話し手】
営業本部 建設営業部 鉄道インフラ営業課
M氏
営業本部 建設営業部 鉄道インフラ営業課
K氏

インフラの老朽化が進む日本。なかでも、橋梁や鉄塔・沿岸部の構造物などで、塗膜やサビの除去・素地調整といったメンテナンス需要が年々高まっています。しかし「狭く足場が組みにくい」「時間制限がある」「有害物質の影響」などにより、従来の主要工法では対応が難しい現場も少なくありません。

そうした現場の悩みに応える新たな選択肢として、いま注目を集めているのが、株式会社トヨコーが開発した「CoolLaser®(クーレーザー)」です。高出力のレーザー光を照射して塗膜・サビ・塩分を除去できるレーザーブラスト搭載車で、レントでは2026年からレンタルおよび現場支援サービスの提供を開始しました。

今回は、レント営業本部 建設営業部 鉄道インフラ営業課のM氏・K氏に、CoolLaserの特徴とメリット、レンタルだからこそ実現できる導入支援の形について聞きました。

サビ・塗膜剥離の常識を変える「CoolLaser」とは

CoolLaser装置一式を1台のウイング車に搭載可能

――新しい技術を採用したCoolLaserとはどのような製品なのか、特徴を教えてください。

M氏:CoolLaserは、レーザーの光エネルギーを用いてサビや塗膜を瞬時に除去する装置です。サンドブラストなどのように研磨剤を吹き付けるのではなく、レーザー光で鋼材表面の錆・塗膜・塩分などを瞬間的に溶融、蒸散、熱破砕させて除去します。

装置一式がウィング車に組み込まれており、1台で現場に乗り入れてそのまま施工できるのが特徴です。

――レーザーにはいくつか種類があるとお聞きしましたが。

M氏:はい。大きく分けてパルス方式とCW(連続発振)方式があります。大半のメーカーは、母材を傷めにくいパルス方式を採用しています。しかしCoolLaserはあえて、世界最高峰の高出力(5,400W)を出せるCW方式を選択しました。

――あえてCW方式を選んだ理由は何でしょうか?

M氏:インフラ特有の広大な面積や分厚い塗膜を処理できる「圧倒的なスピード」を実現するためです。

実は高出力のCWレーザーは、そのまま当てれば鉄板すら一瞬で切断してしまう威力があります。そのため表面処理には不向きとされてきました。しかし開発元の株式会社トヨコーは、独自の「高速回転照射機構」を開発しました。

レーザー光線を1点に留めず絶えず高速で動かし続けることで、母材への熱影響を防ぎながら、分厚い塗膜やサビだけを圧倒的なスピードで除去できるようになったのです。この処理品質とスピードの早さは、CoolLaserならではの強みです。

【用語解説】
サンドブラスト:高圧の空気とともに研磨剤を吹き付け、金属表面のサビや塗膜を削り落とす工法。研磨剤に砂を使うものをサンドブラスト、鉄球などを使うものをショットブラストと呼ぶ。
CW方式:Continuous Waveの略で、連続的に照射し続ける方式。高出力・厚い塗装膜の剥離向き。
パルス方式:短い発光を高速で繰り返す方式で、サビの除去や軽作業クリーニング向き。

――CoolLaserが特に力を発揮するのは、どのような現場でしょうか?

K氏:もっとも活躍するのは、足場の設置が難しく1種ケレンを諦めていた現場ですね。たとえば川や海にかかった橋梁、入り組んだ建物の内側などには大型の足場が組めませんが、CoolLaserならトラックが1台入れるスペースさえあればすぐに施工できます。

また塩害地域での金属構造物のメンテナンスにも向いています。CW方式は塩分除去に強いので、海岸沿いにある橋梁・鉄道・発電所・工場設備などに最適です。

CoolLaser導入で、現場の3つの課題を解決

レーザーヘッド先端部に取り付けた集塵ホースから粉塵を瞬時に吸引

――工期短縮、コスト削減、環境配慮など、現場が抱える課題はさまざまです。CoolLaserはどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか?

M氏:CoolLaserのメリットは大きく3つあります。

1つ目は、産業廃棄物の大幅削減です。従来のブラスト工法では、削り取った塗膜やサビに加えて、吹き付けた研磨剤そのものも産業廃棄物になります。その量はダンプカー10台以上になることも珍しくありません。しかも古い塗膜には鉛やPCBなどの有害物質が含まれていることもあるため、廃棄物の処理費用も高額になりがちでした。CoolLaserは研磨剤を使わないため、排出されるのは剥離した塗膜とサビのみです。産業廃棄物処理費・CO2排出量を98%低減(※メーカー公表値)でき、サステナビリティの観点からも優れています。

2つ目は、足場や養生の規模を大幅に縮小できる点です。従来のブラスト工法では、有害物質を含む粉じんの飛散を防ぐため、現場全体を上下左右に囲い込む厳重な養生が必要でした。一方CoolLaserは、レーザーヘッド先端部に取り付けた集塵ホースから粉塵を瞬時に吸引するため、レーザー光が外に漏れないような遮光対策のみ行えばよく、養生のコストや時間が大幅に削減できます。

3つ目は、時間制限のある現場での小回りの良さです。鉄道や道路などでは夜間の限られた時間だけ作業を行い、昼間は交通のため開放しなくてはなりません。このような場合でも、CoolLaserなら常設の足場を組む必要がないので、速やかに撤収・再開ができます。

――入札時のメリットはありますか?

M氏:CoolLaserは国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録されており、準推奨技術の一つとして位置づけられています。NETISには約3,800件の技術が登録されていますが、令和7年度に推奨技術・準推奨技術に選ばれているのはわずか23技術であり、CoolLaserが技術的にも高い評価を得ていることが分かります。
新技術採用による加点対象になるため、次の工事案件の獲得にもつながる可能性があります。環境配慮を重視する公共発注者やゼネコンへの提案材料としても有効です。

ただ「借りる」だけではない、レントならではのトータルサポート

CoolLaserは導入時に一定の技術研修が必要です。レントでは単なる装置の貸し出しではなく、取扱説明書・安全手順書・現場指導をセットにしたレンタルサービスを提供しています。

――CoolLaserのレンタル期間やサポート体制について教えてください。

K氏:最低1日からレンタル可能です。操作が不安というお客様のため、初日の現場立会いによる操作・安全指導もオプションで提供しています。

――社内の有資格者は何名いらっしゃいますか?

K氏:レーザー施工研究会の資格保持者が現時点で社内に7名在籍しており、全国どこでも技術指導が可能です。繁忙期でも機材や人員を確保できる体制をキープしておりますが、お早めにご相談ください。

――CoolLaserをレントで借りるメリットは何かありますか?

M氏:弊社の工場にはCoolLaser専用の実演ブースを設置しており、お客様にデモンストレーションや操作体験をしていただけます。現場に機材だけが届くのではなく、事前にしっかり理解してから導入できるのはレント独自のサービスです。

レント社内に設置したCoolLaser専用の実演ブース

さらに将来的には、有償ハンズオン研修「トレーニングセンター」の本格展開も計画しています。資格取得だけでなく、実際の作業を体験できる場は他にほとんどないため、業界全体の技術定着にも貢献できると考えています。

――レントならではのサービスが他にもあれば教えてください。

M氏:レントには「バリュープラスサービス」という、機材レンタルに付加価値を組み合わせた独自のサービスをご用意しています。その中の一つに有害物質対応機材のレンタルがあるんです。

粉じん回収機材・空気清浄機・研磨剤を吸い込む産業用掃除機など、一度有害物質に触れた機材をそのままレンタルするのは、通常難しいものです。しかしレントでは、返却後にメンテナンス・汚染処理を行う仕組みを自社で構築しているため、有害物質対応機材も貸し出すことができます。

CoolLaserを使う現場でも、有害物質の発生が想定されるケースがありますが、粉じん回収から空気清浄、産廃対応まで一気通貫でサポートできるのはレントだからこそ提供できる価値です。

従来工法が困難なあらゆる現場の”強い味方”へ

――今後、CoolLaserをどのような業界に広げていきたいですか?

K氏:CoolLaserは業界を選ばず、幅広い現場で役立ちます。鋼構造物のメンテナンスが必要な現場、足場や養生の問題、廃棄物の処理などの問題で困っているあらゆる現場へ、適材適所で広げていきたいと考えています。

――人手不足の現場にも可能性が広がりそうですね。

K氏:はい、レーザーヘッドの重量は約4kgと軽量で、肩掛けベルトもついていますので、女性や高齢の方でも30分程度の連続作業が可能です。幅広い層が作業者として活躍でき、人手不足の現場でも多様な人材を採用できるのもメリットです。

――最後に、サビ除去・塗膜剥離・素地調整に課題を抱えている企業や発注者の方へメッセージをお願いします。

M氏:日本のインフラは老朽化が進み、メンテナンスのニーズはこれからさらに高まっていきます。レントは単に機材を貸すだけではなく、現場指導・実演ブース・有害物質対応・関連機材まで含めたトータルサポートで、皆様のメンテナンス課題に寄り添います。

CoolLaserの導入をご検討中の方、あるいは「うちの現場で使えるかどうかわからない」という方も、まずはお気軽にレントへご相談ください。実演ブースでの体験から、1日単位のお試しレンタルまで、柔軟に対応いたします。

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