爪付きジャッキとは、重量のある機械の運搬や据え付けなど、自力では動かせないものを移動するための機械です。
本記事では、使用上の注意点からおすすめの商品まで解説します。選び方も紹介しますので「用途に合う爪付きジャッキ探している」という場合は、ぜひ参考にしてください。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな種類の爪付きジャッキを取り扱っています。全国の豊富な在庫から案件にぴったりの商品を提案しますので、以下よりお気軽に見積りを依頼ください。
爪付きジャッキとは
爪付きジャッキとは、低い位置から重量物を持ち上げる際に使う「油圧ジャッキ」に、爪を付けた機械のことです。重量機械の運搬や据え付け、大型精密機械の組み立て、機械のレベル調整、鉄骨建築、建物の移動、補修工事などに使用します。
通常のジャッキで重量物を持ち上げるときは、ジャッキ本体を持ち上げたい物の下に入れなければなりません。ですが、爪付きジャッキであれば、爪を入るすき間を確保できれば重量物を持ち上げることが可能です。
そのため、通常の油圧ジャッキよりも幅広い場面で活用できます。
爪付きジャッキの用途
爪付きジャッキの主な用途には、以下の4つがあります。
用途 | 特徴 | |
1 | 持ち上げる![]() |
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2 | 位置を合わせる![]() |
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3 | 広げる![]() |
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4 | 横に押す![]() |
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爪付きジャッキは、爪部だけでなく頭部にも重量物を載せられます。さらに、1~2mm単位で高さ調整ができるため、微調整が必要な精密機器の設置なども対応可能です。また、重量物の四隅に爪付きジャッキを設置すれば、ジャッキ本体よりも大きな重量物を持ち上げられます。
爪付きジャッキの使用上の注意点
爪付きジャッキを使う際の注意点として、以下の3つがあります。
それぞれ説明します。
1.平坦で安定した地盤の上に設置する
爪付きジャッキは、地盤が平坦で固く、安定した場所で使用しましょう。地盤が凸凹であったり柔らかい場所であったりすると、ジャッキ本体が安定しません。
ジャッキが傾いて重量物が落下すれば、重大な事故につながるリスクがあります。安心・安全に作業をおこなうためにも、爪付きジャッキを安定して設置できる場所で使用しましょう。
2.奥まで爪部を差し込む
ジャッキの爪に荷物を載せるときは、ジャッキ背面に荷物が当たるくらい奥に差し込むことが重要です。爪の先端に重量物を載せて操作すると、重量物が落下したり爪が変形したりする恐れがあります。
背面と重量物の間にすき間が空く場合は、木材などで当て物(あてもの)をし、すき間を埋めるようにしましょう。
なお、頭部に重量物を載せる場合は、ジャッキの中心に荷重がかかるように設置し、バランスを崩して倒れることがないよう注意が必要です。
3.ジャッキアップ後は保持台で支える
重量物を必要な高さまでジャッキアップしたら、すぐに保持台を用いて支えることも重要なポイントです。爪付きジャッキのまま長時間放置すると油圧が抜けて不安定な状態になり、重量物の落下や転倒など、事故につながる恐れがあります。
ジャッキは、あくまで重量物を持ち上げるための道具であることを理解し、正しい使い方をしましょう。
爪付きジャッキの選び方
爪付きジャッキを選ぶポイントとして、以下の3つがあります。
では、順番に説明します。
1.用途が適している
1つ目のポイントは、現場の状況や用途に合わせた爪付きジャッキを選ぶことです。爪付きジャッキには以下のような多様な種類があり、用途に適したものを選ぶ必要があります。
- 低床タイプ:本体の高さが低いコンパクトタイプ
- レバー回転 安全弁付きタイプ:操作ハンドルの差し込みソケット部が自在に回転する
- ネジ送り台付きタイプ:ラチェットハンドルで円滑にスライドできる
- 圧力計付きタイプ:圧力計により負荷の確認ができる
- ローラー付き送り台タイプ:ネジ送り台にウレタン車輪がついている
例えば、スペースに限りがある場所なら低床タイプ、重量物を載せたまま場所を微調整したいならローラー付き送り台タイプなど、用途に合わせて選びます。
ほかにも、食品や薬品、医療関係などクリーンな環境が求められる現場であれば水圧ジャッキを使用するなど、使用する環境に適していることも確認しましょう。
2.持ち上げたい荷物とジャッキの揚力が合っている
持ち上げたい荷物と、ジャッキの揚力が合っているものを選ぶことも重要です。許容荷重以上の重量物を載せるとオーバーロードになり、ジャッキを操作しても爪が上昇しません。
また、爪付きジャッキが傾いたり転倒したりして重量物の破損や事故につながる恐れもあります。作業をスムーズに進めるためにも、持ち上げたい荷物とジャッキの揚力が合うものを選ぶようにしましょう。
3.持ち上げたい高さ(揚程)まで持ち上げられる
爪付きジャッキを使うときは、持ち上げたい高さ(揚程)まで爪部や頭部を持ち上げられるかどうかも、あらかじめ確認しておく必要があります。高さが足りないと、「指定の場所に機械を設置できない」「移動ができない」など、作業に支障が出るためです。
爪付きジャッキの種類によって持ち上げられる高さが異なるため、持ち上げたい高さまで持ち上げられる機種であることを確認しておきましょう。
爪付きジャッキを使用するならレンタルがおすすめ
用途に合う爪付きジャッキを用意するなら、レンタルがおすすめです。
現場によって、重量物のサイズ・重さや、持ち上げる高さ(揚程)はさまざまなため、爪付きジャッキをその都度購入すれば、購入や管理にかかるコストが膨らみます。
一方で、レンタルであれば、用途に合わせた種類を必要な期間のみ用意できるので、最小限の費用に抑えることが可能です。また、メンテナンスはレンタル会社がおこなうため、整備された爪付きジャッキでより安全に作業を進められます。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」なら、各種検査装置を使った定格荷重負荷試験後に出荷するため、いつでも安心・安全に作業をおこなえます。点検報告書や負荷試験グラフも要望に応じて提出可能です。「安心安全に最低限のコストで爪付きジャッキを用意したい」とお考えの方は、以下よりお気軽に見積りを依頼ください。
レンタルにおすすめの爪付きジャッキ5選
ここからは、レンタルにおすすめの爪付きジャッキを紹介します。
では、それぞれ見ていきましょう。
1.爪付き油圧ジャッキ(1.5~5t)
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 項目 | 低床タイプ | レバー回転安全弁付きタイプ | ネジ送り台付きタイプ | 圧力計付きタイプ | ローラー付き送り台タイプ |
揚力(t) | 爪部 |
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頭部 |
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爪部寸法 (mm) |
最低高:A |
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揚程 |
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最高高 |
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幅:B×長:C |
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頭部寸法 (mm) |
最低高 |
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最高高 |
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重量(kg) |
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※表は横にスクロールできます。
まずは、爪付き油圧ジャッキを紹介します。2~3cmのわずかなすき間に爪を差し込み、低位置から重量物を持ち上げる1.5~5tの爪付き油圧ジャッキには、さまざまな種類があります。
低床タイプは、突起物が邪魔をしてジャッキをセットできない場所でも使用可能で、高さ制限や上下に動かすストローク(揚量)の幅が少ない作業に役立ちます。
障害物がある場所では、操作ハンドルの差し込みソケット部分を自由自在に回転できるレバー回転タイプも便利です。押し戻しはラチェットハンドルによるネジ機構なので、限られたスペースであっても、重量物の設置位置の微調整をおこなえます。
ほかにも、爪が長いロングタイプやローラー付き送り台タイプなどを取り揃えているので、用途に合う爪付きジャッキをお選びいただけます。
2.爪付き油圧ジャッキ(10~25t)
※商品画像は代表機種のものです。
型式 | MHC-10RS | G-200L | MHC-15T | M-500 | |
揚力 (t) | 爪部 |
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頭部 |
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爪部寸法
(mm) |
最低高 |
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揚程 |
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最高高 |
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幅×長 |
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頭部寸法
(mm) |
最低高 |
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― |
最高高 |
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― | |
重量 (kg) |
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※表は横にスクロールできます。
より重さのある重量物や持ち上げる高さが必要な場合は、爪付き油圧ジャッキ(10~25t)がおすすめです。重さのある重量物に耐えられる重めの本体ですが、車輪付きを使えば移動をスムーズにおこなえます。
また、大きめの重量物を安定して持ち上げられる爪ロングタイプもあるため、荷物のサイズに適した爪付きジャッキで安全に作業を進められます。
3.土台揚上ジャッキ
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 | ||
型式 | GD-60 | GD-100 | |
爪揚力(t) |
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爪寸法(mm) | 厚み |
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長さ |
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幅 |
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本体高さ(mm) |
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質量(kg) |
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土台揚上ジャッキは、地盤沈下などで傾いた住宅家屋の修復時に活躍するタイプです。土台を持ち上げることに特化しているので、削る・穴を開けるなどの基礎のハツリを最小限に抑え効率よく作業ができます。
また、安全に作業できるよう、能力以上の重量物のジャッキアップができないよう安全弁も備えています。
4.爪付きジャッキ(複動型)
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 | |||||
型式 | K1-200W | K2-200W | K3-150W | K5-150W | ||
揚力
(t) |
爪部 |
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頭部 |
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寸法
(mm) |
爪最低位置 |
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爪 | 幅 |
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長さ |
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本体高さ |
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ベット | 幅 |
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長さ |
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必要油量 (cm3) |
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重量 (kg) |
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限られたスペースで作業をおこなうなら、重量物から離れた場所で遠隔操作できる分離専用の複動型ジャッキがおすすめです。油の出入口が双方にある複動型は、出入口が一方にしかない単動式に比べてポンプの戻り速度が速いため、連続作業を効率よくおこなえます。
ただし、他の爪付きジャッキに比べて爪を差し込むすき間が少し広め(3~4cm)なので、現場で使用可能か事前に確認しておくと安心です。
5.爪付き水圧ジャッキ
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 | ||
型式 | FJ-5SAJ-100 | FJ-10SAJ-100 | |
揚力 (t) | 爪 |
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頭部 |
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寸法 (mm) | 爪最低位置 |
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爪長さ |
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本体高さ |
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重量 (kg) |
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食品や薬品、医療関係など、クリーンな環境で作業をするなら、爪付き水圧ジャッキが適しています。油ではなく水道水を使用する「水圧式」のため、引火や油漏れの心配がありません。
低位置(3〜4cm)からの持ち上げが可能なので、さまざまな現場で活用できます。
用途に合わせた爪付きジャッキで作業効率を高めよう
爪付きジャッキは、重量機械の運搬や据え付け、機械のレベル調整、建物の移動などに使用する機械です。使う際は、現場や用途に適し、効率よく安全に作業をおこなえる爪付きジャッキを選びましょう。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、専門の担当者がソケット曲がりや爪の変形、油漏れなどの作動検査や定格荷重負荷試験をおこなってから出荷しているため、いつでも万全の状態の爪付きジャッキを使い、作業を進められます。
また、手持ちの爪付きジャッキの点検・定格荷重負荷試験にも対応可能なので、安全対策を強化することも可能です。「用途に合う爪付きジャッキを探している」「安全対策を強化したい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。