プラズマ切断機の使い方3ステップ|コツや注意点もまとめて解説

「プラズマ切断機の正しい使い方を知りたい」とお考えではありませんか?プラズマ切断機は、金属を切断する際に役立つ機械ですが、正しい使い方を知らないまま作業を進めると事故の恐れがあり危険です。

本記事では、プラズマ切断機のなかでもよく使われる「エアープラズマ切断機」の基本的な使い方から、作業時の注意点や機器の選び方を解説します。レンタルにおすすめの製品も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、プラズマ切断機をレンタルするなら、産業・建設機械のレンタル会社「レント」がおすすめです。用途にぴったり合う切断機を豊富な在庫から提案しますので、以下のボタンより気軽にお問い合わせください。

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プラズマ切断機の使い方

プラズマ切断機は、以下の3つの手順でおこないます。

プラズマ切断機の使い方

順に見ていきましょう。

ステップ1.プラズマ切断機のセッティングをする

まずは、プラズマ切断機のセッティングをします。セッティングに必要な機材は以下のとおりです。

【必要な機材】

    • トーチ
  • アース線
  • エアコンプレッサー

機材がそろっていることが確認できたら、以下の手順に沿ってプラズマ切断機をセッティングします。

【セッティングの4つの手順】

    1. エアコンプレッサーに付いているエアレギュレーターを、プラズマ切断機に取り付ける
    1. プラズマ切断機とエアコンプレッサーと接続する
    1. 電源とトーチもプラズマ切断機に接続する
    1. プラズマ切断機に付いているアース線のアースクリップを母材や作業台に挟む

なお、切断するものに錆びや塗装がある場合は、アースをセットする箇所をグラインダー(研削盤=けんさくばん)などで削って通電させます。

プラズマ切断では高温の火花が飛び散るので、作業を始める前は周囲に燃えやすいものがないか、近くに人がいないか確認しましょう。また、切断時には「ヒューム(アークの熱によって溶けた金属が蒸気となり、空気中で固体の微粒子となったもの)」が発生する恐れがあるため、防塵マスクの着用も必要です。

ステップ2.切断したい箇所に印をつけて、切断する

次に、切断する箇所に線を引くなど印をつけます。直線に沿って切断する場合は、線を引いたうえでL型アングルなどを定規代わりに使用するときれいに切断できます。

切断する際のポイントは、トーチの持ち方と動かし方です。トーチを母材に対して垂直に持ってすばやく動かすと、スパークが真下に抜けてきれいな切断面になります。

反対に、トーチが斜めになるとエアーが逃げてしまい、うまく切断できません。

トーチの持ち方と動かし方

また、トーチを動かすスピードも大切です。速すぎると切断が間に合わず、スパークが斜めに抜けてしまいます。

一方で、遅すぎると切断面が汚くなったりコンプレッサーのエアーがすぐに空になったりします。スパークが斜めに抜けない程度にすばやくトーチを動かしましょう。

ステップ3.ノロを取り除く

切断が終わったら、叩いたりこすったりしてノロをはらいます。

【ノロとは】

  • 切断のときに金属の表面に浮き出るカスのこと
  • 「スラグ」「バリ」ともいう
  • 切断した素材の量や厚さによってノロの量は変わる

なお、ノロがプラズマ切断機のなかに入ってしまうと、次回以降の作業で誤差が発生します。製品の仕上がりに影響してしまうため、機器のなかにノロが入り込まないようにしましょう。

よりきれいに仕上げたい場合は、グラインダーを使ってノロを取り除くのがおすすめです。

プラズマ切断機とは

プラズマ切断機とはプラズマの高温を利用して金属を溶かし、エアーで吹き飛ばして切断する機械です。比較的新しい技術ですが、近年のプラズマ切断といえば「エアープラズマ切断」を指すのが一般的です。

なお、プラズマ切断の特徴は以下のとおりです。

プラズマ切断の特徴

プラズマ切断の特徴として、ガス切断に比べて機械の操作が簡単な点が挙げられます。ガス切断は、炎や高圧バルブの調整など機器の扱いには作業者に技術が必要ですが、プラズマ切断はガス切断に比べて機械の扱いにスキルがあまり必要なく、きれいに仕上げやすいです。

また、プラズマ切断機は、電気を通すほとんどの金属に対応可能なので、ガス切断で切りにくい金属(ステンレス鋼やアルミニウム合金など)も切断できます。さらに、「直線だけではなく、曲線や円形などの切断ができる」「切断するスピードも速く、作業効率を上げられる」といった点も、プラズマ切断機の特徴です。

プラズマ切断機を使うときの注意点

プラズマ切断機を使うときは、以下の3点に注意が必要です。

プラズマ切断機を使うときの注意点

それぞれ解説します。

1.必要な電源を確保する

プラズマ切断機を使うには、まず必要な電源を確保できるか確かめましょう。プラズマ切断機は、200Vの電源を必要とする機器が一般的です。

そのため、屋外のように電源がない場所や、200Vの電源を確保できない場所ではプラズマ切断機を使えません。

なかには100Vの電源で動くタイプもありますが、厚みのある金属を切断するにはパワーが足りない恐れがあるため注意が必要です。

もし、屋外で使用したい場合は、電源を確保するために発電機の購入やレンタルを検討する方法があります。レンタルにおすすめの発電機については、以下の記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。

>>レンタルにおすすめの発電機5選|サイズ別の選び方も解説

2.作業に適したエアコンプレッサーを用意する

プラズマ切断機を使うには、作業に合ったエアコンプレッサーの準備も欠かせません。

【エアコンプレッサーとは】
空気を圧縮して高い圧力で吐き出すことで、さまざまな機械の動力源になる機械。

プラズマ切断機には、エアコンプレッサーが内蔵されているタイプと、外付けするタイプがあります。

タイプ 詳細
内蔵タイプ
  • エアコンプレッサーを用意する必要がなく、コンパクトで持ち運びやすい
  • タンク容量や吐出量が限られているため、連続作業には不向き
外付けタイプ
  • 別途エアコンプレッサーを用意しなければならない
  • 内蔵タイプに比べて厚い素材の切断が可能

作業内容に合わせて、エアコンプレッサー内蔵のプラズマ切断機を選ぶか、エアコンプレッサーを準備しましょう。なお、エアコンプレッサーの詳しい使い方は、以下の記事をご覧ください。

>>エアコンプレッサーの代表的な使い方8選|使用手順や注意点もまとめて紹介

3.特別教育を受ける

プラズマ切断機を使うには、特別教育の受講も必要です。

プラズマ切断は「アーク溶接機を用いておこなう金属の溶融・切断業務」に該当します。そのため、労働安全衛生法が定める特別教育を受けなければなりません。

特別教育の内容は学科と実技に分かれています。

【特別教育で学ぶ内容】

  • 学科:基礎知識や関連法令、安全対策など
  • 実技:実際にアーク溶接機を使用

安全に作業を進めるうえで必要な機会なので、プラズマ切断機を使う前には必ず特別教育を受講しましょう。

プラズマ切断機の選び方のポイント

プラズマ切断機を選ぶときは、以下の2つのポイントに沿って選びます。

プラズマ切断機の選び方のポイント

それぞれのポイントを見ていきましょう。

1.切断する素材の種類や厚さをチェックする

プラズマ切断機を選ぶ際は、切断する素材の種類や厚さを確認することが重要です。以下のように、機械によって切断できる金属の種類や厚さが異なります。

エアプラズマ切断機(100V/15A)
エアプラズマ切断機(100V/15A)

エアプラズマ切断機(200V/35A・55A)
エアプラズマ切断機(200V/35A・55A)

作業を始める前に切断する素材と厚さを確認し、適したプラズマ切断機を選ぶと、「切断できない」「切断しにくい」といった失敗を防げます。

機器の切断能力を超えた作業をすると、切断面が荒くなったり切断が途中で止まったりします。素材に合ったプラズマ切断機を使い、作業を進めましょう。

2.使用率を確認する

プラズマ切断機を選ぶ際は、使用率の確認も必要です。使用率とは「10分間でどれくらいプラズマ切断機を使えるか」をあらわすものです。

【使用率の考え方】

  • 使用率60%の機器の場合、プラズマ切断機を使える時間は10分間のうち6分
  • あくまで10分周期の数値なので、1時間のうち60%(36分)連続で使用できるわけではない

使用率の低い機械を選ぶと、プラズマ切断機を止める時間が増え作業が進みません。そのため、長時間に及ぶ作業を予定している場合は、使用率の高い機器を選ぶのがおすすめです。

プラズマ切断機を使うならレンタルがおすすめ

レントでプラズマ切断機をレンタルするメリット

プラズマ切断機を用意するなら、レンタルの利用がおすすめです。

プラズマ切断機は切断する素材や厚さによって、適切な機器が必要です。そのため、作業ごとに適した切断能力の機器を購入すると、多額の購入費用が発生します。

場合によっては発電機やエアコンプレッサーなどの機器も必要なため、周辺機器も購入すると費用がかさむだけではなく、保管場所の確保も必要になります。

一方でレンタルなら、必要なときに必要な機器だけを借りられるので、最低限のコストでプラズマ切断機を用意できるうえ、保管場所も不要です。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな切断能力のプラズマ切断機を取りそろえています。エアコンプレッサーや発電機などの周辺機器もまとめてレンタル可能ですので、作業に合った機器を用意したい方は、以下のボタンから気軽にレントまでお問い合わせください。

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レンタルにおすすめのプラズマ切断機6選

ここからは、レンタルにおすすめのプラズマ切断機を6つ紹介します。

順に見ていきましょう。

1.プラズマガウジング・プラズマ切断機

プラズマガウジング・プラズマ切断機

項目 詳細
定格入力電圧 (V) 三相200
最高切断板厚 (mm) 70
定格使用率 (%) 100
外形寸法(mm)
※幅×奥行×高さ
453×780×809
質量(kg) 175

プラズマガウジング・プラズマ切断機は、ガウジングができる機械です。

【ガウジングとは】

  • 熱切断の原理を使って金属に溝を掘ること
  • 溶接の欠陥を取り除くためにおこなわれるケースが多い

最大70mmまでのエアープラズマ切断ができ、鉄やステンレスをはじめアルミや銅などの切断が可能です。また、従来の機器と比べて、ヒュームと粉塵の発生はおよそ3分の1、騒音はおよそ10dB(デシベル)以上抑えています。

プラズマガウジング・プラズマ切断機の詳細を見る

2.エアプラズマ切断機(100V/15A)

エアプラズマ切断機(100V/15A)

項目 詳細
定格入力電圧 (V) 75
最高切断板厚 (mm) 6
※鉄の場合
定格使用率 (%) 50
外形寸法(mm)
※幅×奥行×高さ
200×375×260
質量(kg) 12

エアプラズマ切断機(100V/15A)は、家庭用の100Vコンセントで使えます。エアコンプレッサーを内蔵しているうえ本体の重さは12kgなので、出張工事でも使いやすいです。

鉄はもちろん、ステンレスやアルミなどさまざまな金属を切断できます。また、「塗装板スタート」という機能が付いているため、カラー鋼板など電気を通しにくい素材の切断も可能です。

エアプラズマ切断機(100V/15A)の詳細を見る

3.エアプラズマ切断機(200V/35A・55A)

エアプラズマ切断機(200V/35A・55A)

※画像は代表機種のものです。

項目 詳細
型式 YP-030PA2 M-5500CII
定格入力電圧 (V) 200・220 200
最高切断板厚 (mm) 16 22
定格使用率 (%) 40 40 [60] ※[ ]内は外部エア使用時
外形寸法 (mm)
※幅×奥行×高さ
210×515×460 210×535×395
質量 (kg) 29

エアプラズマ切断機(200V/35A・55A)もエアコンプレッサーが内蔵されているため、場所を選ばず使用できる切断機です。ワンタッチで電源と接続でき、握りやすい切断トーチを採用しています。

エア不足やチップの漏電を知らせる製品もあるため、安全性を高めつつ作業を進めたい場合にぴったりです。また、切断の切り口が狭くノロが少ないため、きれいに仕上げられます。

エアプラズマ切断機(200V/35A・55A)の詳細を見る

4.エアプラズマ切断機(200V/60A・80A)

エアプラズマ切断機(200V/60A・80A)
出典:パナソニック コネクト株式会社

項目 詳細
型式 YP-060PA2 YP-080PF1
定格入力電圧 (V) 200 200・220
最高切断板厚 (mm) 25
定格使用率 (%) 40 100
外形寸法 (mm)
※幅×奥行×高さ
210×515×460 287×532×558
質量 (kg) 32 47

エアプラズマ切断機(200V/120A)は熱によるひずみを最小限に抑え、きれいな仕上がりになる切断機です。ステンレスやアルミなど、切断が難しい金属でも切断できます。

ガスを使用しないため、ガスに対する安全対策は不要です。また、エアコンプレッサーを内蔵しているので、別途調達する必要はありません。

エアプラズマ切断機(200V/60A・80A)の詳細を見る

5.エアプラズマ切断機(200V/120A)

エアプラズマ切断機(200V/120A)

項目 詳細
定格入力電圧 (V) 200
最高切断板厚 (mm) 60
定格使用率 (%) 100
外形寸法(mm)
※幅×奥行×高さ
450×680×805
質量(kg) 148

エアプラズマ切断機(200V/120A)は、最高60mmまでの厚い金属を切れる機械です。真ちゅうや銅など特に切断しにくい金属でも、厚さ20mmほどであれば切断できます。

エアコンプレッサーの準備が必要ですが、切断の精度が高く完成度も上げられます。定格使用率は100%なので、長時間にわたり連続して作業したい場合にも向いている機械です。

エアプラズマ切断機(200V/120A)の詳細を見る

6.エアプラズマ切断機(エンジン式/70A)

エアプラズマ切断機(エンジン式/70A)

項目 詳細
切断電力 出力電流 (A) 20~70
定格使用率 (%) 60
溶接電力 出力電流 (A) 35~300
定格使用率 (%) 50
最高切断板厚 (mm) 35
外形寸法(mm)
※幅×奥行×高さ
1,460×850×970
質量(kg)
※乾燥質量
630

エアプラズマ切断機(エンジン式/70A)は軽油を燃料とするエンジン式のため、電源のない現場でも使えます。エアコンプレッサーを内蔵しているので、別途で用意する必要はありません。

鉄骨やシートパイル・ステンレス製品など、さまざまな金属の切断や加工におすすめの機械です。

エアプラズマ切断機(エンジン式/70A)の詳細を見る

プラズマ切断機の使い方を把握して作業を進めよう

プラズマ切断機の正しい使い方を知って作業すれば、金属をスムーズかつ安全に切断できます。セッティングから切断、後処理までの手順を把握することが重要です。

作業前には電源の確保やエアコンプレッサーの用意、特別教育を受けるといった準備も忘れずにおこないましょう。

なお、プラズマ切断機をレンタルするなら、産業・建設機械のレンタル会社「レント」がおすすめです。レントでは、切断する素材の種類や厚さなどに合った機器を取りそろえています。

エアコンプレッサーや発電機などをまとめてレンタルした場合でも、ご希望の場所への配送が可能です。手間や時間をかけずにプラズマ切断機を用意したい場合は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。

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