業務用の送風機は、工場や倉庫からイベント会場など幅広い現場で、作業エリアの換気や空気循環などに用いられます。
本記事では、業務用の送風機の概要から活用シーン、選び方のポイントまでまとめました。おすすめの送風機も紹介しますので「用途に合った送風機を選びたい」とお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
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業務用の「送風機」とは
業務用の送風機とは、工場や倉庫のように広いスペースで大量の空気を送り出す産業機器です。
強力なモーターと大型のファンブレードを搭載しているため、一般的な扇風機よりも広範囲に効率よく強い風を届けられます。また、長時間の連続運転に耐えられる耐久性の高い設計であることから、商業施設や工場での使用にも適しています。
業務用の送風機を使うメリットは、空気循環を手軽におこなえる点です。本体がコンパクトで容易に持ち運びできるため、電源さえあれば屋内外を問わずさまざまな場所で活用できます。
また、必要な場所にピンポイントで風を送れるため、消費電力を抑えられる利点もあります。
業務用送風機の種類
業務用送風機の種類は、使用環境や目的に応じてさまざまです。以下に、よく用いられる種類を5つ紹介します。
項目 | 概要 |
(1)床置き型 |
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(2)窓枠取付型 |
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(3)ダクトファン |
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(4)防爆型 |
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(5)マンホール用無翼扇型 |
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コンパクトな床置き型は、最もスタンダードな送風機です。持ち運びが簡単なため、作業場所に合わせて柔軟に移動できます。また、工場やビル内の空気循環には、建物全体の換気システムの一部として窓枠取付型やダクトファンが用いられます。
さらに、特殊な環境下で重用されるものとして、可燃性のガスや液体を使用する現場では「防爆型」、下水管など地下に埋設された設備で作業する際には「マンホール用無翼扇型」などがあります。
なお、主な電源は、一般家庭のコンセントと同じ100Vと、工場などの大型施設で用いられている200Vの2種類です。電力により風量が変わるため、現場や目的に合わせて適切な機種を選びましょう。
サーキュレーターや扇風機との違い
送風機のように風を送る機器として「サーキュレーター」「扇風機」があります。それぞれの違いは、使用する目的にあります。
項目 | 概要 |
送風機 |
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サーキュレーター |
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扇風機 |
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「サーキュレーター」は、送風機と同じく風を送り空気を循環するために使用する機器です。例えば、エアコンと併用して部屋全体の温度を均一にしたり、結露を防いだりします。
一方で、「扇風機」は、送風機やサーキュレーターとは目的が異なります。扇風機は、人々に心地よい涼しさを届けることを目的としているため、広い範囲に穏やかな風を送ることが可能です。また、多くが首振り機能を備えており、範囲全体に均一な風を届けます。
送風機やサーキュレーターは、空間内の空気を効率的に動かすことに特化しているため、風の到達範囲が扇風機より限定的です。その反面、強い風力で空気を循環させるため、換気や排気などにも用いられます。
業務用送風機がよく用いられるシーン5選
業務用送風機は、以下のようにさまざまな現場で活躍しています。
ここで、具体的な活用シーンを見ていきましょう。
1.工場・倉庫現場
【活用例】
- 作業員の熱中症対策をする
- 結露を抑制し、カビの発生を防ぐ
- 倉庫内の滞留した空気を流動させる
工場・倉庫現場では、作業環境の改善と業務効率の維持を目的として送風機が活用されます。例えば、夏場なら作業員の熱中症対策、冬場なら結露によって発生するカビ防止のために使われるケースもあります。
2.建築現場
【活用例】
- 作業員の熱中症対策をする
- コンクリートや塗装時の乾燥を促進する
- 塗料を塗った際に換気をする
- 地下作業やトンネルでの作業時の酸素不足を防ぐ
送風機は、建設現場で「作業員を守る」「工程の効率化を図る」などといった用途でも活躍する機器です。地下作業やトンネル工事における換気から建材の乾燥促進まで、幅広く利用されています。
3.農業
【活用例】
- ビニールハウス内の空気循環をする
- 暖房と組み合わせて温度ムラを軽減させる
- 多湿による病気の被害を抑制させる
- 畜産施設の温度調節をする
- 有機肥料を発酵させる
農業分野では、以上のように環境管理と作物の生育環境改善に送風機が役立ちます。特に、ビニールハウス内の空気循環は、暖房と組み合わせることで温度ムラを軽減し、温度管理や病害対策などに効果的です。
また、畜産施設での温度管理や有機肥料の発酵促進にも役立ちます。
4.イベント会場
【活用例】
- 待機場所や行列時の暑さ対策として利用する
- 密閉された空間に新鮮な空気を提供する
- 紙吹雪やミストを舞い上げる演出に活用する
展示会やコンサートなど多くの人が集まるイベント会場では、参加者のための環境改善とイベント演出の両面で利用されます。送風機は軽量かつコンパクトな設計のため、1日限りのイベントから長期利用まで柔軟に対応することが可能です。
5.商業施設
【活用例】
- 新鮮な空気を提供する
- 湿気や臭いを軽減する
ショッピングモールや百貨店などの商業施設では、快適な環境を作るために送風機が利用されています。空気循環によって快適な空間を提供できれば、結果として顧客の滞在時間や満足度を高められる期待が持てます。
業務用送風機を選ぶ3つの基準
適切な業務用送風機を選ぶポイントは、以下の3つです。これらの基準に沿って、現場に合った機種を選びましょう。
では、ひとつずつ順番に説明します。
1.目的に合った風量を確保できる
業務用の送風機を選ぶ際にまず確認すべき点は、用途に応じた風量を確保できるかどうかです。風量が適していないと、空気の循環が意図したとおりにできず本来の目的を果たせません。
例えば、塗料を乾燥させたい場合に風量が過剰すぎると、表面の塗料が飛んでムラが発生する恐れがあります。一方で、マンホールなどの換気が目的の場合、不十分な風量では作業者の健康に影響を及ぼすリスクがあります。
また、過剰な風量は消費電力が必要以上にアップするケースもあるため、送風機を選ぶ際は用途に合った風量を確保するようにしましょう。
2.現場の使用環境に適した性能がある
現場の使用環境に適した性能があるかどうかも、選ぶ基準の1つとして挙げられます。送風機の使用環境は、屋内外、工場、地下現場など多岐にわたります。
そのため、以下のように現場の条件に合わせた機種を選びましょう。
- 設置スペースが限られる場合は、窓枠取付型
- 可燃性物質を扱う現場では、防爆型
- 空気が薄くなる地下作業では、十分な排気能力を持つ機種
もし、可燃性のガスを扱っている現場で、防爆型の送風機を用意できなければ、火災や爆発などにつながり非常に危険です。使用環境に適したものを選ぶことは、故障を防ぐだけでなく安全を守ることにもつながります。
3.ダクトなど必要な関連パーツが使用できる
業務用の送風機を選ぶときは、ダクトなどの関連パーツと併せて使えることも確認しておきましょう。
例えば、空気の通り道を作る「ダクト」は、送風機から離れた場所での換気・排気に必要な装置です。パーツによって長さや口径などの仕様に違いがあるので、現場環境や送風機にマッチしたものを用意する必要があります。
また、可燃性物質を扱う現場では、ダクトに加えて「延長コード」にも防爆仕様が必要となるため、送風機との互換性を事前に確認しておきましょう。
現場に合った業務用送風機を用意するならレンタルがおすすめ
送風機は、目的や設置環境などによって最適な機種が異なるので、レンタルで準備する選択がおすすめです。
案件ごとに複数の機種を購入するとなれば、初期費用が膨らむだけでなく、保管場所やメンテナンス費用なども確保しなければなりません。
必要な期間だけ必要な機種を用意できるレンタルなら、最低限のコストで用途や現場に適した送風機を用意可能です。さらに、メンテナンスはレンタル会社が担当するため、自社で保守管理をおこなう必要がありません。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、豊富な在庫から用途や使用環境に合った送風機を用意しておりますので、「最低限のコストで最適な送風機を用意したい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。
なお、送風機のレンタルで失敗しないために知っておくべきポイントを以下の記事で解説しています。選び方からおすすめ商品まで紹介していますので、併せて参考にしてください。
>>送風機のレンタルで失敗しない選び方は?ポイントやおすすめ商品も紹介
レンタルにおすすめの業務用送風機7選
ここで、レンタルにおすすめの業務用送風機を以下の7つ紹介します。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.送風機(100V)
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 |
口径 (φ) | 150〜592 |
電力(V) | 単相100 |
風量(㎥/min) | 5~165 |
外形寸法(mm) ※全長×全幅×全高 |
170×165×229〜477×669×774 |
重量(kg) | 1.8~41 |
1つ目に紹介するのは、家庭用100Vで使用できる床置き型の送風機です。軽量で持ち運びしやすく、換気や排気が必要な現場で活躍します。
コントローラー付きタイプや衝撃や湿気に強いタイプなどがあり、目的にぴったりの送風機を選べます。
2.送風機(200V)
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 |
口径 (φ) | 280〜500 |
電力(V) | 単相200、三相200 |
風量(㎥/min) | 70~190 |
外形寸法(mm) ※全長×全幅×全高 |
300×280×394〜505×522×673 |
重量(kg) | 15~55 |
200Vで使用するタイプの床置き型の送風機は、閉所での酸欠防止やガス中毒防止など、換気や排気が必要な現場に活躍します。
100Vと比較して大風量・高風圧のため、より広い場所で効率的に送風したいときに適しています。なお、送風機と併せて接続できる送風機用ダクトもレンタル可能です。
3.送風機(窓枠取り付け用)
項目 | 詳細 |
口径 (φ) | 461 |
電力(V) | 100 |
風量(㎥/min) | 85、96 |
外形寸法(mm) ※奥行き×全幅 |
356.5×611 |
取付寸法(mm) | 725~1,360 |
施設の窓枠にセットして使用するタイプの送風機は、設置場所が限られる場合の排気におすすめです。風速1m/sの風が15〜20mまで到達する強力な送風性能により、広い作業場でも効果的に空気循環ができます。
窓枠に固定されますが、吹出方向の調節機能があるため作業環境に応じて風向きの変更が可能です。また、ダクト工事が不要なため、導入コストを抑えられます。
4.大型送風機
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 |
プロペラ直径 (φmm) | 600、615 |
電力(V) | 三相200 |
風量(㎥/min) | 320〜580 |
外形寸法(mm) ※全長×全幅×全高 |
500×830×920〜755×1,066×1,177 |
重量(kg) | 65〜85 |
大風量で遠距離への送風が可能な大型タイプは、ダクトを使わなくても広い室内の熱気・湿気や粉塵の排出が可能です。低騒音仕様のため、一般工場やトンネル工事、地下工事などの風量や騒音に配慮が必要な場所の換気に適しています。
また、熱処理品、ガラス、セラミックなど高熱製品の強制冷却にも活用できます。
5.送風機(防爆型)
※商品画像は代表機種のものです。
項目 | 詳細 |
羽径 (φ) | 272〜400 |
電力(V) | 単相100、三相200 |
風量(㎥/min) | 21.5~105 |
重量(kg) | 16~63 |
可燃性のガスや液体の取り扱いをしている工場などに適した送風機として、防爆型があります。防爆用コネクタを一次線の先端に取り付けるタイプであれば、レンタル後すぐに使用可能です。
また、防爆が必要な現場に欠かせない防爆用送風機ダクトや防爆用延長コード、防爆型LEDハンドライトなどの安全工具も併せてレンタルできます。
6.送風機(マンホール用無翼扇型)
項目 | 詳細 |
電力(V) | 100 |
風量(㎥/min) | 弱:65 / 強:80 |
外形寸法(mm) ※全長×全幅×全高 |
575×870×334 |
重量(kg) | 7.8 |
上記のように、マンホール内作業時専用の送風機もあります。最大80m3/minの大量送風を地上部からおこない、酸素欠乏症を防止します。
入り口をふさがない構造で緊急時にすぐ避難ができるので、万が一の事故対策もできる商品です。
7.ダクトファン
項目 | 詳細 |
電力(V) | 三相200 |
風量(㎥/min) | 60 |
外形寸法(mm) ※全長×全幅×全高 |
350×490×670 |
重量(kg) | 39 |
軸流ファンで設備用ダクトに接続ができるタイプの送風機は、工場・ビル・船舶・鉱山などのダクト送風におすすめです。全閉タイプのモーターを採用しているため、埃や粉塵の侵入を防げます。
また、モーターは本体外部にあるため、ダクト内空気の温度にモーターが影響を受けず、幅広い用途で利用できます。
用途や利用シーンに合わせて業務用送風機を使おう
業務用の送風機は、工場、建設現場、農業、イベント会場など、幅広い現場で活躍する産業機器です。選ぶ際は、必要な風量、使用環境に適した性能、関連パーツの互換性という3つの基準を念頭に置いて選びましょう。
また、現場の人々の安全を守るため、防爆仕様が必要な現場など特殊な条件が求められる場合では、安全対策をすることも重要です。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」なら、豊富な在庫から用途や使用環境に合った送風機をレンタル可能です。メンテナンスされた商品を用意しているうえ、防爆型など特殊な仕様の送風機も幅広く扱っています。
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