トルクレンチをレンタルで選ぶ基準は?ポイントやおすすめ商品も紹介

トルクレンチは、車両整備や機械整備などあらゆる場面で使用される精密測定機器です。

本記事では、選ぶ基準やおすすめのレンタル会社のポイント、おすすめ商品までをまとめて紹介します。「作業に適したトルクレンチをレンタルしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、定番のプレセット形トルクレンチから感電事故防止に必要な絶縁トルクレンチなど、幅広い種類をご用意しております。より正確に作業できるよう、出荷前に校正した商品をお渡ししておりますので、以下からお気軽に見積りを依頼ください。

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トルクレンチの種類

トルクレンチとは、ボルトやナット・ネジを、適切なトルク値で締めるために使用する精密測定機器のことです。主に、車両整備や工事現場などで、機械の組み立てや整備・検査などに使用され、大まかに以下にわけられます。

トルクレンチの種類

確認方法 概要 種類
シグナル式 設定したトルク値に達すると、音や振動で通知 (1)プレセット形
(2)単能形
直読式 目盛に表示されたトルク値を、目視で確認 (3)デジタル形
(4)ダイヤル形
(5)プレート形

トルクレンチの主流は、締め付け用として使用するシグナル式のプレセット形です。デジタル形やダイヤル形などは、すでに締め付けられているボルトやナットなどが、どれくらいの力で締め付けられているかを確認する「検査用」として使用されます。

さまざまな種類があるので、指定どおりのトルク値で作業を完了するためにも、適切なトルクレンチを選ぶことが重要です。

トルクレンチをレンタルする2つのメリット

トルクレンチをレンタルするメリットは、以下のとおりです。

トルクレンチをレンタルする2つのメリット

では、ひとつずつ説明します。

1.作業に適したトルクレンチを用意できる

1つ目のメリットは、レンタルすれば作業に適したトルクレンチを用意できることです。トルクを締める作業は、車両整備や配管・通信設備などの工事、多様な種類のネジを締め付ける生産ラインなど、さまざまなシーンがあります。

締め付けるボルトのサイズにトルクレンチがはまらなければ、作業をおこなえません。また、指定トルク値で締め付けをおこなうには、適した測定範囲の製品が必要です。レンタルすれば、作業ごとに必要なトルクレンチを柔軟に用意できるので、柔軟に案件を受注できます。

2.初期費用やメンテナンス費用を削減できる

作業に必要なトルクレンチを適宜レンタルすれば、初期費用やメンテナンス費用を削減できることもメリットです。工具をすべて自社で保有すると、利用頻度にかかわらず購入する必要がありコストが膨らみます。

また、精密機器であるトルクレンチは振動や衝撃で精度が落ちやすく、年1回以上は校正(トルクレンチテスタでトルクレンチの精度を点検・確認する作業)が必要です。もし校正を自社でおこなえない場合は、その都度、専門業者へ依頼するためメンテナンス費用がかかります。

限られたコストで正確に作業を進めるためにも、購入費用を抑えつつ、できれば校正を依頼できるレンタルを利用するとより安心です。

トルクレンチを選ぶ3つの基準

トルクレンチは、以下の3つの基準に沿って選ぶと適した製品を選べます。

トルクレンチを選ぶ3つの基準

それぞれ詳しく説明します。

1.目的や用途に適した作業ができる

トルクレンチは、目的や用途に適したものを選びましょう。目的と用途が合っていないと、指定のトルク値で締め付けができないだけでなく、作業効率が低下する恐れがあります。

【目的や用途に合わせた選び方の例】

  • 同じ生産ラインで複数の指定トルク値があるなら、簡単に設定変更できるプレセット形
  • 作業履歴を記録するなら、自動保存できるデジタル式
  • 検査なら、目盛が見やすいデジタル形・ダイヤル形などの検査用
  • 電気工事なら、感電事故から身を守る絶縁仕様タイプ

上記のほかにも、電気工事の際に感電事故から身を守るため「絶縁仕様」が施されたトルクレンチなどもあります。作業を正確に進め、事故防止の対策を強化するためにも、目的や用途に適した作業ができるトルクレンチの使用がおすすめです。

2.測定できるトルク値が指定トルク値に適している

トルクレンチで測定できるトルク値が、指定トルク値の範囲内に収まるものを選ぶことも重要です。指定トルク値と、トルクレンチで測定できるトルク値の上限が近すぎると、トルクレンチが故障する原因になり、正確に測定できません。

トルク値を正確に測定できない場合、以下のトラブルが発生する可能性があります。

  • 締め付ける力が強い:ボルトやナットなどが変形・折損する
  • 締め付ける力が弱い:ボルトやナットをうまく固定できない

正しいトルク値で締め付けできるトルクレンチを選ぶには、指定トルク値が上限トルク値の70~80%程度になるものを選ぶことがおすすめです。例えば、締め付けたいトルク値が80N・mなら、最低でも104N・m以上を測定できる製品を選びましょう。

3.締めたいボルトやネジの形状・サイズと合っている

ボルトやネジの形状・サイズに合ったトルクレンチを選ぶことも大切です。ボルトやネジの形状・サイズがトルクレンチのヘッドに適していなければ、ぴったりはまらず正確に測定できないからです。

【トルクレンチのヘッダー形状の例】

  • ソケット型
  • ロングソケット
  • スパナ型
  • リング型
  • モンキー型

上記のほかにも、ボルトやネジのサイズが異なるケースがあります。

異なるボルトやネジを扱う場合は、ヘッドが交換できるタイプを使えばスムーズに作業を進められるので、全体の作業工程を確認しておくと過不足がなくなり安心です。

トルクレンチをレンタルする会社を選ぶ3つのポイント

トルクレンチをレンタルする会社を選ぶポイントは、以下の3つです。

トルクレンチをレンタルする会社を選ぶ3つのポイント

詳しく説明します。

1.取り扱っているトルクレンチの種類が豊富である

まずは、取り扱っているトルクレンチの種類が豊富なレンタル会社を選びましょう。レンタル会社の規模や方針によっては、ラインナップが限られているケースがあるからです。

締め付け用から検査用までさまざまな種類があるトルクレンチは、用途に合わせて選ぶことが正確に作業を完了するために重要です。

トルク調整範囲が指定トルク値に該当しなければ、正しく締め付けができず、ボルトやナットが緩んだり変形したりして事故につながる恐れがあります。事故を未然に防ぐためにも、多様なトルクレンチの在庫を持つレンタル会社を選ぶと安心です。

2.品質管理(校正)の規格が明確である

2つ目のポイントは、トルクレンチの品質管理(校正)が明確なレンタル会社を選ぶことです。

トルクレンチは、ボルトやナット、ネジを正確に締めるために使用する精密測定機器です。定期的に校正をおこなわないと数値にズレが生じ、締め付けが不十分でボルトが緩んだり締めすぎたりして、事故につながります。

自社独自の規格だけでなく、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)の「JIS規格」など、信頼されている機関が定めた規格で校正をおこなっているかについても確認しましょう。

できれば、レンタル時に校正証明書を添付している会社を選ぶとより安全に作業を進められます。

3.関連商品をまとめてレンタルできる

レンタル会社を選ぶ際は、トルクレンチの交換用ヘッドもまとめてレンタルできることも重要です。ひとつのレンタル会社でまとめてレンタルすれば、最短で手続きを完了できます。

レンタル会社でトルクレンチとヘッドをまとめてレンタルできなければ、追加で借りるか別のレンタル会社を探さなければなりません。準備の手間を減らすためにも、関連商品をまとめてレンタルできるレンタル会社を選ぶことがおすすめです。

トルクレンチをレンタルするなら「レント」がおすすめ

レントでトルクレンチをレンタルするメリット

トルクレンチをレンタルするなら、産業・建設機器や関連商品の取り扱いが豊富なレンタル会社「レント」がおすすめです。

レントでは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)によって制定された、品質マネジメントシステムに関する規格(ISO9001:2015認証)を取得した設備で校正をおこなっています。

JIS規格にもとづいて、メーカー新品時と同等の「99N・m未満:±5、100N・m以上:±3」を基準としてしており、要望があれば新JIS規格での対応も可能です。

安全に作業ができるよう品質管理を徹底しているため、年1回の定期点検はもちろん、レンタルの出荷前もその都度校正を実施しています。

さらに、お客さまご自身で保有しているトルクレンチの校正もお受けしておりますので「高品質のトルクレンチを使用したい」という場合は、以下からお気軽にお見積もりを依頼ください。

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レンタルにおすすめのトルクレンチ5選

ここからは、レンタルにおすすめのトルクレンチを5つ紹介します。

  1. 締付用 プレセット形トルクレンチ
  2. 締付用 単能形トルクレンチ
  3. トルクレンチ(締付・検査兼用)
  4. プレセット形 モンキーヘッド トルクレンチ
  5. 絶縁トルクレンチ

ひとつずつ見ていきましょう。

1.締付用 プレセット形トルクレンチ

締付用 プレセット形トルクレンチ

項目 概要
型式 QL1.5N QL3N QL25N TiEQLE750N
トルク:調整範囲(N・m) 0.5~1.5 1~3 5~25 100~750
トルク:1目盛(N・m) 0.025 0.05 0.25 5
質量(Kg) 0.12 0.12 0.25 4.5
精度 (%)
※レンタル出荷時
±5 ±5 ±5 ±3

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。また、仕様はメーカー・年式により異なる場合がございます。

一般的によく使われる「プレセット形トルクレンチ(締付用)」です。トルク能力範囲内であれば、メモリによってトルク値を変更できる点が特徴です。回転のたびにヘッドをはめ直す必要がない「ラチェット付き」なので、狭い場所での締め付けに威力を発揮します。

設定したトルク値に達するとシグナル音や振動で締め付け完了を教えてくれるため、締めすぎ・緩すぎ防止にも役立ちます。

締付用 プレセット形トルクレンチの詳細を見る

2.締付用 単能形トルクレンチ

締付用 単能形トルクレンチ

項目 概要
型式 QSP25N3 QSP200N4
トルク:調整範囲(N・m) 5~25 40~200
角ドライブ(mm) 9.53 465
質量(Kg) 0.25 1.2
精度 (%)
※レンタル出荷時
±5 ±3
ハンドル 樹脂グリップ ローレット

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。また、仕様はメーカー・年式により異なる場合がございます。

同じトルク値で締め付け作業を継続するときに向いている商品として、トルク値を固定するタイプの「単能形トルクレンチ(締付用)」を紹介します。専用工具がなければ目盛りを調整できない仕様のため、作業中にトルクが変わる心配がなく、安心して連続作業をおこなえます。

ソケットのレンタルや販売も対応できますので、まとめて準備したいときにもおすすめです。

締付用 単能形トルクレンチの詳細を見る

3.トルクレンチ(締付・検査兼用)

トルクレンチ(締付・検査兼用)

項目 概要
型式 DPW50 GED060-R3-Z HTWC-100Ⅱ
トルク:調整範囲
(N・m)
10~50 12~60 20~100
最少読取
(N・m)
0.01 0.01 0.1
質量(Kg) 0.52 0.42 0.42
精度 (%)
※レンタル出荷時
±5 ±5 ±3
メモリ機能(件) 6,000 200 6,000

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。また、仕様はメーカー・年式により異なる場合がございます。

次は、測定時のトルク値がデジタル表示されるトルクレンチ(締付・検査兼用)を紹介します。あらかじめ設定したトルク値の上限、下限の締付範囲内であれば、光や音で合否判定を知らせてくれます。

締付結果を自動で保存してくれるため、作業履歴をデータで管理しやすく、品質管理や進捗管理・作業分析など、あらゆる業務の効率化を図ることも可能です。

トルクレンチ(締付・検査兼用)の詳細を見る

4.プレセット形 モンキーヘッド トルクレンチ

プレセット形 モンキーヘッド トルクレンチ

項目 概要
型式 TMWM15 TMWM50 TMWM100 TMWM200
トルク:調整範囲(N・m) 3~15 10~50 20~100 40~200
トルク:1目盛(N・m) 0.2 0.5 1 2
質量(Kg) 0.3 0.47 0.74 1.51
精度 (%)
※レンタル出荷時
±5 ±5 ±3 ±3

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。また、仕様はメーカー・年式により異なる場合がございます。

配管や連結部など、ソケットが差し込めない箇所の作業に適しているトルクレンチが、プレセット形のモンキーヘッドタイプです。口径能力範囲内であれば、必要なサイズに調整してボルトやナットの形に関係なく締め付けができます。

設定したトルク値になると、締め付け完了をシグナル音や振動で教えてくれる機能付きです。トルクレンチを裏向きにすれば左回転の締め付けも可能なため、右側にスペースがなくても作業を進められます。

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5.絶縁トルクレンチ

絶縁トルクレンチ

項目 概要
型式 PQLZ25N PQLZ100N4
トルク:調整範囲(N・m) 5~25 20~100
トルク:1目盛(N・m) 0.25 1
質量(Kg) 0.28 0.8
精度 (%)
※レンタル出荷時
±5 ±3

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。また、仕様はメーカー・年式により異なる場合がございます。

感電事故から身を守るために重用されるのが、絶縁トルクレンチです。耐電圧AC1000Vなので、電気自動車の組み立て作業や電気設備の工事などに向いています。

電源を落とせない活線作業やバッテリーターミナルの接続など、電気が溜まっている可能性の高い部位のトルク管理に最適です。設定したトルク値になるとシグナル音や振動で締め付け完了を知らせ、トルク能力範囲内であればトルク値も変更できます。

絶縁トルクレンチの詳細を見る

作業に合ったトルクレンチをレンタルしよう

トルクレンチは、確認方式や種類によってさまざまなタイプがあるため、目的や用途に適した機種を選ぶことが大切です。測定できるトルク値が指定トルク値に適しているのはもちろんのこと、品質管理がしっかりして、関連商品もまとめてレンタルできるレンタル会社を選びましょう。

産業・建設機器のレンタル会社「レント」では、豊富な種類のトルクレンチを取り扱っています。出荷前に都度校正しているレントなら、いつでも品質管理を保って作業できるため、「正確に作業をおこなえるトルクレンチを探している」という方は、以下からお気軽にお見積もりを依頼ください。

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