トラックの荷台をはじめとした各部位には、さまざまな部品やパーツが使われています。各部の名称や役割を理解しておくと、現場で指示を受ける際に理解がスムーズです。
本記事では、創業約40年の産機レンタル会社が、トラックの種類ごとに荷台やパーツの名称をまとめました。荷台の名称を把握して、現場での作業を円滑に進めましょう。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、平ボディトラックやパネルトラックをはじめ、さまざまなトラックを取り扱っています。豊富なラインナップのなかから最適な車両を提案しますので、以下のボタンより気軽に見積もりを依頼ください。
平ボディトラックの荷台の名称
平ボディトラックとは、荷台に屋根や壁がないトラックのことです。上部が開放されているため、クレーンやフォークリフトを使って大きな荷物を積み下ろしやすいのが特徴です。
ここでは、各名称を5つに分けて見ていきましょう。
1.アオリ
アオリは、荷台の側面や後部に設置された板状の囲いです。高さは数十センチ程度で、荷崩れや荷物の落下を防ぐ役割があります。
積み下ろしは、アオリを開いておこないます。開閉方法は、横開き・後ろ開きと車種によってさまざまです。
2.鳥居(プロテクター)
鳥居は、荷台の前方とキャブの境に設置されている仕切りです。別名「ロードレストストッパー」とも呼ばれています。
積荷の固定にも使われ、荷物の前方ズレを防いだり長尺物を立てかけたりするほか、ロープかけにも使用します。
3.サイドガード
車体下部・荷台の側面に設置された柵状の部品が、サイドガードです。歩行者や自転車の巻き込み事故を防ぐほか、車体下にあるガソリンタンクやバッテリーを保護する役割も担っています。
なお、サイドガードをはじめとした巻込防止装置は、道路運送車両法の保安基準で強度が定められています。
4.フロントフェンダー・リアフェンダー
フェンダーとは「泥除け」を意味し、回転するタイヤからの泥・水はねを防ぐためのカバーの役割を持ちます。
前輪を覆うのがフロントフェンダー、後輪用がリアフェンダーです。素材には、軽量で耐久性のある樹脂や、錆びにくいステンレスなどが使用されています。
5.ブリム
アオリの上部の縁部分のパーツがブリムです。荷物の積み下ろし時に擦れて傷つきやすい部分のため、アオリの劣化やサビを防ぐためにゴム製や樹脂製のブリムカバーが装着されることもあります。
なお、平ボディトラックは、シンプルな構造でさまざまな使い方ができ、種類も豊富です。どのような種類があるかチェックしたい場合は、以下より平ボディトラックの一覧をご覧ください。
バンボディトラックの荷台の名称
ボックス型の箱を荷台に載せた車両をバンボディトラックと呼びます。輸送中の積荷の落下を防止するほか、直射日光や熱、雨風から守る役割も果たしています。
では、1つずつ見ていきましょう。
1.サイドパネル
サイドパネルは、荷台の側面に取り付けられた大きな板状のパネルです。
素材は、アルミやFRPといった軽くて丈夫な素材が使われています。なお、アルミ素材のパネルを使用したバンボディトラックは「アルミバン」と呼ばれます。
2.リヤドア
バンボディトラックの荷台後方に取り付けられたドアです。多くのバンボディでは、積み下ろし時に幅を取らない観音開きタイプのドアが採用されていますが、なかにはシャッター式もあります。
後方からの作業ができないときや大型の荷物の搬入には、サイドドアが付いているタイプの車両が便利です。
3.リヤバンパ
リヤバンパは、車両の後部に取り付けられている衝突に備えたパーツです。万が一追突された際に、積荷や車両本体へのダメージを最小限に抑える役割があります。
なお、車両総重量が3.5tを超える場合、「後部突入防止装置」の設置が義務付けられています。
4.ジョロダレール
ジョロダレールは、重量物をスムーズに出し入れするために使うレールです。ローラー付きの台車(ジョロダー)使用時に、荷台の床に取り付けて活用します。大型バンボディや冷蔵車によく装備されており、重量物の積み下ろし作業の負担を軽減します。
バンボディトラックの一種であるパネルトラックは、以下のページで一覧を確認できますのでご覧ください。
ウイングボディトラックの荷台の名称
ウイングボディトラックはパネルが翼のように開くため、大型の荷物を積み下ろす現場で使われます。
荷台のパーツについて順に解説します。
1.ウイングサイドパネル
ウイングサイドパネルは、荷台の左右に設置された可動式のパネルです。羽根のように上下に開閉し、フォークリフトを使って横から荷物を積み下ろしできます。
屋根のように開いた状態で、雨避けとして使うことも可能です。
2.フロントパネル
荷台前方に固定されているのがフロントパネルです。衝突時の緩衝材としても機能し、積荷を保護します。なお、キャブ前面の外装にも「フロントパネル」と呼ばれるパーツがあるため、状況に応じて区別が必要です。
ウイングボディトラックは、大型の荷物を運搬したい現場に最適です。より詳しい機能などを知りたい場合は、以下をご覧ください。
保冷車の荷台の名称
保冷車はバンボディトラックの一種で、荷台に断熱性を備えた車両です。冷却機能はありませんが、以下のような断熱構造により荷物を低温に保ったまま輸送できます。
それぞれ解説します。
1.断熱パネル
保冷車の荷台側面の壁や天井に使われている断熱性の高いパネルです。アルミやFRP(繊維強化プラスチック)など、軽量で強度の高い素材が使われています。
内部に断熱材が挟み込まれており、熱が伝わりにくく外気の影響を受けにくい構造です。
2.コーナーポスト・コーナーアングル
コーナーポストやコーナーアングルは、断熱パネル同士を接合するための補強パーツです。鋲(びょう)で固定されており、荷室の気密性を高め、冷気が外部に漏れるのを防ぎます。
冷凍冷蔵車の荷台の名称
冷凍冷蔵車は、荷台に冷却装置を搭載し、食品や医薬品などを低温または冷凍状態で運ぶための車両です。野菜や冷凍食品のほかに、精密機器や薬品などの厳密な温度管理が求められるものを運ぶ場合もあります。
では、荷台に使われるパーツを順に見ていきましょう。
1.キーストン床
キーストン床とは、凹凸状に加工された鉄板「キーストンプレート」を使用した床のことです。キーストンプレートは荷台の内張りにも使われます。
庫内の冷気の流れが効率的になり、庫内を均一に冷やせます。
2.エバポレーター
エバポレーターは、冷媒ガスの気化により熱を奪って庫内を冷やす冷却装置です。日本語では「蒸発器」や「熱交換器」とも呼ばれています。
コンデンサーが原因で気化して冷たくなったガスを強制循環させる役割を持ちます。
3.サーキュレーター
冷却された空気を庫内全体に循環させる送風機です。「ターボファン」とも呼ばれます。冷気が出る場所を塞ぐように荷物を積んでしまうと、冷気がうまく循環せず庫内が冷えないので、使用前にサーキュレーターの位置を確認しておきましょう。
冷凍冷蔵車は、冷却性能や庫内の構造によって運べる積荷が異なるため、荷物に合った車両を選ぶ必要があります。以下では実際の冷凍車の性能を確認できますので、ご覧ください。
ダンプトラックの荷台の名称
ダンプトラックは、荷台を傾けて積荷を自動で下ろすタイプのトラックです。主に土砂や砕石などの建設資材を運搬する現場で使われます。
ここでは、主要な3つの名称を紹介します。
1.ホイスト機構
ホイスト機構は、ダンプが荷台の昇降をする際に使うピストンです。
普段は荷台の下に収納されており、荷下ろしの際に伸びて荷台を持ち上げます。ホイスト機構には大きく分けて「PTO式」と「電動モーター式」の2種類があります。
2.自動シート開閉装置(コボレーン)
荷台上部を全体的に覆って、積載物が走行中に飛散するのを防ぐ装置です。正式には「自動シート開閉装置」「飛散防止装置」ですが、製品名の「コボレーン」が業界では通称として広く使われています。
3.プロテクタハシゴ
プロテクタハシゴは、荷台の前方にある「鳥居」に取り付けられている昇降用のハシゴです。作業員が荷台の上に登って積荷を確認したり、シートをかけたりする際に安全に昇降するために使います。
ダンプトラックのさらに詳しい名称に関しては、以下の記事をあわせてご一読ください。
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なお、ダンプトラックは2tクラスや6tクラスなど、最大積載量によってさまざまな種類があります。ダンプトラックの種類を確認したい場合は、以下をご覧ください。
現場に適したトラックを用意するならレンタルがおすすめ
各パーツの役割や違いを知っておくと、どのような特徴を持つトラックなのかがわかるため、ひととおり覚えておくのがおすすめです。現場や運ぶ荷物に合ったトラックをスムーズに選べます。
また、必要な期間だけトラックを使うなら、レンタルがおすすめです。レンタルなら購入費用をかけずに、案件に合わせて車両を変えられます。加えて、自社でトラックを保有しなくていいので、保管スペースの確保やメンテナンスの手間が抑えられる点もメリットです。
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