オイルレスコンプレッサーとは?種類やメリット・デメリットを解説

オイルレスコンプレッサーは、吐出し空気中への油分の混入を低減できるコンプレッサーです。空気を圧縮するパーツ(圧縮室)で油を使わないため、食品工場や医療現場といったクリーンな空気が必要な現場で活躍します。

本記事では、オイルレスコンプレッサーの仕組みや種類、選び方などについて解説します。「どのコンプレッサーが自分の現場に合うか知りたい」とお悩みの方はご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、オイルレス式コンプレッサーのレンタルに対応しています。現場や作業内容に合ったコンプレッサーをご提案しますので、以下のボタンからお気軽に見積もりをご依頼ください。

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オイルレスコンプレッサーとは

冒頭でお伝えしたとおり、オイルレスコンプレッサーとは、圧縮工程で油を使わないコンプレッサーのことで、メーカーによっては「オイルフリーコンプレッサー」と呼ばれることもあります。

通常のコンプレッサーでは、「金属部品の摩耗防止」と「ガス漏れ防止」の目的で、オイルが使用されています。一方、オイルレスコンプレッサーは、摩擦に強い素材や特殊なコーティングを使用することで、オイルなしでも稼働可能です。

機種によってはギヤなどの駆動部に潤滑油を使いますが、圧縮した空気とオイルが触れない仕組みになっています。質の高い吐出し空気を供給できるため、食品工場や医療現場などクリーンな空気が必要な場所で使われています。

オイル式との違い

オイル式とオイルレス式の違いは、以下の表のとおりです。

種類 特徴
オイル式
  • 吐出される空気にオイルミストが混ざる
  • 定期的なオイル交換が必要
  • 本体価格が低い
オイルレス式
  • クリーンで質の高い空気を供給できる
  • オイル交換不要(定期点検は必要)
  • 本体価格が高い

クリーンな空気が必要な現場にはオイルレス式が、コストを抑えたい場合はオイル式が向いています。なお、コンプレッサーの基本的な仕組みや用途については以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

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オイルレスコンプレッサーの種類

オイルレスコンプレッサーは、圧縮方式によって以下の3種類に分類されます。

1つずつ見ていきましょう。

1.スクリュー式

【スクリュー式の特徴】

  • オスとメス一対のローター(スクリュー)が回転して空気を圧縮する
  • 小型でも高圧の空気を送り出せる
  • 音・振動が小さい

スクリュー式は、2本のローターが噛み合いながら高速回転することで空気を圧縮します。通常はローター同士の摩擦を防ぐためにオイルを使いますが、オイルレス式ではローター同士が接触せずに回転することが特徴です。

ギヤ部分には潤滑油を使いますが、圧縮室内にはオイルが入りません。工場でのエア供給によく使われています。

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2.スクロール式

【スクロール式の特徴】

  • 2枚の渦巻状のローターを組み合わせて空気を圧縮する
  • 振動が少なく静音性に優れている
  • 屋内や住宅地など静かさが求められる場所に向いている

固定スクロールと旋回スクロールという2枚の渦巻状の部品を組み合わせて空気を圧縮する方式が、スクロール式です。旋回スクロールが回転すると、固定スクロールとの間に三日月状の圧縮室ができ、空気が中心部に向かって圧縮されます。

オイルレス式では、チップシールという部品を接触面に使うなど、メーカーごとに異なるシール技術を採用しているのが特徴です。振動が少なく静音性に優れているため、屋内や住宅地での使用に適しています。

オイルフリーコンプレッサ(スクロール/タンク付き)の詳細を見る

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3.レシプロ式

【レシプロ式の特徴】

  • シリンダー内のピストンが往復運動して空気を圧縮する
  • ピストンの往復運動により、音・振動が大きい
  • 部品構造がシンプルで、メンテナンスがしやすい
  • 同じ出力クラスの他方式と比べて、本体価格が安い

レシプロ式の圧縮方法は、シリンダー内のピストンが上下に往復運動する仕組みです。オイルレス式では、ピストン部分に樹脂やプラスチックなど摩擦に強い素材を使い、潤滑油なしで稼働できます。

ピストンの往復運動により音・振動は大きいものの、部品構造がシンプルでメンテナンスがしやすい点が特徴です。同じ出力クラスのスクリュー式やスクロール式と比べて本体価格が安いため、コストを抑えたい場合に向いています。

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なお、オイルレス以外も含めたコンプレッサーの種類については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

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オイルレスコンプレッサーの3つのメリット

オイルレスコンプレッサーのメリットは、以下の3つです。

それでは、順番に解説します。

1.クリーンな圧縮空気を供給できる

繰り返しになりますが、オイルレスコンプレッサーは、吐出し空気中への油分の混入を低減できる仕組みであるため、クリーンな圧縮空気を供給できます。

食品加工や医療、電子機器製造などの現場では、オイルが製品に付着すると品質の低下や衛生上の問題につながりかねません。そのため、こうした現場では、クリーンな空気を供給できるオイルレス式が選ばれています。

2.オイル交換の手間・コストがかからない

オイル交換やオイルフィルターの交換が必要ないのも、オイルレス式の特徴です。日常的なオイル残量の確認も不要なので、オイルの購入費や交換作業の人件費を抑えられます。

オイル式の場合は、定期的にオイル交換が必要なため、長期的なランニングコストも含めて比較するのがおすすめです。また、オイル式はスタート時にオイルの注入や加熱の待ち時間が発生しますが、オイルレス式ならこうした準備が不要です。

3.オイルによる環境汚染の心配がない

オイルレス式はオイルを使わないため、オイル漏れによる環境汚染のリスクを抑えられます。

オイル式の場合は、ドレンに油分が混入する場合があり、放流先や自治体要件に応じた処理が必要になることがあります。

【ドレン水とは】
空気を圧縮する際に発生する水分のこと。タンク内に溜まるので、定期的な排出が必要。

一方でオイルレス式は、オイル式に比べてドレン水に油分が混入するリスクを下げられます。オイルミストも発生しないため、床や周辺機器が油で汚れにくく、清潔な作業環境を保ちやすい点もメリットです。

オイルレスコンプレッサーの3つのデメリット

オイルレスコンプレッサーのデメリットは以下の3つです。

それぞれ見ていきましょう。

1.オイルを使わない分、耐久性がやや劣る

オイルレス式は、オイル式に比べて耐久性がやや劣る傾向にあります。オイルを使用せず運転するため、摩擦や熱の影響を受けやすいからです。

オイル式ではオイルによる冷却効果によって内部温度が一定に保たれますが、オイルレス式にはその機能がありません。長時間の連続運転をおこなうと、内部に熱が蓄積し、性能低下や故障につながる恐れがあります。

また、オイルによる潤滑がない分、ピストンリングやシールなど部品同士が接触する箇所の摩耗が進みやすく、部品の寿命が短くなる場合があります。

2.初期費用やメンテナンス費用が高くなりやすい

一般的なオイル式に比べて、導入コストやメンテナンス費用が高い点も、オイルレス式の特徴です。特殊な部品や素材を使用するため、高性能な機種や大規模な機種ほど、価格が上がります。

オイル交換は不要ですが、フィルターの清掃・交換や、シリンダー、バルブの定期点検は必要です。オイルレス式にはオイルによる冷却・潤滑・密封機能がないことから、こまめな点検や消耗部品の早めの交換が求められます。

また、交換部品の値段もオイル式より高くなりやすいため、ランニングコストも含めて検討するのがおすすめです。

3.使用する環境に注意が必要

オイルレス式は、使用する環境によっては劣化が早まる可能性があります。湿気やホコリが多い環境ではフィルターの目詰まりが起こりやすく、結果として冷却機能の低下につながります。こまめな清掃を心がけましょう。

特に、以下のような場所で注意が必要です。

【使用注意の場所】

  • 高温環境:ベアリングのグリスが溶けてダメージを受けるケースがある
  • 港湾施設や漁港:海風の当たる場所では、塩害によるベアリングのさびなどが原因で耐久性が落ちる場合がある

長時間の運転や重い負荷がかかる作業には向いていない機種も多く、事前にスペックを確認するのがおすすめです。ただし、機種によっては長時間の運転に対応しているものもあります。

このように、オイルレス式は使用環境に制約があるため、クリーンな空気が不要な現場では、コスト面でオイル式のほうが有利になるケースもあります。

オイルレスコンプレッサーの選び方

オイルレスコンプレッサーを選ぶ際は、以下の4つのポイントを確認しましょう。

順に解説します。

1.必要な吐出し空気量を満たしている

コンプレッサーを選ぶ際は、作業に必要な「吐出し空気量」を満たしているか確認しましょう。

【吐出し空気量とは】

  • コンプレッサーが1分間に吐出せる空気量のこと
  • 単位は「L/min(リットル・パー・ミニッツ)」や「㎥/min(リューベ・パー・ミニッツ)」

吐出し空気量の数値が大きいほど、短時間でタンクに空気が溜まるので、エアツールの作業をスムーズに進められます。ただし、吐出し空気量が多いほど電力の消費量が増えるため、作業に必要な空気量を事前に確認しておくことをおすすめします。

2.十分な圧力を確保できる

作業に必要な「圧力」を確保できるかも、コンプレッサーを選ぶ際の重要な基準です。

【エアコンプレッサーの圧力とは】

  • コンプレッサーが空気を押し出す力のこと
  • 単位は「MPa(メガパスカル)」や「kgf/㎠(重量キログラム毎平方センチメートル)」

圧力が不足すると、エアツールや機械の性能を十分に発揮できず、仕上がりが悪くなったり作業に時間がかかったりする原因になります。

ただし、圧力は高ければよいというわけではありません。圧力を下げる調整はできますが最高圧力を超える設定はできないため、使用するエアツールや機械がどの程度の圧力で動作するのか、事前に確認しておきましょう。

3.エアの質が作業内容に合っている

エアの質が用途に適しているかも、事前に確認しましょう。エアの質は、製品の仕上がりや品質に影響を与えるからです。

オイルレスコンプレッサーは、質の高い吐出し空気を供給できるため、食品工場や医療現場などクリーンな環境が求められる場所に適しています。より高品質なエアが必要な現場では、フィルターやエアドライヤを併用することで、用途に適したエアの質を確保可能です。

なお、建設現場での釘打ちや穴あけなど、エアにオイルが含まれていても仕上がりに影響が出にくい作業であれば、オイル式のほうがコストを抑えられるケースがあります。現場の環境や用途にあわせて最適なエアの質を選びましょう。

4.騒音値が設置場所に適している

コンプレッサーの稼働音が現場に適しているか、確認が必要です。騒音規制法では、「工場・事業場に設置する機械」や「建設現場での作業」など、大きな音を発生するものに対して規制が設けられています。

例えば、工場・事業場の騒音規制では、指定地域内で特定施設を設置している工場・事業場から発生する騒音が規制対象です。著しい騒音を発生する施設が「特定施設」として定められており、コンプレッサーも出力などの条件によっては対象となります。

規制基準は地域の区分や時間帯によって異なり、概要は以下のとおりです。

▼工場・事業場の規制概要

  • 対象となるコンプレッサー:原動機の定格出力が7.5kW以上のものに限る

出典:環境省

また、「建設現場での作業」の騒音規制については、指定地域内の特定建設作業で発生する騒音が規制対象となります。この騒音規制は、機械そのものではなく「特定建設作業(作業の種類)」に該当するかどうかによって、以下の規制基準が設けられています。

▼建設作業の規制概要

  • 対象となるコンプレッサー:電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が15kW以上のものを使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業を除く)

出典:環境省

ただし、上記は国が定めた基準の概要であり、実際の規制基準は自治体ごとに異なるため注意が必要です。コンプレッサーを導入・使用する際は、都道府県や市区町村の窓口で事前に確認しておきましょう。

オイルレスコンプレッサーの特徴を理解して適切に活用しよう

オイルレスコンプレッサーは、吐出し空気中への油分の混入を低減できる構造のため、食品工場や医療現場などクリーンな空気が求められる場所で活躍します。

一方で、初期費用やメンテナンス費用が高くなりやすい点には注意が必要です。導入を検討する際は、現場や作業内容に合った機種を選びましょう。

使用頻度が低い場合や初めて使う場合は、購入費用や保管場所が不要なレンタルもおすすめです。産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、オイルレス式やエンジン式など、豊富な種類のコンプレッサーを取り扱っています。

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