手動の台車よりも楽に荷物を運搬できる電動台車は、業務の効率化や作業者の身体的な負担軽減に役立つ便利なツールです。とはいえ一口に電動台車といっても、さまざまな種類があるので、作業内容や環境に合ったものを選ぶことが重要です。
本記事では、よく使われる電動台車の特徴や選び方のポイントなどをまとめました。「作業に適した台車を選びたい」とお考えであれば、ご一読ください。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、階段での荷物運搬に特化した電動台車から手動台車まで幅広くご用意しています。案件に最適な台車をご提案いたしますので、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。
電動台車とは
電動台車とは、モーターの力で荷物の運搬をサポートする台車のことを指します。人の力だけで動かす手動台車に比べて力がいらず、従来は2人がかりで運んでいた資材も、電動台車を使えば1人で運搬可能です。
また、階段昇降タイプなら一定のスピードで昇り降りできるため、作業時間を正確に把握しやすく現場の計画も立てやすくなります。ほかにも、以下のようなメリット・デメリットがあります。
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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電動台車の多くは、コードレスで持ち運びやすい充電式バッテリータイプです。一方で、排気ガスが出ない圧縮空気で駆動するエアモータ式や、電源確保が難しい山間部で用いられるエンジン式など、特殊な用途に応じたタイプもあります。
実際に次のような現場で導入されています。
【活用シーン】
- 建設現場:資材や工具など重量物の運搬
- 倉庫・物流拠点:段ボールやパレットを効率よく搬送
- 商業施設・工場:在庫の搬入や大型設備の移動、重量物の運搬
- 病院・福祉施設:医療器具や物資を省力化して運搬
- 高層階や段差のある環境:エレベーターなどがない場合に階段昇降タイプを活用
なお、台車にはさまざまな種類があります。手動台車の種類については以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
台車は、重い荷物を効率よく運べる便利なツールとして物流をはじめとした、さまざまな現場で使われています。一方で種類が豊富なため、用途に適したものをどう選べばよいか迷うことはありませんか? 本記事では、台車の種類や名称・用途や条件に合わせ[…]
電動台車の主な種類は4つ
電動台車には、主に以下の種類があります。
順に見ていきましょう。
1.電動アシスト台車
出典:花岡車輛株式会社
電動アシスト台車は、手押し台車にモーターを搭載し、作業者の押す力を補助するタイプです。手動台車と同じ感覚で操作できるため、初めて使う人でも安心して扱えます。
活用現場は幅広く、倉庫でのピッキング作業、工場での部品運搬、農作業での収穫物運搬などで重宝されています。価格帯は10〜50万円台が中心で、電動台車のなかでは比較的導入しやすい点も魅力です。
また、既存の手押し台車にモーター付き車輪や外付けユニットを後付けできるタイプもあります。現在使っている台車をそのまま活かしつつ電動化ができるので、小規模な現場や試験的な導入に向いています。
2.階段用の電動台車
階段での荷物運搬を安全かつ効率的におこなえるのが、階段用の電動台車です。台車にクローラ(履帯)や特殊な車輪機構を備えており、重量物を載せたままでも安定して階段を昇降できます。このような重労働の省力化は、作業者の身体的負担を減らすだけでなく、転倒や落下といった事故リスクの防止にもつながります。
主な利用シーンは、オフィスビルや集合住宅での引っ越し・配送業務、段差の多い建設現場での資材運搬などです。また、少人数でも作業を終えられるため、人手不足が深刻な業界でも重宝されています。なお、購入価格は20万円〜40万円程度が中心となっており、導入しやすい価格帯です。
レントでは、以下の商品のレンタルを扱っています。
種類 | 概要 |
電動式階段運搬車 電ネコ
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階段のぼれる台車(バッテリー式)
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クローラ階段運搬台車(バッテリー式)
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機種ごとに特徴や適した環境が異なるため、現場の条件に合った機種を選ぶことがポイントです。
レンタルなら、購入コストやメンテナンスの負担を抑えつつ、必要な期間だけ柔軟に導入できます。「限られたコストであっても、現場に最適な一台を選びたい」とお考えの方は、以下より見積もりをご依頼ください。
3.作業者が乗車できる電動台車
出典:花岡車輛株式会社
完全電動走行型の台車は、作業者がステップや座席に乗ったまま操作できるタイプです。広い敷地を歩き回る必要がなくなるため、空港や卸売市場、大規模な物流倉庫や工場などで活躍します。公道での走行はできませんが、運転に特別な免許は不要で現場にすぐ導入できる点もメリットです。
小回りが利くコンパクトなモデルから、一度に大量の荷物を運べる大型のものまで幅広いタイプが揃っています。ただし、購入するには、100万円以上と高額になるケースがほとんどです。
4.昇降リフト付きの電動台車
出典:花岡車輛株式会社
こちらは、台車に昇降リフト機能を備えたタイプで、「リフト台車」や「テーブルリフター」とも呼ばれます。パレットに積んだ荷物を棚に載せる作業や、トラックへの積み込み、作業台の高さに合わせるといった作業に便利です。
また、重量物を持ち上げる作業を台車に任せられるため、作業者の腰痛軽減や労働災害リスクの低減にもつながります。
電動台車の選び方3つのポイント
ここで、電動台車を選ぶ際にチェックすべき3つのポイントを紹介します。
1つずつ見ていきましょう。
1.荷物の重さが台車の耐荷重範囲に収まっている
電動台車を選ぶ際は、「運搬する荷物の重さ」と「台車の耐荷重範囲」が合っているかを必ず確認しましょう。
許容範囲を超えると、モーターやフレームに過剰な負荷がかかり、故障や思わぬ事故を引き起こす原因となりかねません。安全に使うためには、実際に運ぶ荷物の最大重量よりも2〜3割ほど余裕を持った耐荷重を選ぶのがおすすめです。
また、荷台サイズが運搬する荷物の大きさに合っているかも重要なポイントです。荷物に対して荷台が小さい場合や形状が偏っている場合には、重心が不安定になり、運搬中に荷崩れを起こす危険があります。
使用前に、荷物が荷台にしっかり収まり重心が安定しているかを必ず確認しましょう。
2.使用時間や充電頻度に合ったバッテリー性能である
電動台車はバッテリー駆動が主流のため、使用時間や作業に見合った連続稼働時間が確保できるものを選ぶことが重要です。作業中にバッテリーが切れてしまうと、運搬作業が中断され現場全体の進行に遅れが生じます。
【バッテリーに関するチェックポイント】
- 充電にかかる時間はどれくらいか
- 充電にかかる時間はどの程度か
- 交換用バッテリーが用意されているか
- バッテリー交換に手間がかからないか
特に注意したいのは、バッテリー残量が1割以下の状態で重い荷物を運ぶことです。モーターに過剰な負荷がかかり、故障を招く恐れがあります。長時間の連続作業が多い現場では、大容量タイプや交換式バッテリーを備えた機種を選ぶと安心です。
電動台車を安全に長く使うには、定期的な点検と保守が欠かせません。特にブレーキ、モーター、車輪などの主要なパーツには気を配りましょう。ブレーキ異常のまま傾斜のある場所を走行すると、制御不能となり滑走事故が発生する恐れもあります。
異常を放置せず、日頃から注意深くチェックすることが重要です。
3.使用環境に適した走行性能を備えている
電動台車の走行性能は、使用する現場の環境に左右されます。まずは、主な搬送ルートの環境を確認しましょう。
【使用環境に関するチェックポイント】
- 使用するのは屋内か屋外か
- 搬送ルートは平坦か、坂道や段差が多いか
- 通路幅は十分に確保されているか
- エレベーターは設置されているか
- ドアの出入りに支障がないか
屋内で使用する場合は静音性を備えたタイプ、屋外で使うなら防水・防塵機能を備えたタイプが適しています。また、未舗装の建設現場では、タイヤのグリップ力やモーターの駆動力が高いモデルがおすすめです。
加えて、速度を細かく制御できる機能や、危険を察知した際にすぐ停止できる緊急ブレーキ性能も、選定時に注目したいポイントです。以上のポイントを事前に確認しておけば、現場に合わない台車を選んでしまうリスクを防ぎ、安全で効率的な運搬が実現できます。
作業に適した電動台車を用意するならレンタルがおすすめ
電動台車は、一般的な台車よりも重量物を安全かつスムーズに運べる便利なツールです。荷物に合った台車を選ぶには、種類ごとの特徴を理解したうえで導入を検討しましょう。
台車の利用を検討しているなら、レンタルの活用がおすすめです。レンタルであれば必要な期間だけ使えるため、購入コストや定期メンテナンスの負担を抑えつつ、現場に合った電動台車を柔軟に導入できます。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、階段や傾斜地に対応した電動台車を取りそろえています。お客様の安全を考慮しご利用いただける業種を限定しておりますので、以下よりお気軽にお問い合わせください。