【サイズ別一覧】トラックの最大積載量は?計算方法や荷積みの注意点も紹介

トラックは車両ごとに、荷物を積める重さである最大積載量が異なります。基準を超えた荷物を積んだまま走行すると事故の原因になり得るため、使用するトラックがどのくらいの重さまで運べるかを把握することが重要です。

本記事では、最大積載量の基本的な知識をまとめました。荷物の運搬に関する注意点なども紹介しているので、「ルールを守って安全に業務を進めたい」とお考えの方はご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、2tトラックや他社では珍しい6tトラックなどを取り扱っています。豊富なラインナップの車両を保有しているので、最大積載量に適したトラックをお探しでしたら、以下よりお気軽に見積もりを依頼ください。

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トラックの最大積載量とは

最大積載量とは、車両に積める最大の荷物の重さのことです。トラックに積める荷物の重さは、車両重量(車体や荷台の重さ)と車両総重量(車両重量+定員+最大積載量)などの兼ね合いから、車両ごとに決まります。

最大積載量を超えた荷物を積んで公道を走行すると「過積載」となり、道路交通法や貨物自動車運送事業法に反します。ドライバーや事業者、場合によっては荷物の輸送を依頼した人も、罰則の対象です。

また、過積載はブレーキが効きにくくなる、タイヤが破裂するなど、事故の原因になり得ます。法令を遵守して安全に走行するため、トラックを利用する際は、荷物の重さに適した最大積載量のトラックを選びましょう。

最大積載量の計算方法

トラックの「最大積載量」は、以下の計算式で算出されます。

上記のように、最大積載量は、車両総重量から車両重量と乗車定員を差し引いて求められます。「車両総重量」は、乗車できる定員や最大積載量の荷物を積んだ状態の車両重量で、目安は以下のとおりです。

【車両総重量の目安】

  • 小型トラック: 約4~5t
  • 中型トラック: 約8t未満
  • 大型トラック: 約20〜25t以下

「車両重量」は、荷物や人が乗っていない状態の車体の重さです。車体や架装に加え、ガソリンやエンジンオイル、バッテリーなどの重さも含みます。

なお、実際に乗車する人数を減らすからといって、最大積載量は増やせません。車両ごとに最大積載量は決まっているので、その範囲内で荷物を積みましょう。

【サイズ別】トラックの最大積載量の一覧

道路運送車両法や道路交通法にもとづいた、トラックのサイズ別における最大積載量の目安は、以下のとおりです。

No. 種類 最大積載量(t)
(※)
車両寸法(m)
※全長×全幅×全高
(※)
必要な免許の例
(※)
1 小型トラック

2~3t
  • 4.7m以下×1.7m以下×2.0m以下
  • 普通免許
  • 準中型免許
2 中型トラック

4t
  • 12m以下×2.5m以下×3.8m以下
  • 普通免許
  • 準中型免許
  • 中型免許
3 大型トラック 10t以上
  • 12m以下×2.5m以下×3.8m以下
  • 大型免許

※表は横にスクロールできます。

(※)最大積載量・寸法・免許は車両により異なります。

以降では、具体的な車両の最大積載量や順に見ていきましょう。

1.小型トラック(2t・3tクラス)

種類 最大積載量(kg)
(※)
車両寸法(mm)の例
※全長×全幅×全高
(※)
必要な免許や資格の例
(※)
軽トラック
  • 350
  • 3,395×1,475×1,765
  • 普通免許
1.2~2t平ボディートラック
  • 1,200~2,000
  • 4,690×1,695×1,975
  • 5,980×1,890×2,140
  • 6,070×1,900×2,190
  • 普通免許
  • 準中型免許(5t限定)
  • 準中型免許
2~3tクレーン付トラック
  • 3,000
  • 5,980×1,890×2,560
  • 5,590×1,890×2,565
  • 4,690×1,695×2,420
  • 準中型免許
  • 技能講習(クレーン/玉掛け)
2tパネルトラック
  • 2,000
  • 4,880×1,900×2,780
  • 4,910×1,890×2,940
  • 5,010×1,900×2,810
  • 準中型免許(5t限定)
  • 準中型免許
冷凍車

  • 350~3,000
  • 4,990×1,880×2,810
  • 5,020×1,930×2,760
  • 6,540×2,160×2,950
  • 普通免許
  • 準中型免許

※表は横にスクロールできます。

(※)最大積載量・寸法・免許は車両により異なります。

小型トラックは最大積載量がおよそ2~3tの車両で、トラックのなかでは最も小さい規格です。車両によっては普通免許で運転できます。

小回りが利き、市街地や住宅街での比較的近い距離の配送をはじめ、清掃業などで道具や機材を運搬するときなど、幅広いシーンで活躍します。

同じ最大積載量のトラックでも、ボディの形状や架装(クレーンなど)によって必要な免許や資格が異なるため、運転前には必要な要件を確認しましょう。

2tクラスのトラックに関しては、以下の記事で詳しく紹介しているのであわせてご覧ください。

2.中型トラック(4tクラス)

種類 最大積載量(kg)
(※)
車両寸法(mm)の例
※全長×全幅×全高
(※)
必要な免許や資格の例
(※)
3t・4t平ボディートラック
  • 4,000~4,450
  • 6,140×2,200×2,240
  • 6,180×2,220×2,270
  • 8,130×2,230×2,440
  • 中型免許(8t限定)
4tクレーン付トラック
  • 2,300~2,800
  • 8,400×2,270×2,930
  • 8,160×2,230×3,000
  • 中型免許(8t限定)
  • 技能講習(クレーン/玉掛け)
ウイングトラック
  • 2,800~3,300
  • 6,470×2,180×3,270
  • 8,300×2,490×3,470
  • 中型免許(8t限定)

※表は横にスクロールできます。

(※)最大積載量・寸法・免許は車両により異なります。

主に4tクラスのトラックを指す中型トラックは、小型と大型の中間にあたるサイズです。製造業や小売業における拠点間の輸送や引越しなど、短距離から中距離の輸送で広く利用されています。

4tトラックでも、クレーンやパワーゲートなどの装備、荷台の形状によっては、最大積載量が4t未満になる場合があります。例えば、上記の表どおり4tクレーン付トラックの最大積載量は2,800kg以下です。車両によって最大積載量に開きがあるので、過積載にならないか事前に確認が必要です。

なお、免許の名前に「中型」と付くものは以下があります。

免許 車両総重量 最大積載量 乗車定員
準中型免許(5t限定) 5t未満 3t未満 10人以下
準中型免許 7.5t未満 4.5t未満 10人以下
中型免許(8t限定) 8t未満 5t未満 10人以下
中型免許 11t未満 6.5t未満 29人以下

トラックの車両総重量や最大積載量をチェックし、所有する免許で運転できるか確認しましょう。

3.大型トラック(10tクラス)

種類 最大積載量(kg)
(※)
車両寸法(mm)の例
全長×全幅×全高
(※)
必要な免許や資格の例
(※)
バンボディトラック、冷凍・冷蔵車など
大型トラック
  • 12,900
  • 11,000×2,400×3,800
  • 大型免許

※表は横にスクロールできます。

(※)最大積載量・寸法・免許は車両により異なります。

10t以上の大型トラックは、トラックのなかで最も大きな規格です。一度に大量の荷物を運べるため、1箇所に大量の荷物を集めて輸送する幹線輸送や、建設現場で使う重機・大型資材の運搬などに適しています。

長時間の運転を想定し、ドライバーが仮眠できるベッドスペースが設けられている点も特徴の1つです。なお、10tクラスのトラックを運転するには、普通免許や中型免許では運転できず、大型免許が必要です。

トラックは改良して積載量を変えていることがある

トラックの車体を改良すると、最大積載量の変更が可能です。最大積載量を減らす改良を減トン、増やすことを増トンといいます。

減トンや増トンなどの改良が必要となった背景には、平成19年(2007年)の道路交通法改正による「中型免許」の新設が関係しています。改正前後のそれぞれの免許区分と最大積載量の上限は以下のとおりです。

改正前(平成19年6月1日以前) 改正後(平成19年6月2日以降)
  • 普通免許(最大積載量5t未満
  • 大型免許(最大積載量5t以上)
  • 普通免許(最大積載量3t未満
    ※改正以前に普通免許を取得した人は最大積載量5t未満のまま
  • 中型免許(最大積載量6.5t未満)
  • 大型免許(最大積載量6.5t以上)

改正後に普通免許を取得した人は、最大積載量3t未満の車両しか運転できず、4tトラックを運転するには中型免許が必要です。そのため「中型免許を持っていなくても4tトラックを運転したい」というニーズが生まれ、最大積載量を減らした減トントラックが誕生しました。

また、新設された中型免許では、最大積載量6.5tまでの運転が認められ、「所有している4tトラックの最大積載量を増やしたい」というニーズも高まり、増トントラックも登場しました。これから、減トンと増トンそれぞれの特徴を解説します。

減トンとは

減トンとは、トラックの最大積載量を減らすことです。トラックの荷台の床板を厚くしたり、サイドバンパーを重い素材に変更したりするなど、あえて重さのあるパーツに取り換えて車両重量を調整します。減トンのメリットやデメリットは以下のとおりです。

項目 詳細
メリット
  • 免許制度の変更に対応できる
  • 税金や保険料を抑えられる
デメリット
  • 運べる荷物の量が少なくなる
  • 構造等変更検査を受ける必要がある

減トンすると運転に必要な免許が変わり、中型免許を持っていなくても、普通免許や準中型免許で4tトラックの運転が可能です。また、トラックの自動車税や保険料は最大積載量によって決まるので、維持費の削減につながります。

一方で、最大積載量が減るため、運搬の効率は下がります。また、改造後は運輸支局に車両を持ち込み、「構造等変更検査」を受けるという手間が発生する点は認識しておきましょう。

増トンとは

増トンとは、トラックのシャーシ(骨格)や車軸などを補強し、車両の耐久性を高めて最大積載量を増やす改良のことです。4tトラックをベースに改良し、最大積載量を6.5t未満に引き上げた車両を「増トントラック」と呼びます。メリットやデメリットは以下のとおりです。

項目 詳細
メリット
  • 免許制度の変更に対応できる
  • 新しいトラックを購入せずに最大積載量を増やせる
  • 大型トラックよりも車体のサイズを抑えられる
デメリット
  • 燃費の効率が落ちる
  • タイヤやブレーキへの負荷が増える
  • 構造等変更検査を受ける必要がある

増トンのメリットは、4tトラックの車体サイズはそのままに、積載量を増やせる点です。すでに所有しているトラックを改良して最大積載量を増やせるので、新しいトラックを購入することなく輸送の効率を上げられます。

しかし、車両重量が増えるため、燃費の悪化や、ブレーキやタイヤへの負荷が増えて交換サイクルが早まるといった点はデメリットです。減トンと同じく「構造等変更検査」も求められます。

なお、スピードリミッターやマフラー(消音器)の取り外しは違法なので、増トンの際は法に触れていないか確認が必要です。

トラックは最大積載量だけでなく才数の確認も必要

才数

トラックで荷物を運ぶ際には「才数」をチェックし、荷台の容積や体積に対して荷物が積めるのかを考える必要があります。

【才数とは】

  • 物流や運送業界で容積(体積)を表すために使われる単位のこと
  • 日本の古い計量法である尺貫法の「才」(1立方尺)に由来
  • 1才=約30cm×30cm×30cmで、およそ27㎥

経験が豊富なドライバーなら「最大積載量3t、荷台の容積が約800才」と聞けば、どれくらいの大きさの荷物を、どの程度まで積めるのかを直感的にイメージできる人もいます。

「荷台の長さ×幅×アオリ(荷台の囲い)の高さ」で才数がわかるので、あらかじめ計算しておくと安心です。

最大積載量に加え荷物の大きさや積み方にも注意

トラックで安全に荷物を運ぶには、最大積載量だけではなく、荷物の大きさや積み方にも注意しなければなりません。荷物の大きさについては、道路交通法施行令第二十二条で定められており、事前に申請が必要なケースがあるので、ここで紹介するルールを理解しておきましょう。

まず、以下の範囲内であればはみ出しが許可されており、申請の必要がありません。

※「公益社団法人全日本トラック協会」の資料を参考に作成

一方で上記よりも積載物が大きい場合は、警察署長に「制限外積載許可」を申請する必要があります。なお、荷物をはみ出した状態で走行する際は、以下が義務付けられています。

【荷物をはみ出して積載する際の義務】

  • 30cm四方以上の赤い布を、トラック後部に取り付ける
  • はみ出した荷物が運転手の視界やハンドル操作を妨げないようにする
  • 車両がバランスを崩して転倒しないよう積載する
  • ウインカー・ブレーキランプ・ナンバープレート・尾灯などが、走行する別の車両から見えるようにする
  • ロープやシートで荷物の落下を防止する

参考:道路交通法施行令道路交通法

安全に運搬できるよう、決められたルールに沿って手続きや荷積みを進めましょう。

荷物に適した最大積載量のトラックを利用しよう

最大積載量とは、車両に積める最大の荷重のことです。車両のサイズや架装によって最大積載量は異なるので、仕様を確かめたうえで運転するトラックを選ぶと、運びたい荷物に適した車両を選べます。才数や荷物の積み方にも注意して、安全に運搬をおこないましょう。

なお、荷物に合う最大積載量のトラックを用意するなら、レンタルがおすすめです。レンタルなら、さまざまなサイズの車両を所有しており、運ぶ荷物の重さや形などに合わせたトラックを必要に応じて借りられます。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、軽トラックをはじめ、他社では珍しい6tトラックも扱っています。なかには、衝突の被害を軽減できるブレーキを搭載した車両やパワーゲート付きの車両があり、事故のリスクを抑えたい場合や重い荷物の積み下ろしをおこなう場合にも最適です。

万が一に備えた安心サポート制度も用意しているため、安全にトラックで荷物を運搬したい場合は、以下よりお気軽に見積もりを依頼ください。

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