ダンプとトラックの違いは?種類をはじめ活用シーンや構造などを解説

「ダンプとトラックの違いって何?」このようにお考えではありませんか?簡単に解説すると、ダンプはトラックの一種で、土砂や資材などの運搬・排出に用いられる車両です。

本記事では、ダンプとトラックの違いを詳しくまとめました。種類から用途、必要な免許まで解説するので、「違いを知って現場に適した車両を使いたい」とお考えの場合は、ご一読ください。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな種類のダンプやトラックを扱っています。「案件に適した車両がわからない」という場合でも最適な車両を提案しますので、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。

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ダンプとトラックの違いとは

ダンプとトラックの違い

ダンプはトラックの一種です。「ダンプトラック」が正式名称ですが、「ダンプカー」と呼ばれることもあります。荷台を油圧で傾ける構造で、土砂や資材を一気に降ろせる点が特徴です。

一方、ダンプ以外のトラックは荷台が固定されており、積み下ろしは人力やフォークリフトでおこないます。では、次章から違いを詳しく見ていきましょう。

ダンプとトラックの「種類」の違い

ダンプとトラックの代表的な種類には、以下があります。

ダンプの種類例 トラックの種類例
  1. 土砂ダンプ
  2. 三転ダンプ
  3. ローダーダンプ
  1. 軽トラック
  2. 平ボディートラック
  3. バンボディトラック(パネルトラック)
  4. ウイングトラック
  5. 冷凍・冷蔵車
  6. ダンプトラック
  7. クレーン付きトラック
  8. 特殊な用途のトラック

ダンプの種類

ダンプは、荷物を降ろす方法によって以下のような種類に分かれます。

No. 種類 特徴
1 土砂ダンプ 土砂や資材などを運ぶ一般的なダンプ
2 三転ダンプ 右・左・後方の三方向から土砂を降ろせるダンプ
3 ローダーダンプ 土砂ダンプと建設機械の積み下ろしできる安全装置を組み合わせたダンプ

土砂ダンプは汎用性が高く、建設・土木現場でよく使用されるスタンダードな種類です。後方だけでなく左右にも荷降ろしできるのが三転ダンプで、狭い現場や障害物の多い場所で活躍します。ローダーダンプは荷台が地面近くまで降りる構造で、資材と重機のどちらも運べる車両です。

なお、ここでは代表的な3種のダンプを紹介しましたが、ほかにも土砂の積載が禁止されている「土砂禁ダンプ」なども存在します。以下の記事では、おすすめのダンプも紹介しているのでご一読ください。

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トラックの種類

以下のとおり、トラックには多様な種類があります。

No. 種類 特徴
1 軽トラック コンパクトサイズで普通免許で運転できる
2 平ボディートラック 壁や屋根がない荷台を持っている
3 バンボディトラック(パネルトラック ボックス型の荷台を搭載している
4 ウイングトラック 荷台が翼のように横開きし、積み下ろしがスムーズにできる
5 冷凍・冷蔵車 荷室の温度を調整できる
6 ダンプトラック 建設用の資材や土砂の運搬に適している
7 クレーン付きトラック 主に重機や資材の吊り上げ・設置に使われる
8 特殊な用途のトラック 道路に水をまく散水車など、特定の用途に特化している

ダンプはトラックの一種でもありますが、現場によっては「トラック=平ボディーやバンボディトラック」として、ダンプを含めないこともあります。

なお、各トラックの種類についてより深く知りたい場合は、以下の記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。

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ダンプとトラックの「サイズ」の違い

ダンプもトラックも、サイズは以下のとおり「小型」「中型」「大型」に分けられます。

ダンプのサイズ

ダンプの最大積載量や車体のサイズは、以下のとおりです。

サイズ 最大積載量の例(kg) 車体のサイズ例
※全長×全幅×全高(mm)
荷台のサイズ例
※全長×全幅×全高(mm)
小型(2~3tクラス) 2,000 4,690×1,690×1,970 3,050×1,600×320
中型(4tクラス) 3,600 5,380×2,210×2,480 3,355×2,000×360
大型(10tクラス) 10,000 7,635×3,400×2,060 5,100×2,200×530

※表は横にスクロールできます。

メーカーや車両によって最大積載量や車体のサイズは異なるので、上記はあくまで一例です。利用するダンプの正確なサイズを知りたい場合は、車検証を見るか、該当のダンプを扱っているメーカーのサイトなどで仕様表を確認してみましょう。

トラックのサイズ

平ボディートラックを例としたときの、最大積載量やサイズは以下のとおりです。

サイズ 最大積載量の例(kg) 車体のサイズ例
※全長×全幅×全高(mm)
荷台のサイズ例
※全長×全幅×全高(mm)
小型(2~3tクラス) 2,000 4,690×1,695×1,975 3,115×1,615×380
中型(4tクラス) 4,000 8,130×2,230×2,440 6,200×2,130×395
大型(10tクラス) 10,000 11,990×2,490×3,340 9,600×2,390×560

※表は横にスクロールできます。

ダンプと同じく、トラックでも統一された規格はないため、車両によってサイズは異なります。ここでは平ボディートラックの代表的なサイズを紹介しましたが、その他のトラックのサイズについては以下の記事をご覧ください。

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ダンプとトラックの「活用シーン」の違い

ダンプとトラックは、活用シーンにも違いがあります。

ダンプの活用シーン

ダンプは建築・土木・解体作業の現場でよく使われます。大量の土砂やがれきを扱う現場で、荷台の中身を一気に降ろせるためです。ダンプの種類によって、以下のようにより適した活用シーンがあります。

【種類別のダンプ活用シーン】

  • 土砂ダンプ(一般的なダンプ):建築現場や道路工事で幅広く使える
  • 三転ダンプ:荷下ろしスペースに制限がある狭い現場に適している
  • ローダーダンプ:小型の重機を運搬できる

上記に加え、土砂を積むのが禁止されている「土砂禁ダンプ」のような種類もあります。

トラックの活用シーン

ダンプが主に建築・土木現場で使用される一方で、トラックは以下のように物流・引っ越し・農業など幅広い分野で使われます。

【トラックの活用シーン一例】

  • 小売店へ商品を納品する
  • 日用品を宅配する
  • 引っ越しの際に家具を配送する
  • 農作物を運搬する
  • 建築用資材を輸送する

上記のように、トラックはダンプよりも幅広い場面での利用が可能です。トラックにはさまざまな車種があるため、運ぶ荷物に適した車両を選びましょう。

ダンプとトラックの「構造」の違い

「荷台が傾くかどうか」という構造の違いも、ダンプとトラックの異なる点として挙げられます。

ダンプの構造

ダンプは荷台が油圧で傾く構造を持ちます。後方に傾く荷台が一般的ですが、なかには左右へ傾く三転ダンプやサイドダンプもあります。

荷台は強度を上げるために鉄板で作られており、土砂やがれきなど車体がダメージを受けやすい積載物でも、衝撃や摩耗に耐えることが可能です。

また、ダンプは悪路や障害物の多い現場でも走行できるよう設計されています。舗装されていない道路やぬかるんだ地面がある場所での使用を想定し、車体は頑丈なつくりです。

トラックの構造

ダンプ以外のトラックの荷台は傾かず、固定されています。トラックの種類によっては平ボディートラックのように荷台の上部が開放されていたり、パネルトラックのように箱型であったりと形状はさまざまです。

荷物の積み下ろしは人力かフォークリフトなどを用います。荷台の後方が昇降するパワーゲートが付いている車両もあり、重い荷物や個数の多い場合に便利です。

ダンプとトラックの「免許」の違い

ダンプもトラックも、車両総重量や最大積載量によって必要な運転免許が異なります。それぞれ見ていきましょう。

ダンプの免許

ダンプに必要な免許は、車両総重量や最大積載量によって異なります。下記は、公道を走行する際に必要な免許です。

免許証の種類 車両総重量 最大積載量
普通 普通免許
※H29.3.12~普通免許を取得した者
3.5t未満 2t未満
中型 準中型免許(5t限定)
※H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した者
5t未満 3t未満
準中型免許
※H29.3.12以降に準中型免許を取得した者
3.5~7.5t 2~4.5t
中型免許(8t限定)
※H19.6.1以前に普通免許を取得した者
8t未満 5t未満
中型免許
※H19.6.2以降に中型免許を取得した者
7.5~11t未満 4.5~6.5t未満
大型 大型免許 11t以上 6.5t以上

参考:警視庁警察庁

運転する車両によっては「車両系建設機械運転者」の資格が求められる場合があります。車両系建設機械とは、土木・建設現場で使用される自走式の重機のことで、以下のような機械です。

【車両系建設機械の例】

  • バックホウ(油圧ショベル)
  • ブルドーザー
  • ホイールローダー
  • モーターグレーダー
  • スクレーパー

免許に関しては、不定期で区分が見直される場合があります。ダンプを利用する前に必要な免許を保有しているか、必ずチェックしましょう。

ダンプの免許は以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

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トラックの免許

トラックを運転する場合も、「ダンプの免許」で紹介した免許と同じものが必要です。

ただし、クレーン付きトラック(ユニック)でクレーン作業をする場合、運転免許のほかにクレーン操作や玉掛け作業(荷をフックにかけたり外したりする作業)の資格が必要です。

クレーンの操作や玉掛けに必要な資格は、吊り上げ荷重によって異なります。クレーン付きトラックに必要な免許・資格については以下の記事で詳しく紹介しているので、併せてご一読ください。

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自社に合うダンプやトラックの選び方

自社に合うダンプやトラックの選び方は、以下のとおりです。

順に見ていきましょう。

1.荷物や現場に合った車両である

ダンプやトラックに載せる荷物によって、適した車両は異なります。何の荷物を載せるのか、どのような場所で荷物を積み下ろしするのかを考えましょう。

土砂を運ぶにしても、車両の後方で積み下ろしできるスペースがあればリヤダンプ、車両の左右にしかスペースがない場合は三転ダンプを選ぶのが最適です。

「作業場所が狭い」「荷物を吊り上げる必要がある」といった現場の状況を見落とすと、作業しにくい車両を選んでしまう場合があるので、荷物だけでなく現場も確認しましょう。

2.最大積載量が荷物の重さを上回っている

載せる荷物の重さは、車両の最大積載量に収まるようにしましょう。最大積載量とは、車両に荷物を積める最大の重さのことです。

最大積載量を超えて荷物を載せると、事故のリスクが高まり危険です。なお、最大積載量を超えて荷物を積載する「過積載」は、法律で禁じられています。

違反した場合は、運転手だけでなく事業者や荷物の輸送を依頼した人も罰則の対象となり、罰金や違反点数の加算などを受ける場合があります。最大積載量が荷物の重さよりも多い車両を選び、安全にすることが重要です。

3.運搬先の出入り口や道幅でも通行できる

荷物の運搬先や目的地までの道幅も確認します。特に、大型のダンプやトラックを選んだにもかかわらず、運搬先のスペースなどが限られていると、荷物を届けられません。

車両の幅と出入り口や道の幅を確認し、問題なく通行できるか確かめておきましょう。場合によっては、最大積載量が少なくなっても、現場に進入できる車両を選んだほうが良いケースも考えられます。

現場に適したダンプやトラックで作業しよう

ダンプとトラックはどちらも荷物を運ぶ車両ですが、種類をはじめ活用シーンや構造が異なります。ダンプは荷台を傾けて荷物を一気に排出できる構造で、土砂やがれきなどの重量物の積み下ろしに最適です。

トラックは荷台が固定されており、人力やフォークリフトなどで積み下ろしをおこないます。平ボディーやバンボディなど多様なトラックがあり、作業内容や荷物の種類に合わせた運搬が可能です。

もし、作業に適したダンプやトラックを選ぶなら、レンタルがおすすめです。レンタルなら現場や荷物に合わせた車両をその都度選べるうえ、車両の購入費用やメンテナンスにかかる手間を抑えられます。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、スタンダードな土砂ダンプに加え、三転ダンプやローダーダンプを取りそろえています。2t~3tダンプや6tダンプなど、さまざまなクラスの車両も扱っているので、案件に合う車両をお探しの場合は、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。

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