クローラーダンプ(キャリアダンプ)とは?主な仕様や必要な資格を解説

クローラーダンプは、クローラーで走行する運搬車両のことです。ぬかるみや砂地、急な坂道など、通常のダンプトラックでは進入しにくい現場で活躍します。

本記事では、クローラーダンプの主な仕様や選び方について詳しく解説します。用途が似ているミニクローラ運搬車との違いや、運転に必要な資格についても紹介しますので、「現場に最適な1台を選びたい」とお考えの方はご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな現場環境に対応できるクローラーダンプを取り扱っています。作業内容や搬入経路に合った機種を提案しますので、以下のボタンから気軽に見積もりをご依頼ください。

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クローラーダンプ(キャリアダンプ)とは

クローラーダンプとは、タイヤではなくクローラーを装備して走行する運搬車両です。「キャリアダンプ」や「不整地運搬車」とも呼ばれています。

クローラー式は、タイヤ式のダンプトラックと比較して地面に接する面積が広く、車両の重さを分散できます。タイヤ式は点で車体を支えるのに対し、クローラー式は左右2本のベルト全体で車重を支える仕組みです。

重さが分散されるので、ぬかるんだ地面でも沈みにくく、雨上がりの泥道や砂地、急な坂道でも走行できます。そのため、造成工事や災害復旧など、通常のダンプトラックが進入できない現場で広く使用されています。

1.通常のダンプトラックとの違い

クローラーダンプと通常のダンプトラックは、以下のとおり走行装置や用途などに違いがあります。

項目 通常のダンプトラック クローラーダンプ
走行装置
  • タイヤ
  • クローラー
適した路面
  • アスファルト、コンクリートなどの舗装路
  • ぬかるみ、砂地、傾斜地などの不整地
走行の特徴
  • 舗装路を高速で走行できる
  • 不整地ではタイヤが空転しやすい
  • 接地圧が低く沈みにくい
  • 悪路でも安定して走行できる
主な用途
  • 公道での土砂・資材運搬
  • 現場内(不整地)での土砂・資材運搬
  • 災害復旧、林業、河川工事

なかでも大きな違いは、ぬかるみや砂地など足場の悪い場所を走行できるかどうかです。

通常のダンプトラックは、舗装された道路の走行に適していますが、ぬかるみや深い砂地ではタイヤが空転し、進めなくなる恐れがあります。対してクローラーダンプは、足場の悪い場所でも沈みにくいため、ダンプトラックが進入できないエリアでも運搬作業をおこなえます。

2.クローラーダンプと用途が似ている機械

クローラーダンプと用途が近い機械に、「ミニクローラ運搬車」があります。ミニクローラ運搬車とは、作業者が歩きながら手押しで操作する小型の運搬車です。

No 種類 特徴
1 クローラダンプ
  • オペレーターが乗車して運転する運搬車
  • 土砂やブロックといった資材の運搬に役立つ
2 ミニクローラ運搬車
  • 歩行しながら操作する小型運搬車
  • 人が入りにくい狭い樹間の走行時などに便利

どちらもクローラーで走行するため、ぬかるみや傾斜地など足場の悪い場所でも安定して運搬可能です。

運搬量が多い、広い現場で作業したい場合はクローラーダンプ、狭い場所での作業や少量を手軽に運びたい場合はミニクローラ運搬車を選びましょう。

クローラーダンプの主な仕様

一般的に「クローラーダンプ」は、オペレーターが乗車して操作するタイプの車両を指すことが多いものの、現場の規模によっては小型機も候補に入ります。作業内容に合った車両を選ぶためには、以下3つの仕様を押さえておきましょう。

それぞれ詳しく解説します。

1.積載量・サイズ

クローラーダンプのサイズは、積載量によって小型・中型・大型に分類されます。サイズごとの特徴や最大積載量の例は以下のとおりです。

サイズ 最大積載量の例(kg) 詳細
小型
(1~3tクラス)
2,000 方向転換しやすく、狭い場所や住宅地の工事などで扱いやすい
中型
(4tクラス)
3,600 造成工事や道路工事など、一般的な土木現場で使われているサイズ
大型
(10tクラス)
1万 ダム建設など広い作業エリアで、大量の土砂を一度に運ぶのに向いている

※上記数値は一例です。最大積載量は機種やメーカーにより異なります。

クローラーダンプは、積載量が増すほど車体も大きくなるため、搬入経路の道幅や方向転換するスペースをあらかじめ確認することが重要です。

なお、ダンプトラックの積載量については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

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2.足回り

「ゴムクローラー」と「鉄クローラー」の2種類の足回りがあることも、クローラーダンプの特徴です。

足回りの種類 特徴 適した用途・現場
ゴムクローラー
  • ゴム製で舗装路や地面を傷つけにくい
  • 走行音が比較的静か
  • 住宅街に近い現場
  • 市街地での工事
鉄クローラー
  • 金属製で耐久性が高い
  • アスファルトを傷つけやすく、公道走行には適さない場合が多い
  • 岩場での作業
  • 瓦礫の多い解体工事

現在は、路面保護の観点から、ゴムクローラーが主流です。ただし、岩場や瓦礫の多い解体現場では、耐久性に優れる鉄クローラーが選ばれています。

3.荷台・排土方式

荷台の形状と排土方式にも種類があり、現場や運搬物に応じて使い分けます。それぞれの種類や特徴については以下の表のとおりです。

▼荷台の形状

種類 特徴
三方開(さんぽうかい)
  • 後ろと左右の「あおり」が開く箱型
  • 木材や資材まで幅広く運べる
ベッセル
  • 船底のような丸みを帯びた形状
  • 土砂や砕石の運搬に向いている

▼排土方式

種類 特徴
一方向式
  • 荷台が後ろにだけ傾く
  • 構造がシンプルで故障リスクが低い
  • 広い作業エリア向け
全旋回式
  • 荷台が360度旋回する
  • 狭く排土場所が限られている現場向け

例えば、狭い現場で土砂を運ぶなら「ベッセル×全旋回式」が便利です。船底形状で土砂が滑り落ちやすく、荷台が360度旋回するので方向転換せずに排土できます。

資材運搬や多用途に使うなら、「三方開×一方向式」が扱いやすいです。あおりが開くため積み下ろしがしやすく、構造もシンプルで故障リスクが低いのが特徴です。

クローラーダンプの選び方

現場に適したクローラーダンプを選ぶには、以下の4つのポイントを確認しましょう。

1つずつ見ていきます。

1.運搬量・作業距離に対して積載量が足りている

まずは、運搬量や作業距離に見合った積載量を選びましょう。積載量が不足すると往復回数が増え、移動時間と燃料費がかさむからです。

例えば、大量の土砂を運ぶ現場で小型機を使用すると、大型機に比べて往復回数が増える可能性があります。積載量はサイズによって異なりますので、以下の表で確認しておくと安心です。

サイズ 最大積載量の例(kg) 特徴・適した作業
小型
(1~3tクラス)
2,000
  • 狭い路地や住宅地でも走行しやすい
  • 造園工事など小規模な作業向き
中型
(4tクラス)
3,600
  • 積載量と機動性のバランスが良い
  • 土木工事や道路工事など幅広い作業向き
大型
(10tクラス)
1万
  • 一度に大量の土砂を運べる
  • 大規模造成やトンネル工事向き(往復回数を抑制)

※上記数値は一例です。最大積載量は機種やメーカーにより異なります。

大型になるほど車体も大きくなるため、搬入経路の道幅や方向転換スペースの確認も必要です。現場の広さと運搬量のバランスを見て、適切なサイズを選びましょう。

2.現場条件に合った足回りである

次に、搬入経路の幅や地盤の状態を確認し、それに適した足回りを選びます。現場の条件に合わない足回りを選ぶと、クローラーの早期摩耗や路面の損傷を招き、修繕費用の発生や工期遅延の原因になります。

以下の表を参考に、現場条件に適した足回りを選びましょう。

足回りの種類 特徴
ゴムクローラー 舗装路を傷つけにくく静かで、住宅街や市街地での作業に適している
鉄クローラー 耐久性が高く鋭利なものに強いため、瓦礫が多い解体工事や岩場に適している

例えば、住宅街の舗装路で鉄クローラーを使うとアスファルトに傷がつき、補修費用を請求されるケースがあります。反対に、瓦礫が散乱する解体現場でゴムクローラーを使うと、鋭利な破片でゴムが切れて走行不能になることもあります。

作業をスムーズに進めるには、現場にあった足回りを選ぶことが重要です。

3.運搬物に適した荷台形状である

クローラーダンプの荷台にはいくつか種類があり、運搬物によって適した形状が異なります。荷台形状が合っていないと、積み下ろしのたびに手作業が発生する恐れがあります。

荷台ごとの特徴は、以下のとおりです。

荷台形状 特徴
三方開
  • 木材や資材など、形状が一定の荷物も運ぶ場合に適している
  • あおりが開くため、フォークリフトや人力での積み下ろしが容易
ベッセル
  • 土砂や砕石など、繰り返し排出する作業が中心の場合に適している
  • 船底形状であるため土砂が滑り落ちやすく、スムーズに排土できる

運搬物に合わない荷台を選ぶと、積み下ろしに余計な時間がかかり工期が延びるなど、作業全体の遅延につながります。

例えば、土砂を頻繁に排出する現場で三方開を使うと、荷台に土砂が残りやすく、人力で掻き出す手間が発生します。ベッセルなら船底形状で土砂が滑り落ちやすく、排土作業がスムーズです。

事前に運搬物の種類を確認し、それに合った荷台形状を選びましょう。

4.排土場所に応じた排土方式を備えている

排土場所の広さや状況に応じて、排土方式を選びます。排土方式とは、荷台を傾けて積荷を降ろす仕組みのことです。主に全旋回式と一方向式に分けられます。

排土方式 特徴
全旋回式
  • 排土場所が狭い、または方向転換しにくい現場に適している
  • 車両を切り返さずに任意の方向へ排土できるため、狭い場所でもスムーズ
一方向式
  • スペースに余裕がある現場に適している
  • 構造がシンプルで故障リスクが低く、現場でのトラブルを防ぎやすい

排土場所に合わない方式を選ぶと、排土のたびに車両を何度も切り返す必要が生じます。方向転換しにくい狭い現場で一方向式を使うと、切り返しだけで1回あたり数分のロスが発生し、1日の運搬回数が減って工期の遅延につながりかねません。

事前に排土場所の広さや周囲の状況を確認し、それに適した排土方式を選ぶことが重要です。

クローラーダンプの走行や作業に必要な資格

クローラーダンプの運転には、「公道を走行する場合」と「現場内で作業する場合」で異なる資格が必要です。車両を手配する前に、オペレーターが必要な資格を保有しているか確認しておきましょう。

公道を走行する場合は、ナンバープレートを取得したうえで、車両のサイズに応じていずれかの免許が必要です。

【公道を走行する場合に必要な免許】

  • 小型特殊自動車免許
  • 大型特殊自動車免許

ただし、多くのクローラーダンプは公道を走れない構造のため、現場までの移動はトラックに積載して運搬するのが一般的です。

現場内で作業する場合は、労働安全衛生法にもとづき、最大積載量に応じた資格が必要です。現場内作業で必要となる資格は、以下の表のとおりです。

【現場内で作業する場合に必要な免許】

  • 最大積載量1t未満:不整地運搬車運転特別教育の修了
  • 最大積載量1t以上:不整地運搬車運転技能講習の修了

公道の運転免許と現場作業の資格は別物であり、状況によっては両方が必要になるケースもあります。車両を手配する際は、積載量とともにオペレーターが保有する資格を事前に確認しておくと、当日スムーズに作業を開始できます。

クローラーダンプの特徴を理解して現場に最適な1台を選ぼう

クローラーダンプはクローラーで走行する運搬車両であり、ぬかるみや傾斜地など足場の悪い場所での土砂・資材運搬に欠かせない機械です。運搬量が多い現場にはクローラーダンプ、狭い場所で少量を運ぶ場合はミニクローラ運搬車のように、用途に応じて使い分けましょう。

なお、クローラーダンプは現場の状況に合わせて最適な機種が変わるため、必要な期間だけ利用できるレンタルがおすすめです。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、クローラーダンプやミニクローラ運搬車のレンタルに対応しています。「現場条件に合った運搬車両を使いたい」という場合は、以下のボタンより気軽に見積もりをご依頼ください。

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