オートマトラックとは、エンジンの動力を伝える「クラッチ」の操作が必要ないトラックのことです。トラックのトランスミッション(変速機)はマニュアルが主流でしたが、運転のしやすさやドライバー不足の解消といった背景から、オートマも増えつつあります。
本記事では、オートマトラックの概要や、トランスミッションの種類をまとめました。オートマがどのような特徴を持つのかを知り、自身に合う車両を把握したい場合はご覧ください。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまなトラックでオートマとマニュアルの両方を取り扱っています。取得している免許やドライバーの慣れに合わせて車両を提案しますので、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。
オートマのトラックとは
オートマのトラックとは、クラッチ操作が不要で、車両が自動的にギアチェンジをおこなうトラックのことです。アクセルとブレーキの操作が中心なので、マニュアルのトラックに比べて運転が容易です。従来、オートマトラックは以下の理由から少数派でした。
【オートマトラックが少数だった理由】
- ブレーキの効きが弱い
- 購入やメンテナンスの費用が高い
- 燃費が良くない
しかし、AT限定免許の取得者が増えたことや、ドライバー不足を解消したいという物流業界などのニーズから、オートマやセミオートマのトラックが導入され始めました。
さらに、技術開発が進み、かつてはトラックに不向きとされていたオートマのシステムが向上した点も、普及を後押ししています。
簡単にオートマのトラックについて解説しましたが、トランスミッションにはほかにもいくつか種類があるので、次章で詳しく紹介します。
トラックのトランスミッションの種類
トラックのトランスミッションの種類は、主に以下のとおりです。
それぞれの特徴などを見ていきましょう。
1. マニュアル(MT)
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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ドライバー自身がクラッチを操作し、手動でギアチェンジをおこなうトランスミッションが、マニュアルです。従来、トラックではマニュアルが主流であり、現在でも多くの車両で採用されています。
ドライバーがギアを選べるので、状況に応じて細かい速度の調整が可能です。適切に操作すれば燃費が良くなるうえ、構造がシンプルなため車両の購入やメンテナンスの際に費用を抑えられるなど、コスト面でのメリットがあります。
一方で、クラッチ操作には技術が必要であり、AT限定免許では運転できません。また、ギアチェンジがうまくできない場合は、燃費の効率が落ちてしまいます。
2. オートマ(AT)
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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オートマは、普通乗用車で普及しているトランスミッションです。自動で変速しギアチェンジやクラッチ操作が必要なく、主にアクセルとブレーキの操作で運転できます。
AT限定免許で運転でき、人材を確保しやすい点がメリットです。ドライバーの技量による差があまり出ないため、車両への負荷が抑えられます。
ただし、構造上アクセルペダルから足を離して速度を落とす「エンジンブレーキ」が効きにくい点がデメリットです。また、自動でギアチェンジを制御する部品が付いているので、車両の価格やメンテナンス費用が高く、適切でないギアで走行し燃費が悪くなるケースもあります。
3. セミオートマ(AMT)
項目 | 詳細 |
メリット |
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デメリット |
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マニュアルとオートマの長所を組み合わせたトランスミッションが、セミオートマです。AT限定免許に対応しているので、運転が可能なドライバーの数は多いといえます。
クラッチ操作は自動で、基本的に走行中のシフトチェンジも不要ですが、状況によっては自分でシフトチェンジができます。
しかし、構造が複雑なため、購入や修理の費用は高くなる傾向です。また、熟練のドライバーがマニュアルトラックを運転する場合に比べ、燃費の面で劣る場合も考えられます。
代表的なオートマトラック8選
ここでは、代表的なオートマトラックの種類を8つ紹介します。
No. | 項目 | 詳細 |
1 | 軽トラック | コンパクトサイズで普通免許で運転できる |
2 | 平ボディートラック | 壁や屋根がない荷台を持っている |
3 | バンボディトラック(パネルトラック) | ボックス型の荷台を搭載している |
4 | ウイングボディトラック | 荷台が翼のように横開きし、積み下ろしがスムーズにできる |
5 | 冷凍・冷蔵車 | 荷室の温度を調整できる |
6 | ダンプトラック | 建設用の資材や土砂の運搬に適している |
7 | クレーン付きトラック | 主に重機や資材の吊り上げ・設置に使われる |
8 | 特殊な用途のトラック | 道路に水をまく散水車など、特定の用途に特化している |
上記のように、さまざまなトラックでオートマ車が普及しています。車両によってはオートマ車とマニュアル車の両方がラインナップされているため、ドライバーが保有する免許や運転のしやすさに応じて選びましょう。
オートマ車に限らずトラックの代表的な種類について知りたい場合は、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
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自社に適したトラックの選び方
業務内容やドライバーの状況に合ったトラックを選ぶには、以下のポイントを押さえましょう。
1つずつ解説します。
1. 最大積載量が荷物の重さよりも大きい
トラックを選ぶ際は、運搬する荷物の重さに対応できる最大積載量の車両を選ぶ必要があります。
荷物の重さが最大積載量を超えると「過積載」と見なされ違法です。過積載に該当すると、罰金や違反した点数の加算、場合によっては免許停止といった処分を受けます。
また、1.2~2t平ボディートラックのように同じモデルのトラックでも、以下のとおり、オートマ車とマニュアル車で最大積載量が異なる場合があります。
型式 | ABF-TRY220 | ABF-TRY220 |
タイプ | AT | MT |
最大積載量(kg) | 1,200 | 1,250 |
荷物を安全に運搬するため、最大積載量が荷物の重さを上回るトラックを選びましょう。
2. 取得済みの免許で運転できる
トラックを運転するドライバーが、その車両を運転できる免許を取得しているか、確認が必要です。以下のとおり、自動車は車両総重量や最大積載量によって、運転に必要な免許の種類が異なります。
免許証の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | |
普通 | 普通免許 ※H29.3.12~普通免許を取得した者 |
3.5t未満 | 2t未満 |
中型 | 準中型免許(5t限定) ※H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した者 |
5t未満 | 3t未満 |
準中型免許 ※H29.3.12以降に準中型免許を取得した者 |
3.5~7.5t | 2~4.5t | |
中型免許(8t限定) ※H19.6.1以前に普通免許を取得した者 |
8t未満 | 5t未満 | |
中型免許 ※H19.6.2以降に中型免許を取得した者 |
7.5~11t未満 | 4.5~6.5t未満 | |
大型 | 大型免許 | 11t以上 | 6.5t以上 |
車両に応じた免許を持っていないドライバーが運転すると、無免許運転にあたります。
また、免許証に「AT車に限る」という条件が付いているにもかかわらず、マニュアル車を運転した場合も同様に、無免許運転と見なされます。トラックを選ぶ際は、運転するドライバーの免許証をあらためて確認しましょう。
3. バックモニターなどのオプションが付いている
バックモニターやドライブレコーダーといった装備が搭載されているかも、トラック選びのポイントです。
トラックは車体が大きいので、バックモニターが付いていると死角を減らせて、事故を未然に防げる可能性が高まります。また、ドライブレコーダーがあると、万が一の事故に備え状況の記録が可能です。
なお、バックモニターは2022年5月から新型車に搭載が義務化され、2024年11月には継続生産車(既存モデルの新車)も義務の対象になりました。ドライブレコーダーは搭載が義務化されていませんが、将来的に法律が改正される可能性はあります。
そのため、もしトラックの購入を考えているのであれば、バックモニターに加えてドライブレコーダー付き車両の購入を検討するのがおすすめです。
オートマトラックを利用するならレンタルがおすすめ
これまでトラックはマニュアルが主流でしたが、現在ではオートマやセミオートマの車両が増えています。オートマトラックは操作が簡単で、より多くの人が運転可能です。
しかし、オートマトラックを新たに用意するなら、購入費用をはじめドライバーの好みや取得している免許など、さまざまな点を考慮しなければなりません。そこで1つの方法として挙げられるのがレンタルです。
レンタルであれば、作業内容や現場の状況に応じて、その都度最適なトラックを用意できます。購入やメンテナンスにかかる費用を削減できる点もメリットです。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、軽トラックや平ボディートラックをはじめ、さまざまなオートマトラックを扱っています。作業や取得済みの免許に合わせて最適な車両を提案できるうえ、安心サポート制度という手厚い補償を用意しているので、以下よりお気軽に見積もりを依頼ください。