「4トントラックってどんな車両?」「4トントラックを導入したいが、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」とお考えではありませんか。4トントラックは積載量と取り回しのバランスが良い車両で、種類も多く、必要な免許のルールも複雑です。
本記事では、4トントラックの積載量から、ボディタイプ別のサイズ、運転に必要な免許についてまで基本知識をまとめました。自社に合うトラックの選び方についても紹介しますので、最後までお読みください。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、代表的な平ボディやクレーン付きトラックなど豊富な種類を取りそろえております。「作業に最適な4トントラックを選びたい」「どれが作業に適しているのか知りたい」とお考えの方は、ぜひ以下からお気軽に見積もりを依頼ください。
4トントラックとは
4トントラックとは、一般的に最大積載量が約4トンの中型トラックのことを指します。「中型トラック」に該当し、法律上の定義では車両総重量が5トン以上11トン未満、最大積載量が2トン以上6.5トン未満の車両です。
一般的な寸法は以下のとおりですが、ボディの形状や架装によって異なります。
【4トントラックの一般的な寸法】
- 全長:約6~9m
- 全幅:約2~2.5m
- 全高:約2.5~3m
- 最大積載量:約4t
- 車両総重量:約8t
積載量と車体サイズのバランスの良さや、市街地での走行から中長距離輸送まで対応できる点が、「ちょうどいいサイズ」として注目される理由です。その汎用性の高さから、物流業・建設業・食品輸送・引っ越しなど、幅広い業界で活躍しており、街中でもよく見かけます。
4トントラックの運転に必要な免許
4トントラックを運転できる免許の種類は、以下の表のとおりです。
免許証の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 |
中型免許(8t限定) ※平成19年6月1日以前に普通免許を取得 |
8t未満 | 5t未満 |
中型免許 ※平成19年6月2日以降に中型免許を取得 |
11t未満 | 6.5t未満 |
大型免許 | 11t以上 | 6.5t以上 |
過去に複数回の道路交通法改正があり、免許の取得時期によって運転できる車両の範囲が異なるため、ルールが少し複雑です。
4トントラック(車両総重量8t未満、最大積載量5t未満が目安)を運転するには、基本的に「中型免許」が必要です。平成19年6月1日以前に普通免許を取得した方は、免許が「中型免許(8t限定)」となり、大半の4トントラックを運転できます。
ご自身の免許でどのトラックを運転できるか、必ず免許証の記載内容と車検証に記載されている車両総重量・最大積載量を確認しましょう。なお、普通免許で運転できるトラックについて知りたい場合は、以下の記事で解説しているのでご覧ください。
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4トントラックと2トントラックの主な違い
業務で使うトラックを選ぶ際、4トントラックと2トントラックで迷うケースは少なくありません。ここでは、両者の主な違いを以下の3つの観点から解説します。
1つずつ見ていきましょう。
1.最大積載量・車両総重量の違い
1つ目の違いは、積載能力です。4トントラックと2トントラックの最大積載量・車両総重量は以下の表のとおりです。
トラックの種類 | 最大積載量 | 車両総重量 |
4トントラック | 4t前後 | 8t未満 |
2トントラック | 2t前後 | 5t未満 |
4トントラックは2トントラックの約2倍の荷物を運搬でき、一度に多くの荷物を輸送する必要がある場合に適しています。ただし、「4トントラック」というのはあくまで通称であり、実際の最大積載量は荷台の形状や装備によって異なるため、導入前に必ず確認しましょう。
トラックの最大積載量について、以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
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2.用途の違い
積載量や車体のサイズが違うことで、主な用途も以下のように異なります。
トラックの種類 | 主な用途 | 具体例 |
4トントラック | 中・長距離輸送 |
|
2トントラック | 市街地での近距離配送 |
|
自社の主な配送エリアや荷物の量を考慮し、どちらがより適しているかを判断しましょう。
3.運転の難易度の違い
車体が大きく重くなるほど、運転の難易度は上がります。
【4トントラックの運転の難易度が高い理由】
- 油圧ブレーキより制動力が高いエアブレーキを主に使用しているから
- 重量が重いほど制動距離が長くなるから
- 車体が大きいほど死角が増え、内輪差も大きくなり、左折時の巻き込みリスクが高まるから
4トントラックは2トントラックに比べて車重があるため、ブレーキの効きが緩やかに感じられます。特に積載時は制動距離が長くなるため、ブレーキ操作を早めにしなければなりません。
また車体が大きい分、死角が増え、左折時の巻き込みリスクが高まります。カーブを曲がる際の内輪差(前輪と後輪の軌道の差)も大きくなるため、より慎重なハンドル操作が必要です。
一方で、車体の重量があるため、高速道路での走行安定性は4トントラックの方が優れていると感じるドライバーもいます。安全に運行するには、これらの違いを理解し、ドライバーのスキルや経験も考慮して車種を選ぶ必要があります。
2トントラックのサイズや車種などについて詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しているのでご覧ください。
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【ボディタイプ別】4トントラックのサイズ
4トントラックは、荷台の長さや幅によって以下のボディタイプに分かれます。
No. | サイズ | 全長 | 全幅 | 全高 | 積載量 |
1 | 標準ボディ
|
6~7m | 2~2.2m | 約2.5m | 2.4~4t |
2 | ロングボディ
|
8~9m | 3.5~4t | ||
3 | スーパーロングボディ
|
9~10m | 約3m | 3.6~4t | |
4 | ワイドボディ
|
~10m | ~2.5m | ~3m | ~4t |
5 | ショートボディ
|
5~6m | 2~2.2m | 約2.5m | 約3.5t |
なお、上記は平ボディタイプを基準とした一般的な寸法例です。メーカーや架装によってサイズは異なりますので、あくまで参考値としてご覧ください。それでは、それぞれのタイプについて解説します。
1.標準ボディ
標準ボディは、4トントラックのなかで最も一般的で汎用性が高いサイズです。比較的コンパクトで小回りが利きやすく、都市部の狭い道路での配送や建設現場への資材運搬などで幅広く活躍します。
駐車や倉庫への搬入もしやすく、多様なニーズに対応できるバランスの取れたタイプです。
2.ロングボディ
標準ボディよりも荷台の全長を長くしたタイプとして、ロングボディがあります。荷台長は約7,200mmあるので、標準ボディでは運びきれない長尺物や、より多くの荷物を一度に輸送したい場合に最適です。
大型の家具・家電の輸送や、ある程度の規模の農産物輸送などの郊外への配送や中距離輸送に使用されます。
3.スーパーロングボディ
スーパーロングボディは、4トントラックのなかで最も荷台が長いタイプで、荷台長は約8,200mmにおよびます。大量の荷物を効率よく運ぶ長距離輸送や、長さのある建築資材、イベント機材の運搬など、特殊な用途に特化しています。
輸送効率を最大限に高めたい場合に選ばれるボディタイプです。
4.ワイドボディ
標準ボディに比べて荷台の全幅を広くしたタイプとしてワイドボディがあります。一般的な幅が約2,130mmなのに対し、ワイドボディでは約2,340mmです。
横幅に余裕があり、引っ越し作業で家具が壁にぶつかるリスクを減らしたり、機械類を安定させて運搬したりするのに適しています。また、荷物を積んだパレットを2枚並べて積載できるので、隙間なく効率的に積めるほか、輸送中の荷崩れも防げます。
5.ショートボディ
ショートボディは、標準ボディよりも全長を短くし機動性を高めたタイプです。全長が短く小回りが利くうえに車両感覚もつかみやすく、トラックの運転経験が浅いドライバーでも安心して運転できます。
都市部の住宅街や、狭い路地に面した店舗への配送、単身者向けの引っ越しなど、特に狭い場所での作業に適しています。なお、4トントラックに限らず、さまざまなトラックの荷台寸法について以下の記事で解説しているのでご覧ください。
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代表的な4トントラック3選
4トントラックには、荷台の形状(架装)によってさまざまな種類があります。ここでは、代表的で広く利用されている3つのタイプを紹介します。
No. | 種類 | 特徴 |
1 | 平ボディトラック
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2 | クレーン付きトラック
|
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3 | ウイングトラック
|
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1つずつ見ていきましょう。
1.平ボディトラック
型式 | TKG-FC9JLAA | 2PG-FED90 |
乗車定員(名) | 3 | |
タンク容量(L) | 100 | |
車両寸法 全長(mm) | 8,130 | |
車両寸法 全幅(mm) | 2,230 | 2,240 |
車両寸法 全高(mm) | 2,440 | 2,425 |
荷台寸法 全長(mm) | 6,200 | |
荷台寸法 全幅(mm) | 2,130 | 2,120 |
荷台寸法 全高(mm) | 395 | 400 |
車両重量(kg) | 3,750 | 3,240 |
車両総重量(kg) | 7,915 | 7,855 |
運転免許 | 中型免許(8t限定) |
平ボディトラックは、屋根がなくフラットな荷台が特徴の基本的なトラックです。荷台が開放的なため、クレーンを使って重量のある建材や機械を直接積み下ろすのが難しくありません。
また、サイズや形状が多様な荷物にも柔軟に対応でき、長尺物や背の高い荷物の運搬に適しています。主に建設現場での資材運搬や、機械の輸送などで活躍します。
2.クレーン付きトラック
型式 | SKG-FRP90S2 | TKG-FC9JKAA |
最大積載量(kg) | 2,650 | |
乗車定員(名) | 3 | |
タンク容量(L) | 100 | |
車両寸法:全長(mm) | 8,160 | |
車両寸法:全幅(mm) | 2,230 | |
車両寸法:全高(mm) | 2,950 | 3,000 |
荷台寸法:全長(mm) | 5,500 | |
荷台寸法:全幅(mm) | 2,130 | 2,120 |
荷台寸法:全高(mm) | 400 | |
車両重量(kg) | 5,160 | 5,140 |
車両総重量(kg) | 7,975 | 7,955 |
運転免許 | 中型免許(8t限定) |
平ボディトラックに小型クレーン(ユニッククレーン)を架装した車両が、クレーン付きトラックです。クレーンを装備しているため、人の手では持ち上げられない重量物の積み下ろしを、ほかの重機なしで一台で完結できます。
建築資材、庭石、重量のある機械など、重たい荷物を扱う現場での作業をスムーズにします。建設現場や造園業、設備工事業など、幅広い現場で欠かせない存在です。
クレーン付きトラックを含む、トラッククレーンの詳細については以下の記事で解説しているのでご覧ください。
トラッククレーンとは、重量物の吊り上げや運搬に使う車両のことです。1台で荷物の積み込みや運搬ができ、建設現場や土木工事などで使われています。 本記事では、トラッククレーンの概要や種類をまとめました。ほかの移動式クレーンとの違いも紹介す[…]
3.ウイングトラック
型式 | TKG-FC9JKAA | PDG-FK71R | |
最大積載量 (kg) | 3,300 | 2,800 | |
乗車定員 (名) | 3 | ||
タンク容量 (L) | 100 | ||
車両寸法 (mm) | 長 | 8,300 | 8,340 |
幅 | 2,490 | 2,500 | |
高 | 3,470 | 3,450 | |
荷室内寸 (mm) | 長 | 6,230 | |
幅 | 2,390 | ||
高 | 2,310 | ||
車両重量 (kg) | 4,530 | 5,020 | |
車両総重量 (kg) | 7,995 | 7,985 | |
運転免許 | 中型免許(8t限定) |
ウイングトラックは、荷台の側面が鳥の翼(ウイング)のように大きく開閉する構造が特徴的です。ボタン1つで側面が全開になるので、フォークリフトを使った荷物の積み下ろし作業を側面からおこなえます。
特に、パレットに積まれた大量の荷物を一度に扱う物流センターや倉庫での作業に最適です。荷台は箱型で雨風から荷物を守れるうえ、主に物流業界で広く使用されています。
床下に格納できるパワーゲートを装備した車両であれば、さらに安全かつ効率的に作業可能です。
ウイングトラックについて詳しく知りたいという方は、以下の記事で解説しているのでご覧ください。
ウイングトラックとは、荷台の側面が翼のように開く車両のことです。荷台の側面が開くため、荷室の奥にある荷物を積み下ろしやすいうえ、フォークリフトを使って作業ができるといったメリットがあります。 本記事では、ウイングトラックの特徴や種類な[…]
自社に合うトラックの選び方
4トントラックの導入で失敗しないためには、以下3つのポイントをチェックしましょう。
1つずつ解説します。
1.荷物の総重量がトラックの最大積載量を超えていない
まずは運搬する荷物の寸法や重量を正確に把握し、それに合ったトラックを選ぶ必要があります。導入を検討しているトラックの最大積載量、荷台の内寸、車両の全長を必ず確認し、荷物が問題なく積めるか、超過積載にならないかを確かめましょう。
最大積載量を超えた運行は法律で固く禁じられています。違反した場合は罰則が科されるだけでなく、ブレーキ性能の低下などを引き起こし、重大な事故につながる危険性があります。
4トントラックの最大積載量は4トンですが、車両ごとに厳密な最大積載量は異なるため、注意が必要です。
2.運転者が必要な免許を保有している
トラックを運転するドライバーが、必要な運転免許を保有しているかの確認は欠かせません。4トントラックの運転には、中型免許(8t限定も含む)以上が必要です。
社内でどのドライバーが、どの4トントラックを運転できるかを事前にリストアップし、管理体制を整えることで把握漏れを防げるので安心です。免許の条件を満たさないドライバーが運転してしまうと、法律違反となり厳しい罰則の対象となるだけでなく事故のリスクも高まるので、チェックを入念におこないましょう。
3.バックモニターやドライブレコーダーなどが付いている
安全に運行するには、トラックの安全装備は重要な選定基準です。事業用トラックは、その大きさや重量から事故を起こした際の被害が大きくなりやすいです。
特に以下のような、事故を未然に防ぐ装備と、万が一の事態に備える装備を確認しましょう。
【とくに備えておきたい安全装備】
- ドライブレコーダー:事故やトラブルが発生した際に、証拠を残せる
- バックモニター:接触事故のリスクを低減できる
- パワーゲート:作業者の負担を軽減し、荷物の破損を防止する
パワーゲートは、トラック後部に装備された昇降装置のことで、重量物の積み下ろしの際に、作業者の負担を軽減したり荷物が落下して破損することを防ぎます。パワーゲートの詳細については以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
トラックのパワーゲートは、重い荷物の積み下ろしを効率化するために欠かせない昇降装置です。 本記事では、創業約40年の産機レンタル会社が、パワーゲートの種類や知っておくべき使用方法などをまとめました。トラックでの荷役作業をより効率的かつ[…]
4tトラックについて理解を深めて最適なトラックを選ぼう
4トントラックは、積載能力と機動性のバランスに優れ、幅広い用途で活用できるトラックで、サイズや荷台の形状(架装)の種類も豊富です。効率的かつ安全に作業を進めるためには、自社の業務内容や運搬する荷物の特性を確認しておく必要があります。
ただ、4トントラックを自社で購入する場合、車両価格が高額になるだけでなく、その後の車検費用やメンテナンス、保険料といった維持費も負担となりがちです。そのため、これらの負担を軽減するには、購入費用が高額であることや、保管スペースの確保、日々のメンテナンスコストの削減ができ、トータルコストを抑えられるレンタルの利用がおすすめです。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな種類の4トントラックを取りそろえています。全国の豊富な在庫から、必要なときに作業に最適な車両をご用意することが可能ですので、「最低限のコストで自社の用途にぴったり合う4トントラックを利用したい」とお考えの方は、お気軽に見積もりを依頼ください。
トラックをレンタルする際の選び方や注意点などは以下の記事で解説しているので、こちらもご覧ください。
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