アンカーテスターとは?仕組み・選び方・注意点まで徹底解説

コンクリート構造物の安全性を確保するために欠かせない『アンカー耐力試験機』。建築現場や耐震補強工事で重要な「アンカー強度測定」を正確に行うため、選び方・使い方・注意点を知ることは必須です。本記事では、アンカーテスターの基本から製品例まで詳しく解説し、失敗しない選定ポイントを紹介します。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、作業日に合わせてアンカーテスターを準備できます!

盗難、故障時の補償も充実しているため、「アンカーテスターで安心・安全に測定したい」とお考えの方は、以下よりお気軽にご相談ください。

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アンカーテスターとは?基礎知識と重要性

アンカーテスターとは、建築や土木工事で使用される「アンカー(あと施工アンカー)」の引張強度を確認するための試験機です。アンカーは構造物を固定する重要な部材であり、その強度不足は安全性に直結します。アンカーテスターを使うことで、施工後にアンカーが設計通りの性能を発揮しているかを現場で確認できます。

なぜアンカーテスターが重要なのでしょうか?アンカーの強度不足は、事故につながるリスクがあります。アンカーテスターによる試験は、こうしたリスクを未然に防ぐための必須工程です。

アンカーテスターの仕組みと種類

アンカーテスターは、主に油圧式と機械式の2種類に分けられます。

【アンカーテスターの種類】

  •  油圧式:油圧シリンダーを使用してアンカーに引張力を加え、その際の圧力と変位を測定
  • 機械式:ネジ機構などを使用してアンカーに引張力を加え、その際の力と変位を測定

どちらの方式も、測定されたデータをもとにアンカーの耐力を算出します。

油圧式アンカーテスター 機械式アンカーテスター
  • 比較的小型で軽量
  • 操作が比較的容易
  • 油圧力を精密に制御できるため、より正確な測定が可能
  • 油圧機構を持たないため、故障のリスクが少ない
  • メンテナンスが容易
  • 電源を必要としないため、屋外での使用に適している

近年では、デジタル表示機能を搭載したアンカーテスターも登場しており、測定データの読み取りや記録が容易になっています。

アンカーテスターの選び方:5つのポイント

アンカーテスターを選ぶ際には、以下の5つのポイントを考慮することが重要です。

【アンカーテスターの選び方】

1.測定範囲

  • 測定対象となるアンカーの耐力範囲をカバーできるアンカーテスターを選びましょう。測定範囲が狭すぎると、必要な測定が行えません。

2.精度

  • 高い精度で測定できるアンカーテスターを選びましょう。精度の低いアンカーテスターでは、正確な耐力を評価することができません。

3.操作性

  • 操作が容易なアンカーテスターを選びましょう。操作が難しいアンカーテスターでは、測定に時間がかかり、作業効率が低下します。

4.耐久性

  • 耐久性の高いアンカーテスターを選びましょう。耐久性の低いアンカーテスターでは、頻繁に故障が発生し、修理費用がかさみます。

5.価格

  • 予算に合わせてアンカーテスターを選びましょう。高価なアンカーテスターほど高性能であるとは限りません。必要な機能と性能を備えた、コストパフォーマンスの高いアンカーテスターを選びましょう。

これらのポイントを踏まえ、自身のニーズに合ったアンカーテスターを選ぶことが、正確な測定と効率的な作業につながります。特に、初めてアンカーテスターを使用する方は、操作性の良いものを選ぶことをおすすめします。

アンカーテスターの使用方法と注意点

参照:https://youtu.be/iN0ACzOZC0Y?si=UpTSv4Z0jNs47cC8   使用方法例:DPG100

アンカーテスターを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

【アンカーテスターの使用方法】

1.取扱説明書をよく読む

  • アンカーテスターの取扱説明書をよく読み、正しい使用方法を理解してから使用しましょう。誤った使用方法は、測定結果の誤りや、アンカーテスターの故障につながる可能性があります。

2.安全対策を徹底する

  • アンカーテスターを使用する際には、安全メガネやヘルメットなどの保護具を着用し、安全対策を徹底しましょう。アンカーが破断した場合、破片が飛散する危険性があります。

3.測定環境を整える

  • 測定場所の周囲に人がいないことを確認し、安全な環境で測定を行いましょう。また、測定場所に十分なスペースを確保し、作業がしやすいように環境を整えましょう。

4.測定前にアンカーの状態を確認する

  • 測定前にアンカーにひび割れや腐食がないか確認しましょう。ひび割れや腐食があるアンカーは、正確な測定ができない場合があります。

5.測定データを記録する

  • 測定データは、必ず記録しておきましょう。測定データを記録することで、過去の測定結果と比較したり、異常を発見したりすることができます。

アンカーテスター使用時の具体的な安全対策

アンカーテスターを使用する際の安全対策は非常に重要です。以下に、具体的な安全対策をいくつかご紹介します。

種類 項目
作業範囲の明確化
  • アンカーテスターを使用する作業範囲を明確にし、関係者以外の立ち入りを禁止にする
  • カラーコーンや安全テープなどを使用して、作業範囲を区切ると効果的
保護具の着用徹底
  • 作業者は、安全メガネ、ヘルメット、安全靴などの保護具を必ず着用
  • アンカーが破断する可能性がある場合は、顔面を保護するフェイスシールドの着用も検討
周囲への注意喚起
  • 作業開始前に周囲に作業を行うことを周知し、注意を促す
  • 大きな音が発生する場合は、耳栓などの聴覚保護具の使用も検討
機材の点検
  • アンカーテスターや油圧ポンプなどの機材は、使用前に必ず点検を行い、異常がないことを確認
  • ホースや接続部に緩みや損傷がないか、油漏れがないかなどを確認することが重要
緊急時の対応
  • 万が一、アンカーが破断したり、機材が故障したりした場合の緊急連絡先や避難経路を事前に確認
  • 応急処置に必要な救急セットを準備しておく

※表は横にスクロールできます。

これらの安全対策を徹底することで、アンカーテスター使用時の事故を未然に防ぐことができます。安全は常に最優先事項であることを意識し、作業を行いましょう。

アンカーテスターの測定結果の解釈と評価

アンカーテスターで測定した結果は、アンカーの耐力を評価するために重要な情報となります。測定結果を解釈する際には、以下の点に注意する必要があります。

【アンカーテスターの評価】

1.設計耐力との比較

  • 測定したアンカーの耐力が、設計時に想定された耐力よりも十分大きいことを確認しましょう。設計耐力は、構造物の種類や使用環境によって異なります。

2.許容範囲の確認

  • 測定結果が、アンカーの種類や施工方法によって定められた許容範囲内にあることを確認しましょう。許容範囲は、一般的にメーカーのカタログや技術資料に記載されています。

3.過去の測定結果との比較

  • 過去に測定したデータと比較し、アンカーの耐力が経年的に低下していないかを確認しましょう。耐力の低下が見られる場合は、アンカーの補修や交換を検討する必要があります。

4.異常値の確認

  • 測定結果に異常値がないかを確認しましょう。異常値が見られる場合は、測定方法やアンカーの状態に問題がある可能性があります。

これらの点に注意し、測定結果を総合的に評価することで、アンカーの安全性を確認することができます。評価の結果、アンカーの耐力に問題がある場合は、専門家による調査や対策が必要となる場合があります。

アンカーテスターを使うならレンタルがおすすめ

アンカーテスターを使うなら、購入よりもレンタルがおすすめです。

アンカーテスターは購入すると高額です。レンタルなら必要な期間だけ利用できるため、「購入初期コスト削減」というニーズに応えられます。特に短期工事やスポット検査では、購入よりもレンタルの方が圧倒的に経済的です。

またレンタルサービスでは、精度の高い機器を提供するため、自社で保守や校正を行う手間がなく、常に高品質で正確な試験が可能です。

さらにレンタルで補うことができれば、保管場所の確保は不要になります。故障時の修理や定期メンテナンスの手間も心配いりません。借りてすぐに試験を開始できるのが大きなメリットです。

レンタルにおすすめのアンカーテスター2選

1. DPG100

項目 詳細
型式 DPG100
メーカー ヒルティ
最大測定荷重(kN) 100[10,000kgf]
測定範囲 アンカーサイズ
M6、M8、M10、M12、
M16、M20、M24
ナット幅(mm) 36
測定誤差(kN[kgf]) ±1[±100]
傾斜補正範囲(%) ±2.5
重量(kg) 本体3.0/セット10

アンカーテスターの詳細を見る

DPG100は、最大100kNまで対応する高精度アンカー引張試験機で、建築現場に最適です。軽量・コンパクト設計で持ち運びや高所作業が容易、デジタル表示で測定値の確認もスムーズです。非破壊検査による安全性と信頼性を提供し、アンカー強度試験の効率化を実現します。

2. AT-10D Ⅱ

項目 詳細
型式 AT-10D Ⅱ
メーカー サンコーテクノ
最大測定荷重(kN) 100
測定範囲 M6~M24、W1/4~W1
(ボルト突出長:ボルト径と同長以上~120mm以下)
異形鉄筋D10~D16
(異形鉄筋用アタッチメント使用時)
傾斜補正範囲(%) ±5
重量(kg) 6.1
NETIS登録番号 KT-170007-VE

アンカーテスターの詳細を見る

AT-10DⅡは、アンカー引張試験に特化した高精度なアンカーテスターで、建築現場での安全確認に最適です。軽量設計と操作性の高さにより、現場での効率的な試験を実現し、作業時間を大幅に短縮します。さらに、幅広いアンカーサイズに対応し、信頼性の高い測定結果を提供することで、品質管理と施工精度を強力にサポートします。

まとめ:アンカーテスターを理解し、安全な構造物を維持するために

今回は、アンカーテスターの基礎知識から選び方、使用方法、注意点まで幅広く解説しました。アンカーテスターは、建築現場の安全性と品質を守るための必須機器です。特にDPG100のような高性能モデルは、効率的な施工管理に大きく貢献します。

アンカーテスターは、一見すると専門的な機器ですが、その重要性は広く認識されるべきです。建設業界に関わる方はもちろん、一般の方も、アンカーテスターの役割と重要性について理解を深め、安全な社会の実現に貢献していくことが大切です。

なお産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、アンカーテスターをはじめ、さまざまな種類の測量機械を取り扱っています!

「アンカーテスターの利用が初めてで、どの製品が適切かわからない」「一度レンタルでアンカーテスター試してみたい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。

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