問い合わせ1.3倍・月間7万PVへ。レントがゼロから始めたWebマーケティング改革

【話し手】
株式会社レント 新規事業開発部 デジタルマーケティング課
・山内 真也(部長代理 兼 課長)
・海老名 亮輔(事務主任)
・本郷谷 大樹(事務係)

建設機械のレンタル事業を全国で展開する株式会社レント。長年にわたり、訪問営業やチラシ配布といった対面営業で顧客との関係を築いてきましたが、今、Webマーケティングに取り組み営業活動の改革を進めています。

今回は、中心になって改革を進めた新規事業開発部の山内、海老名、本郷谷に、Webマーケティング開始前の課題から、具体的な施策、未来の展望までを聞きました。

【課題】変化する顧客と旧来の営業体制との間で起きていた葛藤

――Webマーケティングへの取り組みを始める前、社内ではどのような課題があったのでしょうか?

山内:一番の課題は、お客様の購買行動の変化に、私たちの営業スタイルが追いつけていなかったことです。

山内氏

山内:当時は、飛び込みでお客様先を訪問し、チラシを配っている営業スタイルが中心で、社内に「Webマーケティング」という言葉すら根付いていませんでした。お客様から「ホームページを見ているのですが」と電話をいただいても、担当者が慣れておらず「どのページをご覧になっていますか?」と戸惑ってしまうような状態です。

海老名:実は、私自身が現場で営業活動をしていたときも、当時の仕組みでは、Webからの問い合わせの優先順位を付けるのが難しいと感じていました。対面や電話ならお客様の熱量が直接伝わりますが、当時のWeb窓口は情報の入り口としての役割が中心になっていたからです。

海老名氏

海老名:そのため、緊急度や検討度合いといった問い合わせの背景を判断する材料が少なく、社内も以下のような状態にありました。

山内:これらの現実に直面したとき、私自身の購買行動が、「新聞のチラシを見る」から「インターネットで検索する」へと変わっていることに気づいたんです。そこで、「今やらなければ遅れをとるリスクがある」という強い危機感を覚えました。

――リード(見込み顧客)の活用にも課題があったのですね。

本郷谷: はい、課題を抱えていました。Webからいただいた問い合わせを各営業担当に振り分けるものの、その後の進捗がまったくわからなかったからです。

本部側も当時は、まず未対応の有無を確認する運用が中心で、進捗や成果を共有する仕組みが十分ではありませんでした。さらに報告の目的や共有範囲が明確でなかったため、営業結果を集約しづらい状況でした。

本郷谷氏

山内:これでは、たとえWebマーケティングを本格化させても、せっかく獲得したリードを活かしきれません。施策の効果を正しく計測し改善していくためには、現場に「この取り組みは成果につながる」と実感してもらうため、まず社内の営業体制、特にリード管理の仕組みから変える必要がありました。

山内:このような課題があったなかで、マーケティング支援をおこなっているPXC株式会社から、「Webマーケティング」と「リード管理」の提案を受け、実行に移すことになりました。

【実行】ゼロからWebマーケティングを開始。SFA・CRMも導入

――さまざまな課題を前に、具体的に何から着手されたのでしょうか?

山内:最初に着手したのは、お客様との最初の接点であるWebサイトの改善です。

当時、商品ページの多くは画像をメインとして作られており、検索エンジンが商品名や特徴などの商品情報を正しく読み取れない状態でした。そこで、テキスト情報を構造化して検索エンジンに正しく伝えるため、WordPress形式へ移行しました。

WordPressへ移行した商品ページの例

山内:同時に、サイト内の導線も見直しています。問い合わせボタン(CTA)の数を増やしたり、「なぜレントが選ばれるのか」という強みを明記したりすることで、商品ページを訪れたお客様が迷わず、安心して問い合わせできるよう工夫しました。

山内:次に、より積極的にお客様に見つけてもらうための施策として「オウンドメディア」と「リスティング広告」も開始しました。

  • オウンドメディア:企業が保有・運営するメディアのこと
    • Webサイト、ブログ、メールマガジンなどを通じて継続的に情報発信し、信頼や問い合わせにつなげる
  • リスティング広告:Googleなどの検索結果に出すWeb広告(検索連動型広告)のこと
    • 「◯◯ レンタル」「◯◯ 見積」のように、今まさに探している人に向けて表示でき、短期間で集客・問い合わせにつながるケースがある

山内:オウンドメディアとして立ち上げたのは、以下の「Blue talk(ブルー トーク)」です。

Blue talk(ブルー トーク)

山内:自然検索からの流入と問い合わせの増加を目指し、「◯◯ レンタル」といった、検索キーワードで記事を作成しました。現在も、お客様の疑問や悩みに応えられるコンテンツ作りを目標に、継続的に発信しています。

並行して、即効性が高いといわれるリスティング広告も実施しました。SEOとリスティング広告の両者からアプローチすることで、検索結果での露出を増やし、より多くのお客様にレントを知っていただくことを目的としています。

――リード管理体制の構築についてはどのように進めましたか?

山内:施策の成果を最大化するため、まずは東京と大阪の拠点ごとに専任者を1名選出し、以下のExcel管理から始めました。

【最初におこなったExcel管理の流れ】

  1. 案件のフローを再設計する
  2. 案件をExcelで管理する(システム導入を前提とする)
  3. 管理した情報を数値化する
  4. 対応可能な案件は、インサイドセールス部門で対応する

山内:最初から新しいシステムを導入するのではなく、日頃から使っているExcelを使った管理で慣れてもらう方が、専任者の心理ハードルを下げられると考えたからです。その後、Excel管理がある程度軌道に乗ってから、SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理システム)を導入しました。

【結果】問い合わせ1.3倍、月間7万PVを達成。東京・大阪でのリード管理体制も構築

――それぞれの取り組みは、どのような成果につながりましたか?

山内:以下のように、数字として明確な成果が出ています。結果的に、自然検索経由での問い合わせ数は、昨年対比で約1.3倍に増加しました(2025年12月に集計)。

【オウンドメディア・リスティング広告の成果】※2025年12月に集計

  • オウンドメディアは、月間7万PVを達成
  • 広告経由でも、月間50件以上の問い合わせが継続的に発生

山内:数字だけでなく、問い合わせの「質」にも変化を感じています。これまでアプローチできていなかったような、新たなニーズを持つお客様からの問い合わせが増えてきました。

また、以下の出来事から、社外の評価も高まっている実感があります。

  • 他社サイトからリンク掲載の相談を受けた
  • 展示会で他社から「良いメディアですね」と評価いただいた
山内氏はWebマーケティングやリード管理を進めるため、社内外との調整を重ねた

山内:ただ、最も変わったのは、社内の雰囲気です。当初は一部署の取り組みとして始まったこの活動が、正式に「デジタルマーケティング課」として組織化されました。

社内からも「資料作成で参考にしていたサイトが、実は自社の『Blue talk』だった」「もっと社内にアピールした方がいい」といった声が届くようになり、うれしかったです。

海老名氏はオウンドメディア「Blue talk」のコンテンツ制作も担当

――リード活用についてはどのような成果が得られましたか?

山内:SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理システム)を導入した東京・大阪では、リードの定量的な管理に成功しています。「どのチャネルから、どれくらいの案件が生まれ、受注につながっているのか」が可視化されました。

「たぶん〇〇が課題だろう」という推測ではなく、「データのとおり〇〇が課題だ」と明確に言えるようになったことは、再現性の高い戦略を立てるうえで大きな一歩です。

本郷谷:「どのシステムを導入すれば、現場で使いやすいと感じてもらえるだろうか」とかかなり悩みましたが、実際に導入してからは、みなさんの協力のおかげで徐々に慣れていただいていると思います。

本郷谷氏は、SFA/CRMシステムの選定にも携わった

【今後】データを武器に、全社でWebマーケティングを進めたい

――今後の展望についてお聞かせください。

山内:今後は、見込み顧客への情報提供やフォローを効率化するための、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入し、さらなる受注率の向上を目指します。例えば、一度失注してしまったお客様へのフォローや、検討段階で停滞している案件の掘り起こしを自動化することで、営業担当がより価値の高い活動に集中できる環境を整えたいです。

また、SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理システム)の導入によって、私たちの課題も明らかになっています。今後は、こうした一つひとつの課題に対して改善策を打っていき、最終的には東京・大阪で構築したこの成功モデルを全支社へ展開したいと思います。

海老名:Webマーケティングは、まだ改善の余地が大きいと感じています。本部と連携しながら運用を改善し、売上のさらなる向上を目指して社内を盛り上げていきたいです。

本郷谷:まずは、社内に取り組みを正しく知ってもらうことが重要だと考えています。データをもとに課題と成果を可視化し、社内の理解と協力を得て次の打ち手につなげていきたいです。

左から、本郷谷氏、SEO担当者(PXC株式会社)、山内氏、海老名氏

――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

山内:Webマーケティングは、従来の営業活動に加えて、これまで出会えなかったお客様との接点をつくってくれる施策です。関心を持ってくださっている方と効率よく出会えることは、大きな武器になります。

営業のやり方を変えるのは簡単ではありません。でも、お客様に全力で向き合う現場メンバーのためにも、ぜひ一歩踏み出してみてください。

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