ジェットヒーターで冬の塗装作業の品質&効率UP!種類・利点・注意点まとめ

なぜ冬場の塗装にジェットヒーターが有効なのか?

塗膜剥がれ画像冬場の塗装作業は、気温の低下によって塗料の乾燥が遅れたり、結露が発生して塗膜に悪影響を及ぼしたりと、様々な問題が発生しやすくなります。特に気温が5℃を下回ると、塗料の性能を十分に発揮できない場合が多く、仕上がりの品質が著しく低下する可能性があります。そこで活躍するのがジェットヒーターです。ジェットヒーターは、短時間で広い範囲を暖めることができるため、塗装面の温度を上げ、塗料の乾燥を促進し、結露を防ぐ効果が期待できます。

しかし、ただ暖めれば良いというわけではありません。ジェットヒーターを使う際には、適切な温度管理や換気、安全対策など、いくつかの注意点があります。この記事では、ジェットヒーターを塗装作業に効果的に活用するための知識とノウハウを、詳しく解説していきます。

ジェットヒーターの種類と選び方:塗装に最適な一台を見つける

ジェットヒーターと一口に言っても、様々な種類があります。燃料の種類(灯油、電気)、熱出力、サイズ、機能など、それぞれの特徴を理解し、塗装する対象物や環境に合った機種を選ぶことが重要です。

まず、燃料の種類ですが、灯油式はパワフルで広範囲の暖房に適しており、大規模な塗装現場や屋外作業に最適です。電気式は、排気がクリーンで屋内での使用に適していますが、200V 電源が必要な場合だったり、熱出力が低い場合があります。

熱出力は、暖めたい空間の広さや塗装する対象物の大きさによって選ぶ必要があります。一般的に、熱出力が高いほど広い範囲を暖めることができますが、消費燃料も多くなります。適切な熱出力のジェットヒーターを選ぶことで、効率的な塗装作業が可能になります。

ジェットヒーターを選ぶ際には、安全性も重要なポイントです。過熱防止装置や転倒時消火装置など、安全機能が充実している機種を選ぶようにしましょう。また、運転音も機種によって大きく異なるため、騒音が気になる場合は、静音タイプの機種を選ぶことをおすすめします。最近では、温度センサーを搭載し、設定温度を維持する機能や、タイマー機能など、便利な機能が搭載された機種も増えています。これらの機能を活用することで、より効率的で安全な塗装作業が可能になります。

ジェットヒーター塗装のメリットとデメリット:効果的な活用法

ジェットヒーターを塗装に使用することには、多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。それぞれの側面を理解した上で、効果的に活用することが重要です。

ジェットヒーターのメリット

ジェットヒーターのメリットの図

最大のメリットは、乾燥時間の短縮です。特に低温環境下では、塗料の乾燥が非常に遅くなりますが、ジェットヒーターを使用することで、塗装面の温度を上げ、乾燥を促進することができます。これにより、作業効率が大幅に向上し、納期短縮にもつながります。

次に、塗膜の品質向上も期待できます。適切な温度で乾燥させることで、塗料の硬化が均一に進み、塗膜の強度や耐久性が向上します。また、結露を防ぐことで、塗膜の密着不良や剥がれを防ぐ効果も期待できます。特に、金属塗装においては、結露による錆の発生を防ぐことが重要です。ジェットヒーターを使用することで、塗装面の水分を蒸発させ、錆の発生を抑制することができます。

さらに、作業環境の改善にもつながります。冬場の寒い環境下での作業は、作業員の集中力低下や体調不良の原因となりますが、ジェットヒーターを使用することで、作業空間を暖かく保ち、快適な作業環境を提供することができます。

ジェットヒーターのデメリット

ジェットヒーターのデメリットの図一方、デメリットとしては、燃料コストがかかる点が挙げられます。灯油などの燃料を使用するため、ランニングコストが発生します。特に、熱出力の高い機種や長時間使用する場合は、燃料コストが高くなる傾向があります。

また、騒音が発生する点も考慮する必要があります。ジェットヒーターの運転音は比較的大きいため、住宅地や近隣に配慮する必要がある場合があります。静音タイプの機種を選ぶか、防音対策を施すなどの対策が必要です。

さらに、火災のリスクも伴います。ジェットヒーターは、高温の熱風を吹き出すため、可燃物との距離を十分に保つ必要があります。特に、塗装作業では、塗料や溶剤などの可燃物を使用するため、火災には十分注意が必要です。

これらのメリットとデメリットを考慮し、適切な機種を選び、安全対策を徹底することで、ジェットヒーターを塗装作業に効果的に活用することができます。例えば、燃料コストを抑えるためには、断熱対策を施したり、タイマー機能を利用して必要な時間だけ運転したりするなどの工夫が考えられます。

ジェットヒーター塗装の注意点:安全かつ高品質な仕上がりを実現するために

ジェットヒーターを塗装作業に使用する際には、安全面と品質面の両方において、いくつかの注意点があります。これらの注意点を守ることで、事故を未然に防ぎ、高品質な仕上がりを実現することができます。

安全面の注意点

まず、適切な換気を徹底することが重要です。ジェットヒーターは、燃焼時に二酸化炭素や一酸化炭素などの有害な物質を排出するため、換気が不十分な密閉空間で使用すると、中毒事故につながる可能性があります。換気扇を使用したり、窓を開けたりして、常に新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。特に、屋内での使用は換気に十分注意してください。

次に、可燃物との距離を十分に保つ必要があります。ジェットヒーターから吹き出す熱風は非常に高温になるため、塗料や溶剤などの可燃物を近くに置くと、火災の原因となる可能性があります。ジェットヒーターの周囲には、可燃物を置かないようにし、安全な距離を確保するようにしましょう。

また、運転中のジェットヒーターに触れないようにしましょう。ジェットヒーターの本体や排気口は非常に高温になるため、触れると火傷をする可能性があります。運転中は、ジェットヒーターに近づかないようにし、不用意な接触に注意しましょう。

品質面の注意点

品質面では、適切な温度管理が重要です。ジェットヒーターで暖めすぎると、塗料が急速に乾燥し、ひび割れや剥がれの原因となる可能性があります。逆に、暖めが不十分だと、塗料の乾燥が遅れ、塗膜の強度が低下する可能性があります。塗料の種類や塗装環境に合わせて、適切な温度に調整するようにしましょう。一般的に、塗料のメーカーが推奨する乾燥温度を守ることが重要です。

また、塗装面の清掃も重要です。塗装面に汚れや油分が付着していると、塗料の密着が悪くなり、剥がれの原因となる可能性があります。塗装前に、塗装面を十分に清掃し、油分や水分を取り除くようにしましょう。シリコンオフなどの脱脂剤を使用すると効果的です。

さらに、均一な加熱を心がけましょう。ジェットヒーターの熱風が一部に集中すると、塗装面の温度が不均一になり、乾燥ムラが発生する可能性があります。ジェットヒーターの向きや距離を調整し、塗装面全体を均一に加熱するようにしましょう。

塗装以外のジェットヒーター活用法:多用途な暖房器具

ジェットヒーターは、塗装作業以外にも様々な用途で活用できる便利な暖房器具です。そのパワフルな暖房能力を生かして、様々なシーンで活躍します。

例えば、建築現場では、コンクリートの養生や、内装工事の際の暖房として使用されます。冬場のコンクリートは、凍結によって強度が低下する可能性がありますが、ジェットヒーターを使用することで、コンクリートの温度を保ち、適切な養生を行うことができます。また、内装工事の際には、作業員の寒さ対策として、ジェットヒーターが活躍します。

農業の分野では、ビニールハウスの暖房や、作物の乾燥に使用されます。冬場のビニールハウスは、温度が低下しやすく、作物の生育に悪影響を及ぼす可能性がありますが、ジェットヒーターを使用することで、ビニールハウス内の温度を保ち、作物の生育を促進することができます。また、収穫した作物を乾燥させる際にも、ジェットヒーターが活躍します。

イベント会場や屋外の作業現場など、広い空間を暖める必要がある場合にも、ジェットヒーターは有効です。イベント会場では、来場者の寒さ対策として、ジェットヒーターが使用されます。また、屋外の作業現場では、作業員の寒さ対策として、ジェットヒーターが活躍します。

その他にも、工場や倉庫などの暖房や、機械や製品の暖機など、様々な用途で使用されています。ジェットヒーターは、そのパワフルな暖房能力と、持ち運びの容易さから、様々な場所で活躍する多用途な暖房器具と言えるでしょう。

ジェットヒーターの手配はレンタルがおすすめ

寒冷期の塗装作業を適切に行うために欠かせないジェットヒーター。購入となると高額で保管場所も必要ですが、必要な期間だけ使えるレンタルなら、コストを抑えつつ効率的な運用が可能です。

ここではヒーターをレンタルするメリットを、3つ紹介します。

1.現場に最適な製品を調達できる

1つ目のメリットは、現場に合った製品を用意できることです。レンタル会社では以下のように、広い空間を暖める(もしくは、部分的に暖める)ものや火を使わないタイプなど、さまざまな種類のヒーターを取りそろえています。

そのため、「屋内外の広い空間を暖めたい」「塗装面を効率的に乾燥させたい」「屋内で燃料を使用できない」のように、利用シーンに合わせた製品をレンタルできます。

また、塗装面の広さにより台数を増やすなど、状況に合わせて柔軟に対応することも可能です。

2.保管スペースが不要

保管スペースが不要な点も、レンタルするメリットです。夏などのジェットヒーターを使わない時期は収納スペースを確保しなければならず、倉庫や物置内で場所をとります。

レンタルを利用すれば、使用後はレンタル会社に返却するだけなので、自社でジェットヒーターを保管する場所を確保する必要がありません。必要な期間だけヒーターを借りられれば、保管場所の確保に悩むことがなくなります。

3.購入やメンテナンスのコストを削減できる

ジェットヒーターをレンタルすることで、購入やメンテナンスにかかるコストを抑えられます。

1台だけ購入すれば目的を果たせるのであれば問題はありませんが、さまざまな利用シーンを想定して複数のヒーターを購入する場合は初期費用が膨らみます。

また、ジェットヒーター等の熱を利用する機材は、手入れをせずに使うと故障の原因になったり火災の危険性が高まったりするため、毎シーズン手入れが必要です。

ですが、レンタルであれば、必要なときだけレンタル会社が整備したものを安心して使えます。そのため、購入やメンテナンスにかかるコストを減らしたい場合は、レンタルがおすすめです。

 

レントでは、大型のジェットヒーターから一般的なストーブまで、豊富な種類の商品を取りそろえています。

全国の在庫を一元管理しているので、ご要望に合った能力や台数のご用意が可能です。また、ダクトも併せて手配いただけるので、別途購入いただく必要がありません。

さらに、整備済みの製品をレンタルできるので、自社でメンテナンスの手間をかけずに、安全にジェットヒーターを使えます。「希望に合わせてジェットヒーターをレンタルしたい」とお考えの方は、ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

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レンタルにおすすめのストーブ・ヒーター6選

ここからは、レンタルにおすすめのストーブやヒーターを紹介します。

  1. 小型ジェットヒーター
  2. ジェットヒーター
  3. ダクト式熱風ヒーター
  4. 仮設用移動式大型温風ヒーター
  5. 電気式熱風器ホットドライヤ

順に見ていきましょう。

1.小型ジェットヒーター

小型ジェットヒーター

項目 詳細
暖房出力 (kW) 8.8〔強〕 6.3〔弱〕
暖房適応面積m2(坪) ・コンクリート:42~51 (13~15)
・木造:30~36 (9~11)
寸法(mm)幅×奥行き×高さ 420×255×535
吐出口 φ157
重さ:タンク空時(kg) 11.5
燃料 灯油(JIS1号灯油)
電源 AC100V

内装・塗装の乾燥作業に最適な業務用熱風ヒーター

  • 軽量・コンパクト設計:本体重量わずか11.5kgで持ち運びもラクラク。
  • 強弱2段燃焼機能:使用状況に応じて燃焼モードを切替可能。弱燃焼時は灯油使用量を約30%節約。
  • 安全設計:転倒時でも灯油がこぼれにくく、タンク周囲には保護ゴム付きで床や壁を傷つけにくい構造。
  • 角度調整可能:吐出口の角度は上下17度まで調整可能で、狙った場所に効率よく熱風を送れます。
  • 静音運転:運転音は54~58dBと静かで、屋内作業にも適しています。

小型ジェットヒーター詳細を見る

2.ジェットヒーター

ジェットヒーター

項目 詳細
暖房出力 (kW) 35
暖房適応面積m2(坪) ・コンクリート:167~200 (50~60)
・木造:121~143 (36~43)
寸法(mm)幅×奥行き×高さ 810×565×717
吐出口 φ318
重さ:タンク空時(kg) 38
燃料 灯油(JIS1号灯油)
電源 AC100V

寒冷期の建築現場や内装・塗装作業に最適な大型熱風ヒーター

  • 強力な熱出力:最大30,100kcal/hの熱風で広範囲を効率的に暖房・乾燥。
  • 大型タンク搭載:灯油タンク容量54Lで、最大15時間の連続燃焼が可能。
  • 安全設計:炎監視、過熱防止、対震自動消火、ファン異常検知など多彩な安全装置を搭載。
  • 角度調整可能:熱風吐出口は上下23度まで調整可能で、狙った場所に熱風を送れます。
  • 静音設計:運転音は約65dBで、屋内作業にも配慮。

ジェットヒーターの詳細を見る

 

3.ダクト式熱風ヒーター

ダクト式熱風ヒーター

項目 詳細
暖房出力 (kW) 33.3、35
暖房の目安(㎡) ・コンクリート:168~201
・木造:122~142
寸法(mm)
※幅×奥行き×高さ
605×1,002×712、
554×998×746
重さ(kg) 50、55
電源 (V) 単相100

ダクト送風が可能なダクト式熱風ヒーターなら、入り組んだ場所でも暖めたい箇所へダイレクトに熱風を送れます。また、建築現場でコンクリートの凍結防止や養生として使用することも可能です。

3段に積んで収納できるため、使っていないときでも場所を取りにくく置き場を確保しやすい点も特徴です。

なお、運転には別置きのタンクが必要ですが、レントではタンク・送風に使うビニールダクト(別売り)なども併せて取り扱っているため、必要なものをまとめて準備いただけます。

ダクト式熱風ヒーターの詳細を見る

4.仮設用移動式大型温風ヒーター

仮設用移動式大型温風ヒーター

項目 詳細
暖房出力 (kW) 50.7
暖房の目安(㎡) ・コンクリート:294.2
・木造:208.3
寸法(mm)
※幅×奥行き×高さ
770×1,450×990
重さ(kg) 95
電源 (V) 単相100

屋外・屋内のどちらにも設置できる仮設用移動式大型温風ヒーターは、空間内の空気をヒーターで暖めて循環させるタイプの商品です。なお、屋内に設置する場合は発生したガスを煙突から排出できるよう、以下のように排気管を設置します。

排気管の設置例

大型の燃料タンクを搭載しておりおよそ21時間にわたる運転が可能なので、広い空間を暖めたい場合や乾燥させたい場合は、ぜひ以下より詳細をご覧ください。

仮設用移動式大型温風ヒーターの詳細を見る

 

5.電気式熱風器 ホットドライヤ

項目 詳細
商品名 熱風器200V9kw
温度調節範囲 (度)※1 常温~350
寸法(mm)
※幅×奥行き×高さ
612×364×522
重さ(kg) 35
電源 (V) 単相200

※1 温度センサーの取り付け位置による温度で、使用雰囲気温度20℃の時の値です。炉の設置状況・材質・断熱性能、使用雰囲気の変化に伴い、温度も変化します。

クリーンな熱風で乾燥・加熱・除湿作業を効率化!
精密な温度制御と高い安全性を兼ね備えた業務用熱風機です。

  • クリーンな熱風:燃焼ガスを発生しない電気式ヒーターで、空気を汚さず衛生的。
  • 高精度温度制御:電子制御P.I.D方式により、1℃単位で温度設定が可能。
  • 安全設計:加熱防止装置、無接点SSC制御、ON/OFFタイマーを標準装備。
  • 風量調整可能:手動ダンパー方式で風量を調整可能。

電気式熱風器ホットドライヤの詳細を見る

まとめ:ジェットヒーター塗装で冬場の作業効率をアップ!

ジェットヒーターは、冬場の塗装作業において、乾燥時間の短縮、塗膜の品質向上、作業環境の改善など、多くのメリットをもたらします。適切な機種を選び、安全対策を徹底することで、安全かつ高品質な仕上がりを実現することができます。

この記事では、ジェットヒーターの種類と選び方、メリットとデメリット、注意点、具体的な手順、そして塗装以外の活用法について詳しく解説しました。これらの情報を参考に、ジェットヒーターを塗装作業に効果的に活用し、冬場の作業効率を大幅に向上させましょう。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな利用シーンに対応できるジェットヒーターをそろえています。

全国の在庫から必要な商品をご用意可能ですので「自社に適した商品をレンタルしたい」とお考えの方は、以下よりお気軽にお見積もりを依頼ください。

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