ウイングトラック(ウイング車)とは?サイズや種類など基本的な知識ガイド

ウイングトラックとは、荷台の側面が翼のように開く車両のことです。荷台の側面が開くため、荷室の奥にある荷物を積み下ろしやすいうえ、フォークリフトを使って作業ができるといったメリットがあります。

本記事では、ウイングトラックの特徴や種類などをまとめました。ウイングトラックがどのような車両なのかを知って、荷役作業で安全に使いたいとお考えの場合はご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、軽量でありながら耐久性の高いボディを採用したウイングトラックを保有しています。荷物を雨風や衝撃などから守りつつ運搬したい場合は、以下のボタンより気軽に見積もりを依頼ください。

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ウイングトラックとは

ウイングトラックとは、荷台の側面が翼(ウイング)のように左右に開く構造を持つトラックのことで、「ウイングボディ」「ウイング車」とも呼ばれます。側面からの積み下ろしが可能で、以下のようなメリットがあります。

【ウイングトラックのメリット】
  • フォークリフトを使って積み下ろしができる
  • 荷室奥までの積み下ろしが容易におこなえる
  • 荷物の出し入れの順番を考慮する手間が減る

上記に加え、荷室がアルミの箱で覆われているため、雨風・日光・粉塵などから積荷を守れるのも利点です。なお、ウイングトラックのサイズは主に以下のとおりです。

種類 最大積載量※ 寸法※ 中型との区別
小型ウイングトラック
  • 2~3t
  • 長さ:4.7m以下
  • 幅:1.7m以下
  • 高さ:2.0m以下
  • 最大積載量
  • 寸法(長さ・幅・高さ)
中型ウイングトラック
  • 4t
  • 長さ:12m以下
  • 幅:2.5m以下
  • 高さ:3.8m以下
大型ウイングトラック
  • 10t
  • 長さ:12m以下
  • 幅:2.5m以下
  • 高さ:3.8m以下
  • 車両総重量

参考:国土交通省

※表は横にスクロールできます。

※最大積載量と寸法は車両によって異なります。

サイズ別に小型から大型のウイングトラックがありますが、ウイングの開き方によっていくつかの種類に分けられるので、次章で詳しく紹介します。

ウイングトラックの代表的な3つの種類

ウイングトラックには以下の3種類があります。

No. 種類 詳細
1 上昇開閉タイプ
  • 荷台の天井部分がそのまま上昇してウイングが開く
  • 荷物を荷台の天井ギリギリの高さまで積み込める
  • 倉庫の天井などに接触しないよう注意する
2 ターンオーバータイプ
  • 片側のウイングが、広い角度(約160度まで)開閉できる
  • 天井部分が開くような構造なのでクレーンを使用して荷物を積み下ろせる
  • 高さ制限がある場所で荷物を積み下ろす際は注意する
3 フレキシブルオープンタイプ
  • 作業現場の環境に応じて、ウイングを開く方向や角度を柔軟に変更できる
  • 以下のように作業スペースによって使い分けられる
    • 天井が低い場合:サイドパネルのみを開いて作業できる
    • 天井が高い場合:ウイングを垂直位置まで開ける

現在のウイングトラックは上昇開閉タイプが主流です。

なお、上昇開閉タイプとターンオーバータイプはウイングに高さが出るため、屋根がある駐車場など天井が低い場所で使う際には、接触させないように注意する必要があります。

一方、フレキシブルオープンタイプはサイドパネルのみを開閉させられるので、天井が低い場所でも接触のリスクを抑えて作業できる点が特徴です。

ただし、ウイングを開く方向や角度を自由に調節できる分、操作を誤って周囲のものに衝突しないよう注意しましょう。

ウイングトラックを使うときの2つの注意点

ウイングトラックを使うときに注意する点は以下の2つです。

順に解説します。

1.開閉時に周囲を確認する

ウイングを開閉する際は、周囲の状況を目視でチェックします。周りを見ずにいきなり開閉すると、人や物がウイングにぶつかり事故につながるリスクがあるためです。

【ウイングを開閉するときのチェックポイント】

  • 障害物や人と接触しないか
  • 開いたウイングが照明などの熱源に近づきすぎていないか

ウイングが建物・壁・樹木・電線などの障害物や通行人と接触すると、ものが破損したり通行人がケガをしたりする恐れがあり危険です。また、照明機器との距離が近いと、高熱によってウイングが変形したり溶けたりするため、十分なスペースがある場所で開閉しましょう。

なお、開閉の際に左右のウイングを同時に動かすと、モーターに過剰な負荷がかかります。故障を避けるため、ウイングは片方ずつ操作することが基本と覚えておいてください。

2.強風時は使用しない

風が強いときは、ウイングの操作や開放した状態での作業は避けましょう。広い面積を持つウイングは風の影響を受けやすいため、強風時に使用すると、以下のようなリスクが高まります。

【ウイングトラックを強風時に使用するリスク】

  • ウイングが風にあおられて急に閉じたり、勢いよく開いたりする
  • ウイングパネルやアーム、油圧シリンダーなどが破損する
  • 車両自体が風にあおられて不安定になり、横転する恐れがある
  • 積荷が飛散したり落下したりする

強風時の作業はウイングトラックの故障だけではなく、作業者がウイングや積荷と接触し負傷するリスクも高まります。事故を防ぐための対策は、以下のとおりです。

【ウイングトラックでの事故を防ぐ対策】
  • 風がおさまるまで作業を中断する
  • 自動車メーカーの取扱説明書などを参考に、社内で使用可否の基準を設ける

事前に天気予報や風速の情報を確認し、安全に作業できる天候なのか判断する必要があります。一時的に風が強まっているだけなら、風がおさまるまで作業を中断しましょう。

社内で基準を設ける場合は、自動車メーカーの取扱説明書を参考にするのがおすすめです。例えば、風速が10~15m/sを超える場合はウイングの開閉を避けるよう記載があるなら、それに従います。

なお、台風の接近や、気圧配置が不安定な時期にウイングトラックを使用する際は、強風の影響を考慮して作業のスケジュールを見直すのも1つの方法です。

ウイングトラックの運転に必要な免許

ウイングトラックを運転する際には、車両総重量や最大積載量によって、必要な免許が異なります。具体的な免許は以下のとおりです。

免許証の種類 車両総重量 最大積載量
準中型免許(5t限定)
※H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した者
5t未満 3t未満
準中型免許
※H29.3.12以降に準中型免許を取得した者
3.5~7.5t 2~4.5t
中型免許(8t限定)
※H19.6.1以前に普通免許を取得した者
8t未満 5t未満
中型免許
※H19.6.2以降に中型免許を取得した者
7.5~11t未満 4.5~6.5t未満
大型免許 11t以上 6.5t以上

参考:警視庁警察庁

運転には準中型免許(5t限定)以上が必要ですが、取得時期によっては普通免許でもウイングトラックを運転できるケースがあります。例えば、平成19年6月1日までに普通免許を取得していた場合、最大積載量5t未満のウイングトラックの運転が可能です。

また、荷役作業でフォークリフトを使用する際は、以下の資格も必要であると押さえておきましょう。

【フォークリフトの操作に必要な資格】

  • フォークリフトの運転の業務に係る特別教育(最大荷重1t未満)
  • フォークリフト運転技能講習(最大荷重1t以上)

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、フォークリフトの運転に必要な特別教育や技能講習を実施(※)しているので、取得を考えている場合はこちらよりお問い合わせください。

※各講習の実施には条件がございます。

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ウイングトラックを使うならレンタルがおすすめ

ウイングトラックの利用を検討しているなら、購入だけでなくレンタルもおすすめです。購入には多額の費用がかかりますが、レンタルなら必要なときだけ利用できるため、コストの削減が可能です。

また、使い終わったら返却するため、駐車スペースを長期間にわたって確保する必要がありません。さらに、車両の点検・整備・車検は基本的にレンタル会社がおこなうので、メンテナンスにかかる負担も抑えられます。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、3tと4tクラスのウイングトラックを取り扱っています。次章では、おすすめのウイングトラックを詳しく紹介します。

レンタルにおすすめのウイングトラック

※画像は代表商品のものです。

項目 詳細
型式 TPG-NPR85AN TKG-FC9JKAA PDG-FK71R
クラス 3t 4t
ミッション MT
最大積載量(kg) 3,000 3,300 2,800
乗車定員(名) 3
パワーゲート 仕様 格納式
昇降能力(kg) 1,000
プラットホーム:長×幅(mm) 1,580×2,200
積載装置 ラッシングレール(段) 1
ラッシングベルト(本) 1
燃料種別 軽油
タンク容量(L) 100
車両寸法(mm)
※長さ×幅×高さ
6,470×2,180×3,270 8,300×2,490×3,470 8,340×2,500×3,450
荷室内寸(mm)
※長さ×幅×高さ
4,365×2,095×2,225 6,230×2,390×2,310 6,230×2,390×2,310
車両重量(kg) 3,540 4,530 5,020
車両総重量(kg) 6,705 7,995 7,985
運転免許 準中型免許 中型免許(8t限定)

※表は横にスクロールできます。

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。

レントのウイングトラックは上昇開閉タイプで、ボタンを押すと側面のウイングが開放されます。荷室は雨やホコリが入らない密閉した構造のため、荷室や積荷を清潔な状態に保ったまま運搬が可能です。

ワイドロングボディを採用しており、車体が縦に長く横幅も広いため、長尺物の運搬に適しています。

なお、車両の後方にパワーゲートと呼ばれる昇降装置を取り付けたウイングトラックも扱っています。走行時や積み下ろし以外の作業時に妨げにならない床下収納タイプで積載量は最大1,000kgのため、重量物の積み込みがスムーズです。

ウイングトラックの詳細を見る

パワーゲートについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご一読ください。

ウイングトラックを使って運搬を効率化しよう

ウイングトラックは、羽のように側面が開くトラックです。ウイングを開閉させる方法によって、上昇開閉タイプ・ターンオーバータイプ・フレキシブルオープンタイプの3つがあります。開閉時に周囲の状況をチェックしたうえで、強風の際は使用しないといった点に注意し、作業をスムーズに進めましょう。

なお、ウイングトラックを利用するなら、産業・建設機械のレンタル会社「レント」がおすすめです。レントでウイングトラックをレンタルすると、以下のメリットがあります。

ウイングトラックで荷物を運搬する際には、フォークリフトを使って荷物を積み下ろしたり、台車を使って建物内へ荷物を運んだりする場合があります。レントではフォークリフトや台車といった荷役作業に関連する商品を同時にレンタル可能です。

また、安心サポート制度という手厚い補償サービスがあるため、事故やウイングトラックの破損といった万が一の場合でも安心です。

3tクラスと4tクラスのウイングトラックをはじめ、パワーゲートを備えた車両も扱っています。荷物に適したウイングトラックをレンタルしたい場合は、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。

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