トラッククレーンとは?代表的な種類やラフタークレーンとの違いを解説

トラッククレーンとは、重量物の吊り上げや運搬に使う車両のことです。1台で荷物の積み込みや運搬ができ、建設現場や土木工事などで使われています。

本記事では、トラッククレーンの概要や種類をまとめました。ほかの移動式クレーンとの違いも紹介するので、トラッククレーンについて理解し、吊り上げや運搬を安全に進めたい場合は、ご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」なら、全国の豊富な在庫からクレーン付きトラックをレンタルすることが可能です。他社では取り扱いが少ない6tクラスも用意しているので、「案件にぴったり合うクレーン付きトラックを用意したい」とお考えたの方は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。

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トラッククレーンとは

トラッククレーンは、重量物を吊り上げて指定の場所へ移動させるための車両です。トラックのシャーシ(車両の骨格となる部分)を補強し、その上にクレーンを載せているため、公道を自走して作業現場まで移動できます。

車両の運転室とクレーンの操作室は、独立して設けられているタイプがあります。クレーン装置は油圧式と機械式がありますが、吊り上げ荷重が5t未満の車両では、油圧式が主流です。

トラッククレーンの代表的な2つの種類

トラッククレーンにはさまざまな種類があります。ここで、厚生労働省の分類にもとづいて以下の2種類を紹介します。

順に見ていきましょう。

1.トラッククレーン

トラッククレーンと呼ばれるタイプは、専用のクレーン用キャリア(トラック部分)に旋回サークルやアウトリガーなどを装備し、その上にクレーン装置を搭載した車両です。走行用とクレーン操作用の運転室が別々に設置されています。

吊り上げ能力が高い機種が多く、大規模な建設現場や土木工事などで使われるクレーンです。

2.積載形トラッククレーン

トラックのキャブ(運転室)と荷台の間にクレーン装置を搭載した車両が、積載形トラッククレーンです。資材や機材を荷台に積んで運搬するトラックの機能と、積み下ろし作業をおこなうクレーンの機能を1台に備えています。

公道を自走でき、小〜中規模の建設現場や設備工事などで利用されます。クレーンの動力は走行用のエンジンで、吊り上げ荷重は3t未満の車両がほとんどです。

トラッククレーンとほかの移動式クレーンの違い

ここからは、トラッククレーンとほかの移動式クレーンとの違いを解説します。それぞれの違いを見ていきましょう。

1.ラフタークレーンとの違い

上記のような移動式クレーンを、ラフタークレーンやラフテレーンクレーンといいます。トラッククレーンは舗装された道路や安定した地盤での使用に適していますが、ラフタークレーンは不整地や軟弱な地盤、狭い工事現場での作業を得意としています。

また、トラッククレーンは走行とクレーン操作を別の運転席でおこないますが、ラフタークレーンは1つの運転席で両方の操作が可能な点も違いです。

2.ユニック車(クレーン付きトラック)との違い

ユニック車(クレーン付きトラック)は荷台にクレーンを搭載したトラックで、トラッククレーンの一種です。主に小型・中型の荷物の運搬や積み下ろしを目的としています。

「ユニック」や「UNIC」は古河ユニック株式会社の商品名ですが、クレーン付きトラックの通称として用いられています。なお、ユニック車については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

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トラッククレーンの運転・操作に必要な免許と資格

トラッククレーンを扱うには、以下の資格が必要です。

公道を走行するための運転免許は、車両の総重量や最大積載量に応じて以下のように分かれます。

▼公道を走行するための免許

免許証の種類 車両総重量 最大積載量
中型 準中型免許(5t限定)
※H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した者
5t未満 3t未満
準中型免許
※H29.3.12以降に準中型免許を取得した者
3.5~7.5t 2~4.5t
中型免許(8t限定)
※H19.6.1以前に普通免許を取得した者
8t未満 5t未満
中型免許
※H19.6.2以降に中型免許を取得した者
7.5~11t未満 4.5~6.5t未満
大型 大型免許 11t以上 6.5t以上

参考:警視庁警察庁

クレーンを操作するための資格は、吊り上げ荷重に応じて免許や資格が求められます。さらに、荷物をクレーンのフックに掛けたり外したりする玉掛け作業にも、資格が必要です。

▼クレーン操作に必要な資格

吊り上げ荷重 免許・資格
5t以上 移動式クレーン運転士免許
1t以上5t未満 小型移動式クレーン運転技能講習
1t未満 移動式クレーン運転特別教育

▼玉掛けに必要な資格

吊り上げ荷重 資格要件
1t以上 玉掛け業務技能講習
1t未満 玉掛け業務特別教育

参考:厚生労働省

運転や作業に必要な資格を所有しているか、それぞれ確認しましょう。なお、レントでは以下の講習を実施しています。

【クレーン操作に必要な資格】

【玉掛けに必要な資格】

静岡・愛知県で労働局の登録教習機関を運営しているうえ、商品のレンタルと同時に必要な特別教育や技能講習の申し込みができるので、手続きにかかる手間を省くことも可能です。

お問い合わせ・お申し込みは、以下からお気軽にご連絡ください。
【お問い合わせ先 レント教習センター TEL:054-265-2320

トラッククレーンをレンタルするときの3つの注意点

トラッククレーンをレンタルするときは、以下の3点に注意する必要があります。

1つずつ見ていきましょう。

1.吊り上げ荷重やブームの段数が適切である

まずは、レンタルするクレーンが吊り上げ荷重の範囲内であるかチェックしましょう。荷物を吊り上げられる重さ(定格荷重)は、アウトリガーの張り出し幅や作業半径によって変化するため、仕様表で確認が必要です。

クレーンのブームの段数は3段・4段・5段など機種によって異なり、ブームを長く伸ばすほど吊り上げ可能な重さが減少します。

そのため、吊り上げたい荷物の重さが定格荷重を超えていないか確認したうえで、荷物を届けたい位置へブームが届くクレーンを選びましょう。

2.最大積載量に余裕がある

レンタルする車両の最大積載量よりも、積載荷重が軽いか確認することも重要です。最大積載量を超えて走行した場合、以下のようなリスクがあります。

【最大積載量を超えて走行するリスク】

  • 道路交通法や貨物自動車運送事業法などに抵触する
  • 荷物の重さで車体が不安定になり横転する
  • ブレーキを踏んだ際に停止するまでの距離が伸びて、事故につながる

最大積載量には余裕を持たせて、運搬する荷物の重さが積載荷重を下回るトラッククレーンを選びましょう。

3.アウトリガーを張り出せる広さがあるか確認する

作業場所でアウトリガーを張り出す際に、十分なスペースがあるかを確かめます。原則として、アウトリガーは最大限に張り出して設置しなければなりません。そのため、最大張り出し幅でアウトリガーを設置したとき、周囲の建物や障害物に接触しないか注意が必要です。

また、地盤が傾いていたり軟弱だったりすると、地盤が沈下して車体が転倒する恐れがあります。地面の状態を見ながら、必要に応じてアウトリガーベースの使用を検討しましょう。アウトリガーベースについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

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トラッククレーンを利用するならレンタルがおすすめ

トラッククレーンにはさまざまな種類があり、作業内容や現場の環境によって適した車両が異なります。そのため、作業に応じて最適なトラッククレーンを使用したい場合は、購入するよりもレンタルがおすすめです。

レンタルであれば、荷物の重さに応じてクレーンの吊り上げ荷重や最大積載量に合った車両を借りられます。現場にスペースの余裕がない場合は、アウトリガーの最大張り出し幅が少ない車両を選ぶなど、作業ごとに車両を変えられる点もメリットです。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、2~6tクラスのユニック(クレーン付きトラック)を豊富に取りそろえています。他社では珍しい6tクレーン付トラックなども保有しているので、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。

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レンタルにおすすめのユニック車(クレーン付きトラック)4選

レンタルにおすすめのユニック車(クレーン付きトラック)は、以下の4つです。

No. 項目 詳細
1 2~3tクレーン付トラック
  • AT車をはじめ、ボディが小さいトラックなど、さまざまな車両を用意
  • 強度限界や転倒限界に達するとクレーンの作動を自動で停止
2 3tクレーン付トラック荷台内格納タイプ
  • ポップアップ式コラムで、車両の全高が増加しないようにブームを格納
  • クレーン格納時の全高が約1.99m
  • アウトリガーの最大張り出し幅が約1.86mで、狭い場所でも張り出しが可能
3 4tクレーン付トラック
  • 転落防止や高さ制限の機能が付いた車両あり
  • アウトリガーインターロック装置を搭載した車両は以下の機能付き
    • アウトリガーを設置しない場合:ブーム格納解除を規制
    • ブームを格納しない場合:縦アウトリガーの縮小を規制
4 6tクレーン付トラック
  • 車体は4tクレーン付トラックとほぼ同じ大きさで積載量は約2倍
  • 2回に分けておこなっていた運搬が1回で完了
  • 大型クレーンタイプはリーチが伸びて作業範囲の拡大が可能

まずは、運搬する荷物の重さに合った最大積載量を持つ車両を選びましょう。最大積載量が少ないと、何回も現場間を往復したり、複数台の車両で荷物を運んだりする必要があります。

そのうえで、転倒防止の機能が付いているといった特徴を見比べながら、荷物や現場に適したクレーン付きトラックをレンタルするのがおすすめです。

トラッククレーンを使って作業をスムーズに進めよう

トラッククレーンは、荷物の吊り上げや運搬をおこなう移動式クレーンの一種です。公道を走行して作業現場まで移動できるため、1台で現場への移動や荷物の運搬、吊り上げが可能です。

車両ごとの吊り上げ荷重や最大積載量を確認したうえで、荷物や現場の状況に合ったトラッククレーンを選びましょう。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、コンパクトな2tクラスから他社では取り扱いが少ない6tクラスまで、さまざまなクレーン付きトラックをご用意しております。

6tクラスは、4tクラスクラスとほとんど変わらない大きさですが、積載能力は約1.5~2倍なので現場を往復する回数を減らすことが可能です。補償サービスも整っているため、万が一の破損や事故に備えながらトラッククレーンを利用したい場合は、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。

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