トラックの種類は多彩で、分類方法も多岐にわたります。どのような種類があるかを知っておくと、利用する際に作業に適した車両を選べます。
本記事では、積載量と形状別に代表的なトラックをまとめました。種類を把握して案件に合う車両を選び、荷物を無事に目的地まで運搬しましょう。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、軽トラックや平ボディートラックなど、さまざまな車種を取りそろえています。荷物に適した車両なら積み下ろしが楽になるので、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。
【積載量別】トラックの種類
道路運送車両法や道路交通法により、トラックの車両サイズは以下の3つに分類されます。
No. | 種類 | 最大積載量※ | 寸法※ | 免許※ |
1 | 小型トラック
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2~3t |
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2 | 中型トラック
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4t |
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3 | 大型トラック
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10t以上 |
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※表は横にスクロールできます。
※最大積載量・寸法・免許は車種により異なります。
積載量別に各トラックの特徴や用途などを解説します。それでは順に見ていきましょう。
1.小型トラック
項目 | 詳細※ |
最大積載量 |
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寸法 |
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免許 |
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※最大積載量・寸法・免許は車種により異なります。
小型トラックとは積載量が2〜3tのトラックのことで、トラックの規格のなかでは最もコンパクトなサイズです。
小回りが利き、街中の狭い道路や住宅街でもスムーズに走行できるため、主に小口配送や小規模な引っ越し、コンビニへの納品などに適しています。
2tトラックは普通免許でも運転が可能ですが、以下のとおり必要な免許は取得した時期によって異なります。
2tトラックを運転できる条件 | 車両総重量 | 最大積載量 |
H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した人 ※現在の準中型免許(5t限定)に該当 |
5t未満 | 3t未満 |
H29.3.12以降に準中型免許を取得した人 ※現在の準中型免許に該当 |
3.5~7.5t | 2~4.5t |
なお、車両総重量が3.5t以上7.5t未満、最大積載量が2t以上4.5t未満のトラックは、準中型免許が必要です。運転する車両に求められる免許をあらかじめ確認しましょう。
2.中型トラック
項目 | 詳細※ |
最大積載量 |
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寸法 |
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免許 |
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※最大積載量・寸法・免許は車種により異なります。
小型と大型の中間にあたるサイズのトラックを、中型トラックといいます。小型より多くの荷物を運べるため、製造業や卸小売業などをはじめとした短距離~中距離の輸送で使われます。
荷台の形や装備によって最大積載量に開きがあるので、運搬したい荷物の重さが最大積載量を超えないか、確認が必要です。
中型トラックを運転するには基本的に中型免許以上が必要ですが、以下に当てはまる場合は4tトラックであれば運転できます。
4tトラックを運転できる条件 | 車両総重量 | 最大積載量 |
中型免許(8t限定)の所有者 ※H19.6.1以前に普通免許を取得した人 |
8t未満 | 5t未満 |
「中型」と付く免許は、ほかに「準中型免許(5t限定)」や「準中型免許」などがあります。中型トラックの車両総重量や最大積載量をチェックしたうえで、自身の所有する免許で運転できるか確認が必要です。
3.大型トラック
項目 | 詳細 ※ |
最大積載量 |
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寸法 |
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免許 |
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※最大積載量・寸法・免許は車種により異なります。
大型トラックは最大積載量が10t以上で、トラックのなかでは最も大きな規格にあたります。多くの荷物を一度に運べるので、長距離の輸送をはじめ大型の資材や重量物の運搬に最適です。長距離の走行を想定し、仮眠用のスペースが設けられている車両もあります。
運転するには大型免許が必要で、普通免許や中型免許では大型トラックの運転はできません。
ここまで各トラックの最大積載量や代表的な寸法について紹介しましたが、以下の記事ではトラックの荷台の寸法を詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
トラックには、資材・建材や商品などさまざまな荷物を運べる種類があります。本記事では、小型トラックから大型トラックまでの荷台寸法や積載量などをまとめました。 具体的な車両や、荷台からはみ出して運搬する場合の「自動車の積載制限」も解説して[…]
【形状別】代表的なトラックの種類
荷台やボディの形状で分類すると、以下のようなトラックがあります。
No. | 種類 | 特徴 |
1 | 軽トラック | コンパクトサイズで普通免許で運転できる |
2 | 平ボディートラック | 壁や屋根がない荷台を持っている |
3 | バンボディトラック(パネルトラック) | ボックス型の荷台を搭載している |
4 | ウイングボディトラック | 荷台が翼のように横開きし、積み下ろしがスムーズにできる |
5 | 冷凍・冷蔵車 | 荷室の温度を調整できる |
6 | ダンプトラック | 建設用の資材や土砂の運搬に適している |
7 | クレーン付きトラック | 主に重機や資材の吊り上げ・設置に使われる |
8 | 特殊な用途のトラック | 道路に水をまく散水車など、特定の用途に特化している |
では、1つずつ解説します。
1.軽トラック
軽トラックは、普通免許で運転できる小型の車両です。道路運送車両法では「小型トラック」に含まれますが、車両総重量やサイズは「軽自動車」の規格に準拠しています。
車体がコンパクトなので狭い路地でも走行しやすく、個人宅への宅配をはじめ、単身者の引っ越し、農作業における荷物の運搬などで使われます。
2.平ボディートラック
平ボディートラックは、屋根や壁のないフラットな荷台を採用しています。上部が開放されているため、高さのある荷物や長尺物を積載できるうえ、クレーンやフォークリフトで荷物の積み下ろしが可能です。そのため、建築資材やパレット貨物の運搬で使われます。
荷台部分やアオリ(荷台を囲う部分)の素材は以下のとおりです。
【荷台やアオリに使われる素材】
- アルミ製:軽量なので、簡単にアオリを開閉できる
- 鉄製:頑丈なため、変形したり傷が付いたりするのを避けられる
- 木製:滑りにくく、壊れやすい荷物の運搬に適している
素材にも注目すると、より作業に適した平ボディートラックを選べます。
3.バンボディトラック
箱型で密閉された荷室を持つトラックを、バンボディトラックといいます。輸送中に荷物が雨風にさらされたり落下したりする心配が少なく、扉が付いているので防犯性に優れている点が特徴です。
店舗に並ぶ商品の配送や宅配便、精密機器の運送など、荷物をきれいな状態で運びたい場面に適しています。内装に棚や仕切りなどを付けられるタイプでは、荷物をカテゴリーごとに分けることも可能です。
なお、荷台の箱がアルミ製なら「アルミバントラック」、パネル製の場合「パネルバントラック」と呼んで区別する場合もあります。
4.ウイングボディトラック
ウイングボディトラックは、荷室の側面が羽のように開く構造のトラックです。左右の両側から荷物の積み下ろしができるため、同じ箱型のバンボディトラックと比べて奥にある荷物が楽に取り出せます。
大型の荷物を扱う現場に適しており、主に物流センターや量販店での納品で使われています。
ウイングトラックの詳細についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください
5.冷凍・冷蔵車
冷凍・冷蔵車は荷台に断熱材と冷却装置を採用しており、温度を調節できます。冷却できる温度しだいで、以下のとおり「冷凍車」と「冷蔵車」に分かれます。
【冷凍車と冷蔵車の違い】
- 冷凍車:-5度前後から-25度前後まで冷却できる
- 冷蔵車:5度前後まで冷却できる
似た用途のトラックに「保冷車」もありますが、あくまで温度の維持を目的としており、冷凍や冷蔵の機能はありません。冷凍食品や生鮮食品を運搬する場合は、荷物に応じて冷凍車や冷蔵車を使い分けましょう。
6.ダンプトラック
荷台を傾けて積荷を自動で降ろせるトラックをダンプトラックといいます。油圧によって荷台の全体が持ち上がり、土砂や建設の廃材といった重量物でもスムーズな荷下ろしが可能です。
また、ダンプトラックと一口に言っても以下のようにさまざまな種類があります。
【ダンプトラックの車種】
- 三転ダンプ:荷台が左・右・後ろの三方向に傾く
- リフトダンプ:荷台が垂直にリフトアップする
- 土砂禁ダンプ:土砂以外の軽いものを運ぶため荷台のアオリが高い
荷物を安全に運び効率的に作業を進めるためにも、用途に合わせて適した車両を選びましょう。
ダンプの荷台や部品、パーツの名称に関してはこちらの記事でまとめていますので、ご一読ください
7.クレーン付きトラック
クレーン付きトラックは荷台にクレーンを装備したトラックで、「トラッククレーン」や「ユニック車」とも呼ばれています。1台で荷物の運搬や吊り上げができるため、建設・土木現場で鉄骨や重機、足場の搬入などに使われます。
なお、クレーンの操作や作業には以下の資格が必要です。
▼クレーン操作に必要な資格
吊り上げ荷重 | 必要な資格 |
0.5t以上1t未満 | 移動式クレーン運転特別教育 |
1t以上5t未満 | 小型移動式クレーン運転技能講習 |
参考:厚生労働省
▼玉掛けに必要な資格
吊り上げ荷重 | 必要な資格 |
1t未満 | 玉掛け業務特別教育 |
1t以上 | 玉掛け業務技能講習 |
参考:厚生労働省
なお、レントでも、クレーン操作・玉掛け作業に必要な特別教育・技能講習を実施しています。「運転に必要な資格を取得したい」「資格取得と車両の用意をまとめて完了させたい」とお考えの場合は、こちらからお気軽にご連絡ください。
クレーン車の種類や必要な資格に関しては、こちらの記事をあわせてご一読ください。
8.特殊な用途のトラック
ここまで紹介したトラック以外にも、特殊な用途に機能を絞ったトラックがあります。一例としては以下のとおりです。
【特殊な用途のトラック】
- 散水車:道路に水をまくために使う
- タンクローリー:石油などの液体を運ぶ
- ミキサー車:生コンクリートを運ぶ
- 塵芥(じんかい)車:ゴミを回収する
- 現金輸送車:現金を運ぶ
水をまく・石油や生コンクリートなど扱いに注意が必要なものを運搬するなど、どの車両も通常のトラックにはない特徴を持っています。上記のうち散水車については、詳しい仕様を以下のページでまとめているのでご覧ください。
作業に適したトラックを使うならレンタルがおすすめ
トラックは、積載量別に考えると小型・中型・大型に分かれ、形状別では主に以下の種類があります。
No. | 種類 | 特徴 |
1 | 軽トラック | コンパクトサイズで普通免許で運転できる |
2 | 平ボディートラック | 壁や屋根がない荷台を持っている |
3 | バンボディトラック(パネルトラック) | ボックス型の荷台を搭載している |
4 | ウイングボディトラック | 荷台が翼のように横開きし、積み下ろしがスムーズにできる |
5 | 冷凍・冷蔵車 | 荷室の温度を調整できる |
6 | ダンプトラック | 建設用の資材や土砂の運搬に適している |
7 | クレーン付きトラック | 主に重機や資材の吊り上げ・設置に使われる |
8 | 特殊な用途のトラック | 道路に水をまく散水車など、特定の用途に特化している |
荷物の重さはどれくらいか、どのような荷物を運ぶのか確認したうえで、運転する車両を決めましょう。
もし、トラックを使うならレンタルを利用するのがおすすめです。レンタルなら購入費用が発生せず、荷物や作業に合わせた車をその都度借りられます。また、使い終わったら返却するため、メンテナンスの手間やコストを削減できるうえ、駐車スペースの確保も不要です。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、パネルトラックや冷凍車など豊富な車種を取りそろえています。「種類が多くてどれが良いかわからない」という場合でも、最適な車両を提案できるので、以下のボタンよりお気軽に見積もりを依頼ください。