金属加工の現場で欠かせないツール「パンチャー」しかし、種類が多くどれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
この記事では、パンチャーの選び方を徹底的に解説します。手動式、電動式の特徴から、用途に合わせた最適な機種の選び方など、あなたの疑問を解消します。
この記事を読めば、パンチャー選びで失敗することはもうありません。
パンチャーとは?その基本と種類
パンチャーとは、金属板に穴を開けるための工具です。主に、建築現場や製造工場などで、鉄板、ステンレス板、アルミ板などに穴を開ける作業に使用されます。釘やネジで固定する代わりに、ボルトやナットを使用する際に、そのための穴を正確かつ迅速に開けることが可能です。手作業でドリルなどを使うよりも、綺麗で正確な穴を効率的に開けられるため、作業時間の大幅な短縮に繋がります。
この記事では動作を油圧で行う油圧パンチャーについて解説します。
油圧パンチャーには、大きく分けて手動式、電動式の2種類があります。それぞれに特徴があり、用途や作業量、予算によって最適なタイプが異なります。次のセクションでは、それぞれの種類について詳しく解説していきます。
手動式パンチャー
手動式パンチャーは、その名の通り、手動でレバーを操作して穴を開けるタイプのパンチャーです。電源が不要なため、場所を選ばずに使用できるのが最大のメリットです。比較的軽量で持ち運びにも便利なので、現場でのちょっとした穴あけ作業に最適です。価格も他の種類に比べて安価なため、移動距離の大きい現場や、使用頻度が少ない場合に適しています。
手動式を選ぶ際には、最大穴あけ能力を確認することが重要です。穴を開けたい金属板の厚さと材質を考慮し、余裕を持った能力を持つ機種を選びましょう。
具体例として、薄い鉄板やアルミ板への穴あけ作業がメインで、月に数回程度の使用頻度であれば、手動式パンチャーで十分でしょう。
電動式パンチャー
電動式パンチャーは、電気の力で穴を開けるタイプのパンチャーです。手動式に比べて、少ない力でスピーディーに穴あけ作業を行うことができます。連続作業にも適しており、作業効率を重視する方におすすめです。電源が必要となるため、作業場所が限られるというデメリットもありますが、近年では充電式の機種も増えており、利便性が向上しています。
油圧ポンプが一体型のタイプと独立しているタイプがあり、一体型は独立型と比べて軽量で取り回しが良く、独立型はより強力で厚みのある鉄板の穴あけが可能です。
また、動作方法も単動式と複動式の2種類があり、単動式は打ち抜き油圧で動作させます。複動式は打ち抜きと引き抜きの双方の動作を油圧で動作させるため単動式と比べて素早い作業が可能です。
電動式を選ぶ際には、電源の種類(コード式か充電式か)、最大奥行、最大穴あけ能力、本体の重量などを確認しましょう。また、安全機能の有無も重要なポイントです。誤作動防止機能や、過負荷保護機能などが搭載されている機種を選ぶと、より安全に作業を行うことができます。
例えば、頻繁に穴あけ作業を行い、作業時間を短縮したい場合は、電動式パンチャーが適しています。特に、充電式の機種であれば、電源のない場所でも使用できるため、非常に便利です。
パンチャーの種類と特徴
種類 | 手動式パンチャー | 電動式パンチャー(充電) | 電動式パンチャー(コード) |
メリット |
|
|
|
デメリット |
|
|
|
おすすめな用途 |
|
|
|
パンチャー選びの重要ポイント
パンチャーを選ぶ際には、上記の種類の他に、さらに細かなポイントを考慮する必要があります。ここでは、パンチャー選びで特に重要な5つのポイントについて解説します。
【ステップ1】穴あけ能力の確認
パンチャーの穴あけ能力は、穴を開けられる金属板の厚さと材質によって異なります。最大穴あけ能力を確認し、実際に穴を開けたい金属板の厚さと材質を考慮して、余裕を持った能力を持つ機種を選びましょう。
例えば、最大穴あけ能力が5mmの鉄板までとなっているパンチャーで、6mmの鉄板に穴を開けようとすると、パンチャーが故障する原因となります。必ず、穴あけ能力を超える作業は行わないようにしましょう。
【ステップ2】最大奥行の確認
パンチャーの最大奥行はパンチャーが金属板の端から穴をあけることができる距離のことです。
穴をあけたい位置によっては穴あけ能力が適していてもパンチャーが届かないことがあります。その場合ワンサイズ大きい機種を選ぶ必要があります。
【ステップ3】電源の種類
電動式パンチャーを選ぶ際には、電源の種類も重要なポイントです。コード式は、安定した電源供給が可能なため、長時間の連続作業に適しています。一方、充電式は、電源のない場所でも使用できるため、場所を選ばずに作業できます。
建築現場など、電源の確保が難しい場所での作業が多い場合は、充電式のパンチャーがおすすめです。バッテリーの持続時間や充電時間も考慮して、機種を選びましょう。
また、コード式のパンチャーを選ぶ場合は、コードの長さも確認しておきましょう。
【ステップ4】サイズと重量の考慮
パンチャーのサイズと重量も、作業効率に大きく影響します。特に、高所作業や狭い場所での作業が多い場合は、軽量でコンパクトな機種を選ぶと、作業負担を軽減できます。
手動式パンチャーは、比較的軽量ですが、電動式は、重量がある機種もあるため、持ち運びや取り回しを考慮して選びましょう。
【ステップ5】予算との兼ね合い
パンチャーの価格は、種類や性能によって大きく異なります。予算を決めて、その範囲内で最適な機種を選ぶようにしましょう。
利用頻度が低い場合や、穴あけをしたい条件が都度異なる場合はレンタルをおすすめします。
パンチャーを選ぶときは初期費用だけでなく、ランニングコスト(作動油やバッテリーの交換費用など)も考慮して、トータルで判断することが重要です。
レンタルならメンテナンスされたパンチャーを用途にあわせてレンタル料金だけで利用することができます。
パンチャーを用意するならレンタルがおすすめ
パンチャーは現場環境や求められる能力によって適切な機種が異なるためレンタルで手配する選択がおすすめです。
購入する場合、高額な初期費用が発生しますが、レンタルなら必要な期間だけの最低限の費用で済みます。
産機・建設機械のレンタル会社「レント」では、豊富な商品ラインナップから用途や使用環境にあったパンチャーを用意しております。
「適切なパンチャーを最低限のコストで手配したい」とお考えの方は、以下のボタンからお問い合わせください。
レンタルにおすすめのパンチャー機種紹介
ここでは、様々な用途におすすめのパンチャー機種を、ご紹介します。それぞれの機種の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説しますので、パンチャー選びの参考にしてください。
【充電式】オグラ コードレス油圧式パンチャー HPC-N188WBL
0~90°までの位置で首折れ可能なパンチャー、複動式のため効率的で安定した穴あけが可能。
ポンチの取り付けが容易で簡単でM16までのボルト用の穴開けができます。
コードレスのため取り回しに制限がありません。
項目 | 詳細 |
最大穴あけ能力(穴径/板厚) (mm) | 一般鋼材(SS400相当品):φ18/t8
ステンレス鋼材(SUS304):φ18/t6 |
最大加工奥行き (mm) | 38 |
穴開け回数(回/1バッテリー) | 120 ※(SS400φ18/t8 の場合) |
質量(バッテリー含む) (kg) | 11.3 |
【手動式】カクタスパンチ SCR-225
カクタスパンチ SCR-225は、配電盤や制御盤などの薄い鋼板の穴あけに最適です。
配管工事や各種部品取付工事など、幅広い用途に使用できます。
手動式でどんな位置にでも自由に穴あけが可能です。
項目 | 詳細 |
最大穴あけ能力 (mm) | 軟鋼板:~3.2 ステンレス板:~1.6 |
最大ストローク (mm) | 25 |
出力 (KN(tonf)) | 78 (8) |
穴径(呼び径) | 薄鋼電線管:C19~C75 厚鋼電線管:G16~G104 |
【電動式】オグラ 電動油圧パンチャー複動式 HPC-2213W
H型鋼やステンレス材の穴あけ加工に対応しており、特に建設現場や製造業での使用に適しています。
複動式の油圧システムを採用しており、打ち抜きと抜き上げの両方が油圧で作動するため、作業効率が向上します。
また、軽量化されており、能力の割に持ち運びやすい特徴があります。
項目 | 詳細 |
最大穴あけ能力(穴径/板厚) (mm) | 一般鋼材(SS400相当品):φ22/t13 φ24/t12
ステンレス鋼材(SUS304):φ24/t9 |
最大加工奥行き (mm) | 50 |
電源 | 単相100V 50/60Hz |
重量 (kg) | 28.5 |
最適なパンチャーを選び、安全に作業を
今回は、パンチャーの選び方について詳しく解説しました。パンチャーを選ぶ際には、用途、穴あけ能力、奥行、電源、サイズ、価格などを考慮し、最適な機種を選ぶようにしましょう。
また、パンチャーを使用する際には、必ず安全に配慮し、保護メガネや手袋などを着用しましょう。正しい知識と適切な工具で、安全で効率的な穴あけ作業を実現してください。
この記事が、あなたのパンチャー選びの参考になれば幸いです。