ダンプカー(ダンプ)の荷台の名称まとめ|各部の部品やパーツの役割も紹介

ダンプカー(ダンプ)は建設現場や土木工事において、土砂や資材などの運搬に必要な車両です。ダンプは数多くのパーツで構成されているため、名称を知っておくと現場でスムーズに仕事を進められます。

本記事では、ダンプの荷台や部品、パーツの名称を解説します。よく活用されるダンプも紹介しますので「ダンプについて理解を深めたい」とお考えの方はご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、さまざまな種類のダンプを用意しています。作業内容にぴったり合うダンプを提案しますので、以下のボタンから見積もりを依頼ください。

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ダンプカー(ダンプ)の荷台の名称

まずは、ダンプカー(ダンプ)の荷台を以下の11カ所紹介します。

【ダンプカー(ダンプ)の荷台の名称】

  1. アオリ
  2. 鳥居
  3. プロテクタハシゴ
  4. 自動シート開閉装置
  5. ヒンジ
  6. ホイスト機構
  7. メインフレーム
  8. 安全棒
  9. デッキ
  10. サイドガード
  11. ステップ

1つずつ見ていきましょう。

1.アオリ

アオリは、ダンプカーの荷台の側面と後面に取り付けられた開閉可能な板状の部分で、走行中に積載物が荷台からこぼれ落ちることを防ぎます。アオリの開閉方式は主に以下のとおりです。

【アオリの開閉方式】

  • 後部のみが開く:LゲートやFゲートと呼ばれ、土砂などを一気に後方へ排出可能
  • 左右のアオリも開く:側面からの積み下ろし作業が可能

積載物の種類や降ろしたい方向に開閉できる方式のアオリを選ぶと、積載物がつっかえずスムーズに作業を進められます。

2.鳥居

荷台の一番前(運転席のすぐ後ろ)に設置される保護板を、鳥居といいます。形状が神社の鳥居に似ていることから、建設現場などでは「鳥居」が通称ですが、「プロテクター」とも呼ばれます。

急ブレーキの際や下り坂などで荷台上の積荷が前方へずれて移動し、運転席やドライバーへ衝突するのを防ぐため、安全に荷物を運搬する際に欠かせないパーツです。

3.プロテクタハシゴ

プロテクタハシゴとは、荷台の最前部にある鳥居(プロテクター)に取り付けられた昇降用のハシゴのことです。

作業員が荷台の上や積載物の状態を確認したり、シートかけ作業などをおこなったりする際に、昇り降りするために使用します。ステップ部分には滑り止めとして凹凸加工が施されるなど、安全性を考えた工夫が見られます。

4.自動シート開閉装置(コボレーン)

自動シート開閉装置は、荷台全体をシートで覆って走行中に積載物が飛散するのを防ぐ装置です。「コボレーン」ともいいますが、これは製品名が浸透した名称です。

特に土砂・砂利・おがくず・軽量な廃棄物など、風で飛び散りやすい細かいものを運ぶ際に欠かせません。なお、道路交通法(第七十五条の十)では、積荷の積載状況に応じて、飛散防止装置の設置・使用が義務付けられています。

5.ヒンジ

ヒンジは、ダンプトラックのアオリ(荷台の囲い)上部に取り付けられる金具で、アオリが閉じた状態を保ちます。荷台全体を持ち上げて傾ける際には、ヒンジがアオリの支点となり、スムーズな開閉を可能にする可動軸として機能します。

構造上ヒンジは摩耗しやすいため、定期的に破損がないかチェックし、壊れていたらすぐに交換しましょう。ヒンジが壊れたままでは、アオリが開いて積荷が落下する恐れがあり危険です。

6.ホイスト機構

ダンプが荷台を昇降させるためのピストンを、ホイスト機構といいます。方式は主に以下の2種類です。

  1. PTO式:「パワーテイクオフ(power take off)」の略称。エンジンなどの動力を荷台の上げ下げに使う
  2. 電動モーター式:電動モーターの力でホイスト機構に動力を加え、ダンプアップさせる

普段は荷台下に収納されており、ピストンが伸びることで積荷をダンプアップできます。

7.メインフレーム

メインフレームは、荷台の骨格となるフレーム構造のことです。デッキやアオリを含む荷台全体や、運搬する積載物の全重量を支える役割を持ちます。

荷台と積載物により常に大きな荷重がかかるため、高い耐久性が求められます。なお、サビが発生すると強度が落ちるため、定期的に塗装してサビを防ぐことが必要です。

8.安全棒

安全棒は、ダンプカーの荷台とシャシーフレームの間に設置して使用する「つっかえ棒」です。荷台を上げた状態で、その下に作業者が入り点検・整備・清掃などをおこなう際、荷台が不意に落下してくるのを防ぎます。

ホイスト機構などに異常が発生しても、安全棒を正しくセットしていれば挟まれ事故などを未然に防止できます。

9.デッキ

ダンプカー荷台の底面全体を指し、土砂や砂利、建設資材といったさまざまな積荷が直接載る場所をデッキといいます。積載物が滑ることによる摩擦や、ショベルカーなどを使用した積み込み時に発生する衝撃に耐えられるよう、作りが頑丈です。

鉄製のデッキは積荷や水分によって錆びやすい箇所のため、強度を長持ちさせるためには、こまめな清掃が欠かせません。

10.サイドガード

サイドガードは車両側面に取り付けられる安全装置で、「巻き込み防止装置」とも呼ばれます。設置場所はダンプカーなどのトラック側面、特に死角になりやすい前輪と後輪の間や、後輪の後方などです。

交差点での左折時など、車両のすぐそばにいる歩行者や自転車などが、車体の下や回転するタイヤに巻き込まれるのを防ぎます。巻き込み事故を防止するために重要な部分です。

11.ステップ

ステップは、「足かけ」や「荷台ステップ」とも呼ばれ、作業者が荷台へ昇り降りするための設備です。ダンプカーのように地面から荷台が高い位置にある車両では、昇降する際に必要です。

ステップがあることで作業時の転落といった事故を軽減し、荷物の確認やシートかけなどの作業がスムーズにおこなえます。ダンプ側面に設置されているタイプがほとんどですが、外付けのタイプもあります。

ダンプの部品やパーツの名称

ここから紹介するのは、ダンプの代表的な部品やパーツです。

【ダンプの部品やパーツ】

  1. ダンプ上部受・ダンプ上部シャフト
  2. ダンプ下部シャフト・ダンプ下部フック
  3. ダンプ蝶番
  4. テールゲートヒンジ
  5. ダンプ中間金具
  6. コンテナパーツ

1つずつ見ていきましょう。

1.ダンプ上部受・ダンプ上部シャフト

ダンプ上部受とダンプ上部シャフトは、主にダンプトラックのテールゲート(後方のアオリ)上部に取り付けられ、アオリを閉じた状態でのロックや解除を担う部品です。

ダンプ上部受は、テールゲートが上方向に開く際にヒンジ(軸)として機能します。レバー操作によってダンプ上部シャフトとの連結を解除することで、テールゲートの下開きが可能です。上部シャフトは、ヒンジの軸となる部品です。

2.ダンプ下部シャフト・ダンプ下部フック

ダンプ下部シャフトとダンプ下部フックは、テールゲート(後方のアオリ)の下部を固定するための部品です。積荷の重量がかかるため、高い強度が求められます。

ダンプ下部シャフトは、テールゲートが閉じた状態のときにダンプ下部フックを引っかけて固定する役割があります。ダンプ下部シャフトとダンプ下部フックが連結して、テールゲートが開かないようにロックする仕組みです。

ダンプ下部フックは、テールゲートの下側を固定する機能に加え、ダンプアップ時にはシャフトから外れることでロックを解除し、テールゲートが上開きできるようにします。

3.ダンプ蝶番

ダンプ蝶番は、ダンプトラックのアオリ(荷台の囲い)や扉などの開閉軸となる部品です。材質にはサビに強いステンレスが主に用いられています。

重量物を積載して運搬するダンプトラックでは、アオリの開閉時に蝶番へ負荷がかかるため、高い強度が必要です。そのため、蝶番の回転軸となるカール部分は溶接によって補強され、耐久性が高められています。

4.テールゲートヒンジ

テールゲートヒンジは、ダンプトラックのテールゲート(後方のアオリ)上部に取り付けられるヒンジ(蝶番)です。テールゲートを上方向に開く際の回転軸であり、テールゲートの開閉を支える点では、ダンプ上部受やダンプ上部シャフトと似た役割があります。

ただ、テールゲートヒンジは上開きに対応した構造なので、ダンプ上部受・シャフトのようにアオリの下開きはできません。

5.ダンプ中間金具

ダンプ中間金具は、リヤアオリ(後方のアオリ)下面に設置され、荷台をダンプアップした際にアオリの下部を固定し、アオリが不意に落下するのを防ぎます。

この金具があることで、テールゲート(後方のアオリ)を下方向に開いた状態で安全なダンプアップ作業が可能です。積載物をスムーズに排出するための重要なパーツの1つといえます。

6.コンテナパーツ

コンテナパーツは脱着式コンテナに使われる部品の総称で、以下のような部品があります。

【コンテナパーツに含まれる部品】

  • アームキー
  • ドア止め
  • ブーメランロック
  • 梯子
  • 車輪

なお、脱着式コンテナは、荷台へ取り付けたり外したりできるコンテナのことです。通常のダンプとは異なる構造のため、脱着式コンテナには専用のパーツが必要です。

よく活用されるダンプ6選

この章では、現場でよく使われるダンプを6つ紹介します。

No. 種類 概要 免許
1 軽ダンプ
  • ワンタッチでダンプを動かせるため操作が簡単
  • ドライブレコーダーを搭載し、トラブル発生時に状況や原因を記録
  • 普通免許
2 2t~3tダンプ
  • オートマ車・衝突被害軽減ブレーキ搭載車・アドブルー仕様の車両を取りそろえている
    ※アドブルー:排気ガス中にある窒素酸化物を浄化するシステム
  • 準中型免許(5t限定)
  • 準中型免許
3 4tダンプ
  • テールゲート部分が平らで、大きい岩などの積荷を引っかからずに降ろせる、リヤフラットゲートタイプがある
  • パワーシート装備の車両は、電動でシートの位置を動かせて調整が楽
  • 準中型免許
  • 中型免許(8t限定)
4 2t~4t三転ダンプ
  • 運転席に乗ったまま操作レバーで左・右・後方の三方向にダンプ可能
  • フラットゲート付きの車両があるため、大きい積荷を段差に引っかけずに降ろしたい場合に便利
  • 準中型免許
  • 中型免許(8t限定)
5 3t・4tローダーダンプ

  • ダンプとスライドボデーが融合しており、荷台を傾け後方へスライドさせることが可能
  • 土砂の積載はもちろん、建機運搬も1台でおこなえる
  • 準中型免許
  • 中型免許(8t限定)
6 6tダンプ
  • 従来は2台もしくは2回に分けて運搬していた積荷が1台で運べる
  • 運搬回数が減るため人件費や燃料費の削減が可能
  • 中型免許

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、上記のとおりさまざまなダンプのレンタルを扱っており、最大積載量に合わせて車両を選べます。

ハンドルロックやドライブレコーダーが付いている車両もあるため、盗難対策ができるうえ、万が一トラブルが発生した際の状況も確認できます。衝突被害を軽減するブレーキを搭載した車両などもありラインナップが豊富です。レンタルを検討している場合はこちらより見積もりを依頼ください。

ダンプを利用するならレンタルもおすすめ

ダンプは建設現場や土木工事において、資材の運搬に必要な車両です。しかし、購入には費用がかかり、税金・保険・車検・メンテナンスなどもコストが発生します。そのため、ダンプをスポット的に利用するのであれば、以下の理由からレンタルがおすすめです。

【レンタルがおすすめの理由】

  • 最低限のコストでダンプを利用できる
  • 作業内容、規模に応じてさまざまな種類のダンプを使い分けられる
  • レンタル期間中だけ保管スペースを確保すれば良い
  • メンテナンスの手間が減らせる
  • レンタル会社の補償サービスが受けられる

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」ではさまざまな種類のダンプを取り扱っており、作業内容や規模などに合わせて柔軟にレンタルが可能です。「案件に最適なダンプを探している」「ダンプのレンタル料金を知りたい」という場合は、以下のボタンより気軽に見積もりを依頼ください。

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