オートレベルとは?仕組み・使い方・レーザーレベルとの違いを徹底解説

建築現場や工事現場など、さまざまな作業で活躍する「オートレベル」。

この記事では、オートレベルの基本的な仕組みから使い方、そして混同されがちなレーザーレベルとの違いまで、詳しく解説していきます。オートレベルに関する知識を深め、あなたの現場作業をより効率的かつ正確なものにするためにお役立てください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、作業日に合わせてオートレベルを準備できます!

盗難、故障時の補償も充実しているため、「オートレベルで安心・安全に測量したい」とお考えの方は、以下よりお気軽にご相談ください。

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オートレベルとは? その仕組みと測量の基本

簡単に言うと、オートレベルとは「水平な線」を引くための道具です。建物や道路を作る際、地面が完全に平らとは限りません。そこでオートレベルを使い、基準となる水平面を設定し、そこからの高低差を測ることで、正確な工事を進めることができます。

建設現場や土木工事の測量作業において、正確な水平を測るために欠かせないのがオートレベルです。オートレベルは、望遠鏡と自動補正機構(傾いても、自動で水平を保つ仕組み)を備えた測量機器で、熟練の技術者だけでなく、現場作業員でも比較的簡単に高精度な測量を行うことができます。

オートレベルの仕組み:水平を自動で出す秘密

オートレベルの核心となるのは、その「自動補正機構」です。この機構のおかげで、三脚が完全に水平でなくても、自動的に水平な視準線を確保できます。仕組みを詳しく見ていきましょう。

オートレベル内部には、プリズム(像を正しく見える向きに反転させる鏡のような部品)やレンズが組み込まれた「補正機構」が搭載されています。この補正機構は、重力によって常に垂直を保つように設計されています。仮にオートレベルが少し傾いたとしても、補正機構が自動的に動き、視準線を水平に保つように調整します。

具体的には、以下のステップで水平を出しています。

項目 概要
粗調整
  • 三脚と本体の調整ネジを使って、気泡管(水平器)を見ながら、ある程度水平に近づける
自動補正
  • 粗調整後、自動補正機構が作動し、わずかな傾きを自動的に補正し、正確な水平視準線を確立する
  • 自動補正範囲には限界があり、粗調整が不十分だと、自動補正機構が正常に機能しないことがある
視準
  • 水平が確保されたら、望遠鏡を覗き、目標物(スタッフなど)に焦点を合わせ、高さを読み取る

この自動補正機構があるおかげで、熟練した技術がなくても、比較的容易に正確な水平測量が可能になっているのです。

オートレベルの種類:用途に合わせた選択

オートレベルには、様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。主な違いは、精度、望遠鏡の倍率、最短合焦距離、防塵・防水性能などです。使用する現場や目的に合わせて適切な機種を選ぶことが重要です。

例えば、”高精度な測量を必要とする現場”では、精度が高く、望遠鏡の倍率が高い機種が適しています。一方、”狭い場所での作業が多い現場”では、最短合焦距離が短い機種が便利です。また、”屋外での作業が多い現場”では、防塵・防水性能が高い機種を選ぶと、故障のリスクを減らすことができます。

具体的な機種を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

項目 概要
精度
  • 測量の精度は、±〇mm/kmというように表記
  • 数値が小さいほど高精度
望遠鏡の倍率
  • 倍率が高いほど、遠くの目標物を拡大して見ることができる
最短合焦距離
  • 近距離でのピント合わせが可能かどうかを示す
  • 狭い場所での作業では重要
防塵・防水性能
  • IP等級(どれだけホコリや水に強いかを示す数字のランク)で表示
  • 数値が高いほど防塵・防水性能が高い
自動補正範囲
  • 自動補正機構が対応できる傾きの範囲を示す
  • 広いほど、粗調整が楽になる

メーカーとしては、ニコン、トプコン、タジマなどが有名です。これらのメーカーは、信頼性が高く、アフターサービスも充実しています。

オートレベルの使い方:測量の基本ステップ

オートレベルを使った測量の手順は、以下の通りです。

No. 項目 概要
1 準備
  • 三脚を安定した場所に設置し、オートレベルを取り付けます。
  • 三脚の脚の長さを調整し、オートレベルの水平器(気泡管)が中央に来るように、粗水平を出します。
2 整準
  • オートレベル本体の調整ネジを操作して、水平器(気泡管)を正確に中央に合わせます。この作業を「整準」と呼びます。
  • 調整ネジは通常3つあり、それぞれのネジを交互に操作することで、水平器を中央に移動させます。
3 視準
  • 望遠鏡を覗き、目標物(スタッフ)に焦点を合わせます。
  • 目標物がはっきりと見えるように、視度調整リングを回して調整します。
  • 目標物の目盛りを読み取り、数値を記録します。
4 測定
  • 複数の地点の高さを測定する場合は、上記の視準作業を繰り返します。
  • 測定結果を記録し、必要な計算を行います。

測量を行う際には、以下の点に注意しましょう。

【測量する際の注意点】

  • 三脚は安定した場所に設置 : 三脚が不安定だと、測定結果に誤差が生じる可能性があります。
  • 整準は丁寧に : 整準が不十分だと、正確な水平視準線(常にまっすぐな高さを示す、見えない基準の線)が得られません。
  • 視準は正確に : 目盛りを読み取る際には、視差(見る角度による誤差)に注意しましょう。

オートレベルの使い方は、慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、練習を重ねることで、誰でも正確な測量を行うことができるようになります。

オートレベルとレーザーレベルの違い:用途で選ぶ

オートレベルとよく比較されるのが、レーザーレベルです。どちらも水平を測るための機器ですが、仕組みや用途に違いがあります。

オートレベルは望遠鏡を通して目視で目標物の高さを読み取ります。それにに対しレーザーレベルはレーザー光を照射し、その光を受光器で受信することで高さを測定します。

主な違いをまとめると、以下のようになります。

項目 オートレベル レーザーレベル
測定方法

望遠鏡による目視

レーザー光の照射と受光器による検出

測定範囲

比較的狭い範囲

広い範囲

精度

高精度

オートレベルに劣る場合がある

作業性

2人以上での作業が基本

1人でも作業可能

視認性

日中の屋外では視認性が低い場合がある

×

屋外では視認性が低い

価格

比較的安価

×

比較的高価

メリット

高精度な測量が可能、電源不要

1人でも作業可能、広い範囲を測定可能

デメリット

2人以上での作業が必要、日中の視認性が低い場合がある

外での視認性が低い、電源が必要

※表は横にスクロールできます。

どちらを選ぶかは、現場の状況や目的によって異なります。”高精度な測量を必要とする場合”や、”電源が確保できない場所”では、オートレベルが適しています。一方、”広い範囲を1人で測量したい場合”や、”屋内での作業が多い場合”は、レーザーレベルが適しています。

オートレベル使うならレンタルがおすすめ

オートレベルを使うなら、購入よりもレンタルがおすすめです。

オートレベルを購入するよりもレンタルする方が初期費用を大幅に抑えられます。特に短期間の使用や一時的な使用の場合、レンタルは非常に経済的です。購入すると機器の価格だけでなく、メンテナンスや保管費用も考慮する必要がありますが、レンタルならこれらの追加費用を避けることができます。

レンタル品は定期的にメンテナンスされているため、故障のリスクが低く、安心して使用することができます。自分でメンテナンスを行う手間や費用を省くことができるため、効率的に作業することができます。

使用しない時期に機器を保管する必要がないため、スペースを有効活用できます。特に限られたスペースで作業を行う場合、保管場所を確保することは大きな課題となりますが、レンタルならその心配はありません。

レンタル会社によっては別途検査成績書を発行することもできます。検査成績書の発行により、商品の品質を保証し、現場作業で安心して使用することができます。

レンタルにおすすめのオートレベル

項目 詳細
型式 AT-B2
メーカー トプコン
倍率 32倍
対物有効径 42mm
最短合焦距離 0.3m
耐水性 IPX6
質量 1.85kg (本体/ケース)

オートレベルの詳細を見る

こちらのオートレベルは、小型・軽量で取り扱いが簡単です。水準測量から工事施工まで、幅広い分野に対応しています。

オートレベルを使いこなして、正確な測量を実現しよう

オートレベルは、建設現場や土木工事において、正確な水平を測るために不可欠なツールです。その仕組みを理解し、適切な機種を選び、正しい使い方をマスターすることで、あなたの現場作業は飛躍的に向上するでしょう!

オートレベルを選ぶ際には、精度、望遠鏡の倍率、最短合焦距離、その他の機能を考慮し、ご自身の用途に最適な機種を選んでください。

オートレベルのレンタルは、初期費用を抑え、短期間の使用などに非常に経済的です。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、オートレベルをはじめ、さまざまな種類の測量機械を取り扱っています!

「オートレベルの利用が初めてで、どの製品が適切かわからない」「一度レンタルでオートレベル試してみたい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。

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