ハンドブレーカーとは?3つの種類から使用時の注意点まで解説

ハンドブレーカーとは、解体工事などで使われる手持ち式のはつり機械のことです。大型重機が入れない狭い場所でコンクリートを削る作業や、建物内部での部分的な解体作業などでよく用いられています。

本記事では、ハンドブレーカーの種類やメリット・デメリット、使用時の注意点をまとめました。現場に合わせて適切な種類を選び、安全に作業を進めたいとお考えの場合はご一読ください。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、空圧式・電動式・油圧式のハンドブレーカーを取り扱っています。現場に合わせて最適な種類を提案しますので、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。

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ハンドブレーカーとは

冒頭でお伝えしたとおり、ハンドブレーカーとは、解体工事などで用いられる手持ち式のはつり機械のことです。

【はつりとは】

コンクリートを削る・切る・壊す・穴を開けるといった作業のこと。

ハンドブレーカーは、油圧や空気圧、電力などによって内部のスプリングが駆動し、先端に取り付けた刃先を高速で上下させることで、コンクリートなどを破砕します。

人力で持ち運びできるコンパクトさが特徴で、重機が入れない狭い場所や、建物内部での部分的な解体作業に使われます。

ハンドブレーカーの種類

ハンドブレーカーは動力源によって、主に以下の3種類に分けられます。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.空圧式(エアーブレーカー)

【空圧式の特徴】

  • ブレーカー本体の価格が最も低い(コンプレッサーは別途必要)
  • 強い打撃力でコンクリートや岩盤を破砕できる
  • ホースを延ばせば離れた場所でも作業可能
  • 作業音が大きく騒音対策が必要

空圧式(エアーブレーカー)は、コンプレッサーから供給される圧縮空気で駆動するハンドブレーカーです。1台のコンプレッサーで複数のハンドブレーカーを使用できるため、複数人で作業する大規模な解体工事、道路工事、ビルの外壁解体などに向いています。

空圧式のなかには小型軽量の「エアチッパー」もあります。エアチッパーとは、コンクリートの小規模なはつりやアスファルトの破砕などに適している機械のことです。

なお、複数のハンドブレーカーを同時に使用する際は、作業に必要な吐出量や配管、電源負荷などを事前に確認しておきましょう。

コンクリートブレーカーの詳細を見る

エアチッパーの詳細を見る

2.電動式(電動ブレーカー)

【電動式の特徴】

  • 動力源とブレーカー本体の総額が低い
  • 発電機はコンパクトで移動が簡単
  • コンセントがあれば発電機なしでも使える機種がある

発電機やコンセントから電力を供給して動かすタイプとして、電動式(電動ブレーカー)があります。建物内でコンセントが使える解体作業や、住宅のリフォームなど小規模な工事など、初期コストをできるだけ抑えたい現場に適しています。

電動ブレーカーの詳細を見る

3.油圧式(油圧ハンドブレーカー)

【油圧式の特徴】

  • 空圧式と同程度の打撃力で静音性に優れる
  • 機械内で油が循環するため錆びにくい
  • 油圧ユニットはコンパクトで移動が簡単
  • 耐久性が高くメンテナンスの手間が少ない

油圧ユニットを動力源とするのが、油圧式(油圧ハンドブレーカー)です。

油圧ユニットを使用するため、排気音がなく、寒冷地での解体工事や騒音対策が必要な住宅地、都市部での工事に適しています。マイナス30度の寒冷地でも使用できる機種もありますが、作業前に油圧ユニットを予熱する必要があるため注意しましょう。

また、油圧式にも小型軽量の「エアチッパー」があり、コンクリートの小規模なはつりやアスファルトの破砕などに用いられます。

油圧ハンドブレーカーの詳細を見る

油圧チッパーの詳細を見る

油圧ユニットの仕組みや選び方については、以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。

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ハンドブレーカーを使用する2つのメリット

ハンドブレーカーを使用するメリットは、主に以下の2つです。

順に解説します。

1.持ち運びできるため狭い場所でも作業できる

ハンドブレーカーは人力で持ち運びができるため、重機が入れない狭い現場でもコンクリートの破砕作業が可能です。

【活用できる作業現場の例】

  • 大型重機が入れない狭い作業場所
  • 建物内部の局所的な解体
  • 山間部や住宅が密集する場所などアクセスが困難な現場

家屋の解体で壁や床の一部を取り除く作業や、配管・配線周りのコンクリートを削る作業など、重機では対応が難しい細かな作業が可能です。

また、持ち運びがしやすく作業場所の移動も手軽におこなえます。重機の搬入やオペレーターの手配が不要な分、コストを抑えながら作業を進められるのも特徴です。

2.大型ブレーカーに比べて振動や破片の飛散が少ない

大型ブレーカーに比べて打撃力が弱い分、振動や破片の飛散が少ないのもハンドブレーカーのメリットです。

油圧ショベルなどの建設機械に取り付けて、コンクリートや岩盤を破壊するアタッチメントのことを「大型ブレーカー」と呼びます。大型ブレーカーは、パワフルな反面、騒音や振動が大きく市街地や住宅が密集した場所での作業には注意が必要です。

一方、ハンドブレーカーは周辺への影響を最小限に抑えながら作業できるため、近隣とのトラブルも避けられます。

ハンドブレーカーを使用する2つのデメリット

ハンドブレーカーを使用するデメリットは、主に以下の2つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.重量があり、作業者への負担が大きい

ハンドブレーカーは重量があり、長時間の作業では作業者の身体的な負担が大きい機械です。

機種によっては30kg程度の重量があり、さらに作業時は防塵マスクや防護メガネ、安全ヘルメットなどの装備を身につけます。作業中は大きな振動が発生するため、身体への負担も相当なものです。

長時間にわたり作業を続けると、疲労によって作業の精度が落ち、ハンドブレーカーが足に接触するなど、思わぬ事故につながる恐れがあります。そのため、無理に作業を続けず、適度に休憩を挟むことが重要です。

2.粉じんや騒音が発生する

コンクリートや石を破砕する際には、大量の粉じんが飛散します。粉じんを長期間吸い込み続けると、咳、息切れやじん肺などの健康被害が起こる恐れがあるので、作業者は防塵マスクや防護メガネの着用が必須です。

【じん肺とは】

  • 肺に粉じんが溜まって呼吸機能が低下する病気
  • 数年から十数年かけてゆっくりと進行し、一度発症すると根治は難しい

また、作業中はコンクリートなど硬いものを打撃するため大きな音が発生し、近隣住民の生活や健康に支障をきたす恐れがあります。そのため、散水や覆いで粉じん飛散を防ぐとともに、防音パネルを設置するなどの対策を事前に講じることが重要です。

ハンドブレーカー使用時の3つの注意点

ハンドブレーカーを使用する際に注意する点は以下の3つです。

それぞれ解説します。

1.こまめに休憩を取る

作業でハンドブレーカーを使用する際は、長時間の連続使用を避け、こまめに休憩を取る必要があります。ハンドブレーカーは振動工具に分類されており、長時間使用すると振動障害を引き起こす恐れがあるからです。

振動障害とは、チェーンソーやグラインダー、刈払機などの振動工具の使用により発生する障害の総称です。

【振動障害で起こる主な症状】

  • 手指等の末梢循環障害
  • 末梢神経障害
  • 運動器(骨・関節系)障害

参考:厚生労働省

振動障害を防ぐには、防振手袋を着用し、「一連続の作業時間はおおむね30分以内にする」「作業後には5分以上の休止時間を設ける」など定期的な休憩の確保が推奨されます。休憩中は手を温めたり軽くストレッチしたりすることで、振動障害のリスクをより減らせます。

2.正しい姿勢を保つ

ハンドブレーカーは重量があり打撃力が強いため、安全に作業するには正しい姿勢を保つことが重要です。ハンドブレーカーを斜めに使用するなど誤った姿勢で作業すると、足に接触するなど重大な事故につながる恐れがあります。

安全に作業を進めるには以下のポイントを意識しましょう。

【正しい姿勢のポイント】

  • 両手でハンドル部を握る
  • 打撃面に対して垂直に押し付ける

ハンドブレーカーに無理な力は加えず、工具の重みを利用するのがポイントです。

3.保護具を必ず着用する

粉じんや破片が飛散するため、ハンドブレーカーの使用時は保護具の装着が必要です。以下のような保護具を着用しましょう。

【必要な保護具】

  • 安全ヘルメット
  • 防護メガネ
  • 防塵マスク
  • 耳栓
  • 作業用手袋

保護具を着用することで、粉じんの吸い込みや破片による負傷、大きな音による聴覚への影響を防げます。

ハンドブレーカーを活用して安全に作業しよう

ハンドブレーカーは、大型重機が入れない狭い場所や建物内部での解体作業に欠かせない機械です。作業時は粉じん・騒音の発生や身体への負担に注意し、保護具の着用やこまめな休憩、正しい姿勢での使用を徹底しましょう。

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