【徹底解説】高所作業の安全対策:墜落事故を防ぐための完全ガイド

高所作業は、建設業、メンテナンス業、電気工事など、さまざまな分野で必要不可欠な作業です。しかし、一歩間違えれば重大な事故につながる危険も伴います。厚生労働省の調査によると、労働災害の中でも墜落・転落事故は常に上位にランクインしており、その多くが高所作業中に発生しています。

本記事では、「高所作業 安全対策」というキーワードを中心に、高所作業における危険性を理解し、具体的な安全対策を徹底するための情報を提供します。この記事を読めば、高所作業の定義から、事故の原因、具体的な対策、そして関連法規まで、高所作業の安全に関する知識を網羅的に習得できます。高所作業に関わるすべての方が、安全意識を高め、事故を未然に防ぐための一助となることを目指します。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、多様な高所作業に対応した様々な安全対策を提案できます。「現場に合った安全対策をしたい」とお考えの場合は、以下のボタンよりお気軽にお問い合わせください。

安全対策について問い合わせる

高所作業とは?労働安全衛生法における定義と危険性

高所作業の風景画像

高所作業とは、一般的に「作業床から2メートル以上の高さで行う作業」と定義されています。これは労働安全衛生法における高所作業の基準であり、この高さからの墜落は重大な怪我や死亡につながる可能性があります。建設現場や工場、倉庫など、様々な場所で高所作業は行われており、その種類も足場作業、高所作業車作業、屋根作業など多岐にわたります。

高所作業の危険性は、単に高い場所からの落下だけではありません。不安定な足場での作業、強風や雨などの気象条件、周囲の構造物との接触、工具や資材の落下など、様々な要因が複合的に絡み合って事故を引き起こす可能性があります。特に、作業員の集中力低下や不注意、安全装備の不備などは、事故の直接的な原因となりやすいです。

厚生労働省が公表している労働災害統計によれば、高所作業における墜落・転落事故は、全労働災害の約3割を占めています。これは、高所作業が他の作業と比較して、いかに危険性が高いかを示しています。

高所作業で発生しやすい事故とその原因

高所作業で発生する事故は、大きく分けて「作業員の墜落・転落」「物の落下」「作業設備の倒壊・転倒」の3つに分類できます。それぞれの事故について、具体的な事例と原因を見ていきましょう。

作業員の墜落・転落 物の落下 作業設備の倒壊・転倒
  • 安全帯(墜落制止用器具)の不使用

安全帯の不着用、適切にフックを使えていない場合に発生

  • 手元からの落下

工具や資材を作業員が誤って落としてしまう場合に発生

  • 設置場所の不備

軟弱地盤、傾斜地などに設置した場合に発生

  • 足場の不備

足場が不安定、手すりの未設置の場合に発生

  • 固定の不備

資材や工具が十分に固定されておらず、風や振動が原因で発生

  • 過積載

足場や高所作業車に許容重量以上の物を積載した場合に発生

  • 作業員の不注意

作業に集中していない、無理な姿勢で作業を続ける場合に発生

  • 操作ミス

高所作業車の操作を誤った場合に、バランスを崩して転倒

高所作業における安全対策:具体的な対策と実施方法

高所作業における事故を防ぐためには、以下の安全対策を徹底することが重要です。これらの対策は、労働安全衛生法などの関連法規に基づき、事業者が実施する義務があります。

【ステップ1】作業前の安全点検とリスクアセスメント

作業を開始する前に、作業場所の状況、使用する工具や設備の点検を必ず行いましょう。

  • 作業場所の状況確認:  足場の状態、周囲の障害物の有無、気象条件などを確認します。
  • 工具・設備の点検:  安全帯、ヘルメット、作業靴などの保護具、足場、高所作業車などの設備の異常がないかを確認します。
  • リスクアセスメントの実施:  作業内容を分析し、潜在的な危険性を特定し、そのリスクを評価します。リスクが高い場合は、対策を講じてリスクを低減する必要があります。例えば、強風時の作業は中止する、不安定な足場には補強を行う、などの対策が考えられます。

【ステップ2】墜落制止用器具(フルハーネス)の適切な使用

高所作業においては、墜落時に身体を保護するための墜落制止用器具(フルハーネス)の着用が義務付けられています。

  • フルハーネスの適切な選定: 作業内容や体格に合ったフルハーネスを選定する必要があります。
  • 正しい装着方法の習得: フルハーネスを正しく装着し、ランヤードを適切な場所に接続する必要があります。接続場所は、構造強度があり、墜落時に身体が地面や構造物に接触しない場所を選びます。
  • 定期的な点検:フルハーネスに損傷や劣化がないか定期的に点検し、異常があれば交換する必要があります。

【ステップ3】作業床の確保と安全な昇降設備の設置

作業を行うための安全な足場(作業床)を確保することが重要です。

  • 足場の設置: 作業内容に応じて、適切な足場を設置します。足場は、強度があり、安定している必要があります。手すりや転落防止ネットを設置することも重要です。
  • 昇降設備の設置: 作業場所への安全な昇降設備(階段、はしご、昇降機など)を設置します。はしごを使用する場合は、転倒防止のためにしっかりと固定し、滑り止めを装着する必要があります。

【ステップ4】保護具の着用と安全ルールの遵守

ヘルメット、安全靴、作業手袋などの保護具を着用し、作業場所に応じた安全ルールを遵守することが重要です。

  • ヘルメットの着用: 頭部を保護するために、必ずヘルメットを着用します。
  • 安全靴の着用: 滑りやすい場所や、足元が不安定な場所では、滑り止め付きの安全靴を着用します。
  • 作業手袋の着用: 手を保護するために、作業内容に適した作業手袋を着用します。
  • 安全ルールの遵守: 作業場所の安全ルールを遵守し、危険な行動は絶対に避ける必要があります。

【ステップ5】作業指揮者の配置と連携の強化

作業を安全に進めるために、作業指揮者を配置し、作業員間の連携を強化することが重要です。

  • 作業指揮者の役割: 作業計画の作成、作業手順の指示、安全点検の実施、作業員の指導などを行います。
  • 作業員間の連携強化: 作業前にミーティングを行い、作業内容や危険箇所、連絡方法などを確認します。作業中は、お互いに声を掛け合い、状況を共有することが重要です。

【ステップ6】定期的な安全教育の実施

作業員に対して、高所作業に関する安全教育を定期的に実施し、安全意識の向上を図ることが重要です。

  • 安全教育の内容: 高所作業の危険性、安全対策、保護具の使用方法、関連法規などを教育します。
  • 実技教育の実施: 実際にフルハーネスを装着したり、足場を組み立てたりする実技教育を実施することで、より実践的な知識を習得できます。
  • KYT(危険予知訓練)の実施: 作業前に、潜在的な危険性を予測し、対策を検討するKYT(危険予知訓練)を実施することで、事故を未然に防ぐことができます。

高所作業における安全ブロックの活用

安全ブロックは、高所作業における墜落防止対策として有効な装置です。これは、ワイヤーロープまたはストラップが内蔵されており、作業者の動きに合わせて自動的に伸縮します。万が一、墜落が発生した場合には、内蔵されたロック機構が作動し、落下距離を最小限に抑えることができます。また、墜落時に発生する衝撃を吸収するショックアブソーバー機能が付いた機種もあります。

安全ブロックを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 適切な機種の選定: 作業場所の高さや作業範囲などを考慮して、適切な機種を選定する必要があります。
  • 確実な取り付け: 安全ブロックは、構造強度のある場所にしっかりと取り付ける必要があります。
  • 定期的な点検: 使用前に必ず点検を行い、ワイヤーロープやストラップに損傷がないか確認する必要があります。

株式会社「レント」では各種、安全ブロックを取り扱っております。下記より気になる方は下記ボタンよりよりご確認ください。

安全ブロックの詳細を見る

安全帯のフルハーネス型への移行と特別教育の義務化

墜落制止用器具

労働安全衛生法が改正され、2019年2月1日より、高所作業における安全帯は、原則としてフルハーネス型が義務付けられました。これは、従来の胴ベルト型安全帯と比較して、墜落時の身体への負担が少なく、より安全性が高いと判断されたためです。

フルハーネス型安全帯を使用する作業者は、労働安全衛生法に基づく特別教育を受講する必要があります。この教育では、フルハーネスの構造、機能、使用方法、点検方法などを学びます。

フルハーネス型安全帯の特別教育は、事業者が実施するか、登録教習機関に委託して実施することができます。教育内容は、学科教育と実技教育で構成されており、修了者には修了証が交付されます。

なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、フルハーネス型安全帯の特別教育の講習を実施しております。参加人数が集まれば出張にて開催も可能です。「フルハーネス型安全帯の特別教育」を受講したい方は下のボタンより詳細をお問い合わせください。

特別教育について問い合わせる

高所作業のリスクアセスメント:危険源の特定と対策

リスクアセスメント画像

リスクアセスメントとは、作業における危険源を特定し、そのリスクを評価し、適切な対策を講じる一連のプロセスです。高所作業におけるリスクアセスメントは、墜落・転落事故を防止するために非常に重要です。

リスクアセスメントを実施する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 作業員全員の参加: 作業員全員がリスクアセスメントに参加し、意見を出し合うことが重要です。
  • 客観的な視点: 偏った視点ではなく、客観的な視点でリスクを評価する必要があります。
  • 継続的な改善: リスクアセスメントは、一度実施したら終わりではなく、継続的に改善していく必要があります。

高所作業の安全管理に役立つ様々なレンタル品

近年では、高所作業の安全管理に役立つ様々な最新技術が登場しています。これらの技術を活用することで、より効率的かつ効果的に安全対策を実施することができます。

高所作業車を取り扱うレンタル業者からそれら安全対策商品の手配も可能です。

1.セルロック(安全ブロック)12m

安全ブロック画像

項目 詳細
型式 KP-12
使用重量 (kg) 30~100
ランヤード長さ(m) 12
停止距離(m) 0.5~1
重量 (kg) 4.2

高所作業の安全を守るリトラクタ式墜落防止装置「KP-12」。
滑りクラッチ機構により、万一の落下時も衝撃を大幅に緩和し、作業者の安全を確保します。
軽量・コンパクトな設計で持ち運びも容易、堅牢なアルミ製ケースで耐久性も抜群。
自動巻取り機能付きワイヤロープが常に張力を保ち、安心・快適な高所作業をサポートします

セルロック(安全ブロック)の詳細を見る

2.上部検知警告センサー

上部検知センサー1 上部検知センサー2

項目 詳細
電源 単四形乾電池×3本
反応回数:1500回
専用センサ 防水型超音波センサ
検知距離(mm) 500/1,000/1,300
本体寸法(mm) W100×L85×H135
本体重量(g) 500(取付治具込み:1,265)

「上部検知警告センサー」は、高所作業時の接触事故を防ぐための安全補助装置です。
超音波センサーを採用し、障害物を非接触で検知して音と光で警告します。
検知距離は500mm・1,000mm・1,300mmの3段階で設定可能で、作業の妨げにならない設計です。
センサー・制御装置・警報機・電源が一体化しており、取り付けや移動も簡単です。

上部検知警告センサーの詳細を見る

3.高所作業車用落下物防止器具 eQネット

eQネット

項目 詳細
寸法(mm)W×D×H 1,500×最大1,030×最大1,000
重量(kg) 約6kg

「eQネット」は、高所作業車での点検・補修作業中に発生する工具や部品の落下を防ぐための落下物防止ネットです 。
壁面にフィットする構造と細かいメッシュで、小さな部品も逃さずキャッチ。
作業車の手すりに引っかけてネジを締めるだけの簡単取り付けで、一人でも設置可能になります。
軽量・コンパクトで、収納袋に収まり持ち運びも容易で、第三者被害の防止や現場の安全性向上に大きく貢献する製品です。

eQネットの詳細を見る

 

まとめ:高所作業の安全対策はレンタル会社にお任せを

高所作業における安全対策は、労働災害を防止し、作業員の命を守るために不可欠です。本記事では、高所作業の定義、事故の原因、具体的な対策、関連法規、そして最新技術まで、高所作業の安全に関する知識を網羅的に解説しました。

高所作業において最も重要なのは「安全の確保」です。作業車だけでなく、落下物防止ネットや接触警告センサーなどの安全対策商品をセットでレンタルできるのは、レンタル会社ならではの強みです。

さらに、さまざまな現場での経験を持つスタッフが、現場に応じた最適な安全対策を提案してくれるため、初めての現場でも安心して作業に臨めます。
また、必要な期間だけ利用できるレンタルは、購入に比べてコストを抑えられるのも大きなメリット。無駄な在庫や保管スペースも不要です。
レンタル活用で、現場の安全性を一段と高めてみませんか?

下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

安全対策について問い合わせる

>CONTACT

CONTACT

現場・利用箇所や状況や種別に合わせた機材の
レンタルについてのお問い合わせはこちら