トラックの荷台に荷物を積むと、車両の高さを超えるケースがあります。そのような場合、トンネルや陸橋の下など、通行できる高さが限られている場所では、荷物が衝突して事故の原因になりかねません。このような事態を防ぐため、道路には制限が設けられています。
本記事では、高さ制限に関する基本的な知識をまとめました。罰則についても解説しているので、ルールを守って安全に荷物を運搬したい場合はご一読ください。
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トラックの高さ制限とは
高さ制限とは、道路法によって公道を走行する車両に設けられている制限のことです。トラックについては、荷台に荷物を積んだ状態で地上からの高さが何mになるかで判断されます。車体だけではなく、積載した荷物を含めた全体の高さが基準です。
荷台の構造によって、積める荷物の高さには違いがあります。アルミバンやウイングボディのように荷台が箱型のトラックであれば、荷室の天井までしか荷物を積めません。一方で、平ボディートラックのように荷台の上部が開放されているトラックでは、物理的に高さは無制限です。
ただし、高さ制限を超える荷物を積載したまま走行すると、違法になるだけではなく、事故の原因になり得ます。そのような事態を未然に防ぐためにも、積載物の高さが制限を超えないよう事前に確認し、ルールに沿った運転を心がけましょう。
トラックの高さ制限には3つの種類がある
高さ制限には、以下の3つがあります。
順に見ていきましょう。
1.一般的な公道:3.8m
一般的な公道では、車両の高さ制限は3.8m以内です。橋やトンネル、標識などの構造物と接触しないようにするため、制限されています。
ただし、古くからある道路のなかには、高さ制限が3.3mと低く設定されている場所があります。そのような道路では、大型トラックが通行できないケースが想定されるので、事前にルートを確認しておくのがおすすめです。
2.高さ指定道路:4.1m
2004年の道路法改正にともない、一部の道路は「高さ指定道路」として高さ制限が4.1mまでに引き上げられました。なお、高さ指定道路とは「道路の構造や事故を防止する観点で支障がない」と管理者が判断し、制限を4.1mまでに指定した道路のことです。
主にトンネルや高架下、車道上に構造物がある道路が該当します。
【高さ指定道路で走行可能なトラックの例】
3.制限外積載許可を申請:4.3m
積載する荷物によっては、高さ制限を超えてしまうケースがあります。そのような場合は「制限外積載許可」を得なければなりません。
許可が下りると高さ制限が緩和され、荷物を積載した状態の高さが4.3mまでであれば、公道の走行が可能です。許可もしくは不許可の通知には申請から2〜3週間かかるので、早めに手続きするのがおすすめです。
【制限外積載許可を申請するトラックの例】
【補足】高さ制限に違反した場合は罰則がある
トラックの高さ制限を超えてしまうと、以下の罰則を受けます。
【高さ制限に違反したときの罰則】
- 100万円以下の罰金(道路法違反)
- 違反点数1点が加算(道路交通法違反)
高さ制限を超過する場合は、出発地を管轄する警察署や交番で申請できる「制限外積載許可」の手続きを済ませておきましょう。
なお、道路の高さ制限を事前に確認するには、国土交通省のポータルサイトやトラック専用のナビアプリで確かめるのもおすすめです。
【積載量別】トラックの代表的なサイズ
積載量で分類したときのトラックの代表的なサイズを紹介します。なお、現場の分類とは異なりますが、ここでは一例として、公益社団法人 全日本トラック協会の分類にもとづいて紹介します。
No. | 種類 | 最大積載量 | 車両寸法 | 荷台寸法(mm)の例 ※全長×全幅×全高 |
1 | 小型トラック![]() |
2~3t |
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2 | 中型トラック![]() |
4t |
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3 | 大型トラック![]() |
10t以上 |
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※表は横にスクロールできます。
順に見ていきましょう。
1.小型トラック
項目 | 詳細 |
最大積載量 |
|
車両寸法 |
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荷台寸法の例(mm) |
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トラックの例 |
小型トラックは、トラックのなかで最もコンパクトなサイズに分類され、最大積載量が2〜3tまでの車両が該当します。小回りが利くため、住宅街や狭い路地でもスムーズな走行が可能です。
個人宅への宅配便・コンビニや小規模な店舗への納品など、日常的な物流シーンで広く活躍しており、街中でも見かける機会があるトラックといえます。
2.中型トラック
項目 | 詳細 |
最大積載量 |
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車両寸法 |
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荷台寸法の例(mm) |
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トラックの例 |
小型トラックと大型トラックの中間に位置するサイズが中型トラックです。小型トラックよりも多くの荷物を運べるので、飲料や日用品のルート配送・工事現場への資材搬入など、短距離から中距離の輸送に幅広く活用されています。
ロングボディやワイドボディといったように、荷台の形は複数の種類があります。そのため、同じ中型トラックであっても最大積載量が大きく異なる場合があり、運びたい荷物が最大積載量を超えないか、チェックが必要です。
3.大型トラック
項目 | 詳細 |
最大積載量 |
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車両寸法 |
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荷台寸法の例(mm) |
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大型トラックは最大積載量が10t以上の車両で、トラックのなかでは最も大きな規格です。一度に大量の荷物を運べるので、建築資材や重量物などの輸送に使われています。
長距離の輸送を前提とした設計になっているケースが多く、車内にはドライバーが休憩や仮眠をとれるスペースが備えられている車両もあります。車幅や全長が大きく死角が多いため、運転には技術や経験が必要です。
やむを得ず高さ制限を超える場合は「制限外積載許可」を申請する
積載する荷物によっては、長さがあるうえ分割して運搬するといった対応ができず、どうしても制限を超える場合があります。そのときは「制限外積載許可」の申請が必要です。
申請は、出発地を管轄する警察署や交番でおこなえ、「制限外積載許可申請書」や過去に交付された許可証に関する書類の提出が求められます。なお、トラックに積載してはみ出せる荷物の幅・長さ・高さは以下のとおりです。
積載物の大きさの制限 | 積載方法の制限 |
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荷物をはみ出して積載するときは、次の5点に注意が必要です。
【はみ出して積載する場合の5つの注意点】
- 30cm四方以上の赤い布を、トラックの後部に取り付けて運転する
- はみ出した荷物が、運転手の視界やハンドル操作を妨げないようにする
- 車両がバランスを崩して転倒しないように荷物を積む
- ウインカーやブレーキランプ、ナンバープレートなどが、走行している別車両から見えるようにする
- ロープやシートで荷物の落下を防ぐ
ただし、「制限外積載許可」を取得した場合でも、高さの上限である4.3mを超える荷物は積載できません。荷台の地上高と荷物の高さを把握し、積載時の全高が4.3mを超えていないか確かめましょう。
高さ制限に適したトラックを使うならレンタルがおすすめ
トラックの高さ制限は以下の3つがあり、走行する道路によって制限値が異なります。
目的地までのルートを確認し、制限を超えないトラックを選びましょう。
なお、高さ制限を守って荷物を運搬するなら、レンタルの利用がおすすめです。レンタルなら、荷物の大きさや走行する予定の道路に合わせて、高さを抑えた車両を用意できます。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、平ボディートラックやウイングトラックなど豊富なラインナップの車両を所有しています。メンテナンスしたトラックを借りられるため、より安全性の高い車両の利用が可能です。
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