株式会社ロジカルイノベーションズ
堀之内 和光様(代表取締役 CEO)
株式会社レント 新規事業開発部 デジタルマーケティング課
山内 真也(部長代理 兼 課長)
「高額なロボットを入れても、現場の生産性が上がらない」「DXを進めたいが、何から手をつければいいかわからない」。そんな悩みを抱える現場責任者は多いのではないでしょうか。
既存の台車作業を劇的に楽にし、誰でも即戦力化できる電動モビリティ「スマートキャリー」。他に類を見ないキャリーが生まれた背景には、「いま働く人たちの雇用を守りながら、各企業にフィットしたDXを支援したい」という開発者の熱い想いがありました。
今回は、スマートキャリーを立案した株式会社ロジカルイノベーションズの代表取締役・CEO 堀之内様と、その想いに共感し協業を決めた株式会社レント新規事業開発部の山内に、製品の魅力と両社が描く新たなシェアリングビジネスについて詳しく聞きました。
乗れば誰でも即戦力!スマートキャリー開発の原点

――まずは、今回レントが取り扱いを開始した「スマートキャリー」について教えてください。
堀之内様(ロジカルイノベーションズ):「スマートキャリー」は、誰でも簡単に立ち乗りできる電動の台車です。ステップに乗って工場や施設内を移動することで、移動時間も身体の負担も大幅に削減できます。
シンプルで直感的な操作性が特徴で、ハンドル操作やアクセルレバーなどはなく、セグウェイのように体重を前にかければ進み、後ろにかければ停止・バックできます。その場で旋回も可能です。
最高速度は時速10km程度出せるので、移動時間は歩行と比べてぐっと短縮できます。ある現場からは「1日の歩数が1/10に減った!」という声もいただきました。
実演する堀之内様
――開発のきっかけは、ご自身の経験から来ているそうですね。
堀之内様:はい。私は前職の関係から、多種多様な物流倉庫、製造現場に携わらせていただきました。そこで感じていたのが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉だけが独り歩きしている現状への違和感です。多くの企業がDX推進の名の下に高額なロボットを導入しますが、実際には費用対効果が見合わないケースを多々見てきました。
完全自動化を目指す企業も増えていますが、その場合、システム障害時に全業務がストップしてしまうリスクがつきまといます。
また自動化はともすると「人を減らす」方向に行きがちです。しかし私は、そうではなく「本当に必要なのは、今働いている人たちの雇用を守りながら、業務を楽にするソリューションではないか」と考えました。
完全自動化(DX)の一歩手前にある、人と機械が協働する「スキマDX」。これこそが、日本の現場を救うと確信したんです。
――そこから、どのように製品化に至ったのですか?

堀之内様:実はアイデアの原点は、スーパーマーケットにあるショッピングカートなんです。私、実は子どもの頃からカートの下の枠に足を乗せてスーッと進むあの感覚が好きで(笑)。
「あんな風にもっと楽に台車を押せたらいいのに」と考え、セグウェイの重心移動技術を組み合わせることを思いつきました。幸運なことに大手自動車メーカーOBの技術者の方々と出会うことができ、彼らの「ものづくり力」によって製品化が実現しました。
――現場からの反響はいかがですか。
堀之内様:予想以上の反響をいただいています。ある企業では、点検のため一時的に回収しようとしたら、パートスタッフの方から「これがないと仕事ができないから持っていかないで~!」と言われたほどです(笑)。
また、再雇用や地域の60代・70代の方を採用する際も、スマートキャリーがあればできる業務の幅が広がりますし、複雑なマニュアルが不要なため、日雇いのスポットワーカーや外国人スタッフの方でも説明なしで即戦力になれる点も高く評価されています。
レントの圧倒的なスピード感と提案力を評価し、協業が実現
――今回、レントと協業することになった経緯を教えてください。
堀之内様:きっかけは、デベロッパーが展開する大型物流倉庫でのプロジェクトでした。複数の企業が入居するマルチテナント型倉庫の中で、各テナントがスマートキャリーをシェアして使う「タイムシェアリング(時間貸し)」をやりたいというご要望があったのです。
しかし「誰がその機材を管理し、どうやって時間単位で貸し出すシステムを作るのか」という点が課題となり、なかなか話が進みませんでした。そんな時、知人を通じて紹介されたのがレントの山内さんだったんです。

山内(レント):お話を伺ったとき、直感的に「これはいける、ぜひやりたい」と思いました。理由は大きく3つあります。
1つ目は、私たちが日頃関わっている建設現場のビジネスモデルとの共通点です。建設現場では元請け会社が重機を一括手配し、それを複数の下請け会社がシェアして使います。今回の倉庫内シェアリングも構造は全く同じで、ノウハウがそのまま活かせると考えました。
2つ目は、ビジネス領域の拡大です。これまでのレントは「建物を建てるまで」が主な領域でしたが、スマートキャリーなら「建てた後の館内物流」という継続的な新しい市場が生まれます。
3つ目は、収益モデルの革新です。レンタル業界は基本的に「日極・月極」ベースですが、「時間貸し」ができれば機材の回転率が上がり、新たな単価アップのモデルが作れると考えました。
――そこからのスピード感はどうでしたか?
堀之内様:正直に言って驚きの速さでした。山内さんは初回の打ち合わせの後、すぐに「レントならこういう仕組みで実現できます」という具体的な提案資料を作ってきてくれて、それまで進まなかった構想が一気に「見える化」されたんです。
私だけでなくデベロッパー側の担当者も「イメージが形になった!」と感動して、そこからわずか2〜3ヶ月でプロジェクトが具体化しました。このスピード感と、こちらの想いを汲み取ってくれる柔軟性に「パートナーはレントさんしかいない」と確信しました。
倉庫の時間貸しから介護まで、あらゆる業種業態で導入可能
――現在、具体的にどのような取り組みが進んでいるのでしょうか。
山内:大型倉庫における「無人貸出システム」の構築を進めています。レントでは建設機械のレンタルをWebで自動受発注できるシステムや、24時間無人で入出庫できる仕組みがあります。
これらを応用し、倉庫内にスマートキャリーを常備して、必要な時だけスマホ等で予約・利用できる環境を整備しています。
――販売や通常のレンタルについても協業されているのですか?
山内:はい。現在、月に30件以上あるお客様からの問い合わせをレントが一括でお引き受けしています。多くのお客様は「まずは試してみたい」と希望されるため、「レントで1ヶ月レンタル→効果を実感したら購入する」というシステムを実現しました。
また全国に営業所がある強みを活かし、実機デモの対応も行っています。営業や物流の実働部隊をレントが担うことで、ロジカルイノベーションズ様には開発や構想に専念していただける体制を整えています。
――物流倉庫以外への広がりはありますか?
堀之内様:実は予想外のところからも引き合いが来ていまして。ホテルやリネンサプライの工場、そして静音性が求められる医療機関や介護施設などです。
シーツやタオルなどリネン類は想像以上に重いため、特に女性や高齢のスタッフが多い介護や医療の現場では、力を使わずに運べるスマートキャリーが離職防止や採用時のアピールポイントとしても注目されています。

イベント会場や海外への展開も。「運ぶ」をもっと自由に

――今後の展開について、どのようなビジョンをお持ちですか?
堀之内様:物流の枠を超え、あらゆる「運ぶ」シーンでスマートキャリーを活用していただきたいと考えています。
また現在、海外企業からの引き合いも増えており、グローバル展開も視野に入れています。展示会で製品を見た海外企業の方から「自分の国で全地域に展開したい」とオファーをいただいたりもするのですが、大型のプラントとは違い、各国の電圧対応などに対応しやすいのもスマートキャリーの強みですね。
山内:レントはタイ、ベトナム、インドネシアなどに拠点を持っていますので、そのネットワークを生かしアジア圏への展開にも貢献できます。
――オプションやデザインのアレンジも幅広いとのこと、今後さまざまな業界で活用できそうですね。
堀之内様:はい、いま山内さんと話題にしているのが、テーマパークやフェスなどの行列ビジネスです。
お客様が列に並んで待っているところへ、カスタマイズしたデザインのスマートキャリーに乗ってドリンクやグッズを移動販売すれば、スタッフも重い荷物を持って歩き回る必要がありません。夏は熱中症対策にもなりますし、見た目のインパクトでお客様に喜んでいただけるはずです。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
堀之内様:世の中でフルオートメーション化されている倉庫は、実は1%もないといわれており、残りの99%は今も人の手でモノを運んでいます。つまり、スマートキャリーが活躍できる場所は無限にあるということです。
「現場の課題解決」という本来あるべきDXの姿を、私たちはシンプルかつ強力に実現できると確信しています。レントさんのような頼れるパートナーと組むことで、現場の作業効率を上げるだけでなく、働く人たちの「楽しい」「楽になった」という声を引き出し、ワクワクするような未来の「運ぶ」を広げていきたいですね。
山内:「いいアイデアはあるけれど、リソースが足りない」「運用に乗せるのが難しい」。そんな課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度レントにご相談ください。
レントは単にモノを貸すだけでなく、企業の「やりたい」という想いを実現するための仕組みとスピード感を持って共に未来を創るパートナーです。皆様のビジネスの可能性を広げるお手伝いができれば幸いです。