コンプレッサーとは、圧縮した空気を作り対応する製品の動力源となる機械です。建設機器や医療機器、食品加工ラインなど、幅広い場面で活躍しています。
本記事では、コンプレッサーのなかでも「エアコンプレッサー」を中心に、仕組みや用途、選び方などをまとめました。おすすめ商品も紹介していますので、「用途に合うコンプレッサーを選びたい」とお考えの方は、最後までご覧ください。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、エンジン式やオイルフリー式など、豊富な種類の商品を取り扱っています。現場や作業内容に合ったコンプレッサーを提案できますので、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。
コンプレッサーとは
コンプレッサーとは、吸い込んだ機体(空気)を圧縮して高めた圧力を、動かしたいツールに送る機械のことです。
コンプレッサーと一口に言っても、種類や分類方法はさまざまです。一般的な空気を扱うコンプレッサーには、エアコンプレッサーやガスコンプレッサーが挙げられます。なかには特定の空気を使う、水素ガスコンプレッサーや窒素ガスコンプレッサーなどもあります。
ほかに圧縮方法によっても往復式・回転式・遠心式・軸流式などに分類できるため、実施したい作業に合わせたコンプレッサーを使いましょう。
なお、本記事では数あるコンプレッサーのなかでも、エアコンプレッサーを中心に紹介します。
エアコンプレッサーの仕組み
エアコンプレッサーの基本的な仕組みは、自転車の空気入れをイメージするとわかりやすくなります。
自転車の空気入れは、レバーを上下に動かすとピストンを押す力でタンク内の空気が圧縮され、ホースの先につながったタイヤに圧縮された空気が送り込まれる仕組みです。
圧縮された空気がもとに戻ろうとする力によってタイヤが膨らみ、人が体重をかけても潰れなくなっています。
使用後の空気入れはタンク内の圧力が低下するとピストンが徐々に下がり、ピストンを上下に動かすと再び新しい空気を吸い込めるようになります。
このように、空気を圧縮する圧力のかかった気体(空気)を対象物に送るのが、エアコンプレッサーの基本的な原理です。
エアコンプレッサーの用途8選
エアコンプレッサーは「エアツール」と呼ばれる機械の動力源として活用され、以下のようにさまざまな用途があります。
No. | 使い方 | エアツール |
1 | ビス打ち |
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2 | 穴開け | |
3 | ネジ締め | |
4 | タイヤの空気入れ |
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5 | ボルト交換 | |
6 | 屋根や壁などの塗装 |
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7 | ホコリの吹き飛ばし |
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8 | 乾燥作業 |
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上記以外にも、食品や医療・電子部品・製造工場など、大きな力を必要とする幅広い現場で活用されます。
エアツールのパフォーマンスを最大限に発揮するためには、動力源となるエアコンプレッサー選びが重要です。十分なエアや圧力などを確保できるよう、次章の選び方のポイントを参考にして、用途に合うエアコンプレッサーを見極めましょう。
なお、エアコンプレッサーの使い方や注意点は以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
>>エアコンプレッサーの代表的な使い方8選|使用手順や注意点もまとめて紹介
エアコンプレッサーの選び方の4つのポイント
用途に適したエアコンプレッサーを選ぶには、以下の4つがポイントです。
では、1つずつ説明します。
1.必要な吐出し空気量がある
まずは、作業に適した吐出し空気量を確保できるか確認しましょう。
【吐出し空気量とは】
エアコンプレッサーが作る圧縮した空気の量を大気圧の状態に換算した値のこと。「L/min」や「㎥/min」の単位で表される。
短時間でタンクに空気が溜まるよう吐出し空気量が多いエアコンプレッサーを選べば、作業にかかる時間も短縮できます。
ただし、その分消費する電力(kW)も大きくなるため、必要以上に吐出し空気量の多いエアコンプレッサーは選ばないようにしましょう。
2.十分な圧力を確保できる
使用するエアツールや作業内容に応じて、必要な圧力を上回るコンプレッサーを選ぶことも重要です。圧力が足りないと、使用するツールが本来の性能を発揮できず、仕上がりにムラができたり作業効率が低下したりする恐れがあります。
また、圧力の単位も一般的な「MPa」ではなく「kgf/㎠」で表示されるケースもあるため、忘れずに確認するようにしましょう。
【単位の違い】
1MPa=10.197kgf/㎠
※およそ10倍の違いがある
エアツールには使用できる上限・下限の圧力の範囲が決められており、使用前にレギュレーターなどで調整をおこないます。
なお、圧力を下げることは可能でも、コンプレッサーの最大圧力以上に上げることはできません。コンプレッサーが圧縮できる最高圧力は0.7〜0.9MPa程度が多いため、少し余裕のあるスペックを選ぶと安心です。
3.エアーの質が作業内容に合っている
エアーの質が作業内容に合っているものを選ぶことも、エアコンプレッサー選びのポイントです。
給油式のエアコンプレッサーでは、潤滑油を使って破損を防いだりすき間からの空気漏れを防止したりしています。ただし、吐き出される空気にはオイルが混ざってしまうため、釘打ちや穴あけなど、オイルが混ざっても問題ない作業でなければ使えません。
一方、食品関係や医療現場など、オイルの混ざっていないきれいなエアーが必要な場合は、オイルフリーのエアコンプレッサーが適しています。このように、エアコンプレッサーは現場や作業に合わせた品質のエアーを供給できる種類を選ぶようにしましょう。
4.騒音値が規定の数値よりも低い
稼働時に騒音をともなうエアコンプレッサーは、現場で使用可能な騒音規定値よりも低いものを選びます。以下のように騒音規制法や自治体の条例などで定められているとおり、業種や区域、時間帯によって容認されている騒音値が異なるからです。
▼特定工場・事業場の規制範囲
出典:環境省
特に、住宅街やオフィスなどの静かな環境で作業をする場合は、事前の確認が欠かせません。第1種区域に近づくほど騒音値は低くなければいけないため、現場の騒音規定内に収まるコンプレッサーを選ぶようにしましょう。
エアコンプレッサーを使うならレンタルがおすすめ
エアコンプレッサーを使うなら、購入よりもレンタルがおすすめです。
種類が豊富で吐出し空気量や圧力などがさまざまなエアコンプレッサーは、作業内容に適した種類を選ぶ必要があります。しかし、繁忙期や閑散期、案件によって使用台数や種類が異なると、あらゆる在庫を持つことは維持費や保管スペースを考えても現実的ではありません。
一方でレンタルなら、用途に合ったメンテナンス済みのエアコンプレッサーを、レンタル費用だけで借りられます。使い終わったら返却するので、保管スペースの確保も不要です。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、屋外に設置できる全天候型や、クリーンなエアーを提供できるオイルフリー型など、多彩なエアコンプレッサーを保有しています。有資格者がメンテナンスを実施しているため、安心してエアコンプレッサーを使った作業が可能です。
「用途に合うエアコンプレッサーを調達して、スムーズに作業を進めたい」とお考えの方は、以下よりお気軽に見積もりを依頼ください。
レンタルにおすすめのコンプレッサ4選
ここからは、レンタルにおすすめのコンプレッサを紹介します。
では、1つずつ見ていきましょう。
1.レシプロコンプレッサ(コンパクトタイプ)
※画像は代表商品のものです。
項目 | 詳細 | |||
型式(商品コード) |
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取り出し可能圧力(Mpa[kgf/cm2]) | 一般圧 |
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高圧 |
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空気タンク内最高圧力(Mpa[kgf/cm2]) |
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吐出し空気量(L/min[MPa]) | 一般圧 |
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高圧 |
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空気取出口 | 一般圧 |
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高圧 |
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空気タンク容量(L) |
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回転速度(回/分)(min-1) |
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電圧(V) |
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電流(A) |
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定格出力(kW) |
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外形寸法 ※幅×奥行×高さ(mm) |
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質量(kg) |
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騒音値(dB(A)) |
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※表は横にスクロールできます。
レシプロコンプレッサ(コンパクトタイプ)は、本体がコンパクトなため持ち運びしやすく、移動しながら作業をおこなう際におすすめです。
なお、低騒音の機種もあるので、周辺の環境へ配慮しながら作業をおこなえます。作業やエアツールに合わせて3つの運転モードがあるモデルでは、以下のモードへ切り替えが可能です。
- パワーモード:大量のエアを供給する
- パワーモード(新Vモード):空気の消費量に合わせて適宜起動する
- 静音モード:騒音が少なく早朝や夜間の作業にも使える
作業スペースが狭い場合や現場間の移動が発生する場合は、利用を検討してみましょう。
2.エンジンコンプレッサ
※画像は代表商品のものです。
項目 | 詳細 | ||
型式(商品コード) |
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吐出し空気量(m3/min) |
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制御圧力(MPa) |
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燃料タンク容量(L) |
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全長×全幅×全高(mm) |
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運転整備質量(kg) |
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低騒音指定状況 |
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ボディ形状 |
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※表は横にスクロールできます。
※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。
エンジンコンプレッサはトレーラータイプとボックスタイプがあります。軽油を利用して稼働させるので、オイルを使用できる環境であれば作業を進めることが可能です。
大型で重量があるため、ボックスタイプは移動が発生しない現場に向いています。タイヤ付きのトレーラータイプであればスムーズに移動ができるうえ、いずれのタイプも騒音が少ない点がメリットです。
3.給油式コンプレッサ(スクリュー)
※画像は代表商品のものです。
項目 | 詳細 | ||
型式(商品コード) |
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吐出し空気量(m3/min) |
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出力(kW) |
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制御圧力(MPa) |
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電源電圧(V) |
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全幅×奥行×全高(mm) |
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機体質量(kg) |
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騒音値 |
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※表は横にスクロールできます。
※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。
給油式コンプレッサ(スクリュー)は、内蔵のドライヤで圧縮空気の水分を除去し、クリーンなエアーを供給します。別置きのドライヤが不要なため、省スペースで利用したい場合におすすめです。
インバータ式で圧力を一定に保てる機種を選べば、使用する空気の量に合わせた運転が可能なため、省エネや電力量の削減につながります。
4.オイルフリーコンプレッサ(レシプロ/ボックス型)
※画像は代表商品のものです。
項目 | 詳細 | ||||
型式(商品コード) |
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吐出し空気量(L/min) |
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出力(kW) |
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制御圧力(MPa) |
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電源電圧 (V) |
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空気タンク容量(L) |
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全幅×奥行×全高(mm) |
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機体質量(kg) |
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騒音値(dB(A)) |
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※表は横にスクロールできます。
※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。
オイルフリーコンプレッサ(レシプロ/ボックス型)は油分を使わず空気を圧縮できるタイプのため、きれいなエアーを供給します。製品や配管・装置への影響がなく、食品や医療、半導体などを扱う現場でも作業が可能です。
ボックス型では騒音を抑えられます。また、インバータ制御を持つ機種を使えば、使用する空気量が変動した場合でも圧力を一定に保て、省エネや電気代を考慮した運転ができます。
オイルフリーコンプレッサ(レシプロ/ボックス型)の詳細を見る
作業内容に合ったコンプレッサーを使おう
エアコンプレッサーは、吸い込んだ空気を圧縮して作った圧力をエアツールと呼ばれる機械に送る製品です。用途に合うエアツールと組み合わせれば、食品や医療、製造工場など、幅広い現場で使えます。
なお、産業・建設機械のレンタル会社「レント」なら、エンジン型やオイルフリー型などの豊富な種類から、用途に合わせたエアコンプレッサーのレンタルが可能です。有資格者がメンテナンスしているため、「使おうと思ったときに稼働しない」という心配もありません。
「作業内容に合うコンプレッサーを、メンテナンスの行き届いた状態でレンタルしたい」とお考えの方は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。