高所作業車の特別教育や技能講習とは?概要や資格取得までの流れを徹底解説

高所作業車を操作するためには、労働安全衛生法にもとづく「特別教育」または「技能講習」の受講が必要です。作業床の高さによって受講すべき資格が異なるため、要件に合った講習を修了しなければなりません。

この記事では、創業約40年の産機レンタル会社が高所作業車の特別教育と技能講習の違いや受講の要件、教習内容を詳しく解説します。高所作業車の資格取得をお考えの方は、ご一読ください。

なお、レントでは高所作業車など産機のレンタルだけでなく、特別教育技能講習も実施していますので、以下のボタンよりお気軽にご相談ください。

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高所作業車を操作するには特別教育や技能講習の受講が必要

高所作業車とは、高所作業を安全に進めるための機械のことです。なお、高所作業とは2m以上の高さで実施する作業を指します。

厚生労働省では、高所作業車を「作業者を高所において移動させるという特殊な機能を持つ機械」と定義し、満たすべき要件として以下の3つが定められています。

高所作業車が満たすべき3つの要件

高所作業車による事故が後を絶たない状況を踏まえ、労働安全衛生法の第五十九条第三項と第六十一条で特別教育や技能講習の受講が義務付けられました。

なお、高所作業車の種類や必要な資格について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>高所作業車の種類一覧|必要な資格など知っておくべき知識を完全ガイド

高所作業車の特別教育と技能講習の違い

高所作業車の操作に必要な資格は、作業床の高さによって以下の2種類に分かれています。

講習 対象
高所作業車運転特別教育 作業床の高さが2m以上10m未満の高所作業車を操縦する場合
高所作業車運転技能講習 作業床の高さが10m以上の高所作業車を操縦する場合

基本的には誰でも受講できますが、実際は自動車運転免許などの資格を持つ人を対象としている教習所があります。

また、受講中の私語や居眠りなどが続く場合、運転が許可されないケースがあるので注意が必要です。「事故を防止するために必要な知識を学ぶ」といった意識を持ち、受講にふさわしくない行動は避けましょう。

【補足】公道を走行するには運転免許が必要

公道で高所作業車を走行するには、準中型免許(5t限定)以上の運転免許が必要です。特別教育や技能講習を受けたとしても、各車両に必要な運転免許を持っていなければ公道を走れません。

以下のとおり、必要な免許は車両総重量と最大積載量によって異なります。

免許証の種類 車両総重量 最大積載量
準中型免許(5t限定)
※H19.6.2~H29.3.11までに普通免許を取得した者
5t未満 3t未満
準中型免許
※H29.3.12以降に準中型免許を取得した者
3.5~7.5t 2~4.5t
中型免許(8t限定)
※H19.6.1以前に普通免許を取得した者
8t未満 5t未満
中型免許
※H19.6.2以降に中型免許を取得した者
7.5~11t未満 4.5~6.5t未満
大型免許 11t以上 6.5t以上

参考:警視庁警察庁

免許を取得するには教習所へ通い、免許センターで試験に合格する必要があります。免許取得までには時間が必要なため、高所作業車を運転できる作業員がいるかあらかじめ確認しておきましょう。

では次項から、「特別教育」「技能講習」それぞれの詳細について解説します。

高所作業車の「特別教育」とは

高所作業車の特別教育は、作業床の高さが2m以上10m未満の高所作業車を操作するために必要な講習です。ただし、特別教育を受講しても作業主任者にはなれないため注意が必要です。

特別教育で操作できる機械

特別教育で操作できる高所作業車の例

特別教育を受講すると、上記のような作業床の高さが10m未満の高所作業車を操作できます。このような機械を操作する場合は、特別教育を受講して業務に備えましょう。

特別教育の学科・時間

厚生労働省では特別教育の実施時間や内容について、以下のように定めています。

項目 詳細
時間
  • 学科:6時間
  • 実技:3時間
学科の内容
  • 高所作業車の装置の構造や取扱いの方法(3時間)
  • 原動機に関する知識(1時間)
  • 高所作業車の運転に必要な一般的事項に関する知識(1時間)
  • 関係法令(1時間)
実技の内容
  • 高所作業車の装置の操作(3時間)

なお、すでに保有している資格によって受講が免除される科目があるため、教習所では複数の受講コースを設けている場合もあります。

高所作業車の「技能講習」とは

高所作業車技能講習は、作業床の高さが10m以上の高所作業車を操作するために必要な講習です。技能講習を修了すると、特別教育よりも高い場所での作業ができます。

また、技能講習修了者は作業主任者として、作業の指揮や監督をおこなうことも可能です。

技能講習で操作できる機械

技能講習で操作できる高所作業車の例

技能講習を受講すれば、上記のような作業床の高さが10m以上の高所作業車を操作できます。特別教育よりも高さのある場所で作業をおこなうため、特別教育を受講したことがある人もあらためて講習を受けましょう。

技能講習の学科・時間

厚生労働省が定める技能講習の実施時間や講習内容は以下のとおりです。

項目 詳細
時間
  • 学科:11時間
  • 実技:6時間
学科の内容
  • 高所作業車の装置の構造や取扱いの方法(5時間)
  • 原動機および電気に関する知識(3時間)
  • 運転に必要な一般的事項に関する知識(2時間)
  • 関係法令(1時間)
  • 学科試験
実技の内容
  • 高所作業車の装置の操作(6時間)

なお、以下に該当する資格を持つ人は一部の科目が免除されます。

受講免除の対象者 免除対象となる科目
  • 移動式クレーン運転士免許を保有する者
  • 小型移動式クレーン運転技能講習の修了者
  • 原動機に関する知識
  • 運転に必要な一般的事項に関する知識
  • 建設業法施行令(昭和三十一年政令第二百七十三号)第三十四条に規定する建設機械施工管理技術検定に合格した者
  • 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第八十四条第三項(もしくは第四項)の以下免許の保有者
    • 大型自動車免許中型自動車免許
    • 準中型自動車免許
    • 普通自動車免許
    • 大型特殊自動車免許
    • 大型自動車第二種免許
    • 中型自動車第二種免許
    • 普通自動車第二種免許
    • 大型特殊自動車第二種免許
  • フォークリフト運転技能講習、
    ショベルローダー等運転技能講習、
    車両系建設機械(整地・運搬・積込み用および掘削用)運転技能講習、
    車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習、
    車両系建設機械(解体用)運転技能講習または不整地運搬車運転技能講習を修了した者
  • 原動機に関する知識

特別教育と同じように、複数の受講コースを設けている教習所があるため、受講を予定している人がどの資格を保有しているかあらかじめ確認しておきましょう。

高所作業車の資格を取得するなら「レント」がおすすめ

高所作業車の特別教育や技能講習を受講するなら、レンタル会社を利用するのがおすすめです。レンタルの手続きとまとめて、特別教育や技能講習の受講について相談できます。

静岡・愛知労働局の登録教習機関である産業・建設機械のレンタル会社「レント」でも、高所作業車やフォークリフトなど、さまざまな特別教育や技能講習を実施しています。

レントで高所作業車の資格を取得するメリット

レントでは高所作業車のレンタルはもちろん、工事用の規制機材など必要な資材も併せてご用意いたします。

現場の作業をよりスムーズかつ安全に進めるためびトータルサポートが可能ですので、「労働局の登録教習機関で受講したい」「高所作業車のレンタルと同時に受講の手配も進めたい」とお考えでしたら、以下のボタンからお気軽にご相談ください。

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レントの高所作業車「特別教育」の概要

特別教育で操作できる高所作業車の例

ここでレントで実施する高所作業所特別教育について、以下のとおり説明します。なお、特別教育で操作できる機械には上記があります(すべてレントでレンタル可能です)。

  • 特別教育の教習時間と費用
  • 特別教育の受講資格
  • 特別教育を受講する流れ

順に見ていきましょう。

教習時間と費用

レントの高所作業車特別教育は1日で修了可能で、学科講習5時間・実技講習3時間を実施します。受講にかかる費用は以下のとおりです。

【特別教育の受講費用】

  • 合計:17,000円
  • 内訳
    • 受講料 15,630円
    • テキスト代 1,370円

なお、費用は変更する場合があるので、最新の情報は特別教育の料金表をご覧ください。

受講資格

レントの高所作業車特別教育は、以下に該当する人が受講できます。

【特別教育の受講資格】

  • 普通・準中型・中型・大型・大型特殊いずれかの自動車運転免許を持つ人
  • フォークリフト運転技能講習(最大荷重1t以上)修了者
  • ショベルローダー等運転技能講習(最大荷重1t以上)修了者
  • 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用および掘削用)運転技能講習(機体質量3t以上)修了者
  • 車両系建設機械(解体用)運転技能講習(機体質量3t以上)修了者
  • 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習(機体質量3t以上)修了者
  • 不整地運搬車運転技能講習(最大積載量1t以上)修了者
  • 建設機械施工技術検定合格者

受講予定の人が上記の資格を持っているか、あらかじめ確認しましょう。

受講する流れ

レントの高所作業車特別教育を受ける場合、以下の流れで予約をします。

受講する流れ

当日はスムーズに受講できるよう、以下を用意しましょう。

【受講当日の持ち物】

  • 筆記用具
  • 特別教育受講申込書
    (予約完了メールに添付されたものを印刷し、証明写真を貼り付けたもの)
  • 本人確認書類(免許証など)の原本
  • 受講資格を証明する書類の原本

安全に作業するため以下の服装や装備も必要です。

【必要な服装・装備】

  • 作業服(裾締りの良いもの)
  • ヘルメット
  • 安全靴
  • フルハーネス型墜落制止用器具
  • 合羽(雨天時用)

受講のお申し込み・詳細については、お気軽にレントまでお問い合わせください。スタッフが丁寧にご案内します。

高所作業車特別教育の詳細を見る

レントの高所作業車「技能講習」の概要

技能講習で操作できる高所作業車の例

レントの高所作業車技能講習の概要について、以下を紹介します。こちらの資格で操作できる機械の例は、上記のとおりです(すべてレントでレンタル可能です)。

  • 技能講習の教習時間と費用
  • 技能講習の受講資格
  • 技能講習を受講する流れ

受講を検討している場合はご覧ください。

教習時間と費用

レントの技能講習は、14時間コースと12時間コースの2種類があります。受講費用はそれぞれ以下のとおりです。

【コースB-14H(14時間)の受講費用】

  • 合計:44,000円
  • 内訳
    • 受講料:42,530円
    • テキスト代:1,470円

【コースC-12H(12時間)の受講費用】

  • 合計:40,000円
  • 内訳
    • 受講料:38,530円
    • テキスト代:1,470円

費用は変更する場合があるため、詳しくは技能講習の料金表をご確認ください。

受講資格

技能講習の受講資格はコースによって異なり、以下条件のいずれかを満たしている必要があります。

【14時間コースの受講資格】

  • 普通・準中型・中型・大型・大型特殊いずれかの自動車運転免許を持つ人
  • フォークリフト運転技能講習(最大荷重1t以上)修了者
  • ショベルローダー等運転技能講習(最大荷重1t以上)修了者
  • 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用および掘削用)運転技能講習(機体質量3t以上)修了者
  • 車両系建設機械(解体用)運転技能講習(機体質量3t以上)修了者
  • 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習(機体質量3t以上)修了者
  • 不整地運搬車運転技能講習(最大積載量1t以上)修了者
  • 1級または2級の1種から6種のいずれかの建設機械施工技術検定合格者

【12時間コースの受講資格】

  • 移動式クレーン運転士免許を持つ人
  • 小型移動式クレーン運転技能講習(つり上荷重1t以上5t未満)修了者

所有する資格によっては、受講時間を短縮できるので事前にチェックしておきましょう。

受講する流れ

受講する流れ

技能講習の受講手続きは特別教育と異なる点があります。以上の流れに沿って準備を進めましょう。

なお、受講当日は以下が必要です。

【受講当日の持ち物】

  • 印鑑
  • 筆記用具
  • 本人確認書類(免許証など)の原本
  • 受講資格を証明する書類の原本

技能講習を受けやすい服装や装備も用意する必要があります。

【必要な服装・装備】

  • 作業服(裾締りの良いもの)
  • ヘルメット
  • 安全靴
  • フルハーネス型墜落制止用器具
  • 合羽(雨天時用)

詳細や不明な点は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

高所作業車技能講習の詳細を見る

高所作業車特別教育や技能講習を受講して安全に作業を進めよう

高所作業車を操作するには、労働安全衛生法で定められた「特別教育」または「技能講習」の受講が必要です。作業床の高さによって必要な資格は異なります。この記事で紹介した内容を参考に、必要な講習を受講しましょう。

なお、産業・建設機器のレンタル会社「レント」では40年以上にわたり蓄積してきた経験とノウハウを活かし、受講者に合わせて丁寧な講習をおこなっています。

特別教育・技能講習はもちろん、高所作業車のレンタルまで一貫してサポート可能です。「作業に必要な資格を取得したい」「資格取得後に高所作業車をレンタルしたい」とお考えの場合は、以下のボタンからお気軽にご相談ください。

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