コンプレッサの耐用年数は何年?寿命の目安と傾向を解説

「今使っているコンプレッサ、あとどれくらい使えるだろう?」
「耐用年数って聞くけど、会計上の話と実際の寿命って違うの?」

このような疑問をお持ちではありませんか?耐用年数には、使用状況による「実質的な寿命」と会計処理で用いる「法定耐用年数」の2つの意味があります。

本記事では、コンプレッサの耐用年数の考え方や寿命が近づいたときに現れるサインを解説します。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、レシプロ式からスクリュー式まで豊富なコンプレッサを取り扱っています。専任の担当者が現場や作業内容に合わせて最適なコンプレッサをご提案しますので、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。

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なお、コンプレッサの仕組みや選び方についてはこちらで詳しく解説しているので、あわせてお読みください。

コンプレッサの実質的な耐用年数の目安は10〜15年

コンプレッサの一般的な耐用年数は、10〜15年が目安とされています。

ただし実際の寿命は、使用状況や設置環境、メンテナンス頻度によって左右されます。24時間365日フル稼働する場合と、1日数時間だけ稼働する場合では、部品の摩耗の度合いや本体への負荷が異なるからです。

適切な環境で管理すれば20年以上使えることもありますが、過酷な環境やメンテナンス不足では5年未満で故障するケースも珍しくありません。長く使うには、寿命に影響を与える原因を理解し、運用することが重要です。

【参考】コンプレッサの法定耐用年数

実質的な寿命とは別に、税法上の資産管理で用いられるのが「法定耐用年数」です。減価償却をおこなうための会計上の目安であり、国税庁が資産の種類ごとに年数を定めています。

コンプレッサは減価償却の対象となる資産であり、「機械装置」に分類されます。ただし、同じコンプレッサでも、業種や用途によって法定耐用年数が異なるため、事前の確認が必要です。

国税庁による業種・用途別の法定耐用年数の目安の例は以下のとおりです。

業種・用途 法定耐用年数の目安
鉄鋼業用設備 5〜14年
金属製品製造業用 6〜10年
電気機械器具製造業用設備 7年
倉庫業用設備 12年
自動車整備業用設備 15年

法定耐用年数はあくまで会計上の基準であり、実際の寿命と必ずしも一致するわけではありません。更新や修理のタイミングは、実際の稼働状況や劣化サインを見極めて判断する必要があります。

参考:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁減価償却資産の耐用年数等に関する省令|国税庁

コンプレッサの寿命に影響する3つの要因

前述のとおり、コンプレッサの寿命は単なる年数で決まるものではありません。使用状況や設置環境などによって差が出ます。ここでは、寿命に影響を与える要因について具体的に解説します。

では、順番に見ていきましょう。

1.稼働時間・使用頻度

コンプレッサは、稼働時間が長いほど部品の摩耗は早くなり、劣化が進みやすくなります。なかでもピストンやベアリングなどのこすれ合って動く部品は、使えば使うほど摩耗が進行し、定期的な部品交換が求められます。

また、見落とされがちなのが使用頻度です。コンプレッサは起動時に最も大きな負荷がかかるため、短時間の使用であってもON/OFFを頻繁に繰り返すと、モーターや制御系部品の寿命を早める原因となります。

2.設置環境

精密機械であるコンプレッサは、設置環境からも影響を受けます。

特に寿命を縮めやすいのは、高温多湿や粉塵の多い場所での使用です。高温多湿な環境では、タンク内で結露が発生し、内部がサビたり腐食したりする原因となります。また、粉塵の多い環境では、吸気フィルターが目詰まりしやすくなり冷却不良や摩耗につながることがあります。

快適な稼働環境を維持するには、以下のような設置環境の工夫が必要です。

【設置環境で気をつけたいポイント】

  • 壁から50cm以上のスペースを確保して風通しを良くする
  • 排気方向に障害物を置かないようにする
  • 屋外に設置する場合は、専用の建屋やカバーで保護する

どうしても風通しの良い場所を確保できない場合は、換気扇や排熱ダクトを設置して、強制的に空気の流れを作る方法があります。屋外に設置するときは、雨や直射日光によるサビ・腐食のリスクをなくす工夫が必要です。

3.メンテナンス状況

コンプレッサの寿命を最大限に延ばすには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

【メンテナンス例】

  • ドレン抜き(毎回)
  • フィルター清掃(数カ月に一度)
  • エアクリーナーの清掃(半年に一度)
  • オイル交換(1年に一度)

使用後はタンク内に溜まった水分を排出する「ドレン抜き」をすると、タンク内部のサビを防げます。

また、フィルター清掃やオイル交換を怠ると、潤滑不良により部品が摩擦したり、圧縮効率が低下したりして、故障の原因となります。半年に一度はエアクリーナーを清掃する、消耗品を適切に交換するなど、メーカーが推奨する点検周期を守ることが重要です。

【構造別】コンプレッサの寿命の傾向

コンプレッサは内部構造によって耐久性やメンテナンスの頻度が異なり、寿命にも差が出ます。ここでは、コンプレッサの構造ごとに寿命の傾向を紹介します。

では、順番に見ていきましょう。

1.「圧縮方式」の場合

コンプレッサには主に3つの圧縮方式があり、それぞれに特徴と寿命の傾向があります。圧縮方式が違うと部品の摩耗やメンテナンス頻度が変わり、それが寿命にも影響します。

圧縮方式 圧縮方式の特徴 寿命傾向
スクリュー式 2本のスクリューローターのねじ溝にできる容積を変化させる
  • 摩耗部品が少なく、寿命が長め
  • 可動部品も少なく、耐久性がある
スクロール式 渦巻状のロータ2枚を組み合わせ空間の容積を変化させる
  • 寿命が短め
  • 精密部品が多く、故障しやすい
レシプロ式 ピストンを往復運動させて容積を変化させる
  • メンテナンスしやすく、寿命が長め
  • 部品数が少なく、故障しにくい

スクリュー式は、摩耗部品が少ないことから構造的に長寿命です。スクロール式は、静音性やクリーンな圧縮空気を得られるのが魅力ですが、設置環境や使用負荷が厳しい場合に部品の摩耗・劣化が進みやすく、寿命が短くなる傾向にあります。レシプロ式は、構造が単純なためメンテナンスしやすく、適切な手入れをすれば比較的長く使えます。

モーターコンプレッサの選び方については以下の記事にまとめてありますので、あわせてご覧ください。

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2.「潤滑方式」の場合

「給油式」と「オイルフリー式」の違いによっても寿命に違いが出てきます。

潤滑方式 特徴 寿命傾向
給油式
  • 圧縮部にオイルを循環させ、摩擦を減らして部品を保護する
  • ピストン式/スクリュー式に多い
  • 摩擦が少なく、オイルフリー式より長め
オイルフリー式
  • 圧縮部にオイルを使用せず、特殊なコーティングや材料で摩擦を軽減
  • 小型レシプロ式/スクロール式に多い
  • 給油式より短い傾向にある

給油式は、潤滑油が部品同士の摩擦を減らすため、部品への負担が軽く耐久性に優れています。定期的にオイル交換をおこなえば、10〜15年使用できるケースも少なくありません。

一方、オイルフリー式は、構造的に摩耗部品の交換サイクルが短く、給油式に比べて寿命は短くなる傾向があります。それぞれの用途や期待寿命を考慮して選ぶことが重要です。

3.「駆動方式」の場合

最後に動力源による寿命の違いは以下のとおりです。

駆動方式 特徴 寿命傾向
モーター式
  • 安定稼働・低騒音・省メンテ
  • 工場内・整備工場・倉庫など、電源が安定して取れる屋内環境で使用される
  • 安定した環境で使われるため比較的長い
エンジン式
  • 可搬性が高い・出力大・騒音高い
  • 建設現場、道路工事、屋外作業など、電源が確保できない場所で使用される
  • 過酷な環境で使われることが多いため比較的短い

モーター式は屋内で使われることが多く、安定した電源と気温変化の少ない使用環境が確保できるため、長持ちしやすい傾向があります。

一方で、エンジン式は建設現場や道路工事などの電源のない屋外で雨風・振動・気温の変化といった過酷な環境にさらされるため、部品の劣化が早く、寿命は短くなりがちです。

このように、構造的な違いを理解しておくと、買い替えやレンタルのタイミング判断にも役立ちます。

コンプレッサの寿命が近いことを示す5つのサイン

コンプレッサの寿命が近づくと、故障の前兆となるサインが現れます。代表的なサインは以下の5つです。

経年劣化が進むと、圧力スイッチやバルブなど複数の部品が故障しやすくなります。以前より運転音が大きくなったり、振動や異音が増えたりするのも故障の前兆としてよく見られる現象です。さらに、フィルターをこまめに掃除しても、目詰まりや内部過熱が頻発する場合は、本体内部が劣化している可能性があります。

給油式コンプレッサの場合、オイルが通常より早く減っていないか、または漏れていないかを確認しましょう。オイルが不足したまま使い続けると、部品が急速に摩擦し、故障する可能性が高まります。

上記の症状があり、定期メンテナンスをしても性能が回復しない場合は、本体そのものが寿命を迎えている可能性があります。修理を繰り返せば費用がかさんでしまうため、新しい機器への買い替えや、レンタル利用の検討がおすすめです。

コンプレッサを使うならレンタルがおすすめ

コンプレッサを新たに購入すると、高額な初期投資が必要なだけではなく、購入後も定期的なメンテナンスや修理などの維持費が発生します。こうした負担やリスクを軽減したい方には、レンタルの活用がおすすめです。

レンタルなら、必要な期間だけ必要な台数を確保でき、使わなくなったときには返却できるため、無駄なコストが生じません。繁忙期や突発的な工事にも柔軟に対応しやすく、初期費用を抑えつつ最新の機種を使えるのがメリットです。万が一故障しても、すぐに代替機が手配されるため、作業の中断時間を最小限に抑えられます。

産業・建設機械のレンタル会社「レント」は、レシプロ式やスクリュー式をはじめ、さまざまなコンプレッサのレンタルを提供しているサービスです。メンテナンスは専門知識を持つ有資格者が担当するため、安心してご利用いただけます。まずは以下より見積もりを依頼ください。

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レンタルにおすすめのコンプレッサ6選

ここからは、レンタルにおすすめのコンプレッサを紹介します。

では、ひとつずつ見ていきましょう。

1.オイルフリーインバーター式コンプレッサ(スクリュー/全天候型)

項目 詳細
型式 SMAD55VD-E SMAD75VD-E
周波数(Hz) 50/60 50/60
吐出し空気量(m3/min) 9.2 13
出力(kW) 55 75
制御圧力(MPa) 0.7 0.7
電源電圧 (V) 三相 200/200・220 三相 200/200・220
全幅×奥行×全高(mm) 2,500×1,250×1,800 2,700×1,505×1,905
機体質量(kg) 1,625 2,240
騒音値 (dB(A)) 62 66

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。

インバーターが搭載されているスクリュー式のモーターコンプレッサです。空気の使用量に合わせてモーターの回転数を最適化し、省エネ効果を高めます。

屋内外を問わず使える全天候型で、食品や医療、精密機器などクリーンな空気が求められる現場に最適です。停電からの自動復帰機能を備えており、安定した稼働を実現します。

オイルフリーインバーター式コンプレッサ(スクリュー/全天候型)の詳細を見る

2.オイルフリーコンプレッサ(スクロール)

項目 詳細
型式 SRL-7.5P5ARN-7K SRL-7.5DMN6
周波数(Hz) 50 60
吐出し空気量(L/min) 800 890
出力(kW) 7.5 7.7
制御圧力(MPa) 0.65~ 0.7 0.65~ 0.8
電源電圧 (V) 三相200 三相200・220
全幅×奥行×全高(mm) 1,180×750×1,300 980×660×1,450
機体質量(kg) 330 353
騒音値 (dB(A)) 53 53

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。

2枚のうず巻き状の羽で空気を圧縮するスクロール式は、レシプロ式に比べて騒音や振動が少なく、静音性に優れています。オイルフリータイプはオイルミストが拡散することなく、クリーンな空気を供給できるのが特徴です。

研究施設や病院、食品工場など、衛生面や静粛性が重視される環境での使用に向いています。

オイルフリーコンプレッサ(スクロール)の詳細を見る

3.給油式コンプレッサ(スクリュー/全天候型)

項目 詳細
型式 SMS-55VD-6
周波数(Hz) 60
吐出し空気量(m3/min) 8.8
出力(kW) 55
制御圧力(MPa) 0.7
電源電圧 (V) 三相200・220
全幅×奥行×全高(mm) 2,500×1,220×1,640
機体質量(kg) 1,760
騒音値 (dB(A)) 66

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。

潤滑性に優れた給油式のスクリューコンプレッサです。屋内外問わず設置できる全天候型仕様で、工場の軒下や通路脇などの空きスペースを有効活用できます。

屋外に設置する場合、排熱を直接外へ放出できるため、換気設備は必要ありません。さらにドライヤ内蔵モデルなら、追加の設備を用意しなくても水分を除去したクリーンな空気を供給できます。

給油式コンプレッサ(スクリュー/全天候型)の詳細を見る

4.給油式コンプレッサ(レシプロ/タンク型)

項目 詳細
型式 TLP37B-14
周波数(Hz) 60
吐出し空気量(L/min) 390
出力(kW) 3.7
制御圧力(MPa) 1.15~1.4
電源電圧 (V) 三相200・220
空気タンク容量 (L) 220
全幅×奥行×全高(mm) 1,500×550×1,080
機体質量(kg) 165
騒音値 (dB(A)) 71

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。

汎用性が高く、さまざまな現場で活躍する定番のレシプロ式タンク型モデルです。給油式ならではの高い潤滑性で、安定した圧縮空気を供給します。

タンクに空気をためる仕組みにより、短時間で高圧の空気を充填でき、連続作業にも対応可能です。比較的コンパクトで現場間の移動がしやすく、限られたスペースでも柔軟に使用できます。

必要に応じてエアドライヤを別途レンタルすると便利です。

給油式コンプレッサ(レシプロ/タンク型)の詳細を見る

5.エンジンコンプレッサ

項目 詳細
型式 PDS55S-5C1 PDS655S-4B2
吐出し空気量 (m3/min) 1.55 17.9
定格出力 (kW/min-1) 10.5/3,200 118/2,500
制御圧力(MPa) 0.69 0.7
燃料タンク容量 (L) 18 270
空気出口接続管径(A[B]) 20A [3/4B]×1ヶ 20A [3/4B]×4ヶ
50A[2B]×1ヶ
全長×全幅 ×全高(mm) 1,300×720×820 3,650×1,685×2,070
乾燥質量 (kg) 320 2850
運転整備質量 (kg) 350 3190
低騒音指定状況 超低
ボディ形状 ボックス トレーラー

※掲載は代表機種であり、納品される機械とは異なる場合がございます。

道路舗装や削岩作業といった電源の確保が難しい屋外工事や、建設現場で役立つエンジン駆動タイプです。電源は使わず軽油を燃料とし、高出力・大風量を安定して供給できます。

現場内での移動が多い場合はトレーラータイプ、長時間の連続稼働にはボックスタイプが適しています。

エンジンコンプレッサの詳細を見る

6.レシプロコンプレッサ(コンパクトタイプ)

項目 詳細
型式 AC2211 EC1445H3(CTN)
周波数(Hz) 50 50/60
取り出し可能圧(Mpa[kgf/cm2]) 一般圧 最高 0.88[9] 0~約0.8 [0~約8.2]
高圧 0~約2.5 [0~約25.5]
空気タンク内最高圧力 (Mpa[kgf/cm2]) 2.16 (22) 4.4[44.9]
吐出し空気量 (L/min[MPa]) 一般圧 95[0.7] 95[0.7]
高圧 80[2.3]
空気取出口 一般圧 2 カプラ(メス)×2
高圧 高圧カプラ(メス)×2
空気タンク容量 (L) 11 12
外形寸法:幅×奥行×高 (mm) 547×326×344 328×615×337
質量(kg) 22 15.8

※表はスクロールできます。

軽量で持ち運びやすく、小規模な現場や内装工事などに最適なコンパクトモデルです。現場間の移動や狭いスペースでの作業に便利で、低騒音仕様のモデルもあり、周囲に配慮しながら作業を進められます。

運転モードを切り替えれば、パワフルな作業から静かな運転が求められる作業まで幅広く対応できるのが魅力です。レシプロ式は一般的に立ち上がりが速いため、小規模工事や補修作業など短時間利用にも向いています。

レシプロコンプレッサ(コンパクトタイプ)の詳細を見る

コンプレッサの耐用年数を正しく理解して、計画的に運用しよう

コンプレッサの実際の寿命は、稼働時間や設置環境、日々のメンテナンス状況によって左右されるため、一概に法的耐用年数だけで判断はできません。突発的な故障で生産ラインが停止するリスクを避けるためにも、寿命のサインを見逃さず、計画的に交換する必要があります。

初期投資や維持コストを大幅に削減できるレンタルなら、耐用年数を気にすることなく、いつでも最適な状態で利用できます。故障時の修理対応や代替機の手配もスムーズです。

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