建設業界は、深刻な人手不足や時間外労働の上限規制への対応などさまざまな課題を抱えています。そのようななか、限られた人材で効率的かつ安全に業務を進めるためには、従来の対策だけでなく新しいデジタル技術の活用が必要です。
本記事では、建設現場で使用する建機の位置情報を自動で管理するアプリケーション「位置プラス®」を紹介します。業務効率化やコスト削減に課題をお持ちの場合は、ご一読ください。
なお位置プラス®は、高車やレンタル商品をデジタル技術を使って管理し業務効率化を促進するツールで、大手ゼネコン5社を含む40社、約1,000現場以上で活用されています。「高車の管理をスムーズに進めたい」「レンタル品を探す手間を減らしたい」とお考えの方は、以下のボタンからまずは詳細をご覧ください。
建設現場が抱える3つの課題
まずは、多くの建設現場が抱えている課題について見ていきましょう。
では、それぞれについて解説します。
1.人手が不足している
建設業界は、少子高齢化の影響を受け、慢性的な人手不足に陥っています。国土交通省が公表した資料によると、建設業界の就業者における55歳以上の割合は3割以上を占める一方、29歳以下の若手は約1割に留まっています。
このままでは、5年後、10年後にはベテラン層が持つ技術やノウハウの継承が難しくなり、業界全体の生産性が低下する恐れがあります。将来にわたって安定的に事業を継続するためには、若手人材を確保・育成し、技術の継承を進める仕組みづくりが必要です。
2.労働時間が長い
人手不足は、現場で働く一人ひとりの負担増加に直結します。
業務量が減らないなかで働き手が減少すれば、当然ながら労働時間は長くなると考えられます。国土交通省によると、建設業の年間の実労働時間は全産業の平均と比較して346時間も長く、年間の出勤日数も30日多いです。
2019年4月1日より施行された働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制や有給休暇の取得を義務化されましたが、多くの現場で対応が追いついていないのが実情です。
3.DX化が遅れている
建設業界では、他業界に比べてDX(デジタルトランスフォーメーション)化が遅れている点も課題の1つです。現在でも、業務上のコミュニケーションや情報共有を紙の書類や電話、FAXでおこなっている企業は少なくありません。
新しいシステムを導入しようとしても、現場の作業員がITツールに慣れておらず定着しなかったり、デジタル技術に強い人材が社内にいなかったりするケースもあります。そのため、誰でも直感的に使える簡単なツールを選んで、段階を踏みながら定着を目指すことが求められます。
業務を効率化するならシステムの導入がおすすめ
人手不足や長時間労働といった課題を解決し、業務の効率化や工数の削減を図るなら、システムの導入がおすすめです。システム活用によってどの作業にどれくらいの時間がかかっているかを可視化できれば、むだな工程を見つけて業務の進め方を見直すきっかけをつくれます。
現場で、「工事に使う機械が現場内のどこにあるかわからず、その都度、作業員が何名かで探し回っている」といった経験はありませんか?このような場合、機械の現在地をリアルタイムで把握できるシステムを導入すれば、探す時間を大幅に削減できます。
こうした雑務にかかる時間を抑えることで、作業員は本来の業務に集中し現場全体の生産性が向上するだけでなく、残業時間の削減を目指せます。
高車やレンタル品を効率よく管理するなら「位置プラス®」
位置プラス®は、建設現場の管理業務のうち位置情報を把握しておくとよりスムーズに進む業務を対象とした管理システムです。簡単にいうと、「位置を把握する仕組み」と「管理をおこなうアプリ」の2つで構成されています。
このシステムを使えば、高所作業車や台車、足場資材、仮設照明といった機材の予約・管理をスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で完結できます。さらに、機材の位置を自動で探したり、デジタルキーで安全に操作したりすることも可能です。
建設現場における人手不足の解消や残業時間の短縮を目的として開発され、すでに大手建設会社5社を含む40社、約1,000の現場で導入されています。「高車の管理に手間がかかっている」「レンタル品を探す時間を減らしたい」といったお悩みをお持ちの場合は、以下のボタンよりまずは詳細をご覧ください。
位置プラス®の4つの機能
ここでは、位置プラス®の4つの機能について解説します。
順に見ていきましょう。
1.高車管理
「高車管理」は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で高車(高所作業車)の予約や位置確認を簡単におこなえる機能です。これまでホワイトボードで管理していた高車の予約調整が不要になり、現場スタッフの作業時間を減らせます。
予約の履歴は、「A社が○月○日~○日まで3号機を使用」のように記録がすべてデータとして蓄積されるため、これまで各担当者に確認していた使用料の確認がスムーズに進みます。その結果、「紙の記録を紛失する」「利用記録をメモしたメールが見つからない」などのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
さらに、高車ごとの稼働率がグラフなどで可視化されることで、「この高車は予約率が低いから、早めに返却してレンタル料金を削減しよう」といった判断も迅速におこなえます。
2.レンタル品管理
位置プラス®には台車や仮設照明などのレンタル品に貼り付けられた二次元コードをモバイル端末で読み込むだけで、貸出や在庫管理ができる機能もあります。二次元コードをスキャンするだけで、「どの協力会社が・いつ・何を借りたか」といった情報が自動で記録されるので、これまで台車1台を借りるために口頭で担当者に都度報告し、手作業で記録していた手間を省くことが可能です。
なお、返却期限を過ぎたレンタル品は以下のように画面上でハイライト表示され、使われていないレンタル品をすぐに発見できます。
出典:株式会社朝日興産
現場内の在庫状況が正確に把握できることによって、「同じものを重複して発注する」といったむだの発生を防げます。
3.位置認識プラットフォーム
「位置認識プラットフォーム」は、現場の人や機械の位置を把握するシステムです。以下のように、複数の技術が使われています。
【位置認識プラットフォームで使われている技術】
- ビーコン(近距離での無線通信ができる端末)
- GPS
- 二次元コード
- 気圧センサー
例えば、建物内ではビーコン、屋外ではGPS、特定の機材管理には二次元コードといったように、現場の環境や目的に合わせて使い分けることが可能です。実際に、搬入部材を載せた台車にビーコンを取り付けたことで、探索時間や紛失がゼロになり、再発注などのむだを減らしたケースもあります。
使用するビーコンは防塵(ぼうじん)・防水機能を備えているなど、建設現場の過酷な環境にも耐えうる専用ハードウェアを採用しているので、幅広い現場で安心して使えます。高価な専用端末を導入しなくても、普段使っているスマートフォンに専用アプリをダウンロードするだけで位置認識が可能になる点も魅力です。
4.高車キーレスシステム
位置プラス®には、高車管理アプリで予約した人だけにデジタルキーを発行し、モバイル端末で高所作業車のエンジン始動を制御できるシステムもあります。手元のモバイル端末にデジタルキーをダウンロードしておくだけなので、「高車の鍵を借りに事務所まで行く」「使用後に返しに行く」といった移動の手間がなくなります。
【高車キーレスシステムを使うメリット】
- 事務所での鍵の受け渡し作業をなくせる
- 鍵の紛失リスクを解消できる
- 点検忘れの防止に役立つ
- 利用状況を自動で記録できる
解錠記録はすべてデータベースに保存されるため、「予約は入っているのに実際には使われなかった」という高車を見つけやすく、レンタルした高車を返却しコストを抑えることも可能です。
さらに、「デジタル日常点検機能」と連動させれば、点検が完了しないとエンジンが始動できない仕組みをつくれます。エンジンや油圧装置などの点検項目をモバイル端末で事前に入力し、すべての点検が完了したことを登録してはじめて解錠できるため、点検漏れを防止し現場の安全向上につなげられます。
以上のように、位置プラス®はさまざまなデジタル技術を活用して、アナログ管理で課題となっていた手間を減らせるシステムです。人材不足や時間外労働の上限規制などで課題を抱える建設業界の業務効率化を手助けするので、「もっと管理を簡単にしたい」「限られたコストを有効活用して工事の品質アップに注力したい」という場合は、以下のボタンからお気軽にご連絡ください。
位置プラス®の4つの活用例
ここからは、位置プラス®を実際に導入した企業の活用例を紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
1.高車の稼働率を可視化し、レンタルコストと管理工数を削減
高車の予約をホワイトボードへの手書きで管理している場合、予約変更のたびに担当者が電話連絡に追われるなど、煩雑な調整が発生しがちです。もし変更が重なるとすべての従業員が最新の状況を把握できず、さらに混乱を招きます。
そこで「高車管理」機能を導入することによって、アプリで稼働状況がリアルタイムに可視化されるため、調整に時間を要することがありません。
さらに「予約されているのに実際は使われていない」といったむだを発見し、レンタル台数を見直すきっかけにもなります。協力会社の担当者も手元のスマートフォンで空き状況の確認から予約まで完結できるため、現場全体の業務効率が向上します。
2.大規模な現場でもレンタル品の過剰発注を防止
大規模な現場では、現場で使う膨大な数のレンタル品を正確に管理することは課題です。台車や仮設資材などすべてのレンタル品について、「誰が・いつ・何を借りたのか」をリアルタイムで正確に把握するのは難しく、返却されないまま紛失扱いとなり追加コストが発生するケースも少なくありません。
位置プラス®の「レンタル品管理」は、二次元コードを読み込むだけで貸し出し状況をデータ化します。実際に、正確な在庫管理によって過剰な発注を防ぎ、紛失(滅失)をゼロにすることで、コスト削減を達成できます。
現場の協力を得ながらできるだけ正確に管理するためには、管理対象となるレンタル品の種類を絞り込み、協力会社が少ないうちに運用ルールを確立しておくことがおすすめです。
3.道具を探す時間を短縮し、紛失による再発注を防止
広大な建設現場では、専用の道具がどこにあるか分からなくなり、探し回るケースが少なくありません。道具が見つからなければ、作業が中断したり紛失によって再発注したりする必要があるため、現場に大きな負担がかかります。
こうした課題を解決するため、紛失しやすい道具に「位置認識プラットフォーム」のビーコンを取り付けておくと、パソコンやスマートフォンの画面で位置情報をリアルタイムで確認できます。これにより、道具を探すために作業員の手を止める必要がなくなり、紛失による再発注コストもゼロに抑えることが可能です。
4.事務所での鍵の受け渡しを廃止し、現場全体の生産性を向上
高車の鍵の管理は、事務所の担当者と現場の作業員の双方にとって負担となりがちです。担当者は「予約状況の確認」「鍵の貸し出し」「返却対応」などに時間を取られ、作業員は作業のたびに現場と事務所を往復する手間が発生します。
位置プラス®の「高車管理アプリ」と「高車キーレスシステム」があれば、予約者のスマートフォンが鍵代わりになるため、担当者は日々の管理業務から解放され、作業員は鍵の受け渡しのための移動時間を削減できます。毎日、数十分かかっていた鍵の管理にかかる時間が不要になるだけでなく、鍵の紛失リスクもなくなり現場全体の生産性も高められます。
位置プラス®を活用して建設現場の業務を効率化しよう
位置プラス®は、建設現場における「機械がどこにあるかわからない」「在庫が把握できていない」「レンタル品を紛失した」といった問題を解決するアプリです。
現場の状況に合わせて必要な機能を選ぶことで、スムーズに業務改善を進められ、人手不足や残業時間の削減にもつながります。建設業界でデジタル化を進めるなら、位置プラス®のような現場のDX化ツールを利用し効率化を図ってみるのも1つの方法です。
産業・建設機械のレンタル会社「レント」では、位置プラス®のなかでもどの機能を活用すべきかといったご提案が可能です。現場で抱えている課題をヒアリングしたうえで提案いたしますので、「高車やレンタル品の管理コストを削減したい」とお考えの場合は、以下のボタンからお気軽に見積もりを依頼ください。